2014年1月23日(木)
『VF2』時代に頭角を現してから、常にトッププレイヤーとして走り続けてきたバーチャ神・ちび太。おそらく、彼以上に『VF』を愛しているプレイヤーはいないでしょう。心底大好きな『バーチャ』だからこそ、今の若手プレイヤーが取り組む姿勢に不満もあるようです。なお、ちび太とはプライベート感覚でのインタビューになっています。
▲写真左がちび太。隣で『VF』カレーを食べているのはつちくも。 |
――最近の『バーチャ』って昔と比べて何か変わった?
昔みたいな熱気はなくなったかな~。
――他の人からもそういった意見は多かったんだよね。ちび太がそう思う理由は?
最近の若手からは、大会で勝ったり負けたりした時の気持ちがあまり伝わってこないんだよね。そもそも、ヒジを打ってファジーして……というところに強さと楽しさを見い出している時点でまだまだ青いなって思う。まあ、今の『VF』がいけないってのもあるんだけど。
――というと、『VF5FS』のゲーム性に問題が?
前の『バーチャ』って「コイツはこの打撃をガードされても絶対に暴れるから」みたいに、身内読みというか、人対策がメインだったじゃん。
――あったあった。セガールの身内読みとか恐怖だったし。
そうそう(笑)。でもね、今はやることがある程度パターン化されていて、対戦していてもその人らしさや気合いを感じないんだよ。昔みたいに人間臭い『バーチャ』をやる人がほとんどいなくなった。カードを差していなかったら、誰と対戦しているかなんて絶対に分からないと思う。
――なるほど。前は、技のチョイスとか、動きのクセとか、プレイヤーごとに独自のスタイルを持っていたからねぇ。じゃあ、最近のビートライブ杯については?
BT杯ってバーチャプレイヤーにとっては特別な大会だから、チームをコロコロ変えてほしくはないかな。地方で人が少なかったり、いつものメンバーが引退しちゃったりして事情がある場合は仕方がないけど、都内のトッププレイヤーが「来年組もうよ」とか言って浮気するのは論外。「は? そのチームでいいんスか?」って感じ。こういう時の自分の居場所は決めておくべきだと思うよ。
――たしかに、BT杯はエリア対抗戦だからね。
BT杯に限らず、チームの勧誘って昔から社交辞令みたいな感じであったけど、今の若手はガチだね。上に立つプレイヤーがそんなんだと『VF』は廃れる。まあ、分かっている人もいるけど。
やっぱり“新宿ローパンチカット”のようにチームのブランド力が強くなれば、みんなが注目するし、大会も盛り上がるじゃん。強いチームに移籍したり、強い人を引き入れたりして、それで優勝したってつまんないよ。だから、そういう考えの新人たちをそろそろやっつけてやろっかなー、って。
――お、また本気でやり込む?
いや……、まだ早い(笑)。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
現役、引退を問わず、全国のバーチャプレイヤーからもらったコメントを掲載! ある程度自由にしゃべってもらいたかったので、こちらからは「最近の『VF』ってどうよ?」というように、もの凄くふんわりとしたボールを投げました。一部、とんでもない暴投で返す人もいましたが、それはその人の個性ということで。
なお、ここでのコメントはこれからもどんどん追記していこうと思っています。この場で何か言いたいという人は、ゴローの携帯に電話かメールで連絡をください。下を見てもらえば分かりますが、基本的になんでもアリです!
