群像劇、SLG好き集合! 『ブリガンダイン』プレイインプレッション
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2020年6月25日に、ハピネットより発売予定のNintendo Switch用ソフト『ブリガンダイン ルーナジア戦記』。そのプレイインプレッションをお届けします。
本作は1998年にPlayStation用ソフトとして発売された作品の続編。6つの国家と、それぞれに属する“ルーンの騎士”たちが、大陸の覇権を争うシミュレーションゲームです。
といってもゲームシステム的な続編であり、物語はまったくつながりのない別物なので、本作からプレイしても問題ありません。
ゲームの詳しい説明は、別途連載記事として解説してきたので、より詳細な内容はそちらをチェックして頂くとして、このインプレッションでは、私が本作をプレイして感じた魅力についてお話できればと思います。
キャラクター同士の関係性から目が離せない!
じつは私は熱心なシミュレーションファンというわけではなく、気になったタイトルをポツポツとプレイする程度。前作の『ブリガンダイン 幻想大陸戦記』も知りませんでした。
そんな私が本作をプレイしてまず惹かれたのが、魅力的なキャラクターの数々です。
本作の主要な人物たちのキャラクターデザインや、アート監修を担う風間雷太氏のイラストはもともと好きでしたので、アートワークという目から入る情報だけでもワクワクさせられました。
風間雷太氏は、『パズル&ドラゴンズ』や『ヴァルキリーアナトミア』、『三国志大戦』、『ボーダーブレイク』などでおなじみのイラストレーターです。
加えて6つの陣営が争うという、物語の大枠の部分。どの国でもプレイできるということは、同じ人物でも味方の時の顔と敵の時の顔が見れるということ。立場によってキャラクターが見せる面がまったく異なるというのは、戦記ものや群像劇が大好物な私にとって、何より魅力的な要素です。
無数に登場するキャラクターたち。その中でも主要人物たちは、ストーリーを進めていくに従って、その信条や在りかたが深く掘り下げられていきます。
キャラクターのパーソナリティを掘り下げていくのはキャラクターゲームにとっては必須の要素ですが、情報の見せ方が適度で心地いい! ほかのキャラクターとの絡みを見せることでプレイヤー側に考える余地を残してあります。次第に明らかになっていくキャラクターの人となりを楽しめます。
なので、ゲームを進めることで、徐々にキャラクターたちの想いを理解していく。その過程が、群像劇の魅力そのもので楽しいのです。もちろん、キャラクターによっては最初からスタンスが明確でわかりやすい人もいますが……。
そしてお気に入りのキャラクターができたら、そのキャラクターを重点的に育成したいもの。いい装備を与え、戦場に出して優先的に育て、部隊のユニットに強力なモンスターを配備してあげるなど、あらゆる手段でお気に入りキャラクターを強化していく過程は、シンプルですが明確なおもしろさがあります。
今回のプレイでは全勢力をプレイできたわけではありませんし、まだ見ぬキャラクターたちもたくさんいるはず。約100人のキャラクターがいれば、必ず気に入るキャラクターが現れることでしょう。
知り合いだった人たちが敵として戦場で出会うことも珍しくなく、そういった際に描かれる人物描写に惹かれるのならば、きっと本作のキャラクターたちの魅力を堪能できるのではないかと思います。
初心者でも段階的にハマっていくバトルシステム
先にも触れたように、私はシミュレーションゲームをそこまで遊んでいるプレイヤーではありません。私と同じような立場のプレイヤー、またはシミュレーションゲームに対し苦手意識を抱いている方は、「なんか難しそう……」という印象を持っていないでしょうか?
実際に『ブリガンダイン』を遊んでみて感じたのは、懸念していた難しさとはまったく真逆のものでした。とてもシンプルにまとめられていてわかりやすいため、ビギナーでも工夫のしどころを把握しやすいと感じます。
部隊編成を例にとってみましょう。部隊は隊長となる騎士の統魔コストを上限として、その枠に収まるようにモンスターを編入していきます。シミュレーションが苦手な人だと、ユニットの種類の多さにとまどい、結局何を入れればいいのかがわからないとなってしまいがち。
しかし本作では、とりあえずコストが高い(=性能が高い)モンスターを入れておくだけでもけっこう戦えます。もちろん、相性などその他もろもろの要素はあるのですが、この“とりあえず戦える”という部分が優しい……!
ただしコストが高いということは、部隊に編成できるユニット数が限られるということ。いざコスト重めのモンスター偏重の部隊で戦ってみると、今度は「手数がもっと欲しいな」と感じてくるハズ。
すると今度は、「手数が足りなくても敵の騎士を先に倒して、配下のモンスターをすべて退却させてしまえばいいのでは……」と、少数精鋭の部隊にも相応の戦い方があることに気付いていきます。
技や魔法の多くは、範囲内の敵味方双方に効果をおよぼすものも多いため、「この配置だと味方にも当たっちゃうのか」とか、「もう1ヘックス隣に配置できればよかったな」といった学びを得られたり、MPの使い過ぎで肝心なときに魔法を使えなかったりと、プレイを進めると、自分のプレイングで気になる点が次々と浮かび上がるのです。
こういったシンプルな面が本作の魅力であると個人的には思うのですが、では逆に深みがないのかというと、そんなこともありません。
ユニットごとに所持している属性の関係や得意地形といった要素は、考慮することで間違いなく戦闘を有利に進めることができます。装備を誰に持たせるかや、強化・弱体魔法を使いこなすことで、さらに戦術の幅も広がるはずです。
しかし、そういったことを意識せずとも遊べること、そしてそのようなプレイでも、ゲームを進めるごとに細かい気づきがあることが、シミュレーションに不慣れなプレイヤーにとってはとても嬉しいです。
自分のプレイを通して考え、学んでいくのはゲーム全般の魅力。しかしシミュレーションというジャンルでは、最初に提示される情報の多さでしり込みしてしまうことも多々あります。ですが本作では、きちんと段階を踏んで、プレイヤーが自発的に考えていける作りになっていると感じました。
本作は古き良き……少しいじわるに言ってしまえば古風なスタイルのゲームです。戦闘画面は全体的に地味ですし、部隊編成と戦闘を繰り返すゲームプレイも、単調ではあります。しかしそれがイヤではない、むしろクセにすらなるのは、構造がシンプルゆえに“次どうしようかな”という指針を見つけやすいからだと思います。
魅力的なキャラクターが無数に登場する群像劇が好きだけど、シミュレーションゲームに苦手意識を持っているという方は、ぜひ本作でシミュレーションゲームのおもしろさを体感してみてはいかがでしょうか。
なお、これまで特集してきた本作の魅力やシステムをまとめた記事は、以下からアクセスすることもできます。でひご一読ください!
連載記事の目次
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ブリガンダイン ルーナジア戦記 Limited Edition
- メーカー: ハピネット
- 対応機種: Switch
- ジャンル: SLG
- 発売日: 2020年6月25日
- 希望小売価格: 11,800円+税
ブリガンダイン ルーナジア戦記
- メーカー: ハピネット
- 対応機種: Switch
- ジャンル: SLG
- 発売日: 2020年6月25日
- 希望小売価格: 7,200円+税
ブリガンダイン ルーナジア戦記(ダウンロード版)
- メーカー: ハピネット
- 対応機種: Switch
- ジャンル: SLG
- 配信日: 2020年6月25日
- 価格: 7,200円+税