大河ドラマ『どうする家康』最終回感想。あの“鯉の話”が語られる…満開の笑顔で終幕!

びえ
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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第48回“神の君へ”のレビューをお届けします。

真田信繁が迫る! 最後の戦の行方は…!?

 前回は、今度こそ乱世を終わらせる覚悟で、家康が豊臣との決戦に踏み切ったところで終わりました。

 そして、今回が最終回。長く険しい道を歩みつづけてきた家康の物語も、ついに完結を迎えます。最後まで見届けていきましょう。

 大阪夏の陣として知られる豊臣との決戦では、家康の他にも忘れてはいけない人物がいます。それが真田信繁です。

 「乱世を取り戻せ」という真田昌幸の教えを受けた彼は、なんとしてでも家康を倒そうとします。世の中から戦をなくそうとしている家康とは、正反対のように見えますね。

 そんななか、家康も戦場に到着。あえて敵からよく見える位置に立ちました。当然ながら、豊臣軍は真っ先に家康のもとへ向かおうとします。

 徳川軍も応戦しますが、防衛戦を一点突破した信繁が、家康のすぐ近くまで迫りました。そんな危機的状況で、信繁をわざと挑発する家康は、なんだか死に急いでいるようにも思えます。

 まさか、このまま……!? と焦りましたが、どうやら家康は無事だった様子。ほっとしました。

 死屍累々となった戦場の向こうで、燃え上がる大坂城。普通ならば戦いに勝ったことを喜ぶところなのでしょうが、なんとなくそんな気分にはなれませんでした。

 追い込まれた豊臣家から千姫を逃がし、豊臣秀頼と茶々は覚悟を決めます。

 家康の孫でありながら豊臣家と一緒にいようとする千姫と、そんな彼女を恨むことなく気づかい、安全なところへ避難させようとする茶々。

 こんな追い込まれた状況でも人を思いやることのできる人たちなのに、なぜ戦で傷つけ合わなければいけないのか……どうしても、やるせない気持ちになってしまいます。

 家康のもとに送り返された千姫は、秀頼と茶々の助命を嘆願します。しかし、それは受け入れられないものでした。

 孫から恨まれ罵られながらも、乱世を終わらせるために意志を貫き通す家康。その姿には、思わず感服してしまいました。

 そして、自らは切腹しながらも、最後まで茶々を思いやっていた秀頼。なにかもっと他の道があったのではないかと、つい惜しいと感じてしまいます。

 その思いやりを他の人にも持つことができていたら、戦を起こすこともなかったのではないかと。そんなことはあり得るはずがないと分かっていても、そう考えずにはいられませんでした。

 乱世は終わって、優しい人々のつまらない世の中になるだろうという、茶々の言葉が印象に残りました。恨み言のように言いつつも、なんだか少し安心しているような。笑顔で迎えた最後は、忘れられないシーンになりました。

“神の君”となった家康。本当に幸せだったのか、それとも…?

 さて、かくしてようやく平和な世の中が訪れました。

 家康の人生の物語に脚色がされ、語り継がれるなかで“神の君”として崇められる。素晴らしいことのようにも思えますが、人ではなく神という扱いを受けているせいで、普通の人からは距離を取られ、なんだか孤独にも見えます。

 何もかもを手に入れたようで、本当に欲しかったものは手に入れられたのかどうか……本当は、神の君ではなく、普通の人として生きてほしかったような、そんな気持ちになりました。

 久しぶりに登場した瀬名と松平信康に、思わず持っていたものをポトリと落とした家康には笑ってしまいましたが、すぐに以前のように会話をはじめるのはさすがですね。

 どうやら、ずっと見守ってくれていたようです。これまでの苦労をねぎらうような温かい言葉に、つい涙を流す家康。子供たちが戦に参加しなくてもよい世の中を作り上げたのは、間違いなく家康の功績であり、誇ってよいことです。

 戦ばかりしてきたと自らの行いを悔いる家康を、そっと諭してくれる瀬名の優しさに、心が救われるようでした。

満を持してあの“鯉の話”が語られる! 笑顔で締めくくった最終回

 次に家康が目を覚ましたのは、なんと信康の祝言の日でした。いつの間にか、家康の姿も若い頃に戻っています。そして、話に出てきたのは、信長にもらった鯉のことです。

 どうやら、以前にも何度か話に出ていた鯉のエピソードが、ここで語られるようですね! 3匹いるはずの鯉がいなくなってしまい、慌てる家康。

 そんな状況で信長がやってくると聞き、さらに大慌てに。さっそく犯人探しがはじまりますが……。次々と現れる懐かしい面々に、嬉しくなってしまいました。

 結果として、まんまと家臣たちに騙されてしまった家康ですが、みんなの笑顔が久しぶりに見られて、幸せな気分になりました。

 そして、最後の最後に次々とお礼を告げていく彼らの姿は、涙なしには見られませんでした。“神の君”となり、孤独に見えた晩年の家康の姿でしたが、決して孤独ではなかった。

 いつまでも一緒だという家臣たちの言葉が、胸に響きました。自分は幸せ者だという家康の最後の言葉が、何よりの救いです。

 みんなの満開の笑顔で物語の幕が閉じる、本当に良い最終回でした。ありがとうございました。

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