2013年5月27日(月)
長ければいいという話でもありませんが、『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』のゲームボリュームはマジでヤバイです。おそらく、ソフト発売後にはちょっとしたネタになるレベルの長さなので、詳しく説明しておきます。
本作はそもそもPSPで発売された『デジモンワールド リ:デジタイズ』をベースにしており、PSP版(亜生命体ヴィティウム編)が丸ごと収録されていますが、それに加えて本作だけの新シナリオが2本も収録されています。
新シナリオといっても、短編ではなく、それぞれPSP版の半分くらいのボリュームがある中~長編です。イベント量もさることながら、何より難易度が高いので、プレイ時間で考えると半分どころじゃないですね。
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▲新シナリオやサブイベントが追加されたことにより、体感的にはPSP版の2.5倍ぐらいのボリュームになったと思います。 |
新シナリオだけでなく、単発のサブイベントの数も2倍くらいに増えています。育成できるデジモンの種類も、数十種類の単位で増えています。ぶっちゃけ、ゲーム1本+続編1本+外伝1本と、3本のゲームを1本のソフトとして詰め込んでいる感じで、1ユーザーとして「無茶しやがる……」と驚くほどのコストパフォーマンスとプレイ時間です。
自分はPSP版のストーリークリアだけで40時間くらいかかったのに、3DS版をコンプリートしようとしたら、どれくらいかかっちゃうのか……うれしい悲鳴の状況です。
ネタバレになるので詳細は伏せますが、自分は“亜生命体ヴィティウム編”と“策謀の魔王編”をクリアするまでで、60時間くらいかかりました。PSP版の記憶があるから、謎解きや育成をスムーズに進めたにもかかわらず、この時間です。“慟哭のX抗体編”も終盤までは来ている感じがするんですけど、まだまだ育成期間が必要かなあと思っています。
ちなみにこのゲーム自体、最速クリアを目指すというより、じっくりと最強デジモンを育て上げていくことが楽しいので、体感時間としてはそんなに長く感じません。気付くとテレビを見ながら4~5世代のデジモンを育成していて、数時間が経過しているような感覚です。これはこれで、仕事が忙しい時にはまずいのですが、電車での通勤時間をほぼ感じなくなるタイプのゲームなので、早く製品版で遊びたいですね。
目覚めた少年の目の前に現れたアグモンとともに向かった“はじまりの街”で、長老ジジモンからデジモンが黒いオーラをまとい正気を失ってしまう“黒化現象”が頻発していることを聞かされる。どうやらその原因は“ファイル島”での出来事やデータのすべてを記録している端末“メモリアルステラ”の機能が停止したことと関係しているらしい。現実世界へ帰るために手がかりを探すべく、調査に向かった少年たちの前に現れた次元のゆがみから、謎の生命体が現れるのであった!
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人工生命体“ヴィティウム”の暴走により、デジタルワールドが不安定となる。それにより世界の安定を取り戻すべく、デジタルワールドのホストコンピュータ“イグドラシル”が活性化する! そしてイグドラシルはGIGOカンパニーによって封印されていた“ムゲンマウンテン”をエミュレートしてデジタルワールドを浄化すべく異分子を強制削除する“Xプログラム”をデジタルワールドへ散布し始めるのだった!!
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ヴィティウムを撃破し、束の間の休息が訪れる。しかし現実世界でその様子を見ていた“四ノ宮リナ”は異変がまだ収まっていないことに気付く。その時、魔王“バルバモン”の仕掛けたプログラムが作動し、使っていた端末に吸い込まれ、リナはデジタルワールドへ連れこまれてしまうのだった…!
そして主人公たちの前にバルバモンが現れ、“デジタワー”の最上階からデジタルワールドの支配を宣言する。捕らえられたリナの存在も明らかになり、少年たちはバルバモンの野望を阻止することを決意する!!
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ここからゲームシステムについて感想を述べていきますが、まずは大多数のゲーマーが気になるであろう“デジモンの寿命”についてレビューします。
ぶっちゃけ、育成する対象に寿命=期間的な制約があると聞くと、「難しそう」とか「繰り返しプレイが面倒くさそう」と感じる人もいると思います。かくいう自分も、寿命システムがあるゲームはあまり好きじゃありません。期間的な制約がない状況で、気軽にじっくりと遊べるほうが楽ですからね。
でも、そんな自分でも『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』はしっかりと楽しめました。それは、寿命が理不尽なものではなく、ゲームシステムと密接にからみあっているからです。
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▲寿命を迎えたデジモンの力を引き継ぎ、新たなデジモンを育てることに。ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、慣れてくると、新たなデジモンに出会える楽しさが増してきます。 |
具体的には、寿命を含めた育成スケジュールを考えることが、本作ならではの独自のゲーム性につながっているから楽しいんです。限られた時間の中、トレーニングでのステータス強化やゲーム本編を進めるための冒険を、どんな配分でやりくりするべきか。このサジ加減がおもしろいんですね。
で、先に結論を言ってしまうと、最終的にこのゲームの何が楽しいかって、ストーリーやイベントがどうこうではなく、“オレ的最強デジモンを育成すること”が楽しいんですよ。育成SLGみたいな感じに、トレーニングの効率を考えつつ、どんなデジモンに進化させたいかを考えながら条件の達成を目指すのが楽しいわけです。
なんて書くと、「でも、どんなに強くしても寿命があるんでしょう」と反論されるかもしれませんが、ちょっと待った! 自分が育成中のデジモンのデータは、コンピュータ戦や対人戦が楽しめるコロシアム用として複数保存しておくことができます。つまり、ストーリーから独立したコロシアム用限定ではありますが、“オレ的最強デジモン”をピーク時の状態で残しておけるわけです。
寿命と聞くと、一期一会で育てたデジモンと別れたら二度と会えないように感じますが、実際はそうでもない部分もあるということです。
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▲コロシアムや通信プレイ用として、育成中のデジモンのデータを残しておくことが可能。また、育てたデジモンを召喚して必殺技を使うこともできます。 |
この記事の最初の概要紹介の部分でも書きましたが、寿命の概念があるとはいえ、きちんとお世話をしたデジモンは転生して一部の能力(ステータスや技)を継承できるので、毎回ゼロからの育て直しというわけではありません。特に3DS版では、デジモンだけでなく、プレイヤー自身が成長するデコートレベルという新要素が追加されたことで、じっくり遊べば遊ぶほど育成の効率がよくなっていくバランスになっています。
個人的には、デコードレベルがなかったPSP版ぐらいの歯ごたえが好きなんですが、3DS版は3DS版でデコードレベルの底上げを前提とした高難易度のやり込み要素があるので、結果としてバランスは破綻していないと思います。
→あえて発売前に攻略情報を掲載! 正しい(?)遊び方はこうだ!!(4ページ目へ)
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