2014年11月15日(土)
『クイズいいセン行きまSHOW!』でイシイジロウ氏&制作者・川崎氏と対戦【アナログゲーム連載】
アナログゲームの制作者と、その人が作ったゲームを一緒に遊んで戦略やテクニックを勉強させていただく企画“アナログゲームでガチバトル”。
前回の『Gods’ Gambit ~神々の一手~』に引き続き今回も、“日本人ゲームデザイナーの作品を世の中に送り出す”ことを目的とした、アークライトの新ブランド“SWITCH GAMES”を特集!
今回は、11月16日に開催される国内最大規模のアナログゲームイベント“ゲームマーケット2014秋”で先行発売(正式な発売日は11月29日)される、川崎晋さんのパーティーゲーム『クイズいいセン行きまSHOW!』を取り上げます。
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▲クイズ番組のオマージュが随所にこめられているパッケージイラスト。 |
『クイズいいセン行きまSHOW!』は、数多くのアナログゲームを制作し続けている川崎晋さんが、過去に作った人気作のリメイク版。正解のないクイズに対して参加者全員が数字で回答し、参加者の中でちょうど真ん中の数字を書いた人がポイントを獲得するパーティーゲームです。簡単なルールで大盛り上がりできる本作を、前回と同じメンバーで遊んでみました!!(※リプレイ中は敬称略)
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▲前回に引き続き、今回も御協力していただいた皆さん。左からイシイジロウさん、川崎晋さん、カナイセイジさん、刈谷圭司さんです。 |
【リプレイ参加者(敬称略)】
川崎晋:アナログゲーム創作集団“カワサキファクトリー”を運営。代表作は『R-ECO(アールエコ)』『ギシンアンキノトウ』など。11月16日のゲームマーケット2014秋では、前述した2作品と『テトラコンボ』を頒布予定。
カナイセイジ:アナログゲーム製作サークル“カナイ製作所”の代表。代表作は『Love Letter』や『成敗』など。ゲームマーケット2014秋では新作の『シークレットムーン』を頒布予定。
刈谷圭司:アークライト所属で、SWITCH GAMESの責任者。ゲームマーケットの運営や、ニコニコ生放送“ゲームマーケットチャンネル”の制作、TRPG専門書籍の編集などにも携わる多忙な方。
イシイジロウ:『428 ~封鎖された渋谷で~』(スパイク・チュンソフト)や『タイムトラベラーズ』(レベルファイブ)などを手がけたゲームクリエイター。アナログゲームにも精通しており、ゲームクリエイター人狼会の主催でもある。
梅津爆発:アナログゲームをこよなく愛するフリーランスの編集者。最近は『イスタンブール』『MAHE』などをプレイ。このリプレイは梅津爆発の視点で書かれています。
■ルール説明
川崎:『クイズいいセン行きまSHOW!』は数字で答えるクイズゲームです。まず親は問題カードを1枚引いて、そこに書かれている4つのジャンルから1問を選んで読み上げます。社会的・統計的な問題が多い“社会”。生活に密着しているあるあるネタが多い“生活”。定義や基準が決まっていない事柄が問題の“定義基準”。問題文に参加者や有名人の名前を入れる“個人”。以上が4つのジャンルです。
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▲問題カードには、裏表の両方に2問ずつ書いてあるので、1枚で合計4問書いてあります。 |
川崎:なお問題に関するルールはあまり厳密には決めていないので、気に入った問題がなければ引きなおしたり、自作の問題を出したりしてもOKです。問題が出題されたら、出題者も含めて全員が、自分のホワイトボードに数字で答えを書きます。
カナイ:数字以外を書いた人はいるんですか?
川崎:「Twitterで“なう”とは何秒前のことでしょう?」って問題に「今」と書いた人はいましたね(笑)。その場合は、無回答として扱います。全員が数字を書いたら一斉にオープンして、数字を大きい順に並べます。並べた結果、ちょうど真ん中になった数字を書いた人がその場での正解となり、100ポイントを獲得。なお回答数が偶数になってちょうど真ん中の答えがない場合は、真ん中に近い2つの答えのうち数が多いほうが正解になります。そして、一番大きい数字と一番小さい数字を書いた人は、センスがないということでマイナス50ポイントです。
1問終わったら隣の人に親が移り、次の問題になります。一応正式なルールでは、全員が順番に親を担当し、2周したら終了ですね。実際はあまり気にせず、飽きるまで遊ぶことが多いですが。
●『クイズいいセン行きまSHOW!』のルール要約
(1):最初の親を決めて全員にホワイトボードとペンを渡して準備完了。
(2):親が問題カードを引いて、好きな問題を読み上げる。
(3):問題の答えと思われる数字を、親も含めて全員がホワイトボードに書く。
(4):全員の答えを大きい順に並べて、真ん中になった数字を書いた人がポイント獲得。一番大きな数字と小さな数字を書いた人はマイナスポイントを獲得。
(5):親を順番に担当しながら(3)~(4)を繰り返し、全員が親を2回担当したらゲーム終了。ポイントの一番多い人が勝者に。
■1問目(親は川崎)
川崎:ではさっそく1問目、定義基準の問題です。「“石橋を叩いて渡る”ということわざがありますが、“これだけ叩いたらもう渡っても大丈夫だ”と確信するためには何回叩くのが適切でしょう?」。この問題について、なるべく真剣に想像して回答してください。そのほうがおもしろいので。
イシイ:質問してもいいですか?
