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2014年1月21日(火)

3DS『カラス BOR』独占レビュー! 真ボス余裕のSTG狂と前作未プレイのサブカル女がそれぞれの視点から『BOR』を解説

文:ミゲル皐月誠

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●続編である『カラス BOR』も、また。

 『カラス BOR』は、『カラス』の世界観を引き継いだゲームで、画面は縦画面でなく3DSに最適化されていて、ミッションクリア制で、武装の換装やレベルアップが搭載されていた3DS用STG……と、そのまんまのものを思い描いてもらえれば、実にそのまんまだ。時世にあわせてメールがタイムラインになっているけど、だいたい予想通りだ。

 シナリオは明示されず、プレイヤーは敵のつぶやきやタイムラインなどから状況を推察していくことになる。主人公は、『カラス』の4面・マシマナマ上空にて中ボスを駆って現れたフロンと、ボスを駆って現れたタリス。『カラス』の主人公・カラスはどこへ行ってしまったのか。時系列的には前作の前なのか? 後なのか? それとも別の“アーキシャル”なのか? 移植ではなく新規開発のため手触りも大きく変わっていて、『カラス』のプレイ経験はほとんど役に立たない。

『Karous‐The Beast of Re:Eden‐(カラス‐ザ ビーストオブレデン‐)』 『Karous‐The Beast of Re:Eden‐(カラス‐ザ ビーストオブレデン‐)』 『Karous‐The Beast of Re:Eden‐(カラス‐ザ ビーストオブレデン‐)』

 前作プレイヤーのほうが、よっぽど混乱するだろう。普通、続編タイトルと言えば“ユーザーがある程度わかっている”ことを前提として作られているものだが、『カラス BOR』にはそれが希薄だ。

「なんだこれ」

 新規プレイヤーはもちろん、『カラス』の味に慣れきった人でも、“苦酸っぱくて後をひくドロッとした様子のおかしいアレな感じ”を味わえる。ゲームのスタイルは相当変わったが、その芯にあるものは何ひとつ変わっていない。

 はっきり言って、『カラス BOR』は万人にオススメできるタイトルじゃない。これは、言うなれば熟成された発酵食品のようなものだ。

『Karous‐The Beast of Re:Eden‐(カラス‐ザ ビーストオブレデン‐)』 『Karous‐The Beast of Re:Eden‐(カラス‐ザ ビーストオブレデン‐)』 『Karous‐The Beast of Re:Eden‐(カラス‐ザ ビーストオブレデン‐)』

 『カラス3D(当初の仮題)』が発表されたのは2011年1月。当初の同年夏発売予定から、9月には2012年春発売と改められ、さらに発売は絶望的かと思えるほどの紆余曲折を経た末、開発者たちの執念が結実したような形で2014年1月にリリースされる『カラス BOR』。言っては悪いが、そんなタイトルへ期待すべきは大手メーカーの大作タイトルみたいな親切さではなく、もっと別のものだろう。

 このように、よくも悪くも煮詰まったタイトルであるからこそ、その中に気恥ずかしいまでの“真摯さ”が垣間見える。本作は開発者からのプレゼントであり、挑戦状であると感じられる。実直な心持ちで、ゲーム自体と向き合える。

 アクの強いタイトルであり、アクの強さこそが魅力のタイトルなので、玉虫色の評価は下せない。だけど“ゲーマー”にオススメしたいのは、こんな『カラス BOR』。なぜなら、彼もまた特別な存在だからです(ヴェルタース)。


 今回は、応募の中から抽選で2名様に3DS用STG『カラス BOR』と、予約特典のCDをセットにしてプレゼントします。募集期間は2014年1月29日(水)23:59まで。レビューを読んで本作に興味を持ってくれた人は、どしどしご応募くださいね。

『カラス BOR』読者プレゼントに応募する!

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