都市開発ゲームと癒しの両立を目指して。『島の民』開発メンバーにインタビュー!【電撃インディー#84】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Coatsink SoftwareとGrizzlyGamesが贈るシミュレーションゲーム『島の民: コンソール版』の開発チームにインタビューを実施しました。

 本作は、バリエーション豊かな島々を移動しながら施設を建築し、ハイスコア獲得を目指すパズル&ストラテジーゲーム。ライトなゲーム性ながら、爽快感のあるパズル要素が魅力的な作品です。

 本インタビューでは、『島の民: コンソール版』をGrizzlyGamesの開発メンバーPaulさん、Friedemannさん、 Jonasさんにお答えいただきました。

  • ▲(左より)Jonasさん、Friedemannさん、Paulさん

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

ストレス社会の中での息抜きとして癒し系なゲームを作ろうと考えた

――『島の民』の注目点を教えてください。

 『島の民』は都市開発ゲームとして大変遊びやすく、同時にリラックスして遊べるような作りにしています。

 都市開発ジャンルのゲームによく見られる、巨大で美しい街を開発するために複雑な経済状況を回すのに頑張らなければならない、ということは本ゲームの要素にはありません。

――開発で苦労していたところを教えてください。

 大変だったのは、3人でコントロール出来る範囲で開発を続けていくことだったと思います。

 もちろん、いろんな機能を詰め込みたい気持ちは大いにあります。しかしそれと同時に、新たな機能の追加を成し遂げるにどれだけの時間がかかるのか、という現実にいつもぶち当たります。

 なのでその辺についてもキッチリ自制していくことは極めて重要です。心の中で「この機能、ほんとに必要なの?」と自分に問いかけ、「いや、いらないな……」と感じた機能を削ぎ落としています。

――開発をするうえで、特に気を付けている点などを教えてください。

 いかにしてゲーム内で、リラックス空間を自然な形で提供できるかに細心の注意を払いましたし、ストレスの原因をできるかぎり取り払うように心がけました。

 例えばゲームの初期段階プロトタイプは、リアルタイムでゲーム内の建造物が資源を生み出し続けるというものでしたが、かえってそのリアルタイム性がイライラの原因になってしまいました。

 なのでプレイヤーが時間を気にせず遊べるように、時間に関する機能を削りました。

 またゲームの持つ調和性や平和的な雰囲気を強調させる為にも、ゲーム内の音に関してもかなり拘ってデザインしました。

――ゲームタイトルにこめた想いを教えてください。

 毎日仕事とかで忙しい日々を送ってることがみなさん多いと思います。そんなストレス社会の中での息抜きとして癒し系なゲームを作ろうと考えていました。

 ゲームのプレイを通じて膨大なメッセージ性というか、何か教訓めいたものをプレイヤーの皆さんに伝える意図は、本ゲームに特に込めてません。

 リラックスしてもらいながら、空いた時間にちょこっと遊んでもらえれば、大変ありがたいですね。

――本作に登場する島にモデルやモチーフはありますか?

 ありません。ビジュアルアートについてはいくつもプロトタイプを作ったり、繰り返し作業を積み重ねて開発しました。

 開発する上で目指してたものの重要な一つは、現実世界にある国や特定の何かを指し示すものではなく、このゲームをプレイしているプレイヤーとして、皆さんが同じようにゲーム体験の“繋がり”を感じてもらえるようになることでした。

――手軽にプレイできるのも本作の魅力ですが、プレイ時間を抑えた狙いはなんでしょうか?

 カジュアルなゲーマーに遊んでいただきたいところですね。多くの作品に見られるような複雑性を取り入れず、より端的に、かつ必要最低限な部分だけに濃縮し、都市開発ゲームをやったことのない初心者の方にも遊んでもらうことを考えていました。

――今後、本作を発展させたようなシステムのパズルゲームを開発する予定はありますか?

 今のところ予定はありません。

――今後、実現したい野望などありますでしょうか?

 平和と日々の幸せがあれば十分ですが、今後もどこかのタイミングで別のゲームをこのチームメンバーで作れたらいいなと思っています。

――ゲームの開発に携わることになったきっかけについて教えてください。

 子供の頃から私たちの人生においてテレビゲームは重要な役割がありました。そんな中でゲームを自分たちで作ることは非常に自然発生的なものでした。

 HTW Berlinという大学でゲームデザインを学んでいたときにチームメンバーは出会い、この島の民もそこで一緒に作り上げました。

――ここ数年でもっとも感銘を受けた、おすすめのインディーゲームについて教えてください。(インディーゲームでなくても構いません)

 『Outer Wilds』が本当に素晴らしいゲームです。ゲームの中を探索していくのですが、それが直線的な内容でなく、且つ美しい世界観で展開されていくので非常に感銘を受けました。

――最後にユーザーに一言お願いします。

 私たちのこんな小さなゲームを遊んで頂き、嬉しいコメントやレビューを残してくれたり、SNS等でスクリーンショットを共有してくれたり、本当にありがとうございます!

 私たちが開発したものをこんなにも皆さんが楽しんでくれて、私たちがやりたいことをやらせてもらえる機会を与え続けてくれることに大変感謝しています。


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