これぞ、コミックとゲームの融合。ページをめくるように遊べる『リベレイテッド』が斬新で面白い!【電撃インディー#4】

柏又
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はDMM GAMESより5月27日発売のPS4/Nintendo Switch/PC(Steam/DMM GAME PLAYER)用ゲーム『LIBERATED(リベレイテッド)』のPS4版のロムをもとにレビューをお届けします。

※Xbox One版は6月販売予定です。

 本作は、アメコミの単行本と横視点のアクションゲームが融合した新感覚の作品です。プレイヤーは、コミックを読み進めるかのように物語を進めていきつつも、ところどころで自身の手で登場人物を操作して彼らのアクションを体験できます。

●動画:LIBERATED(リベレイテッド) Trailer

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

コミックの紙面からアクションへ移行するシームレスさが気持ちいい!

 本作は、単行本化されたコミックのページをめくっていく形でゲームが進行。それぞれのコマはアニメーションとボイスでストーリーが語られます。

 ページを読み進めて横長のコマに入ると横視点のアクションゲームがスタートする、という感じでイベントシーンからアクションシーンへの移行がシームレスに行われるのです。


 3DのアクションゲームやFPSのなかには、イベントシーンのカメラがプレイヤー視点になってシームレスにゲームスタート、という作品が近年見られますが、本作はそのシームレスなシーン移行をコミック上で再現していると言ってもいいかもしれません。

 コマから次のコマへの移動や、そしてアクションシーンへの移行は非常にスムーズで違和感がなく、コマを追ってコミックを読み進めている感覚のままアクションシーンへ入れるあたりは、なかなか興味深いと思いました。

 コミックは手書きのイラスト風、アクションは3DCGで描画されているため、画質の違いはどうしても出てしまうのですが、それでもなるべく同じトーンでグラフィックスを見せようという努力は感じられますね。

プレイヤーの選択で展開が変わるシーンも

 本作では、プレイヤーの選択でそのあとのシーンが変化するインタラクティブな仕掛けも用意されています。

 たとえば主人公が敵に見つかった場合に、その場で降参するか、それとも逃走するか、という選択肢が表示されて逃走を選ぶと敵から逃げるアクションパートがスタートする、といった風に選んだことで遊べるシーンも存在。

 基本的に、プレイヤーの選択は物語の大勢に影響を及ぼしませんが、プレイヤーの意思を物語に反映させる手段としては悪くない内容だと思います。

アクションは多彩だが操作はシンプルで遊びやすい

 アクションシーンの操作は、左スティックで移動、×ボタンでジャンプというオーソドックスなスタイル。銃撃だけ右スティックで銃の狙いをつけてR2ボタンで撃つという操作になっているのが特徴でしょうか。発砲や着弾音が擬音化されているのがコミックらしくていい感じですね。

 カーチェイスや大勢の敵に囲まれたときの対応など、アクションものに付き物のド派手なシーンは、表示されたとおりにボタンを押すいわゆるQTE(クイックタイムイベント)で再現されています。

 ただし、ボタンの入力を受け付ける時間は長めにとられている印象で、落ち着いて正確な操作を行えばほとんどのシーンで失敗することはないでしょう。

 また、場所によっては△ボタンで物陰に隠れることが可能で、隠れている間は敵に見つからないほか、体力の自動回復速度がアップします。隠れている際に敵が近づくと、□ボタンでステルスキルを行うこともできます。

 ただし、隠れられる場所は限られているため完全なステルスプレイができるというわけではないですね。FPS風に障害物を確保して体力を回復するとか、敵地に潜入している気分を味わうための仕掛けという印象です。

 全体的なアクションシーンの印象としては、シンプルな操作で多彩なアクションをうまくまとめていると思いました。このあたり、すでに発売中の海外版では実は賛否あったりするわけですが、本作はいわゆるガチンコのアクションではなく、コミックへの没入感を高める仕掛けとしてのアクションを目指して制作しているのだと筆者は解釈しています。

仕掛けを解くためのパズル要素も!

 本作では、パスワードを解いたり配線をつなくなどといった際に簡単なパズルを解くシーンも用意されています。また、数は多くないですが足場を動かして高台に登ったり、スイッチで進路を開くなどといった仕掛けもあってステージはけっこうバリエーション豊かな感じです。

プライバシーのない監視社会とそこに生きる人々を描く重厚な物語がたまらない!

 本作で描かれるのは、為政者が住人のプライバシーを自動収集して格付けを行うディストピアな近未来世界。

 しかし、その格付けは為政者や治安組織によって恣意的に運用されていて、人の目に見えない形であるものの社会のあちこちに不正がはびこっていました。

 監視社会に慣れ切った人々の目を覚まさせ、真の自由を取り戻そうとする組織“リベレイテッド”を軸に、さまざまな立場の人々の生きざまを描くのが本作の物語です。

 メインのストーリーは単行本4巻で構成され、リベレイテッドだけではなく、治安組織の視点からも物語が展開。本編をクリアすると、その後を描く2巻分のストーリーがボーナスチャプターとして楽しめます。

 本作は、“リベレイテッドが腐敗した為政者を撃ち倒して大団円! リベレイテッド万歳!”といった単純な物語ではなく、腐敗はしていても大勢に支持されている世界に立ち向かうのはどういうことなのか、生きることの難しさのようなものを個人的には強く感じました。

 抑圧された社会からの解放、というよりもそこで生きる登場人物の生きざまを感じる、というのが本作の楽しみ方なのかもしれません。

 ここまで紹介してきた本作、コマ割りで世界と物語を表現していくコミックというジャンルに、アクションゲームという要素を積み上げることでさらなる没入感を読者に与える興味深い作品だと筆者は感じました。

 操作はシンプルで難易度もそれほど高くないので、コミックの絵柄にひかれた人は買っても損はないと思います。また、監視社会のなかで生きる人々をテーマにしたヘビーな物語が気になった人も、オチには期待せずプレイしてみてほしいですね。

※使用画像は開発中のものです。実際のシーンとは異なる可能性があります。予めご了承ください。
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