『ガールズフィスト!!!!』の2ndワンマンライブは1stを超える盛り上がりに! 詳細ライブレポートをお届け

電撃オンライン
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 バンドコミック『ガールズフィスト!!!!』に登場する女子高生キャラクター4人と連動するかたちで活動中の、若手女性声優のリアルバンド“南松本高校パンクロック同好会”。

 昨年10月に結成され、企画盤CDを2作品発表している彼女たちが、7月13日に早くも2度目のワンマンライブを開催しました。

 5月25日の1stワンマンでの演奏力やパフォーマンス、バンドとしての一体感をはるかに上回り、さらなる熱狂の夜となった2ndワンマンライブの詳細をレポートします。

 なお、当日のセットリスト、メンバープロフィール、次回3rdワンマンライブの詳細は、本記事の下部で紹介しています。

新ライブTシャツも大好評! 開始前から熱気ムンムン

 2ndワンマンは、1stの会場でもあった東京・Space emo 池袋での開催。小雨がぱらつくなか会場に足を運んだ多くの来場者が、フロアを埋め尽くしていきました。

 開場前の17:30から販売された新しい白地のライブTシャツが好評のようで、多くのファンが着替えをすませて来場していました。

  • ▲2ndワンマンライブTシャツ。白地のタイプは『ガールズフィスト!!!!』では初めてです。

 開演前、『ガールズフィスト!!!!』の公式Twitterからは、楽屋で円陣を組み、気合いを入れるメンバー4人の写真が配信され、スマホをのぞく来場者の間でも話題となっていました。

 19:30すぎ、ついにライブがスタート! 1stライブと同じ明るくパンキッシュなSEが流れ、オレンジと白のライティングが交互に点滅する中、ヴォーカル・浅見春那さん(奈川芳野役)、ドラムス・内山つかささん(白瀬双葉役)、ギター・奥村真由さん(坂ノ下奏恵役)、ベース・古川由利奈さん(藤森月役)の4人がステージに登場しました。

 全員、原作コミックに登場する南松本高校の緑の制服ブレザーを着用し、古川さんは1人、黒のサングラスをかけていました。

2ndワンマンは『Ready and Rarin’ to Go!!!!』からGO!

 全員が制服のブレザーを脱ぎ終えると、浅見さん、古川さん、奥村さんの3人がドラムの周囲に集まりました。

 そして、内山さんがクラッシュシンバルを打つのを合図に、“ジャジャーーーンッ”と弦楽器隊が激しく音をかき鳴らし、浅見さんが「イェーーーーーッ! 拳を上げろぉーーーーーっ!!」と叫びます。

 会場から無数の拳が突き上げられる中で、古川さんが「行くよ!」、内山さんが「ワン! ツー! スリー! フォー!」と元気に叫び、1曲目のオリジナル曲『Ready and Rarin’ to Go!!!!』がはじまりました。

 疾走感MAXの盛り上がり曲であるこのナンバーは、ライブのオープニングにピッタリ。センターのお立ち台に乗り、「みんなも一緒にー!」、「せーのっ!」、「ハイッ! ハイッ!」と、楽しそうに会場をあおりはじめた浅見さんに引っ張られ、会場は最初からブチ上がります!

 さらに、サウンドの迫力が1stワンマンより1、2段階上がっているようにも感じられる古川さんのヴォーカルやベース、奥村さんのギター、内山さんのドラムによって、会場のボルテージは一気に最高潮にまで達しました。

 直後のMCでは、古川さんが自分の担当キャラクター・月(るな)になりきり、いきなり来場者に「皆さん、モフモフしてますか……?」とたずねます。そこから、それぞれが役になりきっての“『ガールズフィスト!!!!』おもしろキャラ劇場”が突如、開演となりました。

古川さん(月):「もう一度……皆さん、モフモフしてますか……?」
来場者:「イエーーーーーーーーーイッ!!」
古川さん(月):「おー、モフモフの同志がこんなにたくさん……。つまり、みんなモフモフ同好会のメンバーってことで、いいんだよね? “わきのした”?」
奥村さん(奏恵):「坂ノ下ですっ!! るなっち、それわざとでしょ?」
古川さん(月):「べー」
奥村さん(奏恵):「(汗)。ま、まーとにかく! みんなー、今日は“モチベーション”上げていくよ!」
浅見さん(芳野):「さ、坂ノ下さん、それを言うなら……“テンション”の……間違いでは?」
奥村さん(奏恵):「まーまー細かいことは置いといてね! ほら、よしのんもなんか言っちゃお?」
浅見さん(芳野):「はい……皆さん、2ndワンマンライブにお越しいただきっ、誠にありがとうございますっ……! はわわ白瀬さーん……お客さんがたくさんいらっしゃいますぅー……」
内山さん(双葉):「ホントですねー、奈川さーん。こんなに大勢の前でドジをしてしまったら……たくさんの方に叱咤されてしまいますねー。ドキドキしますー!」
古川さん(月):「やっぱり…ドM!?」

 そうして双葉になりきったままの内山さんが次の曲を紹介し、カウントに入りました。

 2曲目も彼女たちのオリジナル曲『Roly Poly』。来場者もイントロから両手を頭の上に上げてのクラップで参加し、サビではステージ上で跳ねるように演奏するメンバーに合わせて連続でジャンプ!

