『サムライスピリッツ』DLCで“いろは”の参戦はありうる? 新キャラの誕生秘話や没ネタも

電撃オンライン
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 6月27日に発売されるPS4/Xbox One用ソフト『SAMURAI SPIRITS』の開発者インタビューをお届けします。

 インタビューに応じていただいたのは、ディレクターの黒木信幸さん、リードゲームデザイナーの空中海人さん、キャラクターデザイナーの佐治有倫さん。お三方には、キャラクターのデザインや設定、DLCについてお聞きしています。

  • ▲左から空中海人さん、黒木信幸さん、佐治有倫さん。

※インタビュー中は敬称略

新キャラ3体の誕生秘話。花諷院和狆は参戦予定だった?

――新キャラクター3名について、各キャラクターのコンセプトや誕生秘話がありましたら教えてください

黒木信幸(以下、黒木):3名の新キャラクターを出すことは開発当初から決まっていまして、イケメンの鎧武者、怪力の女性、風水師というコンセプトも固まっていたんです。

  • ▲左から新キャラクターのダーリィ・ダガー(怪力の女性)、鞍馬夜叉丸(イケメンの鎧武者)、呉瑞香(風水師)。

 それを元に、まず佐治にキャラクターをデザインしてもらって、後からさまざまな要素を肉付けしていきました。

佐治有倫(以下、佐治):色々と資料を集めてたくさんの案を出し、話し合いをしながら雰囲気などを固めていった覚えがあります。

黒木:鞍馬夜叉丸だけは私からイメージをオーダーしましたが、ダーリィ・ダガーと呉瑞香は完全にゼロの状態からお願いしました。

空中海人(以下、空中):バトル面に関しては、新キャラ3人がそれぞれ異なる距離で得手不得手があるように分けました。

 夜叉丸は中距離戦や空中戦が得意、ダーリィ・ダガーは近づくと真価を発揮するパワー型、呉瑞香は飛び道具などを使った遠距離戦向きというようにです。

――3キャラクターの中でも、夜叉丸は本作の主役的な立ち位置にいるように感じられましたが

空中:夜叉丸は目立ってはいますが、あくまで主人公は覇王丸です。そこは揺るぎません。

黒木:とはいえ、夜叉丸は将来的に主人公としてやっていける、ひとり立ちできるぐらいのキャラにはしたいという思いがあります。

――その夜叉丸についてですが、どういったアイデアから生まれたのでしょうか?

黒木:『サムライスピリッツ』シリーズはどうしても武骨なキャラクターが多くなるのですが、SNKらしいスタイリッシュなキャラクターが1人ほしかったんです。

 そういう意味で本作の世界観とは少し異なるかもしれませんが、次の『サムライスピリッツ』シリーズを背負っていけるようなキャラクターとして作りました。

――2人目のダーリィ・ダガーについてですが、どのような経緯で船大工というスタイルを採用したのでしょうか?

黒木:……今思えば、なぜ海賊にしなかったのかは正直覚えていません(笑)

空中:紆余曲折ありまして、海賊に育てられた船大工になりました。

 たしか色々な武器を使いたいという話になって「複数の道具を使うといえば大工?」みたいな流れで決まったと思います。

佐治:デザインも最初はファンタジー色が強くて1人だけ別世界の人だったんです。そこから方向修正した後は、どうやって怪力感を出すかを意識しながら作りました。

黒木:船を担いで歩いてくるという登場演出も考えたのですが、さすがに人間離れしすぎでボツになりましたね(笑)

――では、3体目の呉瑞香(ウー レイシャン)についてお願いします

佐治:当初は何を推しにしたらいいか手探り状態で一番難航しました。ドジっ子設定も完全に後付けです。

黒木:チームがノリノリになって、メガネを落として「メガネ、メガネ」という関西人が大好きなギャグを入れようとなり、「それならドジっ子だね」という流れで決まった覚えがあります。

 それでモーションデザイナーも気合いが入っちゃって、もう好きにやってもらいました(笑)

  • ▲ゲーム中にも武器を落としてメガネを探すさまや、転んでしまう動作などが取り入れられています。

――そのせいで隙が大きくなって弱いキャラになっていませんか?(笑)

黒木:その点は大丈夫です(笑)。しっかりフレームを計算して作ってあります。

空中:設定だけでなく、遠距離戦を得意とするキャラづくりにも苦労しました。すごく長い武器をもたせるのも違うし、何か飛ばせるものが1つあってもパッとしない……と考えた時に、魔法のようなものを使うというコンセプトにたどり着いたんです。

――ローンチ時から参戦する過去作品の剣客13名は何を基準に選びましたか?