川崎:質問や会話は制限していないので、どんどん話しましょう。
イシイ:どんな物で叩くのかは、かなり大事ですよね。
川崎:そうですよね。素手で叩いていたら、何度叩いても確信できそうにないですし。では、工事現場で壁を解体するような木のハンマーにしましょう。
刈谷:それだと石橋壊れちゃいませんか(笑)。
川崎:それくらい安全を確かめたいということで(笑)。
イシイ:石橋ってのも広いですよね。日本橋くらいですかね?
カナイ:日本橋だと、頑丈すぎてハンマーで叩く意味をあまり感じない気が……。田舎の観光地にあるような、幅10メートルくらいの石橋、というイメージでどうでしょう?
イシイ:一休さんの話に出てくる“このはし、渡るべからず”の橋は木ですが、それが石橋になったイメージですね。
梅津:あー、わかりました。そんな感じの石橋ですね。
カナイ:イメージを共有するのは大事かもしれませんね。
刈谷:なお今回はまだホワイトボードが完成していないので(収録日は8月下旬)、紙に回答を書いていただきます。
梅津:そういえばこの記事を読んでいる読者の方も、自分なりの回答を考えてから先を読むようにしてもらえれば、我々のゲームに擬似的に参加できますね!
川崎:確かにそうですね! そのほうがより楽しく記事を読めると思います。というわけで、皆さんの回答が出そろったようですので一斉にオープンしましょう。
一同:せーの!
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●1問目“安全確認のために石橋を叩く回数”の回答
カナイ:10回……マイナス50ポイント
刈谷:8回……プラス100ポイント
川崎、イシイ:7回
梅津:3回……マイナス50ポイント
梅津:1人だけ全然少なかった! そんなに叩いたら逆に壊れちゃいませんか!
刈谷:いったー。ポイントゲット!
川崎:先ほども言ったとおり、回答数が偶数になってちょうど真ん中の答えがない場合は、真ん中に近い2つの答えのうち多いほうが正解です。というわけで、この場での正解は刈谷さんの8回になります。実際に何回叩くのが適切なのかは、もちろん知りません!
カナイ:皆さんもっとキリのいい数字を書きましょうよ(笑)。
川崎:正解した刈谷さんはプラス100ポイント。一番大きい答えのカナイさんと、一番小さい答えの爆発さんはマイナス50ポイントです。こんな感じでゲームは進みます。次の親はカナイさんですね。
■2問目(親はカナイ)
カナイ:どの問題にしようかな。
川崎:私と刈谷さんは、問題を全部知っていますからなんでもいいですよ。答えは知らないですけど。
カナイ:戦略的には、自分で真ん中を取れそうな問題を出すのがいいですよね。
刈谷:そんな姑息なことをしなくても(笑)。
カナイ:と思いましたが、おもしろそうな問題があったのでこれにします。問題、「歳の差カップルとは、何歳以上歳の離れたカップルのことでしょう?」。
刈谷:あぁ……。
カナイ:なんですかその“心に突き刺さりました”みたいなリアクションは(笑)。
刈谷:いや、何歳くらいかな~と。
イシイ:自分が思うことじゃなくて、真ん中になりそうな数字を書いたほうがいいですよね。
梅津:最近、歳の差婚の話題をよく聞きますよね……。
カナイ:そんなところで、皆さんよろしいでしょうか。
一同:せーの!
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●2問目“歳の差カップルと呼ばれるのは何歳差”の回答
梅津:20歳……マイナス50ポイント
カナイ:10歳
刈谷:9歳……プラス100ポイント
川崎:8歳
イシイ:7歳……マイナス50ポイント
カナイ:また刈谷さんか!
川崎:いいセン行ってますね!
カナイ:でも確かにこれは、10歳から少し減らすべきでしたね。
梅津:いやー、最近はもっと歳の差が離れた夫婦がいるじゃないですか。29歳差とか45歳差とか!
刈谷:上はそうですけど、大体5歳くらい離れていたらもう“歳の差カップル”と言い始めるかなと思って。真ん中を狙うなら9歳くらいかなと。
イシイ:そうか、5歳くらいからかぁ……。
カナイ:刈谷さんは2連勝なので、今のところ刈谷さんの思考が日本人の平均点ってことですね。
刈谷:まるでツマラナイ男と言われているようだ(笑)。
梅津:褒めていない感じがしますよね(笑)。
カナイ:精神攻撃で揺さぶっています(笑)。
■3問目(親は刈谷)
刈谷:ちょうど知りたかったのでこの問題。「日本全国のファミリーレストランに1日で訪れる客のうち、本当のファミリーの割合は何パーセントでしょう?」。
川崎:これは知りたいですね!
カナイ:この問題は自信がありますよ!
イシイ:本当ですか(笑)。
カナイ:最近ファミレスばかり行っているので(笑)。
刈谷:まあ実際の正解は関係ないんですけどね(笑)。
川崎:時間帯で変わりそうですよね。私が行くのは夜だからなぁ。
梅津:問題では“1日”って言っていましたよね。
川崎:クリスマスの日とかだと割合が変わりそうなので、普通の何もない日ってことにしましょうか。
刈谷:皆さんいいですか?