 そんな中、お立ち台の上でタンバリンを上下に振りながら「飛び上がれー! もっともっとー!」と会場をあおる、浅見さんのパフォーマンスには驚かされました。

 この日の彼女は、1stワンマンとは見違えるレベルで、完全にバンドのフロントマンとしての迫力を備えていました。

 さまざまにリズムを変えつつ、全員がかわるがわるヴォーカルやコーラスを務め、バンドとしての一体感が非常に強いこの曲のできでも、彼女たちの成長を見せつけられました。

 そして曲終わりのMCで古川さんが「『ガールズフィスト!!!!』、2ndワンマンライブはじまりましたー!」と叫び、来場者も「イエーーーーイ!」と大きな歓声で応えました。

 続けて、「ちなみに、なーちゃんは今回の(ライブの)目標とかあるんですかー?」と古川さんが聞くと、浅見さんは「今回の目標ですか? それでは発表したいと思いまーす!」と言ってお立ち台に上がりはじめました。

 そんな浅見さんを指さし、「なんか前回よりも……慣れた感じがしません?」と古川さんが来場者に聞くと、浅見さんはすぐさま「心臓バクバクですよー! ドキドキでーす!」と返していました。

 お立ち台に上がった浅見さんが一言「あー、今日も視界が広がりますねー!!」と言うと、内山さんと古川さんから「味しめてるじゃねーかっ!」とダブルツッコミ。

 実はこの「視界が広がる」のセリフは、1stワンマンライブの後日放送された“南松本高校パンクロック同好会 バンドミーティング番外編 第15回”で、お立ち台から満員のフロアを見た時の感想を聞かれた浅見さんの珍回答。

 番組中と同じぐらいツッコまれながらも、続けて浅見さんが「今日は、全力で楽しむことを目標にしたいと思いまーす!」と発表します。

 「あおって、盛り上げて、最高の2ndワンマンにしたいと思いますので、皆さんついてきてください! ……あと、ちゃんと水分も摂ってくださいね、皆さん!」と浅見さんが続けると、野太いながらもお母さんに諭された子どものような声で来場者からも「はーーいっ」の大歓声で返事が。

 それを見ていた古川さんは、「なんか急に世界が“なーちゃんと楽しい仲間たち”みたいになってる! パンクロックはどこに行ったのー!?」と嘆くのでした。

 3曲目は、70年代後半に活躍したイギリスのパンクロックバンド、Sham 69(シャム・シックスティナイン)の『If The Kids Are United』。パンクロック好きなら一度は聴いたことがあるであろう、ノリやすいイントロと、オーディエンスと合唱する系のサビが印象的なロックチューンです。

 内山さんの強烈なバスドラムのキックからイントロがはじまり、奥村さんが弾き下ろす歪(ひず)んだコードとギターリフが大音量で響きわたって曲がスタート!

 サビで浅見さんと内山さんが叫ぶタイトルそのままのコーラスは、元気のよさがとても魅力的で、来場者はつられるように1曲を通して拳を上げて縦ノリし続けていました。

 続くMCは、再び“『ガールズフィスト!!!!』おもしろキャラ劇場”の第2幕へ。3曲目で「クラップー!」「一緒に歌ってー!」と来場者をガンガンにあおり続け、少し息が上がっていた浅見さんに、古川さんが月になりきり「奈川さん……もう疲れてる? もう少し体力つけないといけないね……」と浅見さんをいじりはじめました。

 するとすぐ、芳野になりきった浅見さんが「り、理系なんです…」と返し、会場は大爆笑! また、内山さんも双葉になりきって来場者に、「あの前列の方、(自分が飛ばした)スティックで頭とかケガしてないですか? 大丈夫ですか?」とたずねます。

 ドラム初心者で、演奏時にスティックがすっぽ抜けてばかりの原作コミックの双葉が、まさにそこにいるかのような演技に、会場からはまたしても大きな笑いが起こっていました。

