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アニメ『ダンジョン飯』8話感想。マルシルとファリンの関係が尊い。レバーだけ食べさせられて「他のところも食わせろ!」は気持ちは分かるが、状況が状況だけに笑ってしまう

カワチ
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 TVアニメ『ダンジョン飯』の第8話“木苺/焼き肉”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ダンジョン飯』第8話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

マルシルとファリンの出会い

 九井諒子さんの人気コミック『ダンジョン飯』をアニメ化した本作。ドラゴンに食べられた妹のファリンが消化される前に助けるため、主人公のライオス一行がダンジョンを探索する作品です。

 前回は1クール目の山場ということで大迫力のクラーケン戦が描かれましたが、今回はマルシルとファリンの出会いのきっかけとなる魔法学校での思い出からスタート。

 ほのぼのとした展開であるものの、魔法の根幹になる精霊についても深掘りされて興味深かったですね。


 また、後半からはウンディーネとの戦いから一変してウンディーネとの激しい戦いに。TRIGGERの作画が光る見どころのある回になっていました。

 今回の第7話は前回のクラーケンとの戦いでライオスが食中毒になってしまったこともあり、いまだ第4階層に留まった状態で物語が展開します。

 マルシルが狂乱の魔術師によって作り出されたダンジョンが魔物の生態系や周囲の経済まで計算されて作られていることに驚嘆するところから、彼女が魔術学校でダンジョンの構造を学んでいたときのことを思い出すという流れ。

 『ダンジョン飯』はその名の通りダンジョン内で物語が進むので、学校を舞台にした今回のAパートは新鮮でした。とくにコミックに比べて色鮮やかなアニメだと、より印象が異なりますね。

 また、マルシルは毎回髪型が変わるのが楽しみのひとつですが、今回は三つ編みだったのが、より新鮮でしたね。さすがにダンジョン内で三つ編みにするのは大変でしょうし、過去編ならでは。

 当時のマルシルは自然発生しているダンジョンをマンドレイクの畑にしようと考えており、危険なスラムを排除しようとしますが、ファリンはスライムがコウモリのフンを分解して魔力に変え、ダンジョン内に精霊を満たしていると気付きます。

 学校では落ちこぼれとされていたファリンですが、幼いころからライオスとともに近所を冒険していた彼女は実地の調査や観察が得意なんですね。

 もともと、宮廷魔術師になれたかもしれないマルシルが自分の知らないことも多いと悟り、危険な冒険者への道を選んだことから、ファリンはマルシルに影響を与えた人物であることが分かります。

 また、ファリンにとってもマルシルは大事な友人であることがライオスへと宛てた手紙からも伝わる内容でした。

 『ダンジョン飯』は食べ物には見えないモンスターたちをどのように美味しく調理をするのかどうかが見どころの作品でもありますが、根底にはファリンを救うという目的があり、そのことをユーザーにも思い出させてくれるいいシーンでした。

 なお、ファリンの境遇については『ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル』が詳しいのでぜひチェックしてみてください。ただ、ネタバレではあるので、本編で2人の過去が描かれるのを待って、そのあとにより詳しい内容を本書で読むのもアリかと思います。


■ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル 完全版

価格(Kindle):2,090円(税込)
著者:九井諒子
レーベル:HARTA COMIX
発売日:2024年2月15日
出版社:KADOKAWA


 後半は水の精霊であるウンディーネとの戦いに。マルシルが体を拭くために沸かしたお湯をウンディーネのいる湖に捨ててしまったことが原因で巻き起こったバトルでしたが、TRIGGERの作画の良さが伝わる素晴らしい出来でしたね。

 前回のクラーケン戦が見せ場だと思っていたので、今回のウンディーネ戦の変わらぬクオリティに驚きました。

 『ダンジョン飯』はTRIGGER制作でありつつ、多彩なスタジオが参加しているそうなので、各話ごとに全力で制作できるのでしょうね。

 ウンディーネの不意打ちによって回復魔法を使うことができないぐらいに弱ってしまったマルシル。そんなピンチにライオスやセンシが取った作戦は水棲馬(ケルピー)の焼き肉でマルシルを回復するというもの。

 ゲームのなかでも肉が回復アイテムである作品は多いですが、実際にリアルに食べていると面白いですね。レバーばかり食べさせられるマルシルの「他のところも食わせろ!」は顔芸とエコーのかかった千本木彩花さんの芝居でめちゃくちゃ笑わせてもらいました!

 第9話ではかつてのパーティーのメンバーであるナマリとの再会が描かれるようですが、物語の鍵を握るタンス・フロッカの声優が井上和彦さんであることがエンドクレジットで判明しています。

 次回も原作のストーリーをどのようにアニメで表現してくれるのか楽しみです!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


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©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会

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