2013年8月8日(木)
“ほぼ毎日特集”でお届けしている、アナログゲームの制作者と、その人が作ったゲームを一緒に遊んで力量を測るエラソーな企画“制作者は本当にゲームが上手いのか?”。その2回目は、ループ系の物語を題材にした新感覚のボードゲーム『惨劇RoopeR X(サンゲキルーパー カイ)』で遊んでみました!! もちろんお相手してくださったのは、『惨劇RoopeR X』を制作されたBakaFire PartyのBakaFire氏。独創的なゲーム内容で大きな反響を呼んだ本作の雰囲気を感じていただければ幸いです。
▲パッケージの中央に描かれている3人が主人公。その背後にたたずむ後ろ姿の人物が、彼らを惨劇に陥れた悪魔の脚本家です。 |
『惨劇RoopeR X』は、時を遡る力を持った主人公となり、同じ毎日を何度も繰り返して惨劇を乗り越えるのが目的の推理ボードゲーム。プレイヤーは、主人公側3人と脚本家1人に分かれて、互いに勝利を目指します。脚本家はルールに従って作成した惨劇の脚本を事前に用意します。脚本で決めることは主に次の4項目。
(1)ルールY1つとルールX2つ
(2)キャラクターの持つ隠された役職
(3)発生する事件と日程。そして犯人
(4)ループ回数と1ループの日数
なおルールや役職、事件などは自分で0から考えるのではなく、あらかじめ用意された中から選ぶだけなので、それほど難しくはありません(といっても、その組み合わせは膨大ですが)。この脚本は、主人公側プレイヤーには“事件の内容と発生日”しか公開されません。彼らはゲームをプレイしていく中でキャラと仲よくなったり、キャラを移動させたりしながら脚本の内容を推理し、脚本で定められた敗北条件を満たさないように規定の日数を無事に過ごすのが目的です。
しかし簡単には惨劇を乗り越えられません。なぜなら脚本を作った脚本家プレイヤーもゲームに介入し、キャラへ不安を与えたり、隠された役職の能力で主人公側を敗北へと引きずり込もうとするためです。敗北条件を満たさずに規定の日数が過ぎればその時点で主人公側プレイヤーの勝利。逆に敗北条件を満たしてしまったら盤面を初期状態へ戻し、初日から再度スタートします。このようにループを繰り返すことで、主人公側プレイヤーは推理に必要な情報をどんどん集めていくのです。
ただし主人公側がループできる回数は決まっており、最終ループでも敗北条件を満たしてしまうと“最後の戦い”へ。“最後の戦い”で全キャラクターの役職をすべて当てることができれば、主人公側プレイヤーの勝利。1人でも間違えてしまうと脚本家プレイヤーの勝利となります。
ここまで読んで、早くゲームの雰囲気が知りたくなった人はリプレイまで飛ばしてください(わからないことが出てきたら戻ってきてくださいね!)。では続いて具体的なゲームの流れについて説明します。
ゲームは1日ずつ進行。1日は以下のフェイズで構成されている。
【ターン開始フェイズ】行うことがあれば、それを行う。
【脚本家行動フェイズ】脚本家プレイヤーが手札からカード3枚を、キャラやボードへ重複せずにセットする。
【主人公行動フェイズ】リーダーから順に、手札からカード1枚をキャラやボードへ重複させずにセットする。(脚本家のセットした場所に重ねるのはOK)
【行動解決フェイズ】セットされた行動カード(後述)の効果を解決。使用したカードは一部を除き手札に戻る。
【脚本家能力フェイズ】脚本家はルールや役職で定められた能力が使用可能な場合、それらを使用できる。
【主人公能力フェイズ】主人公は使用可能な友好能力がある場合、リーダーがそれらを使用できる。
【事件フェイズ】事件発生日に犯人が生存し、犯人の不安カウンターが不安臨界以上なら事件の効果を解決。
【リーダー交代フェイズ】現在のリーダーの左隣の主人公プレイヤーへ、リーダーを移す。
【ターン終了フェイズ】行うことがあれば行う。
複雑に見えますが何も起こらないフェイズも多いです。毎回必ずプレイヤーたちが行動するのは、両陣営3枚ずつのカードセットのみ。カードの効果は以下の通りで、これらをセットすることでキャラやボードをコントロールしていきます。
▲【友好+1】セットされたキャラに友好カウンターを1つ置く。友好が一定値に達するとそのキャラの友好能力が使用可能に。 | ▲【友好+2】セットされたキャラに友好カウンターを2つ置く(1ループ1回のみ使用可能)。 | ▲【不安+1】セットされたキャラに不安カウンターを1つ置く。不安が不安臨界以上になると、そのキャラの事件が(存在すれば)発生。 |
▲【不安-1】セットされたキャラから不安カウンターを1つ取り除く(1ループ1回のみ使用可能)。 | ▲【移動↑↓】セットされたキャラが上下の移動可能なほうへ移動。移動カードが重なったら、組み合わせによって方向が決まる。 | ▲【移動←→】セットされたキャラが左右の移動可能なほうへ移動。移動カードが重なったら、組み合わせによって方向が決まる。 |
▲【移動禁止】“移動↑↓”“移動←→”“移動斜め”と重なったら、それを無効化(1ループ1回のみ使用可能)。 | ▲【暗躍禁止】“暗躍+1”“暗躍+2”と重なったら、それを無効化。ただし複数の主人公が【暗躍禁止】を出した場合、【暗躍禁止】が無効に。 |
▲【不安+1】セットされたキャラに不安カウンターを1つ置く。脚本家はこのカードを2枚所持。 | ▲【不安-1】セットされたキャラから不安カウンターを1つ取り除く。脚本家は何度でも使用可能。 | ▲【不安禁止】“不安+1”“不安-1”と重なったら、それを無効化。 |
▲【友好禁止】“友好+1”“友好+2”と重なったら、それを無効化。 | ▲【暗躍+1】セットされたキャラ、またはボードに暗躍カウンターを1つ置く。暗躍は役職の能力発動や敗北条件のために必要な場合がある。 | ▲【暗躍+2】セットされたキャラ、またはボードに暗躍カウンターを2つ置く(1ループ1回のみ使用可能)。 |
▲【移動↑↓】セットされたキャラが上下の移動可能なほうへ移動。移動カードが重なったら、組み合わせによって方向が決まる。 | ▲【移動←→】セットされたキャラが左右の移動可能なほうへ移動。移動カードが重なったら、組み合わせによって方向が決まる。 | ▲【移動斜め】セットされたキャラが斜めの移動可能なほうへ移動。移動カードが重なったら、組み合わせによって方向が決まる。 |
続いてこれらのカードをセットするキャラクターの見方を簡単に御紹介しましょう。
【不安臨界】不安カウンターが左上に書かれた不安臨界以上に置かれている場合、このキャラは事件を起こす可能性がある。
【初期エリアと禁止エリア】右上の4つのアイコンで白い部分がループ開始時にこのキャラが配置される初期エリアで、×が書かれている部分が進入できない禁止エリア。
【属性】エリアアイコンの下に書かれているのがキャラクターの属性。必要に応じて参照される。
【友好能力】カード左下に書かれた友好カウンターが、記載された個数以上置かれていれば使用可能な能力。今回のリプレイで登場しているキャラの友好能力は以下の通り。
▲男子学生:[友好2]同一エリアにいる自身以外の学生から不安カウンターを1つ取り除く。 | ▲女子学生:[友好2]同一エリアにいる自身以外の学生から不安カウンターを1つ取り除く。 | ▲お嬢様:[友好3]学校か都市にいる場合のみ、同一エリアのキャラ1人に友好カウンターを1つ置く。 |
▲巫女:[友好3]神社にいる場合のみ、神社から暗躍カウンターを1つ取り除く。[友好5]同一エリアのキャラ1人の役職を公開(1ループ1回のみ)。 | ▲刑事:[友好4]このループで発生した事件1つの犯人を公開(1ループ1回のみ)。[友好5]同一エリアのキャラの死亡時に割り込んで使うことで、死亡を無効化(1ループ1回のみ)。 | ▲サラリーマン:[友好3]このキャラの役職を公開。 |
▲情報屋:[友好5]ルールX1かルールX2を指定して公開(1ループ1回のみ)。 | ▲医者:[友好2]同一エリアにいる自身以外のキャラ1人から不安カウンターを1つ取り除くか、1つ置く。このキャラが友好無視を持つ役職の場合、脚本家もこの能力を使用可能。[友好3]このループ中、入院患者が病院以外に移動できるようになる。 | ▲入院患者:友好能力なし。 |
※本作には上記9名の他にも“アイドル”や“異世界人”など9名のキャラが存在。キャラの組み合わせを変えることで、さまざまな脚本を生み出すことができる。
最後に、脚本で定められる“ルール・役職・事件”についてですが、これらはサマリーにまとめられており、プレイヤー全員に配られます。リプレイ中でも内容を説明していますのでサマリーを読まなくても一応理解はできますが、公式サイトよりサマリーをダウンロードしてリプレイを読めば、一緒に推理することも可能です。
※サマリーは『惨劇RoopeR』公式サイトの“ダウンロード”→“惨劇セット関連”→“Basic Tragedy X”からダウンロード可能。
ここからは『惨劇RoopeR X』のリプレイをお送りします。
【リプレイ参加者(敬称略)】
BakaFire(以下、BF):本作のゲームデザイナー。アナログ同人ゲーム制作サークル“BakaFire Party”の代表。今回は脚本家側プレイヤーとして参戦。
ごえモン(写真右):電撃オンラインのギャルゲー番長&アドベンチャーゲームコーナー“まり探”の職員。アナログゲームは初心者。
カワチ(写真左):ギャルゲーやアドベンチャーゲーム全般など、いろいろこなすフリーライター。電撃オンラインでも活躍中。アナログゲームは初心者。
梅津爆発(写真中央):アナログゲームもコンシューマゲームもリアル脱出ゲームも大好きなフリーの編集者。
最初に『惨劇RoopeR X』初プレイのごえモンとカワチはBF氏によるルール説明を受け、練習用脚本でのプレイを終えた。
BF:本編ではルールや役職、事件が大きく変わります。
ごえモン:うわー、一気に増えましたね(サマリーを確認中)。
BF:本編ではルールXが1つ、ルールYが2つ設定されています。そしてこれらのルールによって登場する役職が決まり、その役職は私がキャラに割り振りました。本編の公開シートはこのようになっています。今回は、まさに王道の脚本をご用意しましたのでお楽しみください。
▲脚本家から最初に提示される情報が公開シート。この情報をもとに、主人公側は序盤の行動を決めていくことになる。 |
BF:では早速参りましょう。第1ループ1日目。
▲キャラの“入院患者”と場所の“病院”“神社”に最初のカードが置かれた。果たして、これからどのような惨劇が起こるのだろうか……? |
BF:何をすればいいかわからないうちは、キャラの友好を増やして友好能力を使えるようにしておくのがベターです。
爆発:最初は情報が少ないから気軽に行きましょ~。
カワチ:役職を調べられる巫女と、ルールを調べられる情報屋が強そうじゃない?
爆発:どちらにも今はカードが置かれていないですし“友好+2”使っちゃいますか。
ごえモン:じゃあ最後の1枚で一応、神社に“暗躍禁止”を置いておきますか。“封印されしモノ(ループ終了時に神社に暗躍カウンターが2つ以上あると敗北)”だったらイヤですし。
爆発:神社はやっぱり怪しいですからね。ツノの生えたシュークリームの好きな神様がいるかもしれないし……。
BF:それではカードオープン。
▲神社の“暗躍+1”を“暗躍禁止”で防ぎ、ブラフの病院には何も置かないという、主人公側にとっては理想的な展開に。入院患者に置かれた“不安+1”は少々気になるが……。 |
BF:皆さんさすがです。伊達に数々のループ系ADVを攻略してきたわけではありませんね! それでは脚本家能力フェイズ。なぜか不安カウンターが入院患者に置かれました。
ごえモン:医者か入院患者のどちらかが“ミスリーダー(脚本家能力フェイズに同一エリアのキャラに不安カウンターを1つ置く任意能力)”ということですね。
カワチ:入院してるとだんだん不安になるよね……。入院患者がミスリーダーかな?
BF:それでは進めます。主人公能力フェイズは友好能力を使えるキャラがいないので何も起こらず。1日目は事件も発生しないので事件フェイズも何もなし。リーダー交代フェイズでリーダーが左隣のプレイヤーに移り、ターン終了フェイズにも何も起こらず2日目に。
爆発:今日は条件を満たしていると、事件の“不安拡大(任意のキャラ1人に不安カウンターを2つ置き、別のキャラ1人に暗躍カウンターを1つ置く)”が発生しちゃいますね。
BF:では今日も“入院患者”、“病院”、“神社”。
爆発:どうしてもこの3カ所で何かやらかしたいという絶対の意思を感じますね! 絶対の意思が絶対の未来を紡ぎ出す!!
カワチ:こっちも同じ行動でいいんじゃないかな?
爆発:では残り1枚の“友好+2”は情報屋にして、“暗躍禁止”はどうします? また神社に“暗躍+1”置いてきますかね?
ごえモン:と見せかけての神社狙いかもしれないので、神社にしましょう。
BF:ではオープン。
▲今回の“暗躍+1”は病院だった! 病院に置かれた暗躍カウンターはどのような惨劇を生み出すのか……? そして“入院患者”はどんどん不安に……。 |
爆発:あ~、今回は逆でしたね。
ごえモン:病院の暗躍カウンターが関係しそうなのは事件の“病院の事件(病院に暗躍カウンターが1つ以上あると、病院にいるすべてのキャラを死亡させる。さらに暗躍カウンターが2つ以上あると、主人公を死亡させる)”かな? ヤバイじゃん(笑)。
BF:それでは脚本家能力フェイズで医者に不安カウンターを置きます。主人公能力フェイズですが今回は巫女の能力(神社にいる時のみ使用可能。神社の暗躍カウンターを1つ取り除く)が一応使用可能ですね。神社に暗躍カウンターはありませんが、もし巫女が“絶対友好無視(友好能力の使用を必ず拒否)”を持つ役職の場合、友好能力の使用が必ず拒否されるのでそれがヒントになります。これを通称“空撃ち”と呼びます。
爆発:じゃあ使いま~す。クワを持った巫女さんに厄払いしてもらいましょう!
BF:布団の綿を川に流したりしませんよ(笑)。能力の使用は拒否しません。
カワチ:つまり巫女は絶対友好無視を持つカルティストとウィッチではないということか。
BF:では事件フェイズ。今日は“不安拡大”の日で、事件は発生しました。巫女に不安カウンターを2つ置き、お嬢様に暗躍カウンターを1つ置きます。
爆発:事件発生時に不安臨界以上に不安カウンターが置かれていたのは入院患者だけなので、彼が今日の事件の犯人なのは間違いないでしょうね。
BF:巫女、男子学生、病院にカードを配置します。
爆発:4日目の“病院の事件”は犯人が病院にいなくても起こります。
ごえモン:ならやっぱり病院の暗躍カウンターは1つに留めたいですね。
カワチ:巫女にカードを置いたのは、4日目の事件のために不安を増やそうとしているのかな?
ごえモン:不安臨界以上に不安カウンターを増やす意味はあるんですか?
爆発:不安カウンターは減らすことができるので余分に増やしているのかもしれません。
ごえモン:なるほど。4日目も“不安+1”を置かれるとなると、こっちが2連続で“不安-1”を置いても不安臨界未満にできませんね。
爆発:では病院の暗躍カウンターを1つで止めることに注力しますか。そうすれば例え“病院の事件”が発生しても、我々は殺されないのでゲームを続行できますし。……病院にいる人たちは全滅してしまうけど!
ごえモン:病院にキーパーソン(このキャラの死亡時、主人公は敗北し、直ちにループを終了する強制能力)やフレンド(ループ終了時にこのキャラが死亡している場合、このキャラの役職が公開されてそのループは敗北となる。その後はループ開始時に友好カウンターが1つ置かれる強制能力が発動)がいるとこっちの負けですね……。
爆発:その時は大きなヒントになりますから、それはそれでいいんじゃないかと。
カワチ:じゃあせっかく上げた友好がムダにならないように、情報屋と巫女の友好を早く上げようか。
ごえモン:そうしますか。
BF:ではオープン。
▲脚本家側は病院に“暗躍+1”、巫女に“不安+1”、男子学生に“移動←→”。主人公側の行動は予定通りに実行できたが……。 |
ごえモン:男子学生はなぜ都市に移動したのか?
爆発:現時点だと理由はちょっとわかりそうにないですね。
BF:脚本家能力フェイズでは医者に不安カウンターを1つ置きます。主人公能力フェイズはどうしますか?
爆発:ようやく情報屋から情報を引き出せるくらいの仲になれたので、さっそく聞き出しましょう。
カワチ:情報屋の能力は“ルールX1とX2、どちらかを指定し、知ることができる”か。
爆発:わかりにくそうなルールを当てられるといいのですが。ルールXの置き順に決まりはないので、今のリーダーのごえモンさんが勘で選ぶしかないですね。
ごえモン:では情報屋の能力を使用して、ルールX1を調べます。
BF:ルールX1は“不穏な噂”でした。
ごえモン:“不穏な噂”で追加される役職はミスリーダーだけかー。ミスリーダーが病院にいることはわかってるから、あまり大きなヒントじゃないかも。
爆発:ただ“不穏な噂”には“1ループ1回だけ、脚本家能力フェイズに任意のボード1つに暗躍カウンターを1つ置ける任意能力”という追加ルールがあるので、その存在がわかっただけでも大きいかもしれません。
ごえモン:……って、その能力で病院に暗躍カウンター置かれたら終了じゃないですか!!
爆発:ホンマや!!
BF:いやー、驚かせようと思っていたんですけどバレちゃいましたね(笑)。
BF:医者、巫女、お嬢様にカードを配置しました。どうぞ。
爆発:主人公が殺されそうな4日目!
ごえモン:脚本家能力って、どうやれば防げます?
爆発:基本的には防げません!!
カワチ:第1ループは負けるとしても、せめて情報を少しでも増やしたいよね。
爆発:となると、現時点で不安臨界以上に不安カウンターがある犯人候補を減らすのがいいかもしれません。同じキャラが複数の事件の犯人になることはないので“不安拡大”の犯人だった入院患者は除外して、“病院の事件”の犯人候補は巫女と医者。さらにお嬢様に置かれたカードが“不安+1”の場合、彼女も犯人候補になってしまうので少々面倒ですね。
カワチ:じゃあ医者とお嬢様に“不安-1”を置こうか。ミスリーダーの効果ですぐにまた不安が増やされちゃう気もするけど。
ごえモン:医者には移動が置かれた可能性もあるんじゃないですか? 医者は死ぬと正体がバレる役職なのかも?
カワチ:そういう可能性もあるかー。それだと医者と入院患者の場所が分かれるから、ミスリーダーがどちらかわかるかもしれない。
爆発:では最後の1枚は初志貫徹で巫女に“友好+1”にしますか。“友好禁止”を置かれている可能性も高いけど。
BF:ではオープン
▲脚本家は医者に“移動↑↓”、お嬢様に“不安+1”、巫女に“友好禁止”を配置。巫女の友好カウンター5つで発動できる友好能力には届かなかったが、医者とお嬢様を犯人候補から除外することには成功した。 |
ごえモン:やっぱり医者は移動でしたね。
爆発:なんでわかったんですか!
ごえモン:探偵の勘です(メガネがキラッ☆ミ)
カワチ:さすがまり探の職員だぜ!!
爆発:まり探のコーナーは電撃オンラインでチェック!!
ごえモン:宣伝は以上です。BFさん続きをお願いします。
BF:は、はい(不安拡大中)。で、では脚本家能力フェイズで暗躍カウンターが病院へ。以上です。主人公能力フェイズですが、情報屋の能力は1ループ1回だけなので使えません。では事件フェイズ。事件は発生し、入院患者は死亡。そして皆さんも死亡し、敗北したので第1ループはここで終了です。入院患者の死亡に伴って、何かが起こった様子はありません。
ごえモン:医者に“移動禁止”を置いて“病院の事件”に巻き込んで、死亡時の反応を見たかったですね。
爆発:ただ今回医者に“不安-1”を置いたことで“病院の事件”の犯人を巫女に確定できたのは大きいですよ。
BF:すべての情報を一度に引き出すことはできないので、優先順位を決めて取捨選択することが大事ですね。
爆発:とりあえず、巫女はカワイイ顔して、不安になると疑心暗鬼に陥って大虐殺を行っちゃうことが判明しましたね!
カワチ:仮に暗躍カウンターが1つだったら入院患者だけが死んでたけど、入院患者を狙ってたのかな?
爆発:もし入院患者がフレンドだったら、死亡しているので役職が公開されます。でも公開されていないということは、フレンドではないということですね。
ごえモン:死亡しているということは“死亡しない”という能力を持ったタイムトラベラーでもないということか。
カワチ:あとメインラバーズとラバーズでもないのか。
BF:その通りです。入院患者がメインラバーズかラバーズであるならば、死亡時に誰かに不安カウンターが6つ置かれるので。なお入院患者がキーパーソンの可能性は残っています。キーパーソンによる敗北と、主人公殺害による敗北が、今回は同タイミングで発生していた可能性があるので。
爆発:脚本家はどういう理由で主人公が敗北したのか説明する必要がないので、今の敗北の理由がキーパーソン死亡か主人公死亡か、または両方なのかはわからないんですよね。
BF:敗北にはなりましたが、いろいろ見えてきたかもしれませんね。ではそろそろ第2ループに参りましょう。
BF:入院患者、神社、病院です。どうぞ。
ごえモン:病院は防ぎたいですね。
カワチ:じゃあ“暗躍禁止”で。
爆発:入院患者への不安も避けたいですよね。
ごえモン:入院患者に“不安-1”で、さらに医者をミスリーダーと仮定して移動させますか。
爆発:どっちに移動させますか?
ごえモン:巫女とミスリーダーを一緒にしたくないけど、ミスリーダーを都市に送り込むのも後々めんどくさそうな気がするなぁ(笑)。
BF:決断の時ですね(笑)。
爆発:敗北条件さえ満たさなければ、事件をすべて防ぐ必要はないので、とりあえず“病院の事件”を回避することに全力を出しませんか?
ごえモン:そうしますか。
BF:ではオープン。
▲暗躍の2択は“暗躍禁止”で防ぐことに成功し、入院患者への不安も“不安-1”で相殺させた。第2ループは主人公側優勢の状態から始まりそうだ。 |
ごえモン:場所への“不安+1”って効果はないですよね。
BF:はい、ありません。こちらに“暗躍+1”は2枚ないので、ブラフ代わりに神社へ“不安+1”を置いたのですが見破られてしまいましたね。そして脚本家能力フェイズですが……パスしておきます。
カワチ:ミスリーダーの正体は、そう簡単に確定させてくれないか。
ごえモン:でも初日は主人公側の行動は完璧でしたね。これなら勝てるんじゃないかなぁ(笑)。
爆発:その代わり、キャラと友好を深めているヒマがなかったですね。情報屋にルールX2を聞ければ話は早いんですが……。
BF:入院患者、病院、お嬢様です。
カワチ:病院は“暗躍禁止”で。
爆発:入院患者がミスリーダーだったら、カードの“不安+1”とミスリーダーの効果で不安臨界に届いちゃうので、“不安-1”を一応置いておきましょう。
ごえモン:お嬢様は“不安+1”かなぁ。だったら“不安-1”か。
爆発:ただ“不安-1”は1ループで1回しか使えないので、お嬢様の不安を減らすんだったら男子学生か女子学生に“友好+2”を置き、2人の友好能力(同一エリアにいる自身以外の学生から不安カウンターを1つ取り除く)で不安を減らしたほうがいいかもしれません。
ごえモン:どっちにしようかな。女は信用できないから男子学生だな!
カワチ:第1ループで男子学生はなぜか都市に移動してたから怪しくない?
ごえモン:怪しい人と仲よくしたほうが、真相には迫れるかもしれませんよ! まあカードを置くのは順番的にカワチさんですから、カワチさんが好みのほうでいいですよ。
カワチ:じゃあ男子学生だな!!
BF:ではオープン。
▲病院と入院患者は予想通り。お嬢様に置かれたのは“不安+1”ではなく“移動↑↓”だった。この動きが意味するものは……? |
BF:皆さんお強いですね。このままではあっさり負けてしまうかも(ニヤリ)。脚本家能力フェイズはパス。主人公能力フェイズは男子学生が“空撃ち”できますね。
爆発:では男子学生の能力を女子学生に使います。
BF:使えました。男子学生は“絶対友好無視”ではありません。では事件フェイズ。今日予定されていた“不安拡大”は起こりませんでした。そしてターン終了フェイズ。女子学生が死亡し、皆さんは敗北。第2ループは終了です!!
爆発:あっさり負けたのはこっちじゃないですか(笑)。
▲事件の発生は見事に防いだが、あっさりと敗北……(殺された女子学生は横向きに置かれる)。やはりすべてのルールを解き明かさねば、惨劇は止められないのか……。 |
ごえモン・カワチ:ぽかーん。
爆発:あ、何が起こったのか2人はわかっていない(笑)。
BF:役職の説明をよーく読めばわかりますよ。
ごえモン:(サマリー確認中)……男子学生がシリアルキラー(ターン終了フェイズに、同一エリアにいるキャラが1人だけの場合、相手を死亡させる強制能力)で、女子学生がキーパーソンだったってことかな?
BF:その通りです。現時点でターン終了フェイズにキャラを殺せるのはシリアルキラーしかいませんし、死亡時に即座にループが終了するのはキーパーソンしかいませんので。
カワチ:男子学生はやっぱり怪しかったか!!
爆発:キーパーソンの近くにシリアルキラーがいるとは、なんて危険な学校なんだ!
ごえモン:シリアルキラーがいるということは、ルールX2は“潜む殺人鬼(シリアルキラー1人とフレンド1人を追加するルールX)”で確定かな。
カワチ:ルールX1は“不穏な噂”だから2つのルールXは解き明かせたね。
爆発:そしてキーパーソンがいるということはルールYも“殺人計画(キーパーソン1人、キラー1人、クロマク1人を追加するルールY)”か“僕と契約しようよ!(少女のキーパーソン1人を追加し、ループ終了時にキーパーソンに暗躍カウンターが2つ以上あると敗北という条件も追加されるルールY)”の2択まで絞れました。第2ループを2日目で失った代わりに、多くの情報は手に入った気がしますね。
BF:皆さんが執拗に“病院の事件”を止めたので、シリアルキラーを活動させるしかなかったのです。ちなみにシリアルキラーはただの快楽殺人者で悪いことは企んでいないので、仲よくなれば友好能力はちゃんと使ってくれます。では次のループへ。
爆発:やらなきゃいけないことが増えてきましたね。キーパーソンを守りつつ、病院の事件を防ぐ……必要はないかもしれない。
BF:互いに1日3枚の行動カードしか置けませんから、すべての出来事に対応することは難しいかもしれません。
爆発:シリアルキラーの正体が判明したので、アイツを使って邪魔な奴を殺害することもできますぜ。へっへっへ。
ごえモン:なるほど。へっへっへ。
カワチ:「殺す方法ないかな」とさっきから思っていたんだよね。へっへっへ。
爆発:このように“ループ物の主人公は途中のループで悪いことを考えがち”というあるあるネタも再現されているゲームなのです(笑)。
ごえモン:じゃあとりあえず“病院の事件”の犯人の巫女を殺しますか。
爆発:あ、いいですね。
BF:あー、ヒドイ。心の汚れを感じますね(笑)。
カワチ:巫女を殺すとどうなるの?
爆発:犯人が死亡していると事件は発生しないので“病院の事件”が起きなくなります。
ごえモン:そうなると、かなりラクになりそうなんだけどなー。
BF:という話も踏まえて……病院、お嬢様、女子学生にカードを配置。
爆発:もう“封印されしモノ”の可能性はないから、ブラフは混ぜずに病院だけに“暗躍+1”を置いたんじゃないかな。
ごえモン:とりあえず病院に“暗躍禁止”かな?
爆発:または、本当に巫女を殺害するかですね。巫女が死亡していれば病院にいくら暗躍カウンターがあっても問題ないので。
ごえモン:じゃあやっぱり神社にシリアルキラーを送り込みますか。
カワチ:という考えを脚本家が読んでる可能性もあるよね……。
爆発:読んでいたとしても、男子学生に“移動↑↓”、お嬢様と女子学生に“移動禁止”を置けば、必ず神社で巫女と男子学生が2人きりになりますよ。1人1ループ1枚しか使えない“移動禁止”を2枚使うことになるけど……。
ごえモン:狙ったことが潰されるのはよくない気がするので、ここは“移動禁止”2枚で確実に巫女を殺害しておきますか。
カワチ:やっちゃいますか!!
BF:ではオープン。
病院は“不安+1”のブラフ。女子学生に“暗躍+1”。お嬢様は“移動↑↓”。
ごえモン:キーパーソンに暗躍カウンターが置かれたということは、ルールYは“僕と契約しようよ!”の可能性が高くなったのかな?
BF:いや“殺人計画”の場合でも、キラーには“同一エリアのキーパーソンに暗躍カウンターが2つ以上ある場合、ターン終了フェイズにキーパーソンを任意で死亡させることができる”という能力があるのでキーパーソンに暗躍カウンターを置く意味はあります。まだルールYの2択は絞れないと思いますよ。
ごえモン:なるほど。
カワチ:お嬢様がキラーの可能性もあるのか。
爆発:キーパーソンに暗躍カウンターが2つ置かれてから、本当のキラーが動き出すかもしれませんよ?
BF:では脚本家能力フェイズは入院患者に不安カウンターを置きます。続いて主人公能力フェイズと事件フェイズは何も起こらず。そしてターン終了フェイズに巫女がお亡くなりになりました。
爆発:おお巫女よ! しんでしまうとは、なさけない……。
BF:ヒドイ主人公たちだ(笑)。
BF:入院患者、女子学生、刑事です、どうぞ。
カワチ:暗躍カウンターを取り除く方法ってあるかな?
爆発:ほぼムリですね。
ごえモン:もう1つ置かれないようにするしかないか。
爆発:暗躍カウンターが置かれる可能性があるのはカードの“暗躍+1”と役職のクロマク(脚本家能力フェイズに同一エリアのキャラか、現在いるボードに任意で暗躍カウンターを1つ置く)、あとは今日の事件の“不安拡大”かな。
ごえモン:“暗躍+1”と“不安拡大”を防いで、クロマクをあぶり出しますか。
爆発:入院患者がミスリーダーだと“不安拡大”はもう防げないですけど、入院患者に“不安-1”を置いたうえで医者を移動させれば最悪でもミスリーダーは確定できますね(編注:医者に“友好+2”、入院患者に“不安-1”を置き、医者の友好能力を使えば確実に“不安拡大”を防げるが、3人は気付いていない)。
ごえモン:医者も殺しますか(笑)。
カワチ:それがいいような。
ごえモン:なんなら皆殺しですよ。皆殺し編!! ループ終盤くらいの主人公の気持ちになってますからね!
BF:実際、第3ループなので後半戦ですからね。
爆発:じゃあ今話した方針で行きましょう。女子学生に“暗躍禁止”、入院患者に“不安-1”、医者は……。
カワチ:ヤるしかない!! “移動←→”で!!
BF:君たちはいつもそうだね。わけがわからないよ。
ごえモン:なぜ●ュゥべえ(笑)。
▲脚本家のカードは、入院患者に“不安+1”、女子学生に“暗躍+1”、刑事に“不安+1”で、ほぼ主人公側の予想通り。刑事だけは理由が不明で少々気になるが。 |
ごえモン:刑事は今後の事件の犯人なのかな?
BF:脚本家能力フェイズは、もうバレたも同然ですから置きますかね。……あ、やっぱりパスで。
爆発:今の動きは覚えておきましょう(笑)。
BF:置かないのか置けないのかはご想像にお任せします(笑)。主人公能力フェイズは何も起こらず。事件フェイズは予定されていた“不安拡大”は起きませんでした。そしてターン終了フェイズに医者がお亡くなりに。
ごえモン:神社は処刑場になりましたね。どんどん送り込みましょう(笑)。
カワチ:お嬢様を生かしとくのは怖いなぁ(笑)。
▲2日連続で殺人を犯したシリアルキラーの男子学生。そういえば快楽殺人者っぽい顔かも(気のせいです)。 |
第3ループで早くも心が壊れ気味になり、アレな発言を連発しているスチャラカ3人組。彼らは惨劇を突破することができるのだろうか? これを読んだあなた。どうか後編で真相を暴いてください。それだけが私の望みです。……あっ、『惨劇RoopeR X』の読者プレゼントもありますよ!
→殺戮を繰り返すループ主人公に未来はあるのか? 続きは後編で!
【バックナンバー】
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第1回:『Love Letter』
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第2回:『惨劇RoopeR X』【本記事】
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第3回:『惨劇RoopeR X』(後編)
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第4回:『互いを男の娘メイドに調教し合うゲーム』
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第5回:『ヴァルキリーストライク』
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