 この他、月が今日野良猫に出会った話、芳野が全員の占いを見てきた話、奏恵のぶりぶりモードなどをテーマに、4人がキャラクターで会話しつづけ、この間の会場は終始ほのぼのした空気に包まれていました。

 続く4曲目は、1stで大好評だったカバー曲である、THE BLUE HEARTSの『リンダリンダ』。連載中の原作コミックでも芳野たちが現在進行系でコピーしている、日本のパンクロックの名曲中の名曲です。

 この曲も、前回よりも4人で出している音の迫力が増しているような、バンド全体が出す音量が上がっているような、そんな印象を受けました。

 また、内山さんの4カウントから一気になだれ込んでいく冒頭部分をはじめ、会場と一体となって叫びまくるラストのリフレインまで、「リンダリンダーッ!」と叫ぶ箇所での浅見さんは髪を振り乱し、激しく頭を振り続けていました。

 その姿はすさまじく、圧巻でもありました。来場者にも強烈なインパクトを残したはずです。

 立て続けの5曲目は、かの有名なアニメソング『はじめてのチュウ』を、パンクロックバンド・Hi-STANDARD(ハイ・スタンダード/ハイスタ)が英語詞にしてカバーした『My First Kiss』。

 1stワンマンではスローテンポで横ノリのアレンジに仕上がっていましたが、今回はハイスタの原曲スピードに合わせての挑戦。

 古川さんが弾くこの曲の特徴的なベースラインと、安定感があって力強い内山さんのドラム、そして奥村さんのPOPでスピードアップしたギターリフの上で、浅見さんのヴォーカルがかわらしく跳ねつづけているようでした。

 サビの浅見さんの歌に続く「~チュウ!」や「~YOU!」、「マイラブ!」の掛け声の箇所では、会場中から大きな声でのレスポンスもありました。たとえテンポアップしてもこの4人で演奏すると、愛らしくPOPに盛り上がる1曲になるようです。

 曲が終わってすぐ、古川さんが「意外ともうちょっとテンポ上げてもいけそうだよね!」と3人に同意を求めると、奥村さんが1人「ええ!? んぐっ*%//#★¥$$…っ! えーと、がんばるねーーっ!(汗)」と、言葉にならない悲鳴を上げつつ、あわてて答えていました。

 『My First Kiss』のギターリフはポジションチェンジが激しく、テンポを上げるのがとっても難しい曲なのだそうです。

 このころはライブ開始から30分がすぎ、会場はかなり熱気となっていました。

 古川さんが「皆さん汗かいてますかー?」とたずねると、「おおーーーッ!」と元気に返す来場者。それを見ていた浅見さんが「皆さん凝縮してるからなぁ…」と、またしても珍発言をしました。

 浅見さん的には、来場者が多くフロアにあまりスペースがないため、“1人1人がくっつくように“凝縮して”ライブを聴いてくれているから、汗もたくさんかくだろう”ということを言いたかったようです。

 内山さんが「熱くて凝縮って……なんかコンソメみたいな話だなー」とツッコみ、そんな内山さんに「煮詰める、煮詰めるなー」と古川さんがさらにツッコんで、会場はまたしも笑いの渦に包まれました。

初の“演奏つきメンバー紹介”からのサプライズ新曲も!!

 続いてMCは、この日4人が着ているファッションの話になっていきました。1stワンマンでもライブTシャツを切ったり、レースをつけたりと、思い思いにアレンジをしたメンバーたち。

 「我こそは今日一番センスのいいTシャツのアレンジをしたぞって人は?」と古川さんが聞くと、一番威勢よく手を上げたのは、この日1人Tシャツを着ていない内山さんでした。

 「すみません、つかっちゃん? Tシャツ着てないですよね!?」と古川さんがツッコむと、「今日のテーマはGreen Dayです、私!」とドヤ顔で返す内山さん。

 Green Dayのギター&ヴォーカル、ビリー・ジョーのシンボルマークとも言える、黒シャツにネクタイを合わせたファッションで今日はまとめたとのことでした。

 「せっかくだから前に出てきて、お客さんにも近くで見せなよー」と古川さんにうながされ、無理矢理お立ち台にまで立たされた内山さんは、お客さんとのあまりに近さに「うわぁーーーーっ!! これ、やばーーーいっ!」と大悲鳴!

