ネタバレあり感想:『ブルーアーカイブ』アニメ1話。何も知らないなら可愛い女の子たちのアオハル物語。原作を知っていると情緒がぐちゃぐちゃになるエグい伏線が見え隠れして胃が痛い!?

ライオン松本
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 TVアニメ『ブルーアーカイブ The Animation』第1話“アビドス高等学校 廃校対策委員会”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ブルーアーカイブ The Animation』第1話の物語および、原作『ブルーアーカイブ』に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

アニメ勢と原作勢で見える&感じる風景が違いすぎる青春の物語【ブルーアーカイブ The Animation】

 いよいよ放送開始となった『ブルーアーカイブ The Animation』……!

 事前の情報、PVで多くの先生(『ブルアカ』プレイヤーの名称)が期待(かわいい生徒の姿)と不安(曇らせ)を募らせたアニメ第1話。

 しっかりがっつり『ブルアカ』のファンで、今作のメインとなるアビドス組(シロコ・ホシノ・セリカ・ノノミ・アヤネ)の中では、ホシノの強火オタクである私、ライオン松本も楽しみ60%、怖い40%で待機していました。

 アニメの導入は原作ゲームと同じく、電車の中での連邦生徒会会長と先生の語り合い。会話の内容も同じで、会長の失敗と大人の責任についての話でした。この会話を聞くのは、ゲームではプロローグと最終章ぶりですから、なんとも懐かしく感じます。

 「この流れなら、このままチュートリアルのユウカたちとの会話かなー」なんてポヤポヤ見ていた私に、早速Yostarの牙が剥かれました。シーンの切り替わりとともに映ったのは黒いシロコ、そして拳銃を先生にブッパする例のシーン。

 みんなのトラウマこと、原作ゲーム最終編での回想シーンをアニメ開幕で私たちに投げつけてきました。それによって我々の脳内には、あまりにも嫌な仮説が生まれます。そう、「これって、“あの先生”の時空の話じゃないよな?」と。

 原作を知らない方は、置き去りになってしまってうんですが、簡単に説明すると物語の中で“バッドエンドの選択肢を選んだ主人公(先生)”の世界かも、という疑念が出てきたんですね。

 アニメ放送中、X(Twitter)ではアニメ開始1分ちょいにもかかわらず、多くの悲鳴と不安の声が溢れていたのを私は目撃していました。というか私も「おいおいおい」とか、「アビドス組のバッドは心壊れる」なんてポスト(ツイート)していました。呟かないと耐えれませんでした。

シロコの貴重な私服姿や、登校シーンなどファンに嬉しいカットがてんこ盛り

 震える導入でしたが、さすがに1話ということもあって日常パートから物語がスタート。ちょっとセクシーな私服のシロコをはじめ、電車やバスで登校するノノミ、アヤネの姿、登校中にコンビニでガッツリしたものを買うセリカ、野良猫に「にゃーにゃー」言って近寄るかわいいおじさん(ホシノ)と、原作では描かれていないオリジナルのシーンが挿入されていました。

 余談ですが、ホシノと野良猫のシーンはゲームの方の公式Xで事前に告知されていた通り、アビドス組の4人が演じています。

 「聞き分けてみてねー」なんて書いてありますが、私にはかわいい以外の思考に至れず、覚えていたのに聞き分けようともしませんでした。おじさんがかわいすぎたからね、しょうがないね。

原作勢も知らない謎のリーゼントロボvs初のボイス付きスケバンモブちゃん

 原作ゲームにボイスがない作品の魅力のひとつ、“人気キャラに声がつく”というのがありますよね。『ブルーアーカイブ』に登場するいわゆるモブと言われる生徒たち。この子たちもちょっとしたカルト的な人気を持っているんです。

 中でも初期から人気なスケバンのモブ生徒に声が付くのは、多分初だと思います。喋っているセリフはバチバチなんですが、よく聞くと声は結構可愛い系でした。解釈一致。

 そして相対するのはゲームをやっているプレイヤーも「?」を浮かべる謎のリーゼントチンピラロボ。誰なんだ……?

 ここまでは本当にアニメオリジナルの部分が多く、かなり新鮮に楽しめましたね。原作は基本ボイスなしのアドベンチャー式、当たり前ですが、そんなキャラたちがアニメでは動くし、喋るのでそれだけで嬉しいです。あと知らん新キャラ? も出てきたし。

ついに先生が登場。声、性格がイメージ通りでびっくり

 アニメ中盤から『ブルアカ』におけるプレイヤーの分身である先生が登場。前述した通り、先生は私たち自身でゲーム中では基本的に性別がわからない感じの喋り口調で描かれているキャラ。

 一般的には行動や趣味から男性説が有力ですが、ゲームを制作している運営側は「先生=プレイヤー」と明言しているので、性別が女性の先生が出てくるかも、なんてアニメ放送前は言われていましたね。

