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2015年11月6日(金)

【電撃の旅団冒険録】『FF14』のダンジョンから見る世界観。第8弾は“博物戦艦 フラクタル・コンティニアム”

文:電撃PlayStation

 『ファイナルファンタジーXIV』の世界を愛する冒険者に贈る企画第8弾! 今回はエキスパートルーレットのダンジョンとしてプレイヤーが日々挑み続ける“博物戦艦 フラクタル・コンティニアム”を通して、アラグ文明のさらなる深淵に迫ります。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』
『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』

※本記事にはネタバレ要素も含まれます。まだ『蒼天のイシュガルド』のメインストーリーを終えていない方はご注意ください。

ウェッジの願いを聞き、誘導システムの部品を探しに

 冒険者がガーロンド・アイアンワークスの面々とともに初めて魔大陸アジス・ラーを訪れた際、この地の案内をしてくれた1体のメカがありました。ウェッジが見つけて地面から掘り起こした、なぜか小憎らしい口調で喋るアラグおなじみの“球”……それが来客案内用の“誘導システム”です。

 誘導システムはアジス・ラーを案内し終えて冒険者を“魔科学研究所”まで導いたのちに機能停止してしまうのですが、彼(?)を愛犬のようにかわいがっていたウェッジは、それをどうにか修理できないかと試みます。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』 『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』

 かくして、冒険者は誘導システムの修理に必要な部品を手に入れるため、古代アラグ文明のあらゆる魔科学製品が陳列されているという博物戦艦に足を踏み入れるわけですね。

魔科学技術の粋が詰まった博物艦

 マップ情報を見る限り、フラクタル・コンティニアムは“艦首構造群(博物戦艦総合デッキ)”“左舷構造群(歴史展示デッキ)”“右舷構造群(兵器展示デッキ)”“艦体構造群(博物戦艦防衛デッキ)”の4区画から成り立っています。入口すぐの小さなプラットフォーム=総合デッキからアラグの転移装置を使って歴史展示デッキへ移動し、一度総合デッキへ戻ってから転移装置で兵器展示デッキへ赴き……というのがダンジョン挑戦時の進路。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』 『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』
『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』
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『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』
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 冒険者が最後に足を踏み入れる博物戦艦防衛デッキだけは、名前のとおり展示物ではなく実戦配備された防衛兵器が出迎えます。制御システムを操作してバリアを解いた後は、博物艦の文字どおりの管理人・キュレーターと戦うわけですが……キュレーターのセリフ 「侵入者排除のため現実拡張を開始します」にある“現実拡張”という単語が何を指すのかも気になるポイントです。

 ……それにしても、誘導システムの部品入手をお願いしただけで、冒険者がまさかここまで博物艦の総力と戦うことになるとは、ウェッジもさすがに予想外だったでしょう。

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 ちなみに、気になっている方もいるかもしれませんが、じつはこの“博物戦艦”、ダンジョンの侵入口のある艦は構造的にかなり小さいんです。とてもこのダンジョンで体感できるすべてのエリアが収まる大きさではない……のですが、転送装置を使っているだけに、じつはどこか別の艦と行き来しながら移動している可能性も大きそうです。侵入場所付近の空に浮かんでいるいくつかの建造物がそこ、ということかもしれません。

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魔科学製品の展示案内

 さて、博物艦内には、展示された魔科学製品の解説が記された案内板が各所に配置されています。その中には目を引く情報も多く含まれていますので、ここであらためて内容を確認してみましょう。


■博物戦艦の案内板1

善良なアラグ帝国市民の豊かな生活に欠かせない、
魔化学製品の数々を展示、紹介しています。


■博物戦艦の案内板2

魔科学の粋を集めて作られた、兵器群を紹介します。
帝国正規軍向け最新装備から、皇室親衛隊向け式典装備まで、
その種類は多種多様です!

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』

■博物戦艦の案内板3

機械兵器“ファントムレイ型”
暴走リスクの高いキメラ生物の指揮・監視目的で開発された、
多腕型戦闘指揮マシン。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』

■展示品の案内板1

キメラ生物“ミラーナイト型”
強靭な熊の肉体に、梟の暗視能力を組合せた合成獣。
多くの第二世代型と同様、知性の面で課題が残ります。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』

■展示品の案内板3

キメラ生物“シュワブチ型”
クローン技術を応用した第四世代型合成獣。
再生能力と知性を両立した、高性能モデルです。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』

■展示品の案内板4

人口妖異“ナーガ型”
妖異研究の一環で試作された人口妖異。
この分野は、今後の発展性の高さから注目を集めています。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』

■展示品の案内板5

キメラ生物“イクサリオン型”
高い知性を有する、アラグ帝国空挺師団用合成獣。
環境変化に弱く、遺伝子異常が生じやすい欠点を持ちます。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』

 獣人・イクサル族は“イクサリオン”の進化した形で、何らかの要因で地上に降りたイクサリオンが環境の変化によって飛べなくなったものでは……と言われていますが、その詳細も気になるところですね。ちなみに個人的に興味がわいたのは“ナーガ”について。顔だけが飛んでいるようなこのフォルム、気のせいでなければかつてどこかで見たような……? 何か関連性はあるのでしょうか。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』

アラグの“兵器”たちの側面とは―― 開発スタッフの方々に質問!