 そして内山さんはお立ち台の上から、サウンドプロデューサーであるMr.EDDIEさんとの間で、2ndワンマンのコスチュームについてのやりとりがあったことを説明。

 1stワンマンの4人のTシャツのアレンジはあまりにキレイすぎる、もっとパンクファッションを追求してほしいと言われたこと、「じゃあ、Green Dayさんの黒シャツとかどうでしょう?」ときいたら、EDDIEさんに「いい!」と言われ、今回のコスチュームになったことを明かしました。

 続いては、浅見さんのTシャツアレンジについて。今回のポイントは、肩と腰のあたりにたくさんついた安全ピンと、勢いよくランダムに生地に飛ばしたブルーのアクリル絵の具とのことでした。

 また、ここで浅見さんがお立ち台に乗っても、腰から下のファッションが後ろのほうの来場者には見えない、という話になりました。

 すると、フロアの前のほうに陣取る多くの来場者が自主的にしゃがみ込み、後ろの来場者にも浅見さんの全身が見えるようにしてくれるという一幕も。「なんて優しい世界なんだ……」と古川さんも感激しきりでした。

 続いては古川さん。ライブTシャツに、黒のベスト、黒のジーンズをシンプルに合わせたのがこの日のファッション。加えて、オープニングから1曲目までカッコよくサングラスを着用していました。

 しかし、実はこのサングラス、開演前に「今日これ……最初のうちつけてていいかな……?」と、メンバーにマジメに確認をとっていたことが、内山さん&奥村さんから暴露されました。

 さらに、内山さんは「サングラスかけてても楽屋だと明るくて目が消えちゃうから、「~ザマス」って言う人にしか見えなかった~!」と来場者と一緒に大笑い! 続いて、古川さんに「まゆちちゃん、出番ザマスよ!」と呼ばれ、最後の奥村さんの番に。

 奥村さんが、今日のファンションはトゲトゲのチョーカーと、目の大きい網タイツがポイント、と説明すると、会場からは「エロい!」の声が飛び交いました。

 すると内山さんが、「そこはオブラートに包むんだよー! エロいなんて言っちゃダメ! 『ガールズフィスト!!!!』の清純派担当なんだから!」と来場者を優しく注意していました。

 また、メンバーが思い思いの場所につけている、キャラクターのキーカラーのバンダナは、古川さんが購入してきたものとのこと。

 奥村さんが「パンクのファッションについても、ゆっち(古川さん)がいろいろアドバイスしてくれて、すごく助かったんだー」と感謝すると、古川さんは「違うの。私がみんなに着せたいものをただ着てもらってるだけなの。私が見たいだけなの。へっへっへっ」と返して、会場は再び爆笑に包まれたのでした。

 続いて、浅見さんが「やりたくてしょうがなかったですね、これ!」というコーナーに突入することに。会場全体が困惑する中、浅見さんが「イカれたメンバーを紹介するぜーーっ!」と叫び、メンバー紹介に突入します。

 内山さんがパワフルにビートを刻み、古川さん、奥村さんの順でベースとギターがかき鳴らされていく中、浅見さんが1人1人の名前を呼んで紹介していきます。

 最後に「そしてヴォーカル! みんなせーの!」と会場にレスポンスを求める浅見さんに、「なーちゃーーーん!!」と大歓声で返す来場者。すると間髪入れずに、なんとも聞き覚えのある曲が激しいビートでスタートしました。

 そんな6曲目は、童謡の『もりのくまさん』をパンクロック調にアレンジしたナンバー。楽器隊3人による高速のビートに乗って、メルヘンチックな歌詞を浅見さんがシャウトして歌います。

 誰もが知っている童謡だからか、1番や3番をレスポンスで歌う来場者もいて会場は大熱狂状態に! オリジナルの歌詞となっていた2番で、「おまえら!!」と会場を指さして叫ぶ浅見さんの行儀の悪さも逆にかわいらしく、斬新なアレンジと相まって大盛り上がりの1曲となりました。

 続くMCでは、メンバーから次回は『犬のおまわりさん』や『どんぐりころころ』もやってみたいという声も挙がっていました。

 そしてここでサプライズ! なんと次の曲は、このライブ初出しの新曲であるとのこと。内山さんが書いたという歌詞の中でもっとも印象的な、サビの「ぶっ壊して~♪」というフレーズがメンバー全員、大のお気に入りなのだそうです。

 内山さんが「それでは聴いてください! 『Re:スタート』!!」と叫び、奥村さんの荒々しくもきらびやかなカッティングギターから、7曲目となる新曲がはじまりました。

 自分の生き方を自分で決める決意を綴った、非常にメロディアスなアッパーチューン。「ただ真っ直ぐに ただがむしゃらに」、「大事なことは 自分の気持ち」など、前向きな言葉の連続からの「ぶっ壊してー!」が胸に突き刺さりました。

 ラストのサビの前、激しいドラミングを見せる内山さんを円陣のように3人が囲みながら演奏する場面で、会場は大きくヒートアップ! 来場者も大歓声を上げ、盛り上がっていました。彼女たちの新たな代表曲の1つとなることは間違いないでしょう。