一同:せーの!
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●3問目“ファミレスに訪れる本当のファミリーの割合”の回答
イシイ:50%……マイナス50ポイント
カナイ:35%
川崎:32%……プラス100ポイント
刈谷:31%
梅津:15%……マイナス50ポイント
梅津:ええぇぇっ! そんなにファミリーいます? 学生とか友だち同士がほとんどって印象でした。
イシイ:あ~、まずったなぁ。50%は多すぎかぁ。
カナイ:実際にファミレスに5時間くらいいると、3分の1くらいはファミリーでしたね。場所にもよると思いますが。
イシイ:僕は土日を想定したので、ちょっと多めになりました。
刈谷:平日と土日だと、割合が全然違いそうですね。
川崎:行楽地と学生街でも全然違いますから、意外とイメージの共有が難しい問題でしたね。
イシイ:土日って言っておけばよかった!
梅津:学生街って言っておけばよかった! そのせいで3連続マイナスです(笑)。
カナイ:イシイさんも2連敗ですから、お2人とも尖った思考の持ち主ってことで。
イシイ:そうそうそうそう、クリエイターだから仕方がないかな(笑)。
■4問目(親はイシイ)
イシイ:おもしろそうな問題にします。問題、「“出血大サービス”という表現にふさわしい、出血量とは何cc以上でしょう?」。
梅津:まったく見当がつきません(笑)。
川崎:問題を作った本人ですら、よくわかりません(笑)。
イシイ:そもそも、ヤバイ出血量ってのが何ccくらいなのかも、わからないですからね。
カナイ:献血は400ccと200ccがありますよね。
川崎:カナイさんの誘導が入りました(笑)。
カナイ:普通の鼻血程度じゃ、サービスって感じしないですからね~(笑)。
イシイ:でも献血の量ですら、大サービスという感じはしないですよね~(笑)。
刈谷:とはいえ、死んだら大サービスどころじゃなくて、やっぱりマズイですからね。
梅津:血を抜く某麻雀漫画では、成人男性なら1,800ccで危険、2,000ccなら致死量って書いてありました!
イシイ:パチンコ屋はよく“出血大サービス”って言っているイメージですけど、あれは全然致死量じゃないですよね。
川崎:結構やってますよね(笑)。
イシイ:そう考えると、やっぱり献血の量くらいかもしれない(笑)。
カナイ:“出血大サービス”という単語から、どういうふうに出血しているのかも想像したほうがいいでしょうね。鼻血がドバドバ出ているのか、頭の血管からブシャーと出ているのか。
イシイ:いろいろな誘導が入りましたが、そろそろ行きますか!
一同:せーの!
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●4問目“出血大サービスの出血量は何cc”の回答
イシイ:650cc……マイナス50ポイント
梅津:600cc
川崎:525cc……プラス100ポイント
刈谷:510cc
カナイ:200cc……マイナス50ポイント
イシイ:あぁ~、またマイナスかぁ。3連敗。
カナイ:皆さんちょっと血をしぶきすぎじゃ! 鼻血くらいでしょう?
イシイ:実際に200ccの鼻血を出したら、間違いなく病院行きですけどね(笑)。
梅津:川崎さんはうまく刻みましたね。525ccって!
川崎:調整しました! 問題を作っている人間ですからね!!
イシイ:いかん。いくらクリエイターとしては尖っているほうが好ましいとはいえ、負けるのはマズイ!
一同:(笑)。
■5問目(親は爆発)
梅津:では生活の問題です。「おみくじで1回大吉を引くと、何回分の凶を帳消しにできるでしょう?」。
川崎:あ、これ新作の問題だ。
カナイ:答えに小数点以下の数字を書いてもいいんですか? 全員の答えにあまり差が出ない気がするので。
川崎:マニュアルには「断りがない限りは整数で答える」と書きましたが、普通はそこまで細かく読まないと思うので、まあ自由で!
イシイ:えーっ、いくつだろう。
刈谷:書きました。
川崎:これくらいはあってほしいという願望で。
梅津:では見てみましょう。
一同:せーの!
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●5問目“大吉で帳消しにできる凶の数”の回答
梅津:8回……マイナス50ポイント
川崎:5回
刈谷:4回……プラス100ポイント
イシイ:3.25回
カナイ:2回……マイナス50ポイント
カナイ:そんなに大吉にパワーありますか!?
梅津:大吉を信じる具合が回答に出ましたね!
川崎:4回の刈谷さんが正解ですね。
イシイ:でも4回ってネガティブな数字ですよね。
一同:(笑)。
刈谷:頭の中で、凶が4つ集まる感じがしたんですよ。
川崎:倍の倍みたいな?
刈谷:そうです、そうです。
カナイ:凶の反対は吉。吉と大吉はせいぜい2個分くらいの差だと思ったんですけど、ずれてるのかぁ。
梅津:ラッキーセブンで7回と書く人がいるかと思って、1つずらしたんですが、全然ダメでしたねぇ。
川崎:7回もちょっと考えましたが、少し多いかなと。
カナイ:“真ん中の答えを書く”ってのがポイントですよね。やっぱり自分の思った答えをそのまま書いたらダメですねぇ。
川崎:参加メンバーを見て、微調整するほうが真ん中は取りやすいでしょうね。
カナイ:よし、もうここからは真ん中を取りまくりますよ!