黒木:キャラ人気の高さはもちろん、遊びの幅でも被らないようにすることを意識して選びました。チーム内で色々な意見が出ましたが、公平に民主主義で落ち着いた結果がこの13体です。

  • ▲過去作からは覇王丸、ナコルル、牙神幻十郎、柳生十兵衛、ガルフォード、服部半蔵、千両狂死郎、シャルロット、アースクェイク、橘右京、タムタム、徳川慶寅、色が参戦します。

――最後の13体目は迷われたのでは?

黒木:元々は花諷院和狆 (かふういんにこちん)が候補にいたんですよ。ほかのキャラよりも先に作っていたぐらい僕が大好きなので。

  • ▲こちらが幻となった和狆の設定画。

 それで、13体が出揃ったある日にプロデューサーの小田から「女性キャラがほしい」と言われまして……。1キャラを削らなければならなくなった時に、みんなして和狆を外そうとするんです。

 僕はありえないと思いながらも、結局は声の大きさに負けて外すことになり、それで色が入ることになりました。

――そんな悲しいエピソードがあったんですね。こう言ってはなんですが……大正解だったと思います(笑)

黒木:わかっています(笑)。電撃さんの“追加してほしいキャラクターアンケート”の結果を見てホッとしました。

  • ▲以前に電撃オンラインで行った“追加してほしいキャラクターアンケート”では、花諷院和狆が最下位という結果に。

空中:色と和狆を天秤にかけると、やっぱり色に軍配が上がるかな、と(笑)

黒木:その他、キャラ選びには時代設定も注意しました。

 本作の時代は初代『サムライスピリッツ』よりも前になるので、魔物化した天草四郎は出せません。色に関しても壊帝ユガに支配される前になるので、入れ墨が途中で終わっています。

  • ▲色はユガに半分ぐらい支配された状態だとか。キャラごとのストーリーも気になります。

――キャラクターを作るにあたって表現にこだわった部分はどこになりますか?

佐治:全体的に華やかにすることをイメージしました。3Dモデルで細かい部分を表現できるようになったので衣装の模様にもこだわりましたし、何より動いていて綺麗に見えることを考えました。

  • ▲衣装の質感や袴の刺繍など、細かい部分にも力が入っていることがわかります。

――現状では1キャラにつき4色のカラーが選べますが、増やしたり、別の衣装を追加したりする予定はありますか?

黒木:今のところカラーや衣装を追加する予定はありませんが、ユーザーの皆さんから要望が多いようなら検討しようと思います。

空中:レトロ3Dコスチュームをすでにやっているので、できなくはないです。

――ステージ背景も過去作の面影を残しつつブラッシュアップされていますが、どういったところに注意しましたか?

黒木:元々は純和風の世界観として作っていたのですが、SNKのファンは欧米に多く、そういった方たちを置いてきぼりするのでは? という意見もあり、欧米の方たちもわかる和風を目指しました。

 欧米寄りにしているので、日本の方たちからしたら少し違うと感じる部分があるかもしれません。

――ステージ内に過去作のキャラがいるなどの仕掛けはありますか?

黒木:時間の都合で断念したのですが、アースクェイクのステージは過去のNEOGEOキャラクターをいっぱい散らしていたのです。

 これも色々と事情がありまして、ステージを削るという話の時にアースクェイクのステージが選ばれてしまいました。世知辛いですね(笑)

 あと、仕掛けというほどではありませんが、千両狂死郎のステージは実をいうと超満員です。普段は確認できませんが、いい場所で秘奥義を使った時にチラっと見えるかもしれません。

  • ▲千両狂死郎のステージは芝居小屋となり、舞台の上でのバトルになります。

――怒り爆発中、秘奥義や一閃が決まった時の演出はどういったアイデアから生まれましたか?

黒木:2D対戦格闘ゲームは、どうしても同じような背景が続いてしまうじゃないですか。そこで、観ている人も飽きないように場面転換するところを入れようと思いまして、怒り爆発中、秘奥義や一閃が決まった時は背景をガラっと変えるようにしたんです。

  • ▲怒り爆発中の演出。
  • ▲秘奥義が決まった時の演出。
  • ▲一閃が決まった時の演出。

 メディアにゲーム画面の画像が並んで掲載された時、色づかいが違うので皆さんの目に止まりやすいのではないか、ということも計算して導入しました。

――そこまで考えていらしたんですね。個人的にはBGMが静まり返る怒り爆発中が、緊張感がすごくてお気に入りです

黒木:あの見せ方は成功したと思っています。観ている人も分かりやすいですし。

――ちなみに、一押しの秘奥義演出はどのキャラクターになりますか?

黒木:僕はナコルルです。美少女が豪快に返り血を浴びる絵はものすごくインパクトがあるので、ワールドワイドでPVを出すキャラクターもナコルルと決めていました。

――あれは私も衝撃を受けました。優雅に飛んでいると思いきや、あの演出ですもの

空中:僕は先日発表されたDLCキャラクターのリムルルです。かなり媚びた感じに、可愛さ重視で演出を考えました(笑)

――PVで少し拝見しましたが……あれはファンが増えそうです(笑)

佐治:私のお気に入りは覇王丸ですね。カッコいいので素直に好きです。

――過去作に比べて残酷表現がかなりマイルドになりましたが、どういったことを意識して取り入れましたか?