●サム
人がいなくて、ゲーセンで一切練習ができない。1カ月とか平気で触らない時期も増えたし。まあ、周りからゲーセンが消えていったってのもあるかな。
●くりたろう
昔みたいに“『VF』をやるならココ!”っていうホームのゲーセンが明確じゃなくなったよね。都内なら秋葉原とかになるけど、千葉からそこまでいってやる気力もなくなったかな。
●毒ガス王子
Xbox 360版の『VF5FS』でオンライン対戦はちょくちょくやっているよ。ゲーセンと違っていろいろな人と対戦ができるメリットはあるけど、相手によってラグいのがムカつくわ。
●人J
今はオンライン対戦が主流になっている反面、情報が入りにくいってのはあるね。都内のプレイヤーが対戦目的でこっちに来てくれていた時と違って、モチベーションを維持するのが厳しくなったよ。
●若人
『VF4Evo』でヤメちゃって今じゃ動画勢だけど、やっぱりプレイヤーのバックボーンが凄いから『バーチャ』の駆け引きは見ていて一番好き。昔からの知り合いが新しい世代に噛みつくところは特に楽しいよ。
昔は、“新宿勢 vs. 町田勢”や“東京勢 vs. 関西勢”みたいに地域で対抗意識があったけど、それも2D勢が参入してきた『VF4Evo』の時が最後かな。ああいった派閥争いは、見ている側もやる側も絶対におもしろいと思う。今と昔の差って言ったらそこでしょ。
●マン・ザ・サタンシャーク
こんな落ちぶれたおっさんでもBT杯に出ていいんだ~、ってところかな。アテナ杯/BT杯って最もガチな大会だと思っていたし、地下プロレスみたいな印象があったからね。町田アテナでやっていた頃は、場所は狭いわ、空気は薄いわでヒドかったけど、あの優遇されていない加減が逆によかった。
●スケルトン
あれだけ好きだった『VF』も、最近はBT杯の1週間前にやり込むだけになっちゃいましたよ。今思うと、自分がヒールだった『VF3』時代が緊張感があって一番楽しい時期でしたね。
●黒王号
うちらの近辺にもうゲーセンがほとんどないんスよ。でも、たまに行くと昔の仲間が「クソゲー」とか言いつつ、なんだかんだでまだやっていますけど。
●ナポレオン
最近は週一ペースで会社帰りにプレイするぐらいかな。自分もそうだけど、スケルトンや黒王号みたいに結婚している人も増えてきたんで、『VF』に注ぎ込むお金も時間もなくなっているのでは?
●オドパンジェフリー
2択どころを探せば、実力差があってもそれなりに勝負になるから『VF』はおもしろい。でも、最近キャラも技も多くなっているから覚えるまでがキビシイよ。仕事と家庭があるから、昔ほどガッツリやりたくてもできないし。
●打撃マン
対キャラクターじゃなくて対プレイヤーっていう『バーチャ』の根底は、今でも変わっていないような気がする。たまに身内と対戦するんだけど、人間臭い読み合いの楽しさは『VF』らしくていいよね。
●変態軍曹
老人がみんなええ年してやっててスゴイな~、って思うよ。そういうことができる場所があるのが『VF』のええところやな。BT杯で予備予選のロートルブロックに入ってんのに、勝つ気だけは満々やし。そこだけはみんな維持してるよね(笑)。
後、最近は結婚している人が増えとるけど、変なリングネーム付けたお父さんは子どもに説明できへんで。
●空調
来年からBT杯の前日に空調杯(ゴルフコンペ)やるで。ゴローくんも来たってや!
●虎龍
老いとともに病が流行っとる。糖尿、痛風……。
●ムッキー
インターネットが普及していなかった頃の『バーチャ』が一番刺激的だった。遠征した時の「こいつはどんなプレイするんだろ」っていうドキドキ感は、もう味わえないかな。今じゃ情報を共有できちゃうから、最先端のテクニックはみんな知っているし、その地方独特のスタイルってのもないんだよね……。てか、水こねーのかよ、この店!(会場にて食事中)
●マグナム
バーチャ界は、実力がないと発言権がなくなるからキツイんスよ。みんなでメシを食いに行く時に「俺、ラメーンが食べたい」とか、実力がないと聞いてもくれません。だから、そういう発言権をギリギリ保つために、今は必至にしがみついていますね。
●組長
昔はやり込みが大事だったけど、そうじゃないことに気づいた。最近の俺は日々成長している。まだピークはきていない!
●栗田
新しい刺激がほしいね。昔は自分でシステムを理解して、フレームや硬化差を覚えて、それを実戦にぶち込んで勝つってところに喜びがあった。やるかどうかは言えぬが、『バーチャ』の新作は出てほしい。相撲はもういいから。
●闇よだれ
『バーチャ』って単語を聞くと、『VF3tb』時代に人間学園にいた頃を思い出すね。『VF3tb』の基盤があって、そこにトッププレイヤーがたくさん集まって日々『バーチャ』。クソみたいな生活だったけど、あの頃の自分にとってはサイコーの環境だったよ。今も旧人間学園があった辺りに住んでいるんだけど、上州屋(惣菜屋)はあいかわらずウマイ。
●渋谷J
『VF2』から『バーチャファイター』にデビューし、『VF4』で引退した青春時代。10代後半~20代後半という、人生の中で非常に重要な時期を『バーチャ』づくしで過ごしたわけですが、今振り返ると、楽しかった思い出しか残っていません。有名プレイヤーのプレイに一喜一憂した『VF2』時代。勝つためにどうするかだけをひたすら考え、限界まで己のプレイを追求した『VF3』時代。いろいろ思い出されますが、一番印象に残っているのはプレイヤー同士のコミュニティです。
今でも、マスク・ド・ヒジテツやセガールとはたまに飲みます。五郎弐千歳や栗田とは同じ職場で働いています。この記事で名前が載っている人たちとも、久しぶりに会うことがあれば、「最近どうよ?」的な会話ですぐに昔のように打ち解けられるんじゃないかと。そんなコミュニティが形成されて、今でもきっとそういう関係性が残っているバーチャ界。シリーズが20年も続いた理由の一端には、こうしたコミュニティの継続が関係していると思いました。
●イトシュン
『VF5FS』で初の天翔神(段位)に昇格して、それを守り切ってからは燃え尽き症候群ですよ。新作が出たら、また最強を目指してがんばります。
●ジン
人とのつながりが楽しいんで、『バーチャ』はなくしてほしくない。もし消えたら……みんなでダーツやろうぜ!