梅津:わかったところで2周目に突入です!
イシイ:ではここからは点数は2倍ということで。
川崎:いいですね、そうしましょう!! 正式なルールではないですが、そのほうがおもしろいので。
刈谷:これはまだ安心できませんね!
■6問目(親は川崎)
川崎:では個人の問題ですから、誰かの名前を入れて問題を読みますね。「カナイさんが今から突然、水3リットルだけを持たされてサハラ砂漠の中心に放置された場合、何時間生き延びることができるでしょう?」。カナイさんのサバイバル能力やいかに!
カナイ:主人公が保険調査員で考古学者でサバイバル教官の漫画は熟読していますよ!
梅津:いいヒントが出ましたね!
イシイ:でも最後は必ず死んじゃうんですね?
川崎:死をもって実験は終了となるので、最終的には死にます。
一同:(笑)。
カナイ:でも結構長生きするんじゃないかな?
刈谷:こんなもんかな。砂漠の中心は死んじゃうわ。
川崎:この間、試した時は確かこれくらい。
カナイ:試した時ってなんですか(笑)。
イシイ:えーっ、どれくらいで死ぬかなぁ。やっぱこっちかな。
川崎:はい、そろいました。
一同:せーの!
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●6問目“カナイさんがサハラ砂漠に放置されて生き延びる時間”の回答
梅津:120時間……マイナス100ポイント
カナイ:96時間
刈谷:83時間……プラス200ポイント
イシイ:72時間
川崎:52時間……マイナス100ポイント
梅津:長すぎたぁ。カナイさんを信用しすぎた!
川崎:私は見くびりすぎましたねぇ。
イシイ:また刈谷さんが正解ですか!
刈谷:はっはっはー。
イシイ:あ、でも48時間から答えを変えたのは間違ってなかったか。
川崎:2日かなと思って、ちょっとずらして52時間にしたんですよ。
イシイ:水はあっても、日射で死んじゃうかなと思ったんですよね。
カナイ:わかります。服は今のままですよね?
川崎:このまま突然連れて行くので今のままですね。
カナイ:じゃあやっぱり、服を頭にかぶったとして、3、4日くらいかなぁ。
刈谷:しかしこのゲームに、こんなに強かったなんて。今のメンバーだから強い気もしますが。
川崎:参加者によって全然違いますからね。
カナイ:やたら大きな数字を書く人っていますよね。
川崎:以前、「滋賀県に占める琵琶湖の割合は何パーセントでしょう?」という問題で、100%って書いた人がいましたね。
刈谷:陸地ないのかよって(笑)。
川崎:滋賀県の人に殴られちゃいますよね(笑)。
■7問目(親はカナイ)
カナイ:なかなか大変そうな問題です。「平均的な20代の女性1人が持っている、ユニクロ製品の数は何点でしょう?」。難しいなぁ(笑)。
刈谷:まず、平均的な20代の女性ってのがどんな人かってことですよ。
イシイ:ブラトップとか靴下を含めると、結構あるんじゃないかなぁ。
カナイ:部屋着やシャツなら、みんな持ってますよねぇ。
川崎:子どもを育てる人は、ウルトラライトダウンジャケットを着ているイメージ。
イシイ:そうそう。でも20代で子どもを産む人は、最近は少ないですからね。……う~ん、靴下は左右セットで1点と数えますか?
川崎:そうしましょう。
梅津:この辺かな?
カナイ:では行きましょう。
一同:せーの!
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●7問目“平均的な20代女性1人が持っているユニクロ製品は何点”の回答
梅津:28点……マイナス100ポイント
イシイ:27点
刈谷:26点……プラス200ポイント
川崎:25点
カナイ:20点……マイナス100ポイント
カナイ:刈谷さん強すぎでしょう!
刈谷:どうもどうも!
梅津:惜しいけど、またマイナスか!
イシイ:今回はかなりいい勝負でしたね。
川崎:さっきからカナイさんが少なすぎで、爆発さんが多すぎなので、思った数よりも少し増やしたり減らしたりするといいかもしれませんね。
■8問目(親は刈谷)
刈谷:これ気になる問題ですよ。ジャンルは生活。「朝の天気予報で降水確率30%と予想された時、傘を持って外出する人の割合は何パーセントでしょう?」。
カナイ:重たいから持ちたくないってのが正直な気持ちですね~。
イシイ:折り畳み傘は含まれますね?
刈谷:含みましょう。
川崎:折り畳み傘をカバンに入れっぱなしな人って結構いそうですよね。
梅津:必ず持ち歩いているなぁ。
イシイ:女子も薄くて軽い折り畳み傘を結構持ってますよ。
刈谷:ではみなさんの回答をオープンしましょう。
一同:せーの!
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●8問目“降水確率30%の時、傘を持って外出する人の割合”の回答
イシイ:55%……マイナス100ポイント
梅津:52%
川崎:43%……プラス200ポイント
カナイ:35%
刈谷:34%……マイナス100ポイント
イシイ:一番多かったかぁ。
刈谷:初めてのマイナスポイント!
カナイ:結局、刈谷さんと川崎さんしか正解していない!
