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2012年11月2日(金)

『エクストルーパーズ』スペシャル対談の後半をお届け! “青春の方程式”と聞いてサテライトの河森監督が思いついたのは?

文:電撃オンライン

『エクストルーパーズ』

 カプコンから、11月22日に発売されるPS3/3DS用ソフト『エクストルーパーズ』。本作にまつわるスペシャル対談を掲載する。

 本作は、危険な原住生物・AK(エイクリッド)や対立する組織・雪賊などが存在する入植実験惑星“EDN-3rd”を舞台にした新作アクション。斬新なグラフィック表現と、誰にでも遊べる爽快感あふれるゲーム性で、少年たちの出会いと成長が描かれる。

 今回の対談は、『エクストルーパーズ』と人気アニメ『マクロス』シリーズの設定が近しいものを感じるということで、電撃オンラインが発案。『エクストルーパーズ』の小嶋慎太郎プロデューサー、シナリオを担当したストーリーライダーズの佐藤大さん、プロモーションアニメの監督を担当したサテライトの安田賢司さん、サテライト専務取締役でもあり、アニメーション監督・メカデザイナーの河森正治さんという4名に参加していただいた。

『エクストルーパーズ』
▲左から『エクストルーパーズ』のシナリオを担当した佐藤大さん、小嶋慎太郎プロデューサー、サテライト専務取締役にしてアニメーション監督/メカデザイナーの河森正治さん、『エクストルーパーズ』プロモーションアニメを手掛けた安田賢司監督。

 先日掲載した前半に続いて、対談の後半を掲載する。“青春の方程式”や“一番星”というキーワードに対して、どういったトークが飛び交ったのか? なお、公式サイトでも対談中の別の話題をチェックできる。

■壁は乗り越えてもぶち壊しても避けてもいい――4人が思う“青春の方程式”とは!?

――『マクロス』シリーズですと三角関係が見られますが、“青春の方程式”とはなんだと考えますか?

『エクストルーパーズ』

佐藤:本作の世界観だと“ぶつかり合い”でした。先ほども話しましたが、一直線に向かってぶつかるということでもありますが、違う価値観がぶつかるというのもメインテーマにしました。壁にぶつかって乗り越えていくというのが、僕の中での青春ものの定義。その壁が高いのか、厚いのか、乗り越える人がいれば、ぶち壊す人や避ける人もいる。そこで、いろいろな表現をしています。

 『エクストルーパーズ』のキャラにも、それぞれ壁があります。それをどう越えていくかを描いています。“青春=壁を乗り越えていくもの”は、本作でも入れています。あとは、ゲームがうまくなっていくのも、1つの壁を乗り越えることですよね?

小嶋:ブレンはとにかく進んでいくキャラなのですが、どこかで悩むこともあるし、それぞれ悩みがある。学園なので他の生徒や先輩、先生などいろいろな衝突があり、それをどうするか。別に立ち止まってもいいのです。それを越えた時に振り返ると、初めて自分の成長を感じられる。そういう要素は入れ込んでいます。

『エクストルーパーズ』

河森:“青春の方程式”……難しいけど、“若気の至り”はあると思います。大人になってしまうと、“できない”結果が見えてしまうが、“若気の至り”でできるはずもないことに挑んでいく。がむしゃらにもがくのが青春な気がします。徐々にもがかなくなってしまうから、それはつまらないよね。

 価値観の違うものや思いもしなかったことがやってきた時に、どう対処するか。無理かもしれないけど、チャレンジする気持ちをそこに感じますね。宇宙人がやってきた時、現実だったら避けるけど、それに立ち向かうのを許されるのが青春。

佐藤:「あいつ、14歳だからしょうがない」という感じですか?

河森:そう。「若いからうるさいけどしょうがないよね」ってなる。

『エクストルーパーズ』

安田:いろいろな価値観と吸収したり、ぶつかったりというのが一番大きいと思います。『エクストルーパーズ』のキャラクターもそうですが、悩むことがあっても1人ではない。まったく同じ価値観ではないけど通じるものがあったり、発見したりすることがある。人間がふれあうことで、化学反応みたいなものが起こっていく。キャラクターの変化や成長という要素では、青春ものはおもしろいですよね。

佐藤:そういう作品ばかりやっているので、自分自身がいまだに大人になれないのだと思います。『マクロス』のように飛行機が変形するのじゃないかと本気で思ってしまう(笑)。でも最近の機体は、実際に変形しますよね? 

河森:オスプレイ(アメリカが開発した航空機・V-22 Osprey)は半分変形してますからね。

佐藤:あと、最近の車は障害物をよけますよね。あれは、タチコマやAIカーの一歩手前ですよ!

河森:実験中のナビのシステムとかすごくて、ヘッドアップディスプレイに前の車の向こうを映せたり、ビルの奥の道路を表示したりしながら走れる。「どういう時代だ?」って思いますよ。

佐藤:昔のアニメで描いていたような世界が現実になっていますね。

『エクストルーパーズ』

河森:やりにくい時代だよね(笑)。

(一同爆笑)

佐藤:板みたいなガジェットを使って、どこでもネットワークにアクセスできるようになって、むしろカチャって開くような腕時計タイプのものやピポパポと音がするようなものは古くなってしまいました。

河森:それだけツールは進化しているのに、恋愛はどんどん退化している。これは不思議ですよね。

小嶋:妄想することが減ってきて、想像力が退化していることも関係するのかもしれませんね。その過程がおもしろいんですけど、答えがすぐに出てしまうので。

佐藤:僕らの世代は妄想する時間が長かったですからね。映画館で見る映画なんて、二度と見られないつもりでつねに見てました。「1カットも見逃さないぞ!」って。

河森:集中力が全然違ったよね。

佐藤:パンフレットを見ながら、音声を脳内で再生してました。そりゃ、想像力育ちますよね(笑)。

次のページで絵コンテやボツになったとある作品についてトーク!

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