『FF7リバース』先行レビュー。妥協なしの本気のリメイクで、ユーザーの不安を圧倒的クオリティ&密度で払拭する大作として高評価(ネタバレなし)【ファイナルファンタジーVII リバース】

スズタク
公開日時
最終更新

 スクウェア・エニックスより2月29日発売予定のPS5用RPG『FINAL FANTASY VII REBIRTH(ファイナルファンタジーVII リバース)』。そのレビューを掲載します。

 本作は『FFVII』のリメイクプロジェクト3部作の第2作。前作『FFVII REMAKE』でミッドガルを脱出したクラウドたちの旅の続きが描かれ、オリジナル版における忘らるる都までのストーリーが収録されています。

 先んじてプレビュー記事が公開されましたが、今回は製品版相当のROMをプレイしたレビューをお届け。より深く隅々まで遊んだうえで見えてきた、『FFVII REBIRTH』の魅力を紹介していきます。

 もちろん、ストーリーの核心に触れるようなネタバレはないので、発売を楽しみにしている人も安心して読んでください。なお、電撃オンラインではケット・シーの動画も公開中なので、こちらもあわせてぜひ!

【FF7R】ネコ本体もデブモーグリも可愛すぎ! ケット・シーのユニークな戦闘に注目【発売前レビュー動画】

※今回プレイしたバージョンは製品版とは異なる場合があります。
※本作には4K解像度を優先する“グラフィック”と60fpsを優先する“パフォーマンス”の画面モードがあり、本記事で使われている画像はパフォーマンスモードで撮影しています。

関連記事

“いっさいの妥協なく『FFVII』をリメイクする”という気迫が伝わる

 チャプター2を体験できたプレビューの時点で、背筋がゾクゾクするほどのボリュームと作り込みを感じた『FFVII REBIRTH』。その濃密な内容は、チャプター3以降も延々と続きます。

 できればゲームクリアしてからこのレビューを書きたかったところですが、かなりの時間を費やしたもののギリギリ間に合わず……。

 しかし、最終盤のダンジョンまではたどり着いたので、ワールドマップまわりの全容はほぼ触れられたと考えています。そのうえで断言できますが、本作は最初から最後まで中身がぎっしり詰まっています!

 最初のグラスランドエリアだけ要素満載に見せて、残りのエリアはスカスカ……なんてことは全然なく、ほかのエリアも同等かそれ以上の遊びごたえがあります。すでにグラスランドエリアを探索する動画や、体験版でジュノンエリアの一部が公開されていますが、あのボリュームが全エリアで味わえると認識してOKです。

 カーム、ジュノン、コスタ・デル・ソルにゴールドソーサーなど、オリジナル版で印象的だったロケーションがリッチになって生まれ変わっているのも見どころ。とくにコスタ・デル・ソルとゴールドソーサーは、本当にこういうリゾート地やテーマパークが存在しそうで、施設を練り歩くだけでもワクワクします。

 また、各街はほどよい広さに収まっているというのも、個人的に感じたポイント。あまりにも広大なロケーションは散策するだけで疲れてしまうのですが、本作のマップは広すぎず狭すぎずの絶妙なバランスとなっています。

 ちなみに、以前のインタビューで野村哲也(本作のクリエイティブ・ディレクター)さんが「オリジナル版からロケーションを訪れる順序が変わっている部分がある」と言及していましたが、たしかに変わっている箇所はありました。

 ただし、これについてはロケーションが完全になくなったわけではなく、次回作に移しているだけのようです。変更にともなって展開もオリジナル版から少々変わっていますが、違和感を覚えるほどではありませんでした。

 本作はあくまで『FFVII』がベースになっていますが、世界観やキャラクターの設定はリメイクに合わせてアレンジされており、オリジナル版ユーザーも新鮮に遊べるかと。なかにはメインキャラクター絡みで大胆な設定追加がされた部分もあり、自分も驚きながら遊んでいました。

 ストーリーもロケーションも「『FFVII』をリメイクするならここまでやらなくては!」という気迫が伝わり、いっさいの妥協なく細部まで本気で打ち込んでいるのが感じられました。プレビューでも書きましたが、個人的に本作は“『FFVII』のリメイク”の理想形だと思います。

メインストーリーとサイドコンテンツの心地いいサイクル

 メインストーリー以外にも本作はワールドレポートやクエストといったサイドコンテンツが充実しており、遊びごたえ満点に仕上がっています。

 今回、序盤のチャプター2を実験例として、“ほぼ寄り道せずまっすぐ進めた場合”と“サイドコンテンツを網羅してから進めた場合”で分けてプレイしてみました。それぞれグラスランドエリア解禁のタイミングでデータを分けて進めたのですが、結果、寄り道なしの場合は約1時間半、サイドコンテンツ網羅の場合は約8時間でチャプター2をクリアできました。

  • ▲セーブデータ04が開始時点、06が寄り道なし、05がサイドコンテンツ網羅の場合です。プレイ時間に注目!

