2013年3月6日(水)
コーエーテクモゲームスから2月28日に発売されたPS3用ACT『真・三國無双7』。本作を手がけた開発者へのインタビューの後編を掲載する。
本作は、シンプルな操作で多数の敵を撃破する“一騎当千の爽快感”を味わえる『真・三國無双』シリーズの最新作。多数の新キャラクターの参戦や、これまで以上にドラマティックなストーリー展開により、誰もが楽しめる作品になるという。新アクションシステムや、やりこみ要素なども用意される。またプレイアブル武将が10人追加されて、シリーズ最多の77名となっている。
インタビューでは鈴木亮浩プロデューサーと宮内淳ディレクターに、開発に至った経緯やキャラクターの設定、新アクションやコラボレーションなどについて聞いている。先日掲載した前編とあわせて、本日の後編をお楽しみいただきたい。なお、インタビュー中は敬称略。
▲左が鈴木プロデューサーで、右が宮内ディレクター。開発中にあったさまざまな出来事を、赤裸々に語ってくれた。 |
――“ストームラッシュ”と“ヴァリアブルカウンター”が、アクションの大きな追加要素ですが、こちらはどういった経緯で導入されたんでしょうか。
宮内:一番大きいのは、対武将戦の奥深さを出したいというのがあります。あとは、“すべての無双を越えていきたい”という思いがあったので、『真・三國無双6』で好評だったヴァリアブル攻撃にもっと意味合いをもたせたいという意図がありました。そこから三すくみや、それに付随するストームラッシュ、ヴァリアブルカウンターというような要素が産まれて、今の形になりました。
▲相性のいい武器の時に発動するストームラッシュ(左)と、相性の悪い場合に武器を持ちかえつつ、攻撃するヴァリアブルカウンター(右)。 |
――“三すくみ”があって、2つの新アクションという形なんですか? それとも新アクションを作るために三すくみを用意したという形なんでしょうか。
宮内:ほぼ一緒ですね。『6』で武器2つを切り替えるじゃないですか。この、2つに対して、3つの要素をからめるっていうのはちょっとおもしろいというのは、最初から思ってました。
3つに対して3つを用意すると、揃えるゲームになってしまうけれども、2つなら1つは足りないっていう所で、考える要素になります。不利か普通しかないんだったら、カウンターをきめてどう状況を覆せばいいのかとか、今置かれている状況でプレイヤーがどういう作戦を立ててクリアしていくのかという流れに持っていけるんじゃないのかなと。また、操作的にもワンボタンだけで済み、複雑にならないので、3つに対して2つというのは序盤から意識していました。
――77という、ものすごい種類の武器系統が用意されています。『6』のダウンロードコンテンツ(DLC)の時から、新たな武器系統が少しずつ増えていきましたが、こちらは『真・三國無双7』を見越して作っていったという形だったんでしょうか。
鈴木:いえ、見越してはないですね。あれはDLCとして遊んでもらいたくて作っていました。『7』では仕様的にアクションが変わったので、結局は作り直したり、調整をやり直したりが必要でした。
――ちなみに『6』でのDLCは、一定数のユーザーが継続的に購入されていたのでしょうか?
鈴木:そうですね。あと優秀なDLCということで、SCE様から表彰していただきました。好評だったのは、武器系統ですね。多分、アクションが好きな人が最後まで購入してくださったんだと思います。
▲短戟(タンゲキ)は、チャージ攻撃時にボタンを押し続けることで攻撃が変化する武器だ。 |
――新たに加わった武器系統には、時間差の攻撃やタメなどこれまで以上に特殊なアクションが入っているという印象を受けましたが、これらは意識して開発されたのですか?
鈴木:武器系統の種類がかなり増えてきたので、従来のものとの差別化は意識してやりました。『6 Empires』までで55種類あるんですよね。新たに作った22種類には、過去にあった武器のオマージュも少しあります。
――鉄糸がそうでしょうか?
鈴木:そうですね。ただ、基本的には55種類にない新たな武器を作るのを目指して開発しています。『6』のDLCの時、お金を払って積極的に買ってくださるユーザーさんなので、アクション的に楽しみたいだろうと判断して、多少は操作性が難しくなってもおもしろい武器を用意させていただきました。
例えば断月刃だったら、目押しでチャージボタンを押さないとチャージ変化しないとかです。普通に無双シリーズのライトユーザーの方だと難しそうなことも入れていたんですけど、それが結構評判がよかった。そういう方向もアリだとわかったので、77種類も用意するのだったら、そういうアクション的な遊びがあって、上級者が楽しめる仕組みが入ってる方がおもしろいだろうっていうことで、意識してこれまでにない武器を増やしてます。
――杖が出てきたり、船が出てきたり、さらに今回の新武器も特徴的なのが多いと思うのですが、アイデアを出すのは大変ではないですか?
宮内:すごい大変ですよ(苦笑)。最初は、担当者のアイデアメモみたいなところから始まるんですけど、それに対してプロデューサーなり私なりが、「いやいや、これは意味ないじゃん」とダメだししたり、よいところは「これはよさそうだね」ともんでいく。
そして、字コンテと呼んでいる文字ベースの資料と、簡単なグラフィックのベースによって、モーションの設計図のようなものができ上がっていきます。あとはその設計図を描いた担当と、モーションをデザインするクリエイターと話をしながら、調整していくという流れです。
――今回新しくプレイされる方もいらっしゃると思うんですけども、新たに追加された武器22系統の中で、オススメするものやおもしろいものがあれば教えていただけますか?
宮内:関銀屏の武器・双頭錘は、今までの武器にはなかった攻撃中にスティックを回すということをやっています。チャージ3と5と6で回せます。最初はボタン連打だったんですけど、さっき話をしていたモーション担当が、「スティックを回すのは過去にないし、やってみたい」と言い出しました。実際にやってみたら、新鮮な操作感だったの採用しました。
――体験会でも、回している人がいらっしゃいましたね。
宮内:それはよかったです。もちろんそんなことしなくても強いんですけれども、今回の武器には、そういう遊びのような要素が少しずつ入っています。鈴木がトークショーで言っていた舞投刃はわざとちょっとルートを外すと、武器が戻る時間を長くすることができます。
鈴木:逃げると武器が付いてくるので、それでうまく当てるという遊びができます。
宮内:鉄舟みたいに、武器そのものにわかりやすい遊びもありますけど、仕様としての遊びも細かく入っています。それってやりこみに繋がると思うんですよね。どっかの記事を見たり、話を聞いたりして「やってみたことなかったけど、やってみたら動きが変わった」とか「1回遊び終えたけど、他の武器でもう1回やってみよう」とか。本作はいろいろな所にやり込み要素が入っていて、その中の1つが武器の系統と言えると思います。
『6』の時から開発を検討!?
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