 この新曲は、来場者の評判も上々で、古川さんも「盛り上がってよかった!」と満足そうでした。

 そして8曲目は、この日の内山さんがファッションを参考にしたというGreen Dayの大ヒット曲『Minority(マイノリティ)』。

 1stでも演奏した曲ですが、Aメロでの奥村さんのギターリフと古川さんのベースライン、そして行進しながら進むマーチングドラムのような内山さんのスネアの音。この3つが一体感を一段とアップさせていたのが印象的でした。

 直後のMCでは、内山さんが「みんな見えてたかな~? 行進(Aメロ)のところで、タッタタッタって、本当に足踏みして行進しながら弾いてるまゆち(奥村さん)がすっごいかわいいの!」と言って、奥村さんが照れ笑いを浮かべていました。

 それに対し古川さんが「そこは私は、すごい細かいベースラインなので行進はまだできない……。もっとうまくならねば!」と決意表明し、会場から大きな拍手を浴びました。

 そして、ここからはいよいよ後半戦に突入。内山さんは「皆さん、すでにだいぶ汗かいてると思うんですけどー、実は着替えが売ってるんですよ、すぐそこ(フロア外の物販コーナー)で。それもすごいイケてるTシャツが!」と、さりげなく来場者にライブTシャツの宣伝をぶっ込みはじめました。

 それに浅見さんも「そうですね! ぜひアレンジもしていただいてね!」と乗っかり、奥村さんも「なーちゃんみたいに安全ピンをいっぱいつけちゃったりね!」とかぶせます。

 最後に古川さんが「もしくは、つかっちゃんみたいに脱ぎ捨ててもらってね!」とボケると、内山さんが「それ購入する意味って何!?」と返し、会場は再び大爆笑となりました。

 改めて古川さんが、「後半戦ということで、皆さんギアを入れ直してくださいね!」と言うと、会場からは「おおーーーっ!!」と元気な歓声が返ってきました。

 そこで古川さんが「なーちゃん、まだまだ皆さんに負けてらんないよー?」と言うと、浅見さんも「わー、どうしよー? 負け……ないからなーーっ!!」と会場に向かって叫びました。

 それに負けじと「イエーーーイッ!」と返して来る会場に、古川さんがさらに「言い返せ! 言い返せ!」と浅見さんをけしかけます。

 「こっ、こっ、このやろーー! かかってこいやぁーー!」と元気に言い返す浅見さんに、さらに「うぉおおおおっ!」っと会場もヒートアップ! 最高の状態での後半戦突入となりました。

後半戦~怒とうのライブ終盤へ!

 9曲目は、’80年代に活躍した日本の伝説のロックバンド、ザ・ルースターズのデビューシングル『恋をしようよ』。

 2003年に公開された映画『ROCKERS』の作中に登場したり、OKAMOTO’Sなどがカバーしたりと、今も多くのアーティストからリスペクトされているロックの名曲です。

 4人の演奏でも、この曲の持つ圧倒的なスピード感と迫力は十分に表現されていました。浅見さんが終始激しく歌いながら、この曲のサビの強烈なフレーズ「やりたいだけー!」をキュートに何度も叫ぶたび、来場者は「おおぉぉぉーーっ!」と大歓声! この曲で会場の熱気は再び最高潮に達しました。

 10曲目は、『リンダリンダ』につづくTHE BLUE HEARTSのカバー曲『情熱の薔薇』。TVドラマの主題歌やCMソングなどにも使用されてきた、これもTHE BLUE HEARTSの代表曲のうちの1つです。

 イントロのあとに「イエーーーッ!」と浅見さんが叫び、おなじみの歌とメロディがスタート。パワフルにビートを刻み続ける内山さんのドラム、ずっしりとうねる古川さんのベース、奥村さんのコード弾きのディストーションギターの上で、浅見さんが真っ直ぐに歌い上げる1曲となりました。ラストのサビでは、歌詞を知っている来場者の大合唱も起こりました。

 続いてステージのライティングがブルーに変わり、夕陽のようなオレンジ色のライトが奥村さんを背後から照らしはじめました。

 奥村さんがミュートギターの演奏とともに、「茜色した~」と歌いはじめると、会場からは「おおーーっ!」と歓声が起こり、11曲目のオリジナル曲『Full of Lies』がはじまりました。

 泣きのメロディと健気に歌う奥村さんの歌声で、ファンの間でも人気の高いこの曲は、体を縦に揺らしつつも、じっくり聴いている来場者が多いように感じられました。奥村さんも難しいはずのギター&ヴォーカルを、今回も懸命に務め上げていました。

