感想:『スナックバス江』アニメ1話。スナック独特の雰囲気がしっかりと再現されていた&EDの明美ちゃんのカラオケも沁みる…【ネタバレあり】

カワチ
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 TVアニメ『スナックバス江』の第1話“Let’s Stay Together(ようこそバス江へ)/I Ain’t Gonna Stand For It(好みはそれぞれ)/God’s Gift To The World(男って……)”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『スナックバス江』第1話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

自分もスナックにいるかのように感じるアニメ

 電撃オンラインで実施しているアニメ感想記事。筆者は原作の『スナックバス江』が好きなので、ぜひこの作品を書かせてほしいと立候補したのですが、『スナックバス江』の魅力を言語化できるのか不安でしたし、そもそも5分アニメだったらどうしようと思っていました。

 なお、放送時間のギリギリで公式Xから30分アニメであることが告知されて「よかった~」と思いつつ、「ショートアニメじゃなくてフルのアニメでやるの!? 大丈夫!?」という新たな不安が生まれました。『スナックバス江』はおもしろいけど、30分も放送するなんてチャレンジするなぁ……と。

 しかし、これが大正解。30分アニメでたっぷり尺が取れるおかげでゆったりとした会話劇が繰り広げられ、場末のスナックの雰囲気がしっかりと表現されていて大満足。王道のハイテンションギャグとは異なる独特なギャグアニメとなっており、世界観に浸ることができました。『スナックバス江』の舞台は北海道で、都会の繁華街であるすすきのから5駅離れた北24条という場末のスナックなので、これぐらいゆっくりしているほうが雰囲気に合っている気がします。

 大きく動きがあるわけではなく、スナック内での自然な会話劇で進んでいくアニメになっていましたが、わざとそういう雰囲気を作っている演出意図を感じました。

 この『スナックバス江』はママのバス江とチーママの明美が珍妙な客たちと会話劇を繰り広げる作品となっており、アニメの第1話では見た目は怖いけど気さくなタツ兄、真面目な常識人の山田、エセ関西弁で話す童貞の森田が登場。原作では森田が登場するのはもう少し先ですが、アニメでは第1話から登場。『スナックバス江』といえば、森田というぐらいアクの強いキャラクターなので第1話から登場させたのは英断ですね。

 また、タツ兄や森田と会話をしているときと森田の相手をしているときの明美のノリが違うというのも、相手に合わせてペースを変えるスナックのママらしくてよかったです。

 アニメになって注目なのが声優陣。チーママの明美は高橋李依さんが演じており、客に対するするどい返しに関しても彼女の声質によって柔らかくなり、アニメを観やすくさせているなと感じました。そして驚いたのがバス江役の斉藤貴美子さん! 配役が発表されたときは「お若い方が演じるんだなぁ~」と思ったのですが、放送を観てびっくり。見事に老齢のバス江を演じられていましたね。ものすごく月並みな表現ですが、敢えて言いたい。「声優さんってすげぇ!」と。

 なお、おふたりは番組放送時にハッシュタグ付きでポストしていましたが、高橋李依さんさんが「この番組スポンサーついてないの?」と投稿したときはめちゃくちゃ笑ってしまいました。CM中に流れるのが『スナックバス江』だらけだったのは自分も気になっていましたし、視聴者の言葉を代弁してくれていたと思います。がんばれ、『スナックバス江』!

 第1話に登場した声優だとタツ兄の声は落合福嗣さん。自分のような中年にとっては落合博満さんの息子としてテレビに出演していたイメージが強く残るものの、声優としてのキャリアを堅実にこなしてきた方なので安心できましたね。タツ兄はおっさんのキャラクターで中年の悲哀もある人物で、落合福嗣さんよりも年上ですが、その渋さを表現してくれていましたね。

 個人的にはオリジナル展開になったことで原作で大好きな“三顧の礼!”がカットされてしまっていたのは残念でしたが、CMでこのネタを拾ってくれてうれしかったです(笑)。

 作品で唯一と言っても差し支えのないような常識人の山田は阿座上洋平さんで、視聴者の心をしっかり代弁するような戸惑いやツッコミの演技を披露してました。ほかのギャグアニメのようにハイテンポなツッコミではなく、地に足が付いた芝居でよかったです。

 そして森田! 演じている岩崎諒太さんは大阪出身の声優さんなのでエセ関西弁の森田をどう演じるのか興味津々でしたが見事に怪しい関西弁でよかったですね。森田自体は駄目な思考の持ち主でありながら、直接的なセクハラなどはしないちゃんとしたところも持ち合わせているキャラクターで、愛嬌も必要だと思いますが、岩崎諒太さんはそういった部分を汲み取って演じている感じもありました。

 あと、個人的によかったのがナレーションの玉袋筋太郎さん。スナックといえば玉袋さんというぐらいなので納得の配役ですが、長年ラジオをやっているだけありとても聴きやすい声で、かつ味のあるしゃべり方をするので一気に世界観に引き込んでくれましたね。

 作品全体としては、原作のパロディネタをアニメでやるのかどうか気になっていましたが、ファミ通のクロスレビューのネタがあったりとしっかり拾ってくれる模様。オープニングには猫のミュータントも登場していましたが、はたして本編にも出てくれるのでしょうか。いろいろ怖いですが、きっとやってくれると信じて!

 また、サプライズはエンディング。森田のリクエストで明美がカラオケを歌うことになりますが、このカラオケがそのままエンディングに。明美の演技で、しかもカラオケっぽく歌う高橋李依さんは芸達者だなと思いました。

 なお、カラオケの実写映像はこのためにわざわざ作ったものらしく、YouTubeで動画が公開されています。こういったところにこだわる作品は応援したくなりますね(笑)。

 アニメ版ならではの手法でスナックものとしての楽しさが追及されていた本作。次回からはお酒を用意して楽しもうかな~と思います!

カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

© フォビドゥン澁川/集英社・「スナックバス江」常連一同

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