川崎:2人で問題の打ち合わせをしましたからね!
梅津:作った問題に対して、その答えもなんとなくは考えていたんですか?
川崎:2人がいい問題と思ったものについては、たぶん何かあるんでしょうね。
梅津:通じ合うものがあるんですね!
川崎:全員が同じ答えになりそうな問題は、2人で没にしていましたし、その過程で上達したのかもしれません。
■9問目(親はイシイ)
イシイ:ハハハッ、このおもしろい問題にしよう。定義基準の問題、「“生かさず殺さず”とは、完全に生きている状態を100、完全に死んでいる状態を0とした場合、いくつの状態を保つことでしょう?」。こういう問題ばかり選んじゃいますね(笑)。
川崎:こういう問題ばかり作りました(笑)。
刈谷:シンプルに考えたら、中間の50な気もしますよね。
イシイ:50って、「だいぶお腹すいたなぁ」くらいじゃ(笑)。3日間絶食程度なら、生かさず殺さずとは言いませんよねぇ。
カナイ:生かさず殺さずって、拷問して牢屋に閉じ込めている印象です。
川崎:相当ヒドイ状態に追い詰めてるでしょうね。
イシイ:辛うじて死んでない状態に感じます。
川崎:自白ができる状態じゃないと、生かさず殺さずの意味がないかな?
イシイ:ではそろそろ行きましょう。
一同:せーの!
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●9問目“生かさず殺さずとは、0~100の間のいくつに保つこと”の回答
川崎:27……マイナス100ポイント
カナイ:20
刈谷:13……プラス200ポイント
イシイ:12
梅津:11……マイナス100ポイント
イシイ:あぁ、また刈谷さんかぁ。誰かが刈谷さんを勝たせている気がする。接待プレイ。
一同:(笑)。
刈谷:なんかすみません(笑)。
カナイ:最後は20倍問題にしますか!
イシイ:いいですね!
刈谷:今800ポイントなので、10倍で行けますよ。
梅津:それなら、刈谷さんをマイナスに誘導して、自分が真ん中をとれば、マイナス500ポイントの私でも逆転できますね!
刈谷:爆発さんはマイナス500ポイントですか。逆にすごい!?
梅津:『いいセン』の才能がないことがよくわかりました!
川崎:では最終問題は10倍ということで。とりあえず、刈谷さんをマイナスにしたいですね!
■最終問題(親は爆発)
梅津:実は考えてきた問題があるんですよ。
川崎:おっ、いいですね。
梅津:問題、「全世界で、カナイさんのゲーム『Love Letter』を1度でも遊んだことがある人は、現在何人でしょう?」
刈谷:これは回答がバラけそうだなぁ。
イシイ:そもそも何個売れてるんですか? って、聞いていいのかな(笑)。
カナイ:実は、私もよくわかってないんですよ。海外版の販売個数はあまり細かく把握していないので。結構売れているとは思うのですが。
川崎:印税がこれくらいだから、逆算して……。
カナイ:まあまあ(笑)。
刈谷:1度のプレイで4人まで遊べますよね。
カナイ:2~4人ですね。基本は3、4人ですが。
梅津:夢を込めて、これくらいかな?
川崎:夢を込める数って、アレだなきっと。
イシイ:うわぁ、これ難しいなぁ。
カナイ:私に対するサービス問題のハズなんですけど、皆さんの答えがバラけそうなので、真ん中狙うのは難しそうです。
刈谷:結構いる気がするんだよなぁ……。
カナイ:実際、結構いると思いますよ。いろいろな地域で売っていますし。
刈谷:アナログゲームの本場のドイツでも、結構話題になったという噂ですからね!
川崎:カナイさんの書く数よりも、少なかったらごめんなさい。
イシイ:そう、カナイさんより少ない数字を書いたら悪い気がする。
カナイ:全然気にしませんから大丈夫です! 私もよくわかっていないので適当ですから。1個の『Love Letter』につき、何人が遊ぶかなと考えました。
イシイ:そうですよね。
刈谷:そう考えると、この数は少なめかも……。
梅津:では、最終問題の回答をオープン!
一同:せーの!
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●最終問題“『Love Letter』を1度でも遊んだことがある人は何人”の回答
イシイ:1250万人……マイナス500ポイント
カナイ:80万人
刈谷:35万3000人……プラス1,000ポイント
梅津:12万3000人
川崎:12万人……マイナス500ポイント
川崎:最後も刈谷さんか!
一同:(爆笑)。
刈谷:なんかすみません(笑)。
川崎:私とイシイさんはマイナス500ポイントになっちゃいました!
イシイ:皆さんの答えと2桁も違った(笑)。
梅津:いや、もしかしたら実際は1000万人くらい遊んでいるかもしれませんから!
カナイ:さすがにそこまでは!
イシイ:アナログゲームが遊べるお店をイメージすると、1個のゲームで100人、200人が遊んでいるのかなと思っちゃったんですよ。
カナイ:海外だと、そういう形で遊ばれることはほとんどないですね。ゲームコンベンションなどで遊ばれることが多いので、1個で8~10人くらいかなと考えました。
梅津:というわけで、最終結果はこうなりました。
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▲7回も真ん中を取った刈谷さんが圧倒的トップ! 残りの4人は最終的に全員マイナスでした(収録時にはまだ得点チップがなかったので自作のスコアシートです)!! |
梅津:最後の10倍問題も正解した、刈谷さんが文句なしのトップです!
