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2014年1月21日(火)

3DS『カラス BOR』独占レビュー! 真ボス余裕のSTG狂と前作未プレイのサブカル女がそれぞれの視点から『BOR』を解説

文:ミゲル皐月誠

■技がなければ力で押す! 成長要素と装備品でステージを乗り切る

 本作は100以上のステージで構成されており、1ステージのプレイ時間は1~3分程度。ステージは、ボスを撃破すればクリアとなる通常のSTGの勝利条件とは異なり、“ショットで敵を100体倒せ”や“終着地点まで逃げ切れ”などの条件が存在します。

 全5階層で構成されていますが、貧弱な私でも第3階層までは“力押し”でなんとか乗り切れ、爽快感を味わえました。行き詰まった時は、装備品のレベルをコツコツと上げていけばいいのです。

3DS『カラス BOR』 3DS『カラス BOR』 3DS『カラス BOR』
▲第一階層(Degree:1)、第二階層(Degree:2)、第三階層(Degree:3)のマップ。

 弾避けが苦手(シューターとしては致命的……)な私は、敵の弾を規定数跳ね返すアイテム“Armor”を主に装備しています。敵の弾を3発跳ね返す“Heavy Armor”なら、通常残機と合わせて最大6回も着弾しても大丈夫になるわけです!!(それでも落とされるのですから恥ずかしい話ですが……)

 ショットやシールドなど、同じグループでも同時に装備できるものも存在するため、攻撃のバリエーションは豊富です。装備品によって自分のプレイスタイルを変更・模索できるというのも、本作ならではの楽しみかもしれません。

 また行き詰まった時は、クリアした前階層のステージに再度挑戦するのがオススメです。「こんなにアッサリとクリアできるようになってる! もしかして私、上達してるのかも!?」と優越感を味わえます。実際は、装備品のレベル上昇による補正で強くなっているのですが……(悲)。

3DS『カラス BOR』 3DS『カラス BOR』
▲オススメは、ボムのゲージ回復量がアップする“Absorber”。本作の魅力である、テンポのいい“攻めのSTG”を存分に味わえます。▲装備品のレベルは意外と上がりやすく、1回のミッションで3レベルほど上がることも。条件付きのものもありますが、30レベルまで上げれば次の装備品が解放されます。
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▲一番わかりやすく装備品の成長を感じられるのがボムです。レベル1(写真左)と比べると一目瞭然! 最大のレベル100(写真右)では、ほぼ画面すべてをカバーできるようになります。

■自分で色を付けていくような楽しさのあるストーリー

 物語の主人公は、前作でも登場したフロンちゃん、タリスちゃん姉妹。薬物を投与しないと生きていけない2人が“施設”を脱走し、“最後の楽園”を求めて空を駆ける――。“研究所”や“医療刑務所”、“逃げた兎”といった言葉が、本作ならではの静かで憂鬱な世界観を描き出します。

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 本作を初めて起動した時、ストーリーに関する情報は一切与えられません。自分は、何を目的として敵と戦っているのか、そもそも敵はなんなのか。何かから逃げているような会話はあるけれども、一体何から逃げているのか……。

 “Message”として表示される会話や“TimeLine”というノイズだらけの情報の中から、物語のパーツをピックアップし、想像力を働かせて自らストーリーを組み上げていくおもしろさ。与えられた絵具を使って色を作り、モノクロの世界に彩色していくような楽しさは、本作の大きな魅力だと思います。

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▲公募によって選出されたものを含む、1,009個の“TimeLine”と200個の“Message”。ちなみに、私が応募した魂の叫びも採用されていました……!
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▲攻略のヒントが隠されていることも。しかし、“ガセネタも混ざっている”とのこと。でも、この“ガセネタ”という情報自体が嘘かもしれないし……!?
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▲メッセージは、陰鬱な日常の吐露から能天気でシュールなものまで。この、ゲームの世界と現実世界のマッチングがクセになります。

■攻略法を探す、友だちと共有する楽しさ

 何より、本作ではミッション毎に攻略法を練ることが重要になります。このアイテムを使うと優位に進められるけれど、そのアイテムはどうしたら解放されるのか……。いつもこのアイテムを自分は装備しているけれども、他に何かオススメの装備パターンがあるかもしれない……。このように、プレイする人によってさまざまな攻略法が生まれると思います。

 本作は、そうした攻略法を他の人と共有したくなるゲームです。そういった情報や各々の進行状況の共有などが、ファンの間で盛んに行われることにより、本作は次のステージへ昇華されていくのだと思います。まさに、ゲーム中で氾濫していた“TimeLine”や“Message”が、現実世界のTwitterやメール、ファンサイトといった場所とシンクロしていくのです。

 個人的には、この『カラス BOR』の憂鬱な世界観が大好きなので、そのストーリーやキャラクター考察が広く深く行われていくことを願います。プレイヤーは、一体どんな感性でこの物語を読み解き、創造していくのか。あふれた情報で錯綜するゲーム内の“TimeLine”にように、現実世界の“TimeLine”が『カラス BOR』の情報で埋まってほしいですね。

【番外】お気に入りの“TimeLine”と“Message”

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▲猫はかわいい。▲わかる。▲カイワレの持つ向上心。

→前作プレイヤー・皐月の、歪んだ愛情でドロドロのレビューはこちら(3ページ目へ)

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