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バイオレンスな日々!!【O村の漫画野郎#7】

奥村勝彦
公開日時

 秋田書店の漫画編集者を経て、元『コミックビーム』編集総長もつとめた“O村”こと奥村勝彦さんが漫画界の歴史&激動の編集者人生を独自の視点で振り返る!

バイオレンスな日々!!

 あー。そんなことで仕事量が完全にバーストしちまったチャンピオン編集部は、明らかに編集部員の目は血走りまくってきた。

 俺なんざ、まだ新米だったので、全然マシだったけども、30代前半のエース格の連中は、そりゃ凄いモンがあったな。夜中呑みに行っちゃあ殴り合いをしてたもん。警察沙汰なんかも数回あった。

 飯田橋の駅前で編集部内部で殴り合いをしてて(理由は忘れた)、やって来たパトカー2台分の警官に何故か突っかかっていく先輩を羽交い絞めにして止めたりした。まあ、新人の務めってヤツだわな。


 それとは別件で新宿のカラオケ屋で俺が例によって大音響で歌い(注:俺は声が大きい)、歌い終わって席に戻ろうとしたら他の連中が誰もいない。

 あら、皆、帰っちゃったのかな~と、思ってたら外からボトルの割れる音が!? 外へ出てみると編集部の連中と知らねえヤツらが殴り合ってる。

 どーしたんすか? って聞いたら、俺が歌ってる時、ソイツらが物を投げつけたらしい。んで、速攻殴り合い。あらまあ、俺が原因やんけ。いやあスポットライトが強烈に当たってたもんで、全然気がつかねえでやんの。


 んで、翌日、会社内部で役員連中から事情聴取。どうも相手は芸能プロダクションの連中だったらしく、社長がケガして服も破られたってんでクレームが入ったんだわ。

 当初、真面目なやり取りがあったんだけど、途中で酔っ払った壁村さんが部屋に入ってきて予想通り流れが一気に変わる!!

 「酔っ払ってケンカしたんだろ? そしたら(どっちが良いも悪いも)全然関係ねえ!」

 ……これでお咎めなし確定。「……しかしテメエら!! 何で俺を呼ばなかったんだあ!!」……あ、そっちなのね。参加したかったんだね。ま、壁村さんは取締役だったけど、あんま取り締まったりしなかった。むしろ、あの人は徹頭徹尾、取締られる側の人だったよな、絶対。


 結局、あの時はそこの事務所の女性タレントをチャンピオンの表紙とグラビアで起用することで決着がついたみたい。めでたしめでたし。


 まあ、そんな日々が続いて2年目、やっと俺にも後輩が出来た。なぜ2年かかったか? それは1年目の新人はすぐにヤメちゃったからである。そりゃまあヤメるよなあ、普通。

 んで2年目に入って来た新人とは……!? 待て、次回!!

(次回は7月20日掲載予定です)

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イラスト/桜玉吉

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