 直後のMCでは、浅見さんが「いい曲だ……。まゆちさんが悦にひたって歌ってる表情、見れたんじゃないですか? みなさーん!」とあおると、会場からは大歓声が。

 その歓声に「なんかあれだね……ちょっと恥ずかしいね」と照れる奥村さんでしたが、古川さんが「いやいや、もっともっと悦にひたってよ! そこは!」とあおり、内山さんが「そう、“奥村・悦・まゆち”としてね!」と乗っかって会場は再び爆笑に。

 続いて浅見さんが「皆さん! ラストスパートですよ!」と叫ぶと、会場からは「ええーーーっ?」という残念そうな大きな声が。

 それに対し、古川さんは「これこれこれこれ! これが聴きたかった! ラストスパートも盛り上がりましょう! 声出していくぞー!」と叫びます。

 そしてはじまった12曲目は、オリジナル曲『青春ガール』。この曲のイントロで印象的な「イエーーーーーーーーーッ!」と叫ぶところは、浅見さんと会場とが拳を突き上げ一緒に大合唱!

 最高にブチ上がったかたちで、まさに青春な1曲がはじまりました。サビ前に「せーの!」と叫んだり、間奏の「オイ! オイ!」と叫ぶ掛け声のところでも、「もっともっと(声を)聴かせてくれーーっ!」と会場をあおりまくる浅見さんが、ここでもとても印象的でした。

 続く怒とうの13曲目もオリジナル曲『Tic×Tic=Tac♪』。テンション上がりまくりのこの浅見さんが、歌詞の「一緒にいるだけで なんだか浮かれてる」の部分で、奥村さんと頬を寄せ合いながら歌うシーンも!

 このPOPなロックチューンも、彼女たちが演奏力を大幅にアップさせている1曲となっていました。4人全員が入れ替わりつつヴォーカルを務め、「ティク・ティク・タック」と歌いつづけるコーラスが入ったり、来場者にクラップを求めたり、奥村さんがホイッスルを吹いたりと、まさにやることがいっぱいの大忙しな曲ながら、ラスト前にバンドと会場がさらに一体となったのでした。

 続くMCでは、奥村さんが「なーちゃん、めっちゃ(お客さんを)あおるようになったねー!」と驚きの声をあげ、来場者や古川さん、内山さんも同感の様子。浅見さんが会場に「大丈夫ですか? あたし、あおれてますか?」とたずねると、来場者も「イエーーーーイ!」と返してくれるのでした。

 続けて古川さんが「今日のライブも視界は広がりましたか? なーちゃん?」とたずねると、浅見さんも「今日のライブも、えー、ずいぶんと、えー、前回よりもー、視界が広がるー!!」とおどけて叫びます。

 その「広がるー!」の叫びと同時に、フロア全体が明るく照らされ、「わざわざライトつけてくださって、ありがとうございます!」と古川さんが、ライブハウスの照明さんにお礼を言う場面もありました。

 奥村さんは、この日のライブの感想として「今日は動くことを目標にしてきたから、めちゃめちゃ動いて汗ダラダラですぅ。でもでも! いっぱい動いたほうが、楽しいっ!!」と叫び、会場から大歓声をもらいました。

 お立ち台に乗る回数を増やしたり、ジャンプしたり、曲中に古川さんや浅見さんとステージの位置をチェンジしたりと、とにかく動き回っていた奥村さん。そんなパフォーマンスも、多くの来場者を楽しませていたのでした。

 その流れで、浅見さんと古川さんに「今日は(奥村さんみたいに)動けましたか?」と聞かれたドラムの内山さんは、「全然動けなかったの! ほんとごめんなさい! 1stから進化してないなー。意外とシャイなもんで……」と悔しそうに答え、ここでも会場の笑いを独り占め。

 続けて内山さんは、「会場の皆さんの動き(ヘドバン)もすごくパワーアップしてたから、それがうれしくて……本当に楽しかったでーす!」と言って、大きな拍手をもらいました。

 古川さんも「いっやー、すっごい楽しかったです! 皆さんが声を出してくれてるおかげです!」と叫び、続けて「今日皆さんと同じように私もたくさん頭を振ってますけど、ほんと髪切ってきてよかったって思ってます(笑)。いくら頭を振っても全然、目や顔にかからないですから! 今度『短髪ってすばらしい!!!!』って曲を書きたいぐらいです!!」と叫び、会場からは大きな笑いと拍手が巻き起こりました。

 そして、古川さんが「次の曲で最後なんです…」と告げると、会場からは10秒以上続く「えーーーーーーーーーーー!」の大合唱が!