 そんな先生こと、通称“坂田先生”(声を勤めているのが坂田将吾さんのため)ですが、ほんわかとした喋り口調に優しげな表情、そして“まとも”でした。何がまともかというと、シロコとの出会いのシーンでアレをやらかさなかったんですね。(コンプラ的にカットされた可能性が高いですが)

 あまりにもしっかりとした先生の姿に「これが私のアバター?」と疑問を持ってしまったのはここだけの話。あくまでこれはアニメ、色々と区別して楽しみます。

 さて、話は戻って先生とアビドス廃校対策委員会メンバーが出会ったところから。ここも本筋通り、先生はアビドスの生徒たちを助けるためにやってきたようで、さっそく弾薬やらの補給について話し合っていました。

 やっぱりアビドス高校はとんでもない借金を抱えているようで、それについてもどうにかしないといけない、そんな話をしていると突然の銃声と爆発音。この学校は借金以外にも日常的にヘルメット団と呼ばれる武装手段に襲われています。

 まともな物資がない中での戦闘は厳しいようで、戦闘パートの前半ではどんどん追い込まれていくシロコたちの姿が。でもこっちには、シッテムの箱を持つ先生がいますからね。後半では、先生が指揮をとってヘルメット団を撃退しました。

 ここのシーンでもいろいろと語りたいところは多いです。

 まずは戦闘についてですが、びっくりするぐらいキャラがぬるぬる動いているところ。ゲームではSDで描かれている戦闘ですが、しっかりと作り込まれた頭身キャラの戦闘映像は目を見張るものがありました。

 そして、忠実なのが“先生の指揮”で生徒たちの動きが一気に良くなったところ。アプリでの戦闘ではオート、いわゆる生徒にお任せでスキルを使ってもらうシステムがあるんですが、これはお世辞にも強いとは言えないんです。

 それをプレイヤー(先生)が操作することで、生徒たちの真価が発揮されるぞーという感じなんですが、その辺の設定をうまくアニメにも落とし込んでいるのがわかるシーンとなっていました。

 このほかにもヘルメット団がなんでヘルメットをしているのかについてや、ガンアクションなど語りたいことはいっぱいあるんですが、尺の都合でここまでに。

おまけ:情報量が多すぎるオープニング映像と深夜1時に落ちる公式サイト

 ぶっちゃけ『ブルアカ』ファンとしてはここに1番触れたかったオープニング“青春のアーカイブ”のお話。1話では良くある構成通り、オープニングが最後に流れる形でした。

 私個人としてはここは、アニメの余韻を楽しむ時間なんですが。ここでも力を120%にしてきたYostarによって、直前までの「あー、めっちゃ良かった」「体感5分じゃん、このアニメ」「ホシノ可愛い」と言った情報は全て脳内から消え失せました。

 あくまで私個人の意見ですが、1話最大の衝撃がある場所はオープニング映像だと思っています。1分30秒という尺の中には多くのキャラクターと伏線、アビドスメンバーの可愛い&アオハルな一幕、そして“不穏”がびっしりと詰め込まれていました。

 何も知らない、アニメからこの作品を知った人が見ると「可愛いなー」とか「まんがタイム何某みたい」と言った感想が出てくると思います。ですが、元のゲームをプレイ済みである私たち先生からすると。

「え、なんでヘイローが消えて…?」
「あの砂漠に写ってる影ってユメ先輩?」
「シロコぼろぼろだけど、あれ最終編のやつじゃん……」
「よくみたらアルちゃんニコニコで可愛い」
「ホシノの顔が良すぎる」

 などなど、コマ送りでしかわからないレベルなのに、しっかりと既存の『ブルアカ』プレイヤーを曇らせる要素が最後までたっぷり詰まってます。約90秒の尺に入れていい情報量じゃないだろ。

 これにより、アニメ本編ですっかり油断した先生たちの鳩尾に腰の入ったグーパンを決めて1話が終了となりました。お察しの通りSNSでは阿鼻叫喚のお祭り状態。深夜帯なのにアニメ公式サイトが落ちるなんて事象まで起きてました。

 ここまで色々と話してきましたが、総括すると「はちゃめちゃにおもろいし、出来が良すぎて怖い」です。キャラのタッチや繊細な線、BGMやボイスまで細くみました。その上で120点を挙げざるおえない出来でした。すでに1話を8回ほど見ていますが、マジで体感5分で終わるんですよね。

 迫り来る第2話ではどんな衝撃、腹痛、萌えで私たちを楽しませてくれるのか……今から7日後が楽しみすぎますね! ところで1週間ってこんなに長かったけ……。


ライオン松本:ADVで人生を破壊されたヲタク。最近は先生、開拓者、冒険者、騎空士、マスターなどを兼業してるフリーライター。


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