 上記はあくまで一例ですが、ワールドマップに関して“まっすぐ進めばサクサク、やり込んだら超膨大”という感触は伝わるんじゃないかと。8時間かかったデータはワールドレポートとクエストの全クリアまでで、カードゲームの“クイーンズ・ブラッド”のやり込みを含めたらグラスランドエリアだけでもっと楽しめるでしょう。

 サイドコンテンツはどのタイミングでどこまで進めるかが自由かつ、やったぶんだけパーティ強化につながるのがいいところ。あとでまとめて挑むもよし、ストーリー進行にそってちょくちょく進めるもよし。このメインストーリーとサイドコンテンツのプレイサイクルが想像以上に心地よく、『FFVII REBIRTH』の価値を引き上げています。

 ワールドレポートで行うマップ探索についても、強敵とのバトルやサイドストーリー、世界観に関する読み物などさまざまな体験が得られ、ワールドマップをめぐる楽しさが凝縮されています。目的地までの行き方も一辺倒ではなく、エリアごとに個性が表れているのがおもしろいですね。

クラウドの“たたかう”で遠距離攻撃ができるだけでこんなに快適に!

 バトルは前作『FFVII REMAKE』をベースにした、コマンドバトルとアクションが融合したシステム。主な新要素は連携アクションや連携アビリティなどですが、個人的にはそのほかの細かい仕様変更がうれしかったです。

 たとえば、本作のクラウドは回避後に“たたかう”を使うことで、剣から衝撃波を飛ばす遠距離攻撃が行えます。空を飛ぶ敵や近寄りづらい敵には、とりあえずこれを繰り出しているだけでも仕事ができるのがありがたい!

 基本的に接近戦はリスクが高く、前作だとゲームに慣れないうちはクラウドよりもバレットやエアリスのほうが戦いやすい気がしました。主人公のクラウドはメンバー固定の機会が多いので、本作で気軽に扱える遠距離攻撃を習得したのは大きいです。

 ただ、どちらかといえばクラウドは近接キャラクターなので、接近して戦ったほうが真価を発揮するのは本作でも同様。選択肢の1つとしてノーコストの“たたかう”で遠距離攻撃ができるようになり、より戦いやすくなったという印象です。

 ほかにも、各キャラは“ファイアチェイン”や“ブリザドインパルス”などの属性魔法をアビリティとして覚える点も見過ごせません。前作を遊んだ人なら身に染みてわかると思いますが、バトルでは相手の弱点属性を突くことがとっっっても重要です。

 どのキャラクターも4属性の魔法をMP消費なしのアビリティで使えるので、敵の弱点を突きやすく、戦闘の爽快感は前作より増しています。代わりにこれらのアビリティは威力が低く、従来のMPを消費する魔法との差別化もしっかりされています。

 もともと『FFVII REMAKE』のバトルは完成度が高く、本作でブラッシュアップされてより遊びやすく仕上がっています。

ユーザーの不安を圧倒的クオリティで払拭する大作

 先述のとおりレビュー執筆時点ではまだエンディングまで見届けていないのですが、現段階で大きな不満はなく、ただただ「おもしろい」のひと言に尽きます。1つだけメインストーリー上でバトルとは関係なく、難しくて詰まりかけたポイントはありましたが……。

 音楽も素晴らしく、オリジナル版のアレンジ曲や新規曲を交えてゲームを彩ってくれます。とくに本作はワールドマップのフィールド曲とバトル曲のシームレスな変化が特徴なので、各エリアを訪れた際はぜひ耳を傾けてほしいところ。

  • ▲お気に入りは召喚獣戦の曲。召喚獣との死闘を熱く盛り上げてくれます!

 3部作の2作目というのは、“前作からの続きモノで、しかもまだ完結しない”という非常に難しい立ち位置です。くわえて本作は『FFVII』のワールドマップをリメイクするという課題もあり、手に取る側からするとどんな作品なのか不安になるのも当然のこと。

 しかし、そんなユーザーのモヤモヤをクオリティで払拭するほどのパワーが『FFVII REBIRTH』にはあります。少しでも気になっている人は、配信中の体験版をプレイして判断しましょう。きっと、『FFVII』のリメイクに求めていた姿が感じられるはずです。

 最後に、これだけ言わせてください。

 レッドXIII最高でした! たぶん『FFVII REBIRTH』購入予定の7割くらいが気にしているレッドXIIIのあのシーン、最高でした!! 担当声優が山口勝平さんで本当によかった……。


スズタク:RPGとアクションをこよなく愛するライター。近年、シミュレーションRPGのおもしろさに気づき始める。


※今回プレイしたバージョンは製品版とは異なる場合があります。
© SQUARE ENIX
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

FINAL FANTASY VII REBIRTH(ファイナルファンタジーVII リバース)

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応機種: PS5
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2024年2月29日
  • 希望小売価格: 9,878円(税込)

関連する記事一覧はこちら