刈谷:スコアを見て気付きましたけど、私と川崎さん以外は正解していないんですね。
一同:(笑)。
梅津:自分だけかと思っていたので安心しました!
川崎:つまり『いいセン』は、技術のゲームってことですね!
イシイ:そうそう、だから作った人には勝てなくて当たり前ってことで。
カナイ:2人で通しサインでも使っていたんですかね(笑)。
川崎:問題文を作った人間なので、イメージがある程度できていたってことかもしれません。
刈谷:いや、たぶんあまり関係ないかと(笑)。
■『いいセン』は“SWITCH GAMES”のコンセプトにピッタリ!
梅津:『クイズいいセン行きまSHOW!』のプレイありがとうございました。今回も前回に引き続き、いろいろとお話を伺わせてください。まず川崎さんに伺いたいのですが、刈谷さんから“SWITCH GAMES”のお話を聞いて、すぐに『クイズいいセン行きまSHOW!』のリメイクがいいと思われたのでしょうか?
川崎:私は結構、多作派なんですが、最近は新しいゲームを作るよりも昔作ったゲームをリメイクしたい、という気持ちが強いんです。特に新しい世代の人に、昔作ったゲームがあまり知られていないのは残念だなと思っているので。それで刈谷さんから“SWITCH GAMES”のお話が来て、「3分で説明できるライト向けのゲームなら『いいセン』かな?」と1回目の打ち合わせの時に浮かんで、次のときに提案したらすぐに決定という感じでしたね。
刈谷:私はタイトルしか知らなかったのですが、ルールを聞いて即決しました。川崎さんの言うとおり“SWITCH GAMES”のコンセプトにバッチリでしたから。また「“SWITCH GAMES”ってリメイクもやるのか」と示す意味でもちょうどよかったですね。
川崎:最初の『Gods’ Gambit』がカードゲームで、『いいセン』は違うタイプのゲームなので、ブランドとしての幅も広がりますよね。
梅津:『いいセン』は最初、ゲームマーケットで頒布されたんですか?
川崎:はい。元々は全部1人で作って、ゲームマーケットには3回出しました。そして3回ともすべて完売していました。そういう実績があったので、刈谷さんにも提案しやすかったです。また『いいセン』って、普段ゲームで遊ばない友だちにも遊んでもらえるゲームだったんですよ。私が今までに作った30作品くらいの中で、友だちにちゃんと遊んでもらえた数少ないゲームかもしれません。家でみんなでお酒を飲んだ後だと、10分くらいでもルールを聞くのがタルいと思う人が多いんですよ。普段ゲームで遊んでいない人だとなおさらです。
刈谷:ルールを聞くのが苦手な人っていますからね。
川崎:例えばカードゲームで遊んでいる時に、出しちゃいけないタイミングでカードを出して、「ダメだよ」と怒られるのがトラウマになっている女の子って多いんですよ。
カナイ:わかりますねー。
川崎:その点『いいセン』なら数字を書くだけですし、回答をオープンした時に笑いが起こったり、「どうしてそう思ったの?」と会話になったりして簡単に盛り上がるんですよ。
刈谷:それにマイナスポイントになっても落ち込むようなことじゃないですし(笑)。
川崎:突き抜けてズレた答えを書くほうが、笑いが起こってオイシイですからね。
刈谷:むしろ、さっきの私みたいに連続で真ん中だと、「自分はツマラナイ人間なんじゃないか?」と思ったり(笑)。
■川崎さんとカナイさんは対極の存在!?
川崎:私はゲームを作る時、なるべくプレイヤー同士で会話が起こるようなシステムにしようと心がけています。前回のインタビューで、カナイさんはストーリーやテーマを重視するみたいな話があったと思うのですが、それとは対極的な作り方ですね。別にライバルとか敵対しているとかって話じゃないですよ(笑)。
カナイ:ゲーム制作者は“テーマ派”と“システム派”に分かれるとよく言われるのですが、川崎さんはガチのシステム派なんです。
川崎:ガッチガチですね。
カナイ:私はテーマから逆算して考えることが多いテーマ派なので、そういう意味では作り方はまったく違うと思います。
川崎:仲間内のゲーム研究会でよく顔を合わせるので、お互いのことをよく知っているんですよ。
梅津:『いいセン』ではどんなことに注意してゲームを作られたのでしょうか。
川崎:問題カードをたくさん作ることが大事だと思いました。親の人が毎回その場で問題を考えるのは、かなり大変だと思いますから。
刈谷:ルールも秀逸なんですが、川崎さんの考えた問題が素晴らしいんですよ。「アツアツのカップルという表現にふさわしい温度は?」なんて最高ですね(笑)。
川崎:自分でもよく作ったな~と思います。初版の『グランドチャンピオン大会』が200問で、次に出した『祝! ゴールデン進出3時間スペシャル!』の時に100問追加し、さらに100問追加した『東西インテリ芸人頂上決戦』まで出しました。そして今回の『いいセン』では、今までに作った400問を厳選して半分に減らし、新作を100問追加しました。だからトータルで500問作ったわけですが、さすがにもうムリじゃないかな(笑)。
梅津:どういう問題を削られたのでしょうか?
