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PS2の死にゲーアクション『Kunoichi -忍-』は超難しいけど“殺陣”システムを活用すればスタイリッシュで最高のカタルシスが得られる名作【メモリの無駄づかい】

栗田親方
公開日時

 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ(私)、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回はPS2の『Kunoichi -忍-(くのいち)』についてご紹介。

今なら確実に“死にゲー”とよばれる高難度アクションは麻薬……!

 まず最初にお伝えしておきますと、本作は万人におすすめできるゲームではありません。

 その理由はつまるところ“難易度が高い”からです。

 本作がリリースされたのは2003年。すでに“3Dアクションゲーム”というジャンルもかなり煮込まれており、ある程度のリテラシーがあるプレイヤーをターゲットとした作品が増えているような時代だったと思われます。

 主人公である緋花のアクションはかなり自由度が高いのですが、逆に使いこなすのも一苦労。2段ジャンプ&ダッシュを組み合わせてスピーディに移動しつつ的確な攻撃を繰り出すという操作をするだけでも、かなりのプレイヤースキルが必要とされるのです。

 そのうえで後述する“殺陣”システムを活かして緻密なパターンを構築し、華麗に敵を撃破できるところまで到達しないと、本作の魅力を最大まで味わうことはできないでしょう。

 つまり、アクションゲームに慣れていないプレイヤーがカジュアルに手を出してしまうと、操作がムズい→主人公がすぐ死ぬ→ぜんぜん先に進めない、という3段コンボで、最悪の場合“クソゲー”判定をしてしまうことになりかねません……(実際にそんな感じのレビューを見かけたことも)。

 もちろん本作をひたすらやり込むことができれば、アクションゲームに必要なスキルを修得することは可能なので、根気よく1つのゲームをやり込める人なら問題ありませんが、基本的には“アクションゲームのウデマエに自信のある人”や“高難度の死にゲーが好きな人”にのみおすすめできるゲームとなります。

 ただし、上記のようなアクションゲーム好きのプレイヤーにとっては、麻薬のようにハマってしまうこと間違いなしの素晴らしいゲームとなるでしょう!(やや思い出補正もあるかもしれませんがw)

“殺陣”システムを活かして華麗に敵を殲滅するパターン作り&実践が最高に楽しい!

 そんな難しいゲームに大きな魅力を与えているのが、敵を一定時間内に倒し続けることで与ダメージがアップしていくという“殺陣”システム。

 『怒首領蜂』などのシューティングゲームに設定されている“コンボ”的なシステムに近いと言えば、ちょっと分かりやすいかもしれません。

 敵は基本的にパターンどおりに出現するので、倒す順番やタイミングをうまくコントロールして“殺陣”をつなげていくことにより、初見でただ闘うだけだと難しい場面でも、スタイリッシュかつ簡単にクリアできるようになるのです。

 また、ボス戦でもおあつらえ向きのザコ敵が出現したりするので、しっかりコンボをつなげて大ダメージを与えることができれば、素早く爽快にクリアすることが可能になります。

 もちろん、そこまでパターンを詰めなくてもリトライ連打でゲーム自体はクリアはできますし、それなりには楽しめると思いますが、本作はそこからのやり込みに極上の“旨味”が詰まっているといえるでしょう。

 ステージクリア後のリザルト画面でプレイ内容が評価されるので、ぜひ全ステージの最高ランク達成を目指してほしいですね(私自身が達成できたかどうかは、昔過ぎてよく覚えてないんですけどもw)。

 というわけで、最高にスタイリッシュなプレイをするためのパターン作りと、そのパターンを成功させるためにプレイスキルを磨いていく過程が、かつてゲーセンでハイスコア争いをしていた私のようなマニアックなゲーマーにはたまらなく楽しかったのです。

 特に最終ステージ近くの最大の難所と思われるエリア(すぐ落ちて死ぬ)のパターンを構築してうまくクリアできたときは、数時間(下手したら数日?)の苦労が一気に浄化されるようなカタルシスを得られたのを覚えています。

 なお、本作はそれなりにボリュームがあるのですが、全ステージに渡って「殺陣システムで気持ちよく倒せるように、うまく敵が配置されているなあ」と感じられることが多く、プレイヤーのやり込みを想定して細部までそのあたりを調整してくれた開発者の方々には敬意を表したいですね。

 PS2のソフトなので実機プレイできる環境を整えるのがたいへんですが、私の45年以上のゲーム人生のなかでも屈指の良作なので、気になった方はぜひ遊んでみてください!


栗田親方:ゲーセン黎明期からゲームにハマり、ハイスコアラー→格闘ゲーマーと転身しつつゲーム人生を楽しんでいます。生涯現役。


(C)SEGA WOW / SEGA,2003

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