SAO cafeβ版レポート。二見Pたちから飛び出したゲームのウラ話とは?

てけおん
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 12月22日に開催された、“SAO cafe”のβ版。その模様をお届けしていきます。

 “SAO cafe”は、『ソードアート・オンライン』のアニメ・ゲームにフォーカスを当てたカフェ。メニューやグッズ・イベントなど、アニメ・ゲームの垣根なく“SAOを楽しめる空間”をコンセプトに『SAO』の情報発信基地として運用されます。

 “SAO cafe”β版は、そのプレオープンイベントとして開催されたものです。イベントには、『SAO』ゲームプロデューサーである二見鷹介さん、南敬洙さん、河合泰一さん、竹内智彦さんの4名が参加。β版に訪れたユーザーの前でトークをしたり、商品化のアイデアを出し、その反応を伺ったりしていました。

 β版は、11時30分開始回と15時30分開始回の計2回行われました。この記事では、11時30分よりスタートしたイベントの模様をお届けしていきたいと思います。

 なお、15時30分開始回のプロデューサー座談会の模様は、後日ゲームファンクラブ“βeater's cafe”に会員向けのコンテンツとして掲載予定となっています。この記事を読んで気になった人は、そちらもご覧ください。

まじめな話からウラ話まで飛び出したトークコーナー

 まずは、ユーザーから募集した質問にプロデューサー陣が答えていく形でトークしていきました。最初の質問はこちら。

 ここでは最新作『ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス(SAOAL)』の話が語られましたが、この作品のみならず各タイトルでシナリオに苦労しているとのこと。

 電撃文庫『ソードアート・オンライン』の編集も手掛ける三木一馬さん(ストレートエッジ)から数多くのダメ出しをくらってきたと話していました。『SAOAL』での具体例として、《ソウル・トランスレーター(STL)》の台数制限や、《アンダーワールド》におけるモンスターの設定などに留意しつつシナリオを作っていったことを明かしていました。

 また制作期間については、『SAOAL』で3年ほど。シリーズ第1作の『インフィニティ・モーメント』は1年~1年半程度で、どんどんと制作期間が長くなっているとのこと。この流れで、11月にサービスが開始したアプリ『アリシゼーション・ブレイディング(アリブレ)』は、制作期間が2年半ほどであると河合さんが話してくれました。

 そんな河合さんへの質問はこちら。こちらについては登場予定であるとの返答でした。また観客にリズベットの衣装で好きなものは? といった質問を投げかけたりもしていました。ちなみに衣装については、時期やレアリティなどは明言されていないものの、『SAO』初期に登場した衣装を着たリズベットが『アリブレ』に登場することが語られました。

 奇しくもこの日はTVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』第11話の放送翌日で、リズベットが大勢のプレイヤーに助けを求めるシーンがよかったと、プロデューサー陣が口々に語っていました。

 南さんには、『フェイタル・バレット(SAOFB)』についての質問が飛び出しました。この問いに対して南Pは、アリス・ユージオの整合騎士衣装は実装されますが、ベルクーリたち整合騎士は『SAOAL』でぜひ楽しんでほしいと語っていました。

 またここでは、南さんが元々は家庭用ゲームではなくアプリの制作に携わっていたことも明かされていました。アプリと家庭用ゲームでは、制作における時間のかけ方、進め方が異なるので、二見Pと相談しながら勉強していったとのことです。

 竹内さんへの質問は、今後アプリ『インテグラル・ファクター(SAOIF)』でピックアップするキャラについてのもの。これまでアプリシリーズでは、エギルがさまざまな形でピックアップされてきていましたが、竹内さんは《アリシゼーション》編ではゴルゴロッソ先輩に着目している模様です。

  • ▲こちらは『コード・レジスタ』に登場したエギル。このエギル実装にあわせて、武器であるクロマグロを作るイベントもゲーム内で実施されましたが、評判は上々だったそうです。

 竹内さんの口からは「ゴルゴロッソがもし女性だったら……?」という不穏な発言も飛び出していましたが……。気になる人は『SAOIF』の動向に注目しておきましょう。

 続いて再び二見さんへの質問。二見さんは、VRでの展開については、ハードの成長を待ちたいと話していました。これまで東京ゲームショウなどでVRについて言及することもありましたが、正直な心境として、「現時点でのハード技術だとどうしてもユーザーの皆さんをがっかりさせてしまう可能性が高いんです」と話していました。

