『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』レビュー:やってみるとわかるリズムゲームとシューティングが融合した新感覚の体験に驚き【電撃インディー#549】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、UnknownXが開発するPC(Steam)用ソフト『東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト』をレビューします。

 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

シューティングを組み合わせたオリジナリティあふれるリズムゲーム【東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト:レビュー】

 本作は、『東方Project』公認のスマートフォン向けリズムゲーム『東方ダンマクカグラ』をリビルドしたスタンドアローン版となっています。

 『東方Project』には、ゲームを彩るさまざまな楽曲があります。基本はBGMで歌詞がないのですが、歌詞を付けたりするアレンジ楽曲も豊富に存在しており、どちらもプレイできるようになっています。オリジナルの楽曲が好きな人とアレンジ楽曲が好きな人のどちらも楽しめるようになっているのはうれしいですね。

 そんな音楽を楽しめるリズムゲームは2種類が用意されています。それが“カグラステージ”と“ダンマクステージ”。

 “カグラステージ”は、オーソドックスなリズムゲームが楽しめるもので、6つのレーンに流れてくるノーツをタイミングよく叩くことで、コンボがつながっていきます。難易度は4種類用意されており、一部の難度ではすべてのレーンを使用せず、4レーンとなっているので、楽曲を楽しみたいけど、リズムゲームは苦手だという人でも楽しめる配慮はうれしいですね。

  • ▲筆者はあまりうまくないので、ノーツが流れてくるレーンが少ないのは、わかりやすさもあってプレイしやすかったです。
  • ▲6レーンだと一気に難しくなっていました。

 クリア条件はレーンの下にあるゲージが一定以上になることですが、これは一定以上のスコアを獲得すればいいわけではありません。うまくノーツを叩けば増加していき、失敗すると減少します。

 つまり、終盤まで完璧にノーツを叩けていてもそこから失敗が続けば一気に失敗になってしまうということです。逆に前半がダメダメでも後半にうまくノーツを叩ければ、逆転でクリアもできるというわけです。

 ちょっと変わったルールですが、このルールのいちばんのメリットはスコアやクリアに関係なく、最後までプレイできるという点ですね。

  • ▲画面の両端には3Dのキャラクターが表示。ノーツを叩いたり、失敗するとさまざまなアクションをとり、それを見たくてうまくノーツを叩けないことも。
  • ▲一部にはノーツが見えにくくなる霧が発生するなどのギミックが用意されています。
  • ▲ノーツの速さや大きさを変えれば、プレイしやすさも向上。

 もうひとつの“ダンマクステージ”は、リズムゲームにシューティングの要素が加わった新しいものです。“カグラステージ”に比べて、レーンの数は2つになっていて、ノーツの量も少なくなっています。

 かわりに画面中央には、シューティングのボス戦が繰り広げられます。『東方Project』といえばシューティングなので、シューティングにリズムゲームの要素が加わった感じですかね。いや、本作に関してはリズムゲームがメインなので、リズムゲームにシューティングが加わったであっているのかも。考え始めるとよくわからなくなってしまいましたが、シューティングとリズムゲームが融合したということで間違いありません。

 リズムゲームの部分はノーツをうまく叩くことでシューティングの弾幕が強化されていきます。“ダンマクステージ”の方にはライフや残機という概念があり、“カグラステージ”でのプレイと違って失敗してしまう可能性があるのが大きな違いです。

 当然ですが、シューティングは自分ですべて操作するようになっており、敵の攻撃をいかにかわしながら自分の攻撃を当てるかがカギに。

  • ▲回数制限がありますが、ボス以外の敵や敵の攻撃を一気に消せるボムは便利&爽快。

 実際にプレイしてみると、いままでに味わったことのない感覚に最初は戸惑いました。ですが、何度もプレイしているとノーツを叩きながら、シューティングの操作も慣れてできるように。

 これがもし本格的なリズムゲームとシューティングをただ組み合わせただけなら、難しすぎてできなかったと思います。単体としての難度を低くすることで、組み合わせたときに程よい難度となっています。

幻想郷復興を目指す霊夢の旅と霊夢を探す魔理沙の旅が描かれる

 “カグラステージ”と“ダンマクステージ”による2種類の遊び方がメインですが、最初からすべての楽曲で遊ぶことができるわけではなく、ストーリーで楽曲をプレイすることで遊べるようになります。

 ストーリーは、『東方Project』の舞台となる幻想郷が毀れてしまった世界。幻想郷の復興を目指して、博麗霊夢が“ダンマクカグラ”(“カグラステージ”と“ダンマクステージ”の総称)を通じて入手できる“記憶の結晶<ミタマカード>”を集める姿が描かれます。なぜ幻想郷が毀れてしまったのかも気になるところですが、それは“記憶の結晶<ミタマカード>”を集めることでだんだん真実が明らかになっていきます。

 霊夢が旅に出ている一方で、霧雨魔理沙の立場からすると霊夢は行方不明になっているようで魔理沙は霊夢を探す旅に出ます。この2人の視点が切り替わりながらストーリーは進んでいきます。

 ストーリーを進めるには特定のエリアに用意されている“カグラステージ”と“ダンマクステージ”を一定数クリアする必要があるのですが、霊夢がいる場所は砂漠のように見える荒廃しているようなマップとなっています。そのマップをクリアすると緑が生い茂るようになり、見た目で復興が進んでいるようにも見えます。

 仮に砂漠のような状態を復興前、緑が生い茂った状態を復興後とすると、復興前には霊夢のストーリー、復興後には魔理沙のストーリーが展開されます。さらに、復興前には霊夢以外の『東方Project』のキャラクターは登場しません。

  • ▲魔理沙のストーリーには、『東方Project』のキャラクターがたくさん登場します。

 2種類のストーリーが同時並行で進行しているのでちょっと複雑ですが、霊夢のストーリーはノベルゲームのような感じで、魔理沙のストーリーは3Dキャラクターによる掛け合いが中心になっているので、もしかしたら2人は違う世界にいるのかもしれませんね。推測なので間違っているかもしれませんが、2人が旅の目的を達成できるか目が離せません。

  • ▲一度見たストーリーは手軽に読み返せます。

攻略:“ダンマクステージ”ではリズムゲームよりシューティングを重視

 “ダンマクステージ”では、リズムゲームとシューティングが融合した新しい体験ができる一方、人によっては難しく感じるかもしれません。そんなときには、まずシューティングに集中するのがおすすめです。

 “ダンマクステージ”でのリズムゲームは良し悪しがクリアに関係ありません。シューティングでボスを倒すことができるかが重要になります。

 リズムゲームが上手くできれば、ボスを倒すのに有利な効果を得られますが、肝心の攻撃がボスに当たらなければ倒すことはできません。なので、まずはシューティングで敵の攻撃をかわしたり、自分の攻撃を当てることに集中。慣れてきたらリズムゲームもしっかり行うことで効率がよくなっていきます。

  • ▲さすがにこのレベルの攻撃を避けながらリズムゲームを行うのは至難の業です。

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