『バーンブレイバーン』5話感想:共通点が多すぎるスミスとブレイバーンの関係は? だんだん喋れるようになっていくルルがひたすらかわいい(ネタバレあり)

米澤崇史
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 2024年2月8日(木)に放送された、『勇気爆発バーンブレイバーン』第5話“それはきっと、私には出来ないことだろう”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『勇気爆発バーンブレイバーン』5話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

ブレイバーンはスミスの◯◯の姿なのか?

 第4話は、日本が壊滅状態であることが判明するという、『ブレイバーン』とは思えない(?)シリアスな展開で幕を閉じましたが、5話ではまた明るいノリが戻ってきました。

 冒頭部では、イサミたちが乗る空母の戦闘機のカタパルトが電磁カタパルトであることが判明。カタパルトの設定について語られるロボットアニメはほとんど見たことがないですが、やはり本作は軍事ネタが細かい。

 おそらくスミス達が乗るであろうTSには長距離飛行能力はなさそうなので、カタパルトではなく輸送機で運ばれるはず。もしかしたらブレイサンダーに変形したブレイバーンの発進に電磁カタパルトを利用するのかもしれないですね。

 キャラクターのなかではかなり常識人寄りで描かれていたヒビキでしたが、電磁カタパルトだと気分が盛り上がらないという、ちょっと変わった趣向をもっていることが明らかに。身近なところだと、EVとディーゼル車の違いみたいなものでもあり、結構アナログ的なよさに同意する人も多そうです。

 『機攻特警スパルガイザー』なるヒーロー番組が映し出されたシーンでは、昔の特撮作品をビデオで見た時の、あの独特の画面のノイズのようなものの再現度がやたら高いのに感動しました。おそらくスミスが空母に持ち込んだ私物だと思いますが、映像ソフトだけではなくフィギュアまで持ち込んでいるあたり、そのガチオタクっぷりが垣間見えます。

 一方、皆にヒーローと呼ばれて期待されているイサミの表情が微妙に晴れていないのを見逃さず、食事に誘うスミスは本当に気配りの男でもあるなと。ヒーロー願望があったスミスからすれば、自分そっちのけでチヤホヤされているイサミは嫉妬の対象になってもおかしくないはずなんですが、一切そんなそぶりも見せず純粋にイサミのことを真剣に心配しているのはあまりにも良い奴すぎます。

 5話では、そのスミスとブレイバーンの会話シーンが豊富にあり、ブレイバーンはイサミだけではなく、スミスに対する理解力もめちゃくちゃ高いことが分かりました。今回はイサミとスミスの心境を正確に把握した上でアドバイスを送っていて、やっぱり実は思慮深いキャラなんじゃないかという説が自分の中で濃厚になってきましたね。

 途中、空母の中にブレイバーンの専用スペースみたいなのができていたのには吹き出しました。ただ、それ以上に気になったのが、ブレイバーンもスミスと同様に『スパルガイザー』が好きそうだという点。

 ブレイバーンは映画『アビス』を知っていたくらい人間の文化に詳しいので、アニメや特撮の知識をもっていてもおかしくはないのですが、それ以外にもロボットや戦艦のスタチューを作っていて、スミスとあまりにも趣向が近いんですよね。

 しかも超高性能3Dプリンタ“ビルドバーン”についてスミスに触れられた時は、「君も遅かれ早かれ知ることになる」とまで発言しています。よく見ると、胸の水晶みたいなシンボルの形状とか、人間の口っぽいマスクとか、ところどころに入っている緑の蛍光ラインとか、スパルガイザーとブレイバーンにはデザイン的な共通点が多いようにも思えます。

 4話からフラグはビンビンに立っていましたが、ブレイバーンの正体は、何らかの出来事によって現在の時間軸に戻ってきた未来のスミスという可能性が高くなってきたんじゃないかなと。ただ、伏線だとしたらかなり分かりやすいものなので、そう視聴者に思わせるためのブラフという線も十分ありえると思っています。

唐突に始まるボクシング。軍人ならではのイサミの動機が熱い

 5話の後半はまさかのボクシング回。開幕のイサミの不意打ちはルルに応援されているスミスに対して若干憎しみが籠もっていたようにも感じられましたが、同僚の美少女二人がセコンドについているイサミの方も、なかなか恵まれていますよね。

 スミスがイサミに話しかけるためにタックルするシーンでは、いろいろと大変な状態になっていましたが、その際に隠されていたミユの趣味も判明。メカだけではなく“そちら”にまで手を伸ばしているのは、オタクキャラとしてちょっと属性過多すぎるのでは。

 前半に登場していた3Dプリンター“ビルドバーン”で早速作った超高性能マイクは、集音性能以上に空母のあらゆるモニターをハッキングしているのがなかなかヤバい代物。ただ、今回以外でまったく使い道がなさそうでもありますが。

 隊長のサタケとだけは事前に何らかの打ち合わせをしていたようですが、ハッキングを受けても艦全体でさほどの騒ぎにはなっていなかったあたり、「またブレイバーンが何かやったな……」という共通認識を皆が持っているのかもしれないですね。

 しかし、仲間に死んでほしくないからこそ無理しようとするイサミと、イサミを死なせたくないスミスの主張のぶつけ合いは非常に熱かった。

 仲間を守るために戦う、という動機はロボットアニメの主人公として王道ですが、それが同じ軍人として戦いにおもむく仲間たちの覚悟を理解しているからこそ生まれた感情というのが、本作らしい点でもあるなと。

 ブレイバーンのように、意志をもつ巨大ロボットが主役の作品で、主人公が訓練された軍人というのは、ありそうであまりなかったパターンなので新鮮でした。ギャグシーンも多い本作ですが、本質はかなりシリアスで真面目に作られているという印象がより強まりましたね。

 4話に引き続き、5話はイサミのメンタル面をさらにフォローするお話でしたが、ルルに蹴り飛ばされて甲板から落とされるという、最後はやっぱり「イサミがかわいそう」というオチに。偶然だとは思いますが、直後のエンディングでずぶ濡れのイサミがアップで映し出されるのが、ブレイバーンに引き上げられた後に歌っているようにも見えたのが面白かったです。

 対決後のスミスとの会話で「俺は、お前と……」のあと、イサミが何を言おうとしてたのかは少し気になるところ。「友達になりたい」とは違うような気がしますし、「一緒に戦いたい」とかでしょうか。

 また、何より5話では、全体を通してルルがかわいかった! 演じている会沢紗弥さんの演技も素晴らしく、カタコトな感じで少しずつ言葉を覚えていっている様子がしっかりと分かるようになっていました。

 最近は少しシリアスなシーンも増えてきたので、適度に場を和ませてくれるルルは視聴者にとっても貴重な存在なんですが、スミスの同僚であるヒロに肩車されていたり、隊の全員からかわいがられているんだろうなぁという様子が伝わってきます。

 ルルはイサミやスミスが強いかをすごくを気にしていたので、スミスに懐いた理由は、スミスがルルを完全に抑えこめるくらい強かったから、という可能性も少し出てきたかもしれないですね。

 そしてCパートでは新キャラ・クピリダスが登場。日本を壊滅に追い込んだだろう存在ですが、初期のルルと同じく「ガガガピー」しか喋れないというギャップにちょっとかわいいなと思ってしまいました。次回は、いよいよ日本を取り戻すための大規模な戦闘回になりそうで、期待が高まります。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

©「勇気爆発バーンブレイバーン」製作委員会

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