2012年6月23日(土)
MAGES.のゲームブランド5pb.から、6月28日に発売されるPS3/Xbox 360用ソフト『ROBOTICS;NOTES(ロボティクス・ノーツ)』。本作の企画・原作を手掛けた、MAGES.代表取締役社長・志倉千代丸さんへのインタビューを掲載する。
『ROBOTICS;NOTES』は、『CHAOS;HEAD(カオスヘッド)』『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』に続く科学アドンベンチャーシリーズ第3弾。99%の科学と1%のファンタジーといったシリーズの特徴はそのままに、ロボット・拡張現実・夢をテーマに、ロボット格闘ゲームしか取り柄のない主人公が、そのプレイスキルで世界を救うことになるというストーリーが展開される。また、本作よりキャラクターCGが3D化されており、3Dならではの動きのある演出が、キャラクターの魅力を引き立てる。
インタビューは、『電撃PlayStation Vol.520』(アスキー・メディアワークス刊)に掲載されたもの。作品のコンセプトから作品を支える科学的なキーワードの数々、主題歌やTVアニメについてまで、発売直前に話せるギリギリまで踏み込んだ内容となっている。
▲科学アドベンチャーシリーズは志倉さんの企画・原作によるもの。作詞・作曲家としても数々の作品に楽曲を提供している他、“王立アフィリア魔法学院”やアイドル育成カフェ“AKIHABARAバックステージpass”のプロデュースなど、マルチに活躍中。Twitterアカウントは@chiyomaru5pb。 |
――『ロボティクス・ノーツ』の完成おめでとうございます。まずは、完成してのご感想をお願いします。
やっとここまで来た! という感じですね。今回は主人公たちが一生懸命巨大なロボットを完成させようとする話ですけど、僕やスタッフが感じている、ものを作り出す苦労とか喜びみたいなものがキャラクターたちの気持ちとシンクロして、なんか不思議な気分です。
ただ、僕の中では構想から約3年かかっていて、これはちょっと長すぎたなと。3年もたつと時代が変わるので、3年前の自分はどう考えていたんだろうって昔のメモを見たりして、今になって向き合ったりしてます。「長いようで短かった3年間!」って、卒業式みたいな感じですね(笑)。
――科学アドベンチャーシリーズの第3弾を、ロボットをテーマに描こうと思ったきっかけは?
じつは、今作のテーマに迷っていた当時は、UFOを科学したものを考えていました。
――UFOってそもそも“非”科学的なものですよね。
そこにあえて科学的な切り口でメスを入れるのがおもしろいかも、と思っていたんです。他にもいくつかテーマがあったんですが、まず第一にポスターのイメージをキャッチーにしたかったんですよ。『カオスヘッド』はディソードっていう妄想の剣を女の子たち全員が持っていて、けっこうキャッチーだったんです。『シュタインズ・ゲート』はみんなが携帯電話を持ってうつむいてるっていう地味な感じだったので、最大のネタバレであるラジオ会館に突き刺さった人工衛星を背景に置いて少しでもキャッチーな方向へ向けました。
で、今回どうしようとなったときに、自分はホビーロボットにもすごく興味があったので、そこから大きいロボットを作っていく群像劇、みたいな案がひらめいて。高校生がロボットを作るとしたらどうなるのだろうと。舞台が種子島でJAXAが近所にあったらリアリティもあるし、ありえるんじゃないかと思ったんです。
巨大ロボットという要素は相当キャッチーだぞ、しかも出来損ないというか、“これじゃない”感のあるロボットで。みんな、もうカッコいいロボットは散々見てきただろうって思ったんです。ポスターイメージとしての一番最初の僕の妄想では、まだロボットが建造中でやぐらが立っていて、JAXAのスタッフや島の人たちがロボットを作ってる。まだ下半身しかないんだけど、それをA.R.で見てるやつがいて、そこにはロボットの完成形が見えているみたいな、そういうイメージでした。
――今回の作品のテーマである“夢”については、作品中ではどんな描かれ方をするんでしょうか?
『シュタインズ・ゲート』では、夢=達成しなきゃいけない目的で、主人公であるオカリンとプレイヤー以外には、他の誰ともこの夢は共有できないものだったんです。でも今回は、同じ夢の輪がどんどん広がっていくような構造にしています。
まずロボ部のメンバーが増えてにぎやかになっていく。次に、最初は向いている方向や持っている夢が違っていたメンバーたちに、ある事件が起きることで一体感が出てきて、夢が同じ方向を向き始めるんです。最初は、あき穂だけの夢だったかもしれないものが、ロボ部、学校のクラスメイト、さらに輪を広げて島民、日本、世界へと広がっていく。今回はジャンルで“拡張科学アドベンチャー”とうたっていますけど、夢も拡張していくんです。
最終的にパッケージイラストにもあるような夢がみんなのものになると楽しいよねと。でも、実際のゲームでああなるとは限りませんからね。あれはひとつの妄想イメージですから(笑)。
(C)MAGES./5pb./Nitroplus
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