川崎:古くて子どもに伝わらないクイズや、似たような問題ですね。
刈谷:かなり厳選しましたよね。おもしろくないものは全部削りましたし。厳選された300問です。新作は「1年間で日本人が食べたうどんを100とすると、そばはいくつか?」などですね。
川崎:「香川県出身の人がいたら、かなり偏った数を書きそう」そんな会話ができるような問題を作りました。
カナイ:クイズに答えるのって楽しいですよね。
川崎:日本人はクイズ好きだと思うんですよ。そもそも私自身がかなりのクイズ好きなので。高校生の時にクイズ研究会を作って、授業中にクイズ番組のセットのスケッチをすることもありましたから。だから「点数カードはデジタル表示にしたい」などデザインもかなりこだわりました。
■『いいセン』は女性にも大人気!
イシイ:川崎さんとボードゲーム会でご一緒した時に遊ばせていただいたのですが、女性受けがとてもいいですよね。特に最近は女性プレイヤーが増えていますし。
刈谷:会話するゲームが好きな女性は多いので、会話が膨らむ『いいセン』は受けますね。
イシイ:それと、あまりリア充の話はしたくないのですが、男女が仲よくなるツールとしても効果的だと思います。「○○さんの初恋は何歳でしょう?」みたいなクイズで、女性との距離を縮めていく男がいるんですよぉ。
一同:(笑)。
川崎:その問題は、私も頑張って入れました(笑)。
イシイ:あ、今の発言はポジティブに書いてくださいね。そのまま書くとルサンチマンの発言になっちゃいますから(笑)。
一同:(爆笑)。
カナイ:拡張カードセットで『大人のいいセン行きまSHOW!』ってのが作れそうですね(笑)。
刈谷:そっち方面はいろいろ作れそうだなぁ。
イシイ:問題が4つともドギツイ質問で、出題者の女性の顔が真っ赤になるみたいな(笑)。
川崎:きゃ、恥ずかしい。
イシイ:僕にもパブリックイメージがあるので、今の話は刈谷さんがしたということで(笑)。
カナイ:困った時は全部刈谷さんの発言にしてもらいましょう(笑)。
刈谷:任せてください! でもゲームマーケットは成人向けNGですから!!
■クイズ番組のオマージュが詰め込まれたパッケージイラスト
梅津:パッケージイラストですが、とてもクイズ番組らしいイラストですね!
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川崎:色合いがアメリカを横断するクイズ番組を彷彿とさせつつ、キャラの雰囲気がダービーするクイズを彷彿とさせつつ、80年代の漫画やゲームの雰囲気もあります。
イシイ:女子の襟の描き方が80年代なんですよ。昔は襟の大きな服を着ることで顔を小さく見せていたので(笑)。
刈谷:パッケージイラストをお願いしたTANSAN&Co.さんが、クイズ番組のオマージュを考えられる限り突っ込んでくれました。最初は想定していたイメージと全然違ってビックリしたのですが、TANSAN&Co.さんと話しているうちに「これはゲーム内容にピッタリだな」と感じましたね。
川崎:点数部分のデザインは私の意見を押し通しました。クイズファンとしては80年代風の得点表示は外せなかったので!
■クリエイターがファンと交流して直接意見を聞くのはとても大切
梅津:前回に引き続き今回もご協力いただいたイシイさんにもお話を伺いたいと思います。イシイさんと言えば最近は、ご自身が原作のインディーズアニメ『Under The Dog』の資金をKickstarterで募られましたが、実際に体験してみていかがでしたか?
イシイ:Kickstarterで大切なことは、お金を集めるだけじゃなくて、ユーザーさんから直接意見をもらえることだと思いました。正直な話、お金を集めるというだけなら、企業さんと組んだほうがシンプルで早い場合も多いですから。しかしユーザーさんとの交流もとても大切なので、今回は少々大変ではあっても挑戦しようと。
なぜならアニメでもテレビゲームでも、ユーザーさんとの交流がない会社やクリエイターは、どこかで躓く可能性があると思うんですよ。もちろんクリエイターの才能だけでも作っていけるのですが、やはりユーザーさんとのキャッチボールを真摯にやることはとても大事で。例えば“マチ★アソビ”でユーザーさんと交流できる場を作っている、ufotableさんはとてもうまくいっているように見えます。だから皆さんのように、ゲームマーケットなどで実際にファンの方と交流することはとても大事だと思うのです。
川崎:よくわかります。イベントで来ていただいた方にゲームを直接手渡して、遊んでもらった感想を聞くのは参考になりますね。
イシイ:僕だとそういう場所がないので、世界の人々と交流できる場所としてKickstarterは大事だなと。だからお金集めの手段というだけじゃないんですよ。
川崎:お金を出すくらい真剣な大勢の人たちと直接コミュニケーションすると、作品も変わりますよね。
カナイ:ファンが求めることを積み重ねたら、間違いなく喜んでもらえますからね。
イシイ:ただ、それだけではダメなところが難しいんですけどね。エンターテイメントがコンビニビジネスになってしまうとダメで。売れるものを入れるだけのビジネスでは流通になってしまうので、意見を聞きつつ、さらに新たなニーズも開発しないといけない。「その場にあるから買う」ではなくて「もしこういう物があったら買うのに」というものを作りださないと。
また『Under The Dog』無関係でKickstarter自体という話ですと、著作権を企業ではなく作家個人が持った場合、実際にどうなるのかが知りたかったので、僕自身が試してみようかなという気持ちで挑戦した部分もあります。それで試したところ、ネガティブな意味ではないのですが、ややこしいことがいっぱいあるんですよ。
