感想:アニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』12話。これまでの積み重ねがあるからこそコノハの言葉に重みがある! 最終回に向けて一気にストーリーを盛り上げてきた!!

カワチ
公開日時
最終更新

 TVアニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』の第12話“ゆ、ゆゆゆゆゆ…!”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第11話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

意味深なタイトルが気になる!

 クライマックスに向けて盛り上がる『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』。12話は何度もタイムリープをしてきたコノハの“創作”に対する答えが描かれていてよかったですね。

 また、今回のサブタイトルが“ゆ、ゆゆゆゆゆ…!”だったので、そのあとに続く言葉を想像していた人も多いのではないでしょうか。個人的には「ゆ、ゆゆゆゆゆ…夢!?」と続いて、夢オチ展開もあるのではないかと思っていたのですが、果たして……?

 前回のストーリーはコノハが何者かに連れ去られ、彼女を助けるために守がPC98を立ち上げるという展開でしたが、今回はそのPC98を使って見事にコノハを見つけることに成功しました。これまでの物語で守のPC98愛は描かれ続けていましたが、ここに来てその力が存分に発揮されることにワクワクさせられましたね。

 コノハが建設中の“秋葉原ドーム”に連れ去られたことを知っ守ですが、地上は武器を携帯している警備員が多数いるため、建設途中で計画が中止された新常磐線からドームへと潜入することに。

一方、コノハはドームの地下で冬夜と再会。プラネットゲームズ・ジャパンのCEOであるグレンから、人々がケースのなかでCI(サイバネテック・インテリジェンス)としてゲーム制作の道具として使われていることを教えられます。

 ゲームの制作スピードはAIによって飛躍的に向上したものの、内容が似たり寄ったりになってきたため、グレンは直接人間の脳に接触することでまったく新しいゲームを作り出していることを教えられます。

 コノハも誘われますが、当然のように彼女はCIになることを拒否。「こんな世界でゲーム作っても嬉しくない!と否定するコノハの言葉は胸を打ちましたね。これまでのアルコールソフトとの交流のなかで、誰かとゲームを作ることの楽しみを知ったコノハの言葉であるからこそ重みがありました……。

 人々のサイバー化が描かれ、壮大なSFのような展開になってきた本作ですが、根底にあるのは“ものづくりの尊さ”のように感じます。“みんなが幸せになるゲームを作る”というコノハの言葉は、いろいろなしがらみで現代では実現することが難しくなっているので、とても心に響きました。これはいつの時代であっても大事にしなければならない普遍的なことだと思います。人類の在り方と創作論を交えて描く構成は見事だなと思いました。

 デバッカーは人間がやっていてゾンビのように働いているなど、コミカルに描かれているような描写も多く、そこまで肩肘を張らずに楽しめるのがこのアニメのいいところ。今回も笑わせてくれましたし、何回も見返したくなるような魅力がありました。

 その後、照明が消えるのと同時に、コノハを助けるために潜入した守が合流。彼のハッキングによって一時は脱出に成功しますが、ふたたびびグレンに追い詰められることに。「もう、やめてよー!」と叫ぶコノハの言葉を合図にしたように空にはUFOが! サブタイトルの“ゆ、ゆゆゆゆゆ…!”はUFOにつながるんですね。「夢かー!」じゃなくてよかった(苦笑)。

 そこから聞こえる歌声はエコー2のもの。これはエンディングクレジットにも記載されていたので、彼女で間違えないですね。。最後にエコー2が口ずさんでいるのがベートーヴェン第9交響曲の第4楽章で、モロに某アニメの某キャラクターを彷彿とさせて笑っちゃいましたが、まさにクライマックスらしい盛り上がりだなと思いました。

 SF的な展開を交えながらも創作の楽しさとはなんなのか改めて考えるような内容に筆者は引き込まれっぱなしです。次回の最終回がどんな展開になるのか本当に楽しみ。願わくばハッピーエンドでありますように!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


©若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら