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2014年1月23日(木)

『バーチャファイター』20年周年記念特集・プレイヤー編。インタビューや座談会で有名プレイヤーが語る『VF』の過去と現在

文:ゴロー

●正式に鉄人でいられた期間は1日未満

『バーチャファイター』20年周年記念特集

――“鉄人”の称号を与えられた経緯を教えてください。

 結構、記憶があやふやなのですが……。たしか、鉄人と呼ばれる前から百人組み手といったプロモーション活動的なことをやっていたと思います。『VF2』が凄く盛り上がって、その盛り上がりに拍車をかけるような感じで。

――というと、正式に鉄人の称号を与えられた時期はいつになるのでしょうか?

 正式な時期となると、『VF2』全国大会・マキシマムバトルの前夜祭で行われた“鉄人授与式”になりますね。僕自身は仕事で式には出られなかったんですけど、後日、鉄人を証明する立派な楯をいただきました。

――えっ!? 待ってくださいよ。たしか、マキシマムバトルの閉会式で鉄人の称号を返上していますよね?

 ええ、翌日の夕方にやらかしています(笑)。なので、正式に鉄人でいられたのは実質20時間ぐらいですね。その後も“鉄人、来たる!”みたいな感じでイベントをやっていましたけど、僕の中では返上しているので元鉄人です。

――これって『VF2』時代を知っている人からすれば衝撃の事実ですよ。ひょっとして、鉄人返上を言い出したのは羽田さんですか?

 僕ですね。返上しようと思ったのは、鉄人の称号が重かったのと、プロレス的なおもしろさを狙ったのと半々です。当時は全国大会に鉄人枠があったので、苦労せずに決勝トーナメントから出られたんですけど、自分でもズルイな、と。だったら、それなりの結果を出さなければ、と思って他の鉄人にも返上の話しをしたら、キャサ夫と柏ジェフリー以外が乗っかってきてくれたんですよ。

 そんでもって、大会で結果が出せなくて、マイクをもらっていきなり返上宣言をしたものだから、セガの人たちが青ざめちゃって……。これ以降、プレイヤーにマイクを渡すのは止めようという内部規定ができたと聞いています(笑)。

――結構な大事件ですからね(笑)。ちなみに、大会は誰に引導を渡されたのでしょうか?

 2回戦で東京メガネのアキラにスコスコにやられました。

――これはまた苦い……。では、返上してからは鉄人としての活動はあまりなかったのでしょうか?

 いえ、むしろ返上してからが忙しかったです。『VF3』時代もイベントをやっていましたし、行ったことがない都道府県はないくらいですよ。百人組み手も300~400人ほど人が集まって、挑戦権は先着順とか抽選とかでしたからね。ただ大々的に鉄人を返上した手前、自分から鉄人を名乗りませんでしたが、周りから言ってもらうぶんにはありかと(笑)。

『バーチャファイター』20年周年記念特集

――同じ鉄人でライバル視していたプレイヤーは誰になるのでしょうか?

 ブンブン丸です。ライバルというより、印象深い相手になります。おっさんたちが『バーチャ』で盛り上がっている中に、勢いのある若手が現れるようになって。その頃の彼はまだブンブン丸という名もなかった時代ですが、自分の立場を脅かす存在として意識はしていました。

 そのしばらく後に『VF』の大会が行われて、決勝戦で彼と当たったんです。フルセットで迎えた最終ラウンドでお互いの体力が残り1センチという接戦に負けて、その時に超えられたと思いましたね。あのアッパーは忘れられません。

――羽田さんの現役時代からかなりの年月が経っていますが、最近のバーチャ界を見て何か感じるところはありますか?

 今も現役でプレイしている人たちって、スーパーエリートだと思うんです。昔は、初心者からベテランまで、本当にいろいろな人が『バーチャ』を遊んでいましたけど、新シリーズが出たり、戦術が進化したりするたびにプレイヤーは何度も篩(ふるい)にかけられてきました。自分もそのどこかのタイミングでこぼれ落ちたのでしょう。

 でも『VF』って不思議で、ゲームがどうこうではなく、大きなコミュニティとして存在しているんですよね。完全に『バーチャ』から離れた人も何らかの形で繋がり合っていて、コミュニティという観点ではもの凄い勢いで成長していると思います。

『バーチャファイター』20年周年記念特集

――BT杯がいい例ですよね。

 今や同窓会ですよ、あの大会。毎年行われていることもそうですが、自分みたいに誘われないと大会に出ない人がたくさんいる中で、“5on5のチーム戦”というところが一番大きいかと。個人戦と違って窓口が広いし、昔からの仲間が同じチームなら「よし、出てやろう」という気持にもなれますし。

――『VF』シリーズで最も好きな作品はどれになるのでしょうか?

 人との出会いや自ら戦術を発見したという点から、初代『VF』が一番思い入れがありますね。セガ社員として見ると『VF5FS』になりますが(笑)。

→次ページからは“セガ社員”としての羽田さんに質問(4ページ目)

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