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2010年6月3日(木)

オンラインゲーム業界で久しぶりの新パブリッシャー、Sankandoインタビュー

文:電撃オンライン

■人間的な感情を大事に“お客様に満足してもらえる運営”を目指すSankando

──とりあえず現在は、この2タイトルに注力していくといった感じでしょうか。

寺本氏:そうですね。あとは、4月19日に日本運営権の契約をした『Earth Eternal』がありますが、そちらも準備に向けて着々と、年内正式サービス開始予定で動いています。『Earth Eternal』はブラウザで動作する、3DMMORPGの新作タイトルで若干趣が違います。『フローレンシア』と『M2』は一度終わりかけた感が出たり終了したりしたタイトルで、今はそうしたゲームを復活させることに力を注いでいると言えると思います。

──なるほど。おっしゃるように現状は「Sankandoは終わったオンラインゲームを復活させる会社」という風にみえるところがあると思うのですが、それが会社の方向性なんでしょうか。

寺本氏:いえ、それはあくまで、お客様が求めている部分がそれらのタイトルに含まれていたということです。例えば、先ほど『M2』の応援メッセージの話が出ましたが、終わったタイトルとは言え、皆さんとても愛着を持っているんですね。実際、年に50タイトル以上のオンラインゲームが終了していて、その数だけオンラインゲーム業界は残念な思いをプレイヤーに課していると思うんです。そういった方々に対して、ゲームを復活させることで、楽しかった思い出ですとか、当時の出会いを提供していこうと考えています。

長谷川氏:家庭用ゲーム機と違って、オンラインゲームは、終わっちゃうとできなくなってしまうじゃないですか。家庭用ゲームは販売終了しても入手経路が多くあると思いますが、オンラインゲームは触ることすらできなくなってしまうんです。

──Sankandoとしてのサービス初タイトルが『フローレンシア』になった経緯を教えて下さい。

『オンラインゲーム業界で久しぶりの新パブリッシャー、Sankandoインタビュー』

寺本氏:もともと『フローレンシア』を開発している、NETTSの会長とのコネクションがありました。会長的には、日本では必ず成功させるつもりだが、今は事情がありじっと我慢しているところだ、という話を聞いて「それでは私が」と、うまく話がまとまった感じですね。会社の立ち上げの段階である程度『フローレンシア』の話は進んでいました。もちろんポテンシャルがあるゲームだと思っていましたよ。実際ヨーロッパでもかなりブレイクしてるし、今度中国でもローンチするんですが、その成績も悪くないでしょう。なので定期的なアップデートが望めると見込みました。

──御社のサイトではBefore、Do、Afterの3つで感動を提供するという企業理念を打ち出されてますよね。もう少し具体的な部分で、方向性やポリシーと呼べるようなものはありますか?

寺本氏:基本的にはオンライン分野、インターネットを通じたビジネスを手がけていこうと考えています。ただ、インターネットというのはあくまで人と人をつなぐツールであって、核となるのは、もっと人間的な、感情だったり感覚だったり、そういうものだと思うんです。例え時代が大きく変わっても、そういった部分は決して変わらない、だからそういったところを大事にしたい、それがポリシーですね。例えば運営に関して、業界にはサポートマニュアルがあるものですが、それに縛られることなく、もっとちゃんと心を込めてお客様と接しようと心がけています。

長谷川氏:運営で目指しているのは、ユーザーに分かりやすく言えば“お客様に満足してもらえる運営”です。

──満足してもらえる運営とは、具体的にはどういう意味でしょう?

『オンラインゲーム業界で久しぶりの新パブリッシャー、Sankandoインタビュー』

長谷川氏:よい運営ということになりますが、良質な運営はユーザーに評価されるのに、ゲームをプレイしているユーザー以外には見えないことが多いのです。ユーザーときちんとコミュニケーションをとってその声を活かすのもその一つです。重複するかもしれませんが、ユーザーからみれば運営であろうと開発であろうと関係ない訳で、そこで言い訳せずに「責任はウチが持つ」と言える体制を作って、自信をもってサービスしたいと思っています。だからこそ『M2』は開発権も取得することにしました。ユーザー視点で考えてみても、求められているのは普通のことだと思うんですよ。課金アイテムとゲームバランスの兼ね合いですとか、バグや不具合対応ですとか。普通のことなのにできていないことが多い。開発会社が動かないから動けないとかいう理由で。ですから、運営が開発もコントロールできるようにしました。

──その辺『フローレンシア』はどうですか、開発との連携などは?

寺本氏:頑張ってますよ。NETTSもかなり真摯で、ウチを信頼してくれています。先方も日本で売れれば世界で売れるという考えでいて、こちらの意見を重視してくれますよ。実際、世界に先駆けて日本でまずスタートした『フローレンシア』は、日本仕様に基づいて改良を行ったおかげで、ヨーロッパで大変評価を得られるゲームとなっていますしね。

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