刈谷:そうですよね。
イシイ:変な話、「著作権を持たないほうがラクじゃないか?」と思うことすらあるんですよ。それに個人が持っていても使いこなせないことも多いですから。実際に自分で試してもっと理解を深めたら、クリエイターの友人たちに「著作権を個人で持つって、こういうことなんだよ」と伝えたいと思っています。
またKickstarterでは、海外と日本の著作権と文化の違いも感じることができるんです。テレビゲーム業界批判に聞こえたら嫌なのですが、日本のテレビゲームって、基本的に社員が作っているので、著作権が企業の物になるのは、ある意味当たり前なんです。
カナイ:企業がお金を出していますからね。
イシイ:社員に給料を支払って、生活の面倒も見ていますから。それは当たり前のことで、それが嫌なら独立して自分が社長になればいいし、実際にそうしている人もいっぱいいます。だから他の国のゲーム制作でもこれが当たり前かと思っていたら、例えばドイツのアナログゲームの考え方は全然違うんですよ。作家個人を大切にしようという考え方で、例えば資本を出している企業があったとしても、作った作家の名前は必ず表記されますし。
カナイ:その通りですね。
イシイ:作家に対するそういう運動や努力があって、今のドイツのアナログゲーム文化が作られていて。Kickstarterをやると、そのような文化の違いなども実感できるので、とても勉強になりました。だから『Gods’ Gambit』海外版の出資をKickstarterで募られたことも、かなり勉強になったんじゃないかなと思います。
刈谷:ものすごく勉強になりましたね。
イシイ:そうして最終的には、何をKickstarterでやって、何を企業さんの資本下でやって、何を個人でやるのか。みたいなことが選べるようになるといいのかなと。実際に試してみないと、この辺もわからないですからね。
■新作2本を来年春に発売予定!
梅津:では最後に今後の“SWITCH GAMES”について聞かせてください。
刈谷:まず前回のインタビューでもお話しした、OKAZU brandの林さんにお願いしているゲームですが、来年の秋発売を目指して開発中です。前回のインタビューで「カナイさんと緒方さんが同時に『キングスコート』をイメージしていて驚いた」とお話ししましたが、実は今回も似たようなことがありまして。
梅津:どんなことですか?
刈谷:わたしが漠然と“日本のお城を作る”というテーマはどうかなと考えていたら、林さんから「日本のお城を作るゲームを考えてきました」と言われて「ウソッ!?」という(笑)。まだシステム面が固まっていませんので、来年の春のゲームマーケットに間に合わせるのは厳しいと思いますが、来年の秋には間に合わせたいですね。
梅津:春には何もないのでしょうか?
刈谷:大丈夫です。2つのタイトルが動いています。1つは本当に簡単な、“じゃんけん”をベースにしたゲームです。ゲームマーケットもファミリー層や女性が増えてきましたので、「何か記念に買おうと思うけど、難しいゲームはちょっと……」というような方々に手に取っていただきたいと思って開発を進めています。こちらは『ピラミッド・ピラミッド』や『空飛ぶチーズ(Flying Cheese)』をデザインした荒井由行さんの作品となります。
もう1つは私自身が3年くらい前から作っているゲームがありまして。今まで諸事情で作業が止まっていたのですが、来年の春に向けて、ようやく作業を再開できそうです。
梅津:それは新作なのでしょうか?
刈谷:まだ未発表の完全なオリジナル作品です。イラストはとっくの昔に完成しているので、早く出さないと申し訳なくて胃が痛いです。
梅津:現時点で確定しているのは3本ということですね。
刈谷:はい。その先もいろいろな方に声をかけていきたいなと思っているのですが、現時点で発表できるのはここまでです。
川崎:私も2作目をオファーされた時のために準備はしておきます。
刈谷:内部的な話ですが、今後“SWITCH GAMES”の担当者を増やすことも考えていまして、開発ペースを上げられたらと思ってます。
前後編でお送りした“SWITCH GAMES”特集はいかがだったでしょうか? 今回紹介した『クイズいいセン行きまSHOW!』は、今週末の11月16日(日)に開催される“ゲームマーケット2014秋”の“ロール&ロールステーション”ブース(ブース番号A02)で先行販売されますので、気になった方はぜひ会場でお買い求めください! 会場に行けない方は、11月29日の一般販売で手に入れましょう!
【バックナンバー】
→“アナログゲームでガチバトル”第4回:『クイズいいセン行きまSHOW!』【本記事】
→“アナログゲームでガチバトル”第3回:『Gods’ Gambit ~神々の一手~』
→“アナログゲームでガチバトル”第1回:『右代宮邸連続殺人事件』
【旧連載】
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第6回:『シェフィ-Shephy-』
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第5回:『ヴァルキリーストライク』
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第4回:『互いを男の娘メイドに調教し合うゲーム』
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第3回:『惨劇RoopeR X』(後編)
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