 とは言え、さまざまな可能性を探ってはいるようで、その中のひとつとして作られたのが、河合さんがプロデューサーを務めた『ラブリー・ハニー・デイズ』だと紹介していました。

 『ラブリー・ハニー・デイズ』ではSAOヒロインとの甘々なやり取りに限定することで、『SAO』をVRで楽しんでもらえるようにしたとのこと。

 次の質問からは、プロデューサー陣全員への質問。

 こちらについては、各プロデューサーが一言ずつ答えてくれました。

 竹内さんは、『コード・レジスタ』でオフラインイベントを実施できたことをチョイス。このイベントをきっかけに、ファンとの触れ合いを大事にしたいと強く思うようになったそうです。

 南さんも同じく、ファンと触れ合える機会が非常にうれしいとのことで、“ゲーム攻略会議”での『SAOFB』大会や、電撃PSLiveでユーザーと対戦したいといった案が採用されたことがうれしいと話してくれました。

 河合さんは、最近うれしかったこととして『アリブレ』にイーディスを登場させられたことを挙げていました。「イーディスくらい原作に踏み込んだオリジナルキャラを作ることができたのは初めて」と語り、川原先生がTwitterで原作にイーディスを逆輸入したいくらいとつぶやいてもらえたことを、本当に嬉しそうに話していました。

  • ▲かわいくて強いイーディス。これからアプリでどんな活躍を見せてくれるのか、本当に楽しみなところです。

 二見さんは、アニメ『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』に自分のアイデアが採用されたことがとてもうれしかったと話していました。映画には『インフィニティ・モーメント』のボスモンスターが登場しており、ここからも二見さんたちゲームチームと、アニメチームの関係性の深さがうかがえます。

 そのあと、二見さんは苦い思い出として『インフィニティ・モーメント』の限定版特典にアニメを付けたいと提案し、「メチャクチャ怒られました……! あれは本当に怖かったです」と、ウラ話を明かしてくれました。

 こちらの質問にまず答えたのは竹内さん。「ユーザーの皆さんと会えたこと」と答えた竹内さんは、本来は自分から表に出ていくタイプではなかったそうで、これまでのイベントでユーザーからのレスポンスがもらえたことが本当に嬉しかったと話していました。

 河合さんも、直にユーザーと触れ合えたことがうれしかったと話していました。「ゲームクリエイターは常に若い感性が必要な仕事なんです」と話す河合さんは、ユーザーと触れ合うたびに、立ち止まっていちゃダメだなという刺激をもらっているそうです。また、ユーザーと触れ合うために海外に行った時には、日本ではできないさまざまな経験をしたと話していました。

 海外での経験については、二見さんも様々な刺激や、日本とのギャップに驚きを受けたそうです。日本だとアスナやシノンの人気が高いけれど、海外ではクラインの人気が高いと話すと、店内から意外そうな声が上がっていました。

 南さんは、川原礫先生や『SAOオルタナティブ ガンゲイル・オンライン』を執筆されている時雨沢恵一先生など、原作者の方々に会えたことがもっとも嬉しかったとのこと。

 二見さんは、「チームで作業できるようになったこと」と話していました。『SAO』のゲーム第1作である『インフィニティ・モーメント』の時は、プロデューサーは1人だったので、「今にして思うと、1人でやるのは本当にさびしいよ」と、実感のこもった声で振り返っていました。

 最後の質問は、『SAO』の今後についてどう思うかというもの。ここでは時間の関係で短めの回答となってしまいました。

 竹内さんは「初めての小説が『SAO』というケースが増えるといいな」と、すそ野がより広がっていくことを期待した答えでした。南さんは、「原作・アニメ・ゲームと、一緒に発展していきたい」との答え。ゲームシリーズの未来に希望を感じさせるメッセージをくれました。

 二見さんに突っ込まれた河合さんの答えは「世界制覇!」というもの。『アリブレ』では、これまでのアプリとは違って南米などでも遊ばれているので、もっと遊んでもらえる国を増やしていきたいと野心をのぞかせていました。。

 そして最後に二見さんは、「若い人に『SAO』の作品を作ってほしい」と答えていました。これは決して、自分が制作しなくなるという意味ではなく、これまでのものとは違う切り口で『SAO』の世界観を表現した新しいコンテンツに触れてみたいという意味とのことです。

第2部の商品会議は大喜利状態!?

