『バーンブレイバーン』7話感想:戦闘中にも換装できるライノスのギミックにときめく。キービジュアルに映っていたあの機体がついに登場!?(ネタバレあり)

米澤崇史
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 2024年2月22日(木)に放送された、『勇気爆発バーンブレイバーン』第7話“どうするイサミ!こんな時、イサミならどうするんだ!”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『勇気爆発バーンブレイバーン』7話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

敵のボスが無抵抗で会話の途中に倒され続ける斬新な展開

 第7話では、スペルビアと戦うスミス達と塔にいるクピリダスを対処するブレイバーンとイサミという、戦力を分けての2面同時作戦が展開されました。

 仲間を失いたくないイサミは、スミス達にスペルビアへの対応を任せることを躊躇していたようですが、ブレイバーンの説得を受けて思い直した様子。ただ、スミスの指揮統制能力の高さを伝えるまではいいとしても、永久脱毛をしていたことはあまりいらない情報だったような……。一体いつその情報を手に入れたのか、やはりブレイバーンはスミスに対する理解度が非常に高いようです。

 余裕ぶって登場していたクピリダスですが、話の途中でいきなり攻撃を仕掛けるのは話を聞かないブレイバーンらしくて笑ってしまいました。わざわざ戦いながら翻訳機を打ち込んでいたスペルビアとは大分扱いが違っています。

 一方のスペルビアはルルがいないことでバリアの出力が大幅に弱体化している……と思いきや、艦砲射撃にバンカーバスターまで撃ち込んでも手足の一本すら損壊しておらず、やはり人類側とは戦力差が大きすぎる感がまだあります。

 しかし、攻撃こそ通用しなかったもののアメリカ軍のTSであるライノスの緊急換装はロボアニメ好きとして胸がときめくギミックでした。胴体のフレームは共通で、腕部とバックパックをすっぽりと交換することで他のタイプに換装できるという仕組みのようで、空中で牽引した状態からそのまま装着できるのはすごい技術です。

 あの状態は遠距離攻撃用のブラスト・ライノスという形態らしいのですが、火力が高い分稼働時間が短いという設定が公式サイトには記載されています。

 本来、ブラスト・ライノスで砲撃→汎用性の高い通常形態(イクシード・ライノス)に換装して作戦を継続する……ような運用が想定されているのかもしれないなと。MTの中でもこの換装システムはライノスの特権のようなので、スミスあたりはこれを見た時はかなり興奮したんじゃないかという気がします。

 クピリダスは復活する度にブレイバーンに台詞の途中で攻撃されていましたが、ブチ切れて本性を見せつつも、一切反撃をしてないのはロボットアニメとしてはあまりにも意外な展開でした。

 デスドライヴズの目的は、各々の願う最上の”死”を成し遂げることらしいので、ブレイバーンのような存在に倒されることを理想としているということなのでしょうか。だとすると、あまりにも巻き込まれた人類はとばっちりすぎる感があります。

“ルル”のアクセントの差から分かる認識の違い

 一方、自分の意思で動くルルの姿をみたスペルビアは戦意を喪失していました。スペルビアとスミス達では“ル↓ル↑”と“ル↑ル↓”で明確に発音のアクセントが違っていて、それぞれがまったく違う存在として認識しているのが分かるようになっているのが面白いですね。

 久しぶりに登場したボブの尋問も行われており、おそらく今回のは2話でイサミにやっていたタオルを使った水攻め拷問の巨大ロボット版かと思われますが、その向きでタオルを乗っけてるだけだと隙間があって意味がなさそうとか、そもそもスペルビアは口や鼻から呼吸をしているのかとか、何かとツッコミどころが多く、案の定一切効果はなかったようです。

 去っていく時の背中にもどこか哀愁が漂い、理不尽に振り回される立場という意味では、実はボブはイサミの気持ちが分かる数少ない人物なのかもしれません。

 そしてクピリダスの中にも、やはりルルと同じような存在がいたことが明らかになりました。クピリダスがやられる度に新しいユニットが塔の中から出てきていたので、塔はルルのような存在を大量生産する施設のような役割も持っていたのでしょう。

 ブレイバーンとイサミの関係性とも近いですが、ほぼエネルギータンクのような使い方をしていたデスドライヴズのやり方では、力をあわせて共に戦うイサミとブレイバーンには敵わないということにも、すでにスペルビアは気づいている様子。

 スミスがスペルビアのパイロットに立候補する場面では、身体を丸めて回転しながら中に入っていくアクションで『勇者ライディーン』のフェードインを連想しました。ただ、絶対にあの無駄に危ない乗り方をする必要はなかっただろうなと。スミスが乗り込んだ瞬間、「ほんとにやりやがったよ……」みたいな表情でルル以外の全員がちょっと引いてそうなのも面白いです。

 そんなノリノリで乗り込んだにも関わらず、誰得(?)な触手プレイを受けた上に、スペルビアからも生理的に無理と言わんばかりに吐き出されてしまったスミスでしたが、代わりに復座式の最新鋭機が用意されるという熱い展開に。

 この機体について、放送後に大張正己監督が、“XM3 ライジング・オルトス”という機体名と、最初に公開されたキービジュアルに映っていたTSが実はこの機体だったことを明かしていました。

 ライノスの開発番号は“M2”で、戦闘機などで実験機を示す“X”のナンバーが入っているので、おそらく次期主力TSの候補として日米共同で開発が進められていたプランの一つなのでしょう。もうロボットアニメファンとしては大好物すぎる設定です。

 途中でルルが機体を動かしてしまったのでスミスとミユがオルトスについて何を言おうとしていたのかは分からず仕舞いでしたが、機体がパイロットを選ぶという点を踏まえると、システム的にはブレイバーンと通じる部分があるのかなと。横田基地から回された機体という話なので、さすがにブレイバーンのデータを参考に開発する時間はなさそうですが。

 あえて『スーパーロボット大戦』的な表現をさせていただくと、イサミがスーパー系主人公とすれば、スミスはリアル系主人公という立ち位置なんだと理解できてきたのもあり、この流れには納得できました。どちらかというと性格的には、スミスがスーパー系でイサミがリアル系っぽいんですが、そこを逆にしたことで本作ならではの空気感が生まれているんですよね。

 今回コクピットではしゃぎまわったり、スミスに頭をどけられるルルがめちゃくちゃ可愛かったので、今後も戦闘中に二人のワチャワチャが見れそうなのは嬉しいですが、ルルもスミスと一緒にオルトスに乗るとなると、パートナーがいないままのスペルビアはどうなるのかという問題は残ったままなのが気になるところ。

 休戦状態ではありますが、ブレイバーンに力を貸してくれるのかも分かっておらず、スペルビアが今後どう動くのかは、次回以降の楽しみになりそうです。

 また、個人的に最後のルルとスペルビアの関係性の話題になった時、「一緒に戦ってきたんじゃないのか。俺とブレイバーンみたいに」とちょっと恥ずかしそうに口にするイサミも印象的でした。ブレイバーンに振り回され続けてきたイサミですが、内心では一緒に戦ってきた相棒という認識を持っているんだなと。

 実はイサミは、ツンデレヒロイン的なポジションだったのかもしれないと少しだけ思いつつ、ブレイバーンが告げた「嵐が来る」の言葉が何を示すのか、次回の展開も気になります。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

©「勇気爆発バーンブレイバーン」製作委員会

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