黒木:残酷表現はいくらでも作り込めるのですが、そうすると皆さんそこばかり注目してしまいますし、今作はゲーム性にもインパクトがあるので、残酷表現に頼らなくてもいけるという思いで制作しました。

 ハードな世界観をお伝えする方法として、ストレートすぎるのではなく、皆さんに想像してもらうような形に落とし込んでいます。本当はまっぷたつに切断される演出も入れたくはなかったのですが、これがないと『サムライスピリッツ』ではなくなってしまうので。

リムルルは強い? そして“いろは”の参戦はありうるのか?

――発売後の有料DLCで参戦する4名のうち、リムルルが発表されました。本作のリムルルはどういったキャラクターになるのでしょうか?

空中:コンルという氷の精霊を操って戦う、武器に依存しないタイプのキャラクターになります。なので、武器飛ばし必殺技をくらって武器がなくなっても多くの必殺技が使えます。


 でも、さすがにそのままでは強すぎるので、必殺技を出した後はコンルが戻ってくるまで通常技しか出せなくなるという制限を設けました。そういう意味で、他のキャラクターと一味違った戦術になると思います。

――リムルルは“追加してほしいキャラクターアンケート”で6位でしたが、DLCで参戦する残り3キャラクターは人気投票の結果に少なからず関係はありますか?

黒木:“いろは”の人気は開発側もわかっていました。これは個人的な意見ですが、“いろは”はローンチのタイミングでは入れたくなかったんです。

 というのも、『龍虎の拳2』でユリが参戦した時のように『サムライスピリッツ』の世界を最初から華やかにしたくなかったという思いがありまして。

 “いろは”が出る、出ないは言えませんが、ワールドワイドで展開している以上、障子を閉めて服を脱ぐというセクシャルな表現がしづらく、逆にそれをなくしたら“いろは“ではなくなってしまう……とだけ言っておきます。

 ちなみに、アンケート結果が出た時にはすでにDLCのキャラクターは決まっていましたが、DLCがさらに続いていく場合はアンケート結果を大いに参考にさせていただきます。

  • ▲花諷院和狆の最下位という結果を改めて確認した黒木さんは、今でも納得がいかない様子。「モデルも作っていたのに!」とボヤいていました。

――最後に本作を楽しみにしているユーザーの皆さんへひと言ずつメッセージをお願いします。

黒木:コンボ練習がほぼ必要なく、格闘ゲームを避けてきた人でもとっつきやすいように作りました。ぜひ一度手にとって、本作ならではの緊張感や爽快感を味わってほしいです。

空中:じりじりと近づいて、攻撃をする、しないの緊張感と駆け引きを楽しむという異色のゲーム性になっています。購入を迷っている方は体験版からでもいいので、ぜひプレイしてみてください。

佐治:『サムライスピリッツ』らしさを出しつつ表現や演出にこだわりましたので、色々なところに注目しながら遊んでいただけるとうれしいです。

設定資料集も付いた豪華版がSNKオンラインショップ限定で登場

 ゲームソフト(PS4版)に加え、本記事にも一部掲載している『サムライスピリッツ』の設定画を収録した“侍魂公式図録”と、『SAMURAI SPIRITS』NEOGEOロム風パッケージが付いた豪華3点セット『SAMURAI SPIRITS PS4 LIMITED PACK』が、SNKオンラインショップ限定で発売されます。

 サムスピファン必携のアイテムが付いたこの商品は現在予約受付中です。ほしい方はSNKオンラインショップへアクセスしてください。

※“PlayStation”はソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標です。
※MicrosoftおよびXbox Oneは米国Microsoft Corporationおよび/またはその関連会社の登録商標または商標です。
※ゲーム画面は開発中のものです。
(C)SNK CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.

SAMURAI SPIRITS

  • メーカー: SNK
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: 対戦格闘
  • 発売日: 2019年6月27日
  • 希望小売価格: 7,200円+税

SAMURAI SPIRITS(ダウンロード版)

  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: 対戦格闘
  • 配信日: 2019年6月27日
  • 価格: 7,200円+税

SAMURAI SPIRITS DELUXE PACK(ダウンロード版)

  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: 対戦格闘
  • 配信日: 2019年6月27日
  • 価格: 9,200円+税

SAMURAI SPIRITS(ダウンロード版)

  • 対応機種: Xbox One
  • ジャンル: 対戦格闘
  • 配信日: 2019年6月27日
  • 価格: 7,200円+税

SAMURAI SPIRITS DELUXE PACK(ダウンロード版)

  • 対応機種: Xbox One
  • ジャンル: 対戦格闘
  • 配信日: 2019年6月27日
  • 価格: 9,200円+税