 そんな会場の反応に満足そうな古川さんを尻目に、奥村さんが「最後行く前に、あれやろ?」と言って拳を挙げるポーズをすると、会場でも拳を上げて準備するが来場者がチラホラ出はじめました。

 さらに、お立ち台に立った浅見さんが「じゃあ皆さん、右手でも、左腕(ひだりうで)でもいいので……」と言いながら、来場者に拳を上げる準備を勧めますが、古川さんに「腕って!! 腕って、どう上げればいいんだ!?」、内山さんに「それ隣の人を(エルボーで)やっちゃうから!」とツッコまれてしまいます。

 しかし、そんな先輩のチャチャにも動揺しなくなった浅見さんが、「いきますよー! 拳を上げろぉーーーーー!!」と会場に呼びかけると、ステージ上の4人と会場とが一体となり、拳を突き上げ叫ぶのでした。

 「ガールズーーーーーーーー、フィストォーーーーーーーッ!!」。

 間髪入れずに、奥村さんの荒々しいギターの爆音とともに、浅見さんが「ラストーーっ! みんなありがとーーっ!!」と叫んではじまったのが、14曲目の『自分自信』。ラストの曲ということでメンバー全員、笑顔いっぱいでの演奏となり、浅見さんが古川さんや奥村さんに寄り添うようにして歌う姿も見られました。

 サビの前の「What’s You!」や「Stand Up!」をメンバーと来場者が一緒になって叫ぶ光景は、このライブの1つのクライマックスでもありました。

 曲が終わると大きな拍手の中、古川さんが「ガールズフィスト!!!! 南松本高校パンクロック同好会 2ndワンマンライブ、ありがとうございました!」と叫びました。ライブ開始から1時間33分が経過していました。

 ステージから4人が姿を消して10秒も経たないうちに、会場からはアンコールのコールが沸き起こりました。そのコールはしだいにペースを速くしたまま、なんと5分以上も続いていました。4人が再びステージへと登場すると、再び会場は割れんばかりの大歓声に包まれました。

 「だんだんペースが速くなるアンコールのコール(笑)、ありがとうございました!」と古川さんがお礼を言ったあと、4人からまたしてもサプライズとして、3rdワンマンライブの開催が発表されました。

 日にちは9月21日で、開演は19:30、会場はこれまでと同じく東京・Space emo 池袋となります。

 また、彼女たちが定期的に開催している公開練習の次回開催日は、7月31日と発表されました。場所は、東京・AKIHABARAゲーマーズ本店6F、開始は19:30。いつもどおり観覧フリー&写真撮影OKとのことでした。

 そして、この日の本当のラストとなるアンコール曲は、伝説のパンクロックバンド・ラモーンズの名曲『電撃バップ』。「ヘイ! ホー! レッツゴー!」の掛け声を、来場者とともに最後の力を振り絞って叫ぶメンバーたち。まさにパンクロックのライブらしいラストとなりました。

2ndワンマンは観る者を圧倒するライブステージに

 “南松本高校パンクロック同好会”は、結成して本格的に楽器をはじめてからまだ9カ月、ヴォーカルの浅見さんに至っては、加入からまだ5カ月しか経っていません。

 しかし今回の2ndワンマンも、そんな経験の浅さを、勢いと迫力と熱量でカバーした、観る者を圧倒するライブステージとなっていました。

 また、ステージ上を動き回ったり、何度もお立ち台に立ったり、リズムに合わせて跳びはね続けたり、頭を振ったりといったパフォーマンス力の向上もあり、来場者を楽しませる力が格段にアップしたライブとなっていました。

 特に、バンドのフロントマンとしての浅見さんの急成長ぶりは、目を見張るものがありました。

 ちょうど5カ月前の2月13日の公開練習では、観覧者のほうを向いて歌うことすらできない状態だった浅見さん。そんな彼女が、この日は元気に来場者をあおりつづけ、楽しそうにMCもこなし、声を振り絞って懸命に歌い続けていました。

 さらに、楽器隊である奥村さん、古川さん、内山さんそれぞれの演奏力の大幅なアップも、明らかに違いのわかるレベルで感じられました。

 4人が相当の練習量で努力を続けてきたであろうことは、今回の多くの来場者も感じたはずです。それが彼女たち4人の“エモさ”なのです。

 100%のガチ演奏だけに、もちろんまだまだ細かなミスも目立ち、荒削りではありました。それでも2019年7月13日、Spece emo 池袋。この場所でしか聴くことができない彼女たちの真っ直ぐな音が、そこにはありました。

 3rdワンマンライブもきっと、バンドとしてさらに成長を遂げた、その日にしか観られない彼女たちがそこにいるはず、そう確信しました。

“ガールズフィスト!!!! 南松本高校パンクロック同好会 ワンマンライブ Take Action!!!! Vol.2”セットリスト[2019年7月13日@Space emo 池袋]