●ゴージャス
いや~、おもしろかったですよね『バーチャファイター』。BT杯で優勝できたし、とりあえず自分の中の目標は全部達成できたんで、思い残すことは何もないです。燃え尽きてはいませんが、今は惰性ですね。
●祐天寺
BT杯がなくなったら『バーチャ』やめます。家庭用でもいいんで、続けてください。ただし、横並び対戦は除く。
●さとやん
今や、BT杯のためだけに『バーチャ』をやっている感はあるかな。予備予選スタートはやっぱりイヤだから、ポイントを稼ぐために大会へ出なくちゃならないし、なんかもう義務だよね。家庭環境が変わらない限り『バーチャ』を止める気はないけど、ゲーム性にしてもプレイヤーにしても新鮮味がないから、そのうち飽きてくるんだろうな~。
●エド
今のバーチャ界の新しい人って個性がないよね。プレイ中に野次られたり、モノを投げられたりする人もいないし。「あいつがオマエのこと嫌い」とか言って、人と人を争わせるようなクズもいないの? 俺みたいに。
●ジョセフ
西スポ四天王と呼ばれていた頃が楽しかったっすね。その時で一番思い出深いのは、1stさんとの同段位戦。ボコボコの3連敗で、その後も完全にエサと化していました(笑)。
●甲府メガネ
やり込みと●ックス!!
●華火
別れました……。
●ムームーダンス
いっぱい知り合いができたのはすごいうれしいし、そのつながりは今後も続いていくとは思う。でも、筺体がなくなると必然的に会う回数も減ってくるから、それはさみしいよね。
●K-2
『バーチャ』に先があるってわかれば、その貯金を作りにいくプレイヤーが多いと思うんだけど、今は先が見えないし、みんな現状をキープしているだけなんじゃないかな。まあ、コミュニティが凄くおもしろいから、そこにはずっといたいっていう願望は誰もが持っていると思う。
●チンパン
『VF』は地域のケンカだから。仲良しクラブじゃねぇんだよ! 最近はみんな慣れ合いすぎ。慣れ合いすぎだよ。慣れ合いすぎで……そう、慣れ合いすぎ。
●☆野ひかる
都内にデビューし始めの頃は終始フルボッコだったけど、長年揉まれて、いろんな人と大会を組むようにもなりました。その過程が楽しさのピークでしたね。
●ホームステイアキラ
次回作があるなら『VF5R』の0フレーム投げと、避け抜けと、よろけを返してください。ついでに岐阜コンボも。
●ヒデオ
『VF4』みたいにおもしろいシステムのものを新作で出してください。
●矢永
次回作があるなら俺に作らせろやぁあああ! 俺は天才だぁああああああ! うわらば!!
●妖怪パティンコじじい
早く新作を出してください、CRバーチャファイターの。あ、スロットのほうでもいいですよ。
●マスク・ド・ヒジテツ
うるせぇ! 俺は絶対働かねぇ!
●ヌキ
『VF4』が楽しすぎたってのもあるけど、ぶっちゃけ『5』は自分に合わないかな。屈伸だけで基本的な2択がかからないのも嫌だし、ゆとり抜けのシステムが特にいらない。豪傑部屋は精神と時の部屋。
●板橋ザンギエフ
『バーチャ』で培った読みのノウハウを、別のフィールドで活用しています。
★『バーチャファイター』20年周年記念特集・ヒストリー編はこちら
【ヒストリー編の内容】
・『VF』年表……『バーチャファイター』20年の歴史がココに!
・『VF』関連の代表的な大会……公式の全国大会やアテナ杯/BT杯の特色
・アテナ杯/BT杯の歴史……数々の伝説を生んだ5on5大会
(C)SEGA