 第2部のトークでも、プロデューサー座談会として、各プロデューサーが思い入れのあるシーンや、好きなキャラクター、商品企画アイデア会議などが行われました。



 “思い入れのあるシーン”というトークテーマでは、二見さんのコメントが印象的でした。二見さんは、《アインクラッド》編で入浴時に髪型を変えるシーンをピックアップして、デスゲームに囚われた女の子たちが、現実世界でなくとも女の子であろうとする姿が印象的だったと話していました。

 その他にも、二見さんはユウキの最期を描いたシーンでの、ドラマ性と音楽をリンクさせる演出が好きで、泣きたい時にはそのシーンを見るそうです。

 他にもユージオの最期のシーンも好きだそうで、松岡禎丞さんや島﨑信長さんの演技を絶賛していました。かねてから公言しているように『SAOAL』ではユージオが生きている形でストーリーが進みますが、「ユージオが生きているかわりに、命の重さを感じられるシーンを入れています」と話していました。

 河合さんは、《ファントム・バレット》編の終盤、《BoB》の優勝を決める際に、シノンがキリトとともに、笑顔でグレネード自爆して、一緒に優勝したシーンを挙げていました。このシーンを「とてもお洒落なオチなんですよ」と語る河合さんと同じく、竹内さんも印象的なシーンだと話していました。竹内さんいわく、「あのシーンがあるおかげで、なんとなく《ファントム・バレット》編はさわやかな印象があります」とのこと。

 “好きなキャラクターは誰ですか?”というテーマでは、南さんが『SAOFB』のアファシスを「主人公と一緒に成長するキャラが好きなので」という理由で選んでいました。特に女性のアファシスがお気に入りで、好きなセリフが多くあるそうです。また、アファシスについては、二見さんが「アファシスは、プレイヤーがためたお金を勝手に使ってしまうという点で、企画した当初は貧乏神的な位置づけでもあったんですよ」と設定を明かしていました。

 キャラクター設定については、『アリブレ』のオリジナルキャラクターであるイーディスが、アリスのお姉さん的な存在を作りたかったというコンセプトで作られたことが河合さんの口から明かされました。

 最後の“各ゲーム商品化会議”では、二見さんがお題を出し、河合さんたち3人がフリップでアイデアを披露していく形に。



 全体的に竹内さんのチュデルキン推しが目立つ感じになっていましたが、客席からも「《ALO》のフィリアのアイテムがほしい!」という声が上がり、二見さんが意外なアイデアに驚く様子もありました

 “商品化会議”が終わったところで、“SAO cafe”β版は終了の時間に。“SAO cafe”は、2020年1月24日から正式サービスが開始する予定とのこと。詳細は、SAO cafe公式サイトを確認しましょう。

 ゲームプロデューサーが来店することもあるとのことなので、『ソードアート・オンライン』ゲーム公式Twitterで情報を確認の上、来店してみてはいかがでしょうか?

  • ▲最後はプロデューサー陣がβ版の参加者と一緒に座って記念撮影を行いました。

 11時30分開始回のレポートはこれで終わりになりますが、冒頭でもお知らせしたように、15時30分開始回のプロデューサー座談会の模様は、“βeater's cafe”に会員向けコンテンツとして掲載予定とのことです。興味がある人は、公開を待っていましょう。

  • ▲こちらは、15時30分回の記念撮影になります。どんなトークが繰り広げられたのか気になる人は、βeater's cafeの会員向けコンテンツをお楽しみに!

SAO cafe β版 概要

日時:2019年12月22日 1回目11:30~ /2回目15:30 ※各回20名様
場所:SAO cafe(大阪府大阪市浪速区難波中2丁目10-70 なんばパークス 8F)
内容:
“SAO cafe”の紹介
“SAOゲームPがみなさんからの質問にお答えします”
“プロデューサー座談会”
※お食事付
参加P:二見P、河合P、南P、竹内P
参加:無料

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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