――このダンジョンを作る際の方向性、コンセプトを教えてください

 何を言っているのかわからないかと思いますが、開発コアメンバーの前廣さんが、ダンジョン案を列記する資料に何気なく記載した“EX2無限回廊”と文字列がコンセプトになります。

 “EX”は、“メインクエストクリア後、レベル60で挑戦するダンジョン”を意味する記号で、その2番目という意味合い(つまりEX1は、後のネバーリープ)……。そこに堂々と“無限回廊”と書かれていたので、てっきり何かネタがあるのかと思って聞いてみたら、とりあえず響きがいい単語を埋めておいただけとの衝撃発言……。

 そこで、“無限回廊”という言葉を手がかりに、“自分たちの文明が永久に続くと考えていたアラグ人が、その成果物を収蔵、展示するために造った、無限に続く――ことになるであろう――回廊”と解釈し、“古代アラグ帝国の博物館”という設定に辿り着きました。

 つまり簡単に言うと“アラグ帝国万歳!”ということですね。

――“博物戦艦”はもともとどんな来客があることを想定して作られたものなのでしょうか?(市民? ……のわりには魔大陸そのものが研究機関的な場所というイメージが強いのですが、一般市民もいたのでしょうか?)

 “忠実なるアラグ市民のみなさん”です。アジス・ラーの住人よりも、地上の各地に住んでいた人たちが、見学ツアーを組んでやってくるというイメージです。

――案内板に“第○世代型兵器”という単語がありましたが、アラグ文明による生体兵器の開発について、その研究の歴史をぜひ教えてください(強靭な生物を作ることだけを目指していた第二世代以降、知性のある兵器作りを試みていたのでしょうか? となれば、合成獣としてどんなものを材料にしていたのかも気になります。“イタイイタイ”、“助けてくれ”など言葉を喋るものもいましたが……)

 キメラ生物(合成獣)の分類です。いい機会ですので、各世代の特徴を紹介してみましょう。

【第一世代型】
 二種類の生物を掛け合わせて誕生させた最初期のキメラ生物。どの能力が引き継がれるかは、ほとんど偶然に頼っているため、数多くの失敗作が生まれました。また、生殖能力を持たないため、量産性に難があるというデメリットも。そのため現代まで生き残っているものは、ほとんどいません。

【第二世代型】
 二種類の生物を掛け合わせて誕生させたキメラ生物。量産性を向上させるため、“繁殖可能な個体”を作ることを目的に開発された世代です。合成技術の向上に伴い、ある程度、狙った能力を引き継がせることに成功し始めたのも、この世代の特徴。繁殖が可能であったため、ミラーナイト型のように現代まで子孫を残すことに成功した種もいるようです。

【第三世代型】
 三種類以上の生物の掛け合わせが可能となった世代。獅子、ドラゴン、山羊などを掛け合わせた“キマイラ型”などが代表格ですが、さらに複数種を掛け合わせた結果、元が何だったのか想像もつかないようなグロテスクな生物も生み出されました。成功作は、有益な特性を有していますが、反面、凶暴性が強すぎて手に負えないことも……。

【第四世代型】
 暴走しがちという第三世代型の反省を活かし、制御性を重視して知性を向上させることを目的に開発された世代。同時期に研究が開始されたクローン技術を応用することで、六識綱(知性を有する人や獣人など)も合成の対象とされた結果、悪夢のような存在が多数生み出されました。シュワブチ型やイクサリオン型が該当します。“イタイイタイイタイ”なアレは、その材料がコネコネされた後の状態なんだと思います……多分。

――イクサリオンとイクサル族の関係について、あらためて語れる点がございましたら教えてください(どういった経緯で地上に降りたのか、など)

 妄想の翼を広げていただければ……と。

――展示されているナーガの姿と、エッダちゃんの彼氏=アヴィール(についた妖異)について、見た目的に似ている印象がありますが、何か関連性などはございますか?

 “アヴィールの成れの果て”が含まれる“妖異の一種”を、人工的に生み出す研究が行われた結果、誕生したのが人工妖異“ナーガ型”になります。

――ボス“キュレーター”の言う“現実拡張”とは何でしょう?

 キュレーターは、文字通り博物戦艦の学芸員のような存在です。本来の業務は、“現実拡張”と称する機能を用いて“教育的体感型アトラクション”を提供し、来館者に“アラグ脅威の技術の数々を、身をもって体感していただく”ことにあります。ホログラムが背景を表示(侵攻編4層のようなものをご想像ください)したうえで、各種機器を転送してきて、現実を超えた楽しいひとときを過ごしてもらう……といった感じでしょうか。

 本来であれば、3つある制御装置のいずれかを正しく操作して、体験したいシチュエーションを選択したりするはずなのですが、冒険者たちは滅茶苦茶にいじり倒しているため、侵入者と判断されているわけです。その結果、本物の兵器が多数転送されてきたうえに、侵入者排除用の装置が多数起動し、超エキサイティングなことになった……と。

――そのほか、この場所に出現する(展示されている)モンスターについて語れることがございましたらぜひ教えてください

・ミノタウロスはどんな経緯で作られたのか、ほかの兵器を捕食する性質を持たせた理由などがありましたらぜひ

 ミノタウロス型は、設定的には特に“オンリーワンの個体”ではありません。自己再生、肉体活性機能に重点を置いて開発された第二世代型の傑作合成獣になります。おそらく、世界のどこかには逃げ出して野生化した個体もいるはず……です。ザナラーンに“ミノタウロスマルム”なんて地名があるくらいですからね。

・エンプーサにも顔のような部位がありますが、このモンスターはどういったものなのでしょう? 通路に死体として横たわっていた理由もございましたらぜひ

 ナーガ同様の人工妖異の一種です。悪魔を思わせる角を有している点などに、妖異っぽさが現れていますね。死体は、はやく培養タンクから出てしまったゆえに餓死したものなのか、共食いによるものなのか……楽しい想像が