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2013年5月27日(月)

3DS『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』レビュー。PSP版クリア済みのファンが追加要素を本気で評価【春のレビュー祭り】

文:そみん

【第2部:PSP版をプレイした人へ伝えたいこと】

■これぞ完全版! 前作の良リメイク+その続編の新作も遊べて、超絶お得!!

 ここまでは『デジモン』を知らない人向けにレビューしてきましたが、自分みたいにPSP版をプレイ済みで、今回の3DS版を遊び直すかどうか気になっている人も多いと思います。そんな皆さんに向けて、PSP版プレイ済みの視点でのレビューもお届けします。

 ええと、結論は早いですよ。PSP版を楽しんだ人は、絶対に3DS版を遊び直しても後悔はしません! 大小さまざまなブラッシュアップが行われて、格段に遊びやすくなっているので、確実にPSP版以上に楽しめるはずです。

 そして、PSP版をクリアする前にやめてしまった人にとっても、3DS版で再チャレンジしてみる価値はあると思います。新要素であるデジッターなどによってサブイベントのヒントは増えていますし、デコードレベルによってデジモン育成の効率がよくなっています。肉畑をもっと便利にしたようなドレミファ荘のおかげで、お金やアイテムもためやすくなりました。全般的にPSP版よりも親切なゲームバランスになっており、デジモンの進化の分岐などについてもヒントが増えた印象です。

『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』 『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』
▲新要素のデコードレベル。正しいお世話をすることでレベルが上がっていき、デジモンの能力にプラスの補正がかかります。▲こちらも新要素のデジッター。メインストーリーやサブイベントのヒントとなる情報が満載です!

■PSP版をプレイ済みでも新鮮に楽しめる! 新シナリオは早い段階から登場!!

 3DS版はPSP版のシナリオ(亜生命体ヴィティウム編)を丸ごと完全収録したうえで、2本の新シナリオ(慟哭のX抗体編、策謀の魔王編)も収録しています。新シナリオと聞くと、「またPSP版をクリアし直さないといけないのか……」とダルく感じる人もいるかと思いますが、それは誤解です。

 詳しくはネタバレになるので伏せますが、オープニングやゲームの導入自体はPSP版とほぼ同じ流れ=“亜生命体ヴィティウム編”がスタートします。新シナリオの“慟哭のX抗体編”は、この“亜生命体ヴィティウム編”の舞台裏を描くような内容で、“亜生命体ヴィティウム編”と並行する形で進みます。つまり、PSP版をプレイ済みの人にとっては、かなり早い段階から3DS版の新キャラや新シナリオに触れることができるわけです。

『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』 『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』
▲新シナリオの“慟哭のX抗体編”は、かなり早い段階から発生。また、新デジモンが登場するイベントも、ゲーム開始直後からガンガン楽しめます。

 そして、新シナリオの“策謀の魔王編”は、“亜生命体ヴィティウム編”のクリア後を描くもの=PSP版のラストバトルの続きを描く完全な続編シナリオとなっています。こちらも、伏線自体は“亜生命体ヴィティウム編”から盛り込まれているので、早く新シナリオを遊びたいというモチベーションになること請け合いです。

『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』 『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』
▲新キャラのリナが活躍するのは“策謀の魔王編”からですが、“亜生命体ヴィティウム編”から登場します。

 さらに、新シナリオとは別に、サブイベントの数もPSP版から大幅に膨れ上がっていることもポイントです。序盤からガンガンと新たなサブイベントが発生するので、プレイしている感覚はPSP版とは大きく異なります。総じてPSP版をプレイした人でも新鮮に楽しめる仕掛けが用意されているので、「また遊び直しか……」とネガティブな気分にはならないと思います。

■かゆいところに手が届く、細かなバージョンアップにも注目!

 新シナリオや新システムほど大げさな部分ではありませんが、実はインターフェースやゲームバランスなど、細かい部分もPSP版から改良されています。特に便利なのは、タッチ操作の部分です。本作はデジモンのしつけ(“ほめる”や“しかる”)やエサやりなど、頻用するコマンドが多いのですが、それらをアイコンでタッチ操作ができるようになったため、かなりスムーズに遊べるようになりました。

『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』 『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』
▲タッチ操作のおかげで、アイテムがたくさんある時でもスムーズにプレイできます。

 従来作品ではどうしても、“メニューコマンドを開く→十字ボタンを押してコマンドを選ぶ”という、最短でも2ステップが必要だったのが、3DSのタッチ操作ならほとんどがワンタッチで行えるので、そりゃあもう便利です。その便利さを特に実感できるのが、アイテムを選ぶ時ですね。エサ用の肉を選ぶ時や、街に帰るオートパイロットを選ぶ時とか、PSP版ではどうしてもカチカチカチとアイテム選択をしなければいけなかったシーンが、アイコン表示でワンタッチ! この感覚、マジで便利です。

『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』
▲言わずもがなですけど、2画面&タッチ操作はマップ表示との相性がバツグン!

 それから、上下2画面の構成となったことで、マップを表示しながら冒険をできるようになったことも便利です。わざわざメニュー画面を開かなくても、表示されたマップをスライド操作でスクロールできるところもポイント。それに加えて、細かい施設名など、マップに表示される情報量が増えたのもうれしいところです。

 そして、個人的にかなりうれしい改良点が、パートナーのデジモンが主人公の近くに来やすくなっていること! これ、PSP版をプレイした人にしか通じないネタなんですけど、PSP版の時って、主人公がダッシュすると後ろからついてくるデジモンが追いつけなくて、画面に表示されないことがあったんですよ。せっかくお気に入りのデジモンと一緒に冒険をしているのに、ツーショットで表示されないことが多くて悲しかったんですけど、3DS版はそこが改良されています!

 3DS版のパートナーは、主人公の横に近い位置に来るように調整されているので、ダッシュをしていても主人公と一緒に表示されやすくなっています。本当に小さい改良点かもしれませんが、デジモン好きにとっては、こういう改良点は本当にうれしいんですよね。

『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』 『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』
▲PSP版ではパートナーが画面外に出てしまうこともありましたが、3DS版ではほぼいつも主人公の隣に♪ かなりデジモンが目立つようになりました。

→総まとめ:どんな人にオススメなのか?(6ページ目へ)

(C)本郷あきよし・東映アニメーション・テレビ朝日・電通
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データ

▼『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』ダウンロード版
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:3DS
■ジャンル:RPG
■発売日:2013年6月27日
■希望小売価格:5,480円(税込)

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