1.『Ready and Rarin’ to Go!!!!』【『Stand Up!!!!』TYPE B収録】
2.『Roly Poly』【『Stand Up!!!!』TYPE A収録】
3.『If The Kids Are United』Sham 69(カバー曲)
4.『リンダリンダ』THE BLUE HEARTS(カバー曲)
5.『My First Kiss』Hi-STANDARD(カバー曲)
6.『もりのくまさん』(ガールズフィスト!!!! Ver.)(カバー曲)
7.『Re:スタート』(新曲)
8.『Minority』Green Day(カバー曲)
9.『恋をしようよ』ザ・ルースターズ(カバー曲)
10.『情熱の薔薇』THE BLUE HEARTS(カバー曲)
11.『Full of Lies』【『D.A.S.H!!!!』TYPE B収録】
12.『青春ガール』【『D.A.S.H!!!!』TYPE A・B収録】
13.『Tic×Tic=Tac♪』【『D.A.S.H!!!!』TYPE A収録】
14.『自分自信』【『Stand Up!!!!』TYPE A・B収録】
Encore『電撃バップ』ラモーンズ(原題『Blitzkrieg Bop』)(カバー曲)

“南松本高校パンクロック同好会”メンバー

左:G.奥村真由さん(坂ノ下奏恵役)

 愛称・まゆち。小さな体で荒々しくパンクな爆音をとどろかせるギタリスト。普段はほんわかとした癒やし系ながら、時に本人無意識のまま、おいしいところを持っていく人。

中央左:B.古川由利奈さん(藤森月(るな)役)

 愛称・ゆっち。指弾きのベースでバンドの重低音をクールに支えるベーシスト。元気いっぱいのリーダー的存在で、MCの回しも巧みだが、悪ふざけしまくるのも超大好き。

中央右:Dr.内山つかささん(白瀬双葉役)

 愛称・つかっちゃん。満面笑顔でパワフルなビートをたたき出すドラマー。しゃべりがおもしろく、底抜けに明るいムードメーカーだが、メンバーをいじることも最近は大忙し。

右:Vo.浅見春那さん(奈川芳野役)

 愛称・なーちゃん。初々しくも真っ直ぐに歌う、バンド最年少のヴォーカリスト。かなりの天然モンスターであることが判明しつつあり、ツッコむほうはとっても大変。

『ガールズフィスト!!!!』イベント情報

“ガールズフィスト!!!! 南松本高校パンクロック同好会 ワンマンライブ Take Action!!!! Vol.3”開催概要

開催日時
9月21日
開場19:00
開演19:30
会場
東京・Space emo 池袋
出演者(敬称略)
南松本高校パンクロック同好会(浅見春那・内山つかさ・奥村真由・古川由利奈)
チケット購入
ライブポケット

“ガールズフィスト!!!! 南松本高校パンクロック同好会 公開練習”開催概要

開催日時
7月31日
開場19:00
開演19:30
会場
東京・AKIHABARAゲーマーズ本店
内容
公開練習&サイン会
出演者(敬称略)
南松本高校パンクロック同好会(浅見春那・内山つかさ・奥村真由・古川由利奈)
※公開練習は観覧フリーですが、来場者によっては入場規制がかかる場合があります。
サイン会参加詳細
特設サイトで確認できます。

(C)2019 ガールズフィスト!!!! プロジェクト

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電撃コミックスNEXT『ガールズフィスト!!!!(1)』

  • 漫画:ぼみ
  • 原作:木瓜庵
  • 発行:KADOKAWA
  • 発売日:2019年3月27日
  • 定価:本体620円+税

D.A.S.H!!!!(TYPE A)/ガールズフィスト!!!!

  • レーベル:インペリアルレコード
  • 発売元:テイチクエンタテインメント
  • 発売日:2019年4月3日
  • 定価:1,667円+税

D.A.S.H!!!!(TYPE B)/ガールズフィスト!!!!

  • レーベル:インペリアルレコード
  • 発売元:テイチクエンタテインメント
  • 発売日:2019年4月3日
  • 定価:1,667円+税

Stand Up!!!!(TYPE A)/ガールズフィスト!!!!

  • レーベル:インペリアルレコード
  • 発売元:テイチクエンタテインメント
  • 発行:KADOKAWA
  • 発売日:2018年12月12日
  • 定価:1,667円+税

Stand Up!!!!(TYPE B)/ガールズフィスト!!!!

  • レーベル:インペリアルレコード
  • 発売元:テイチクエンタテインメント
  • 発行:KADOKAWA
  • 発売日:2018年12月12日
  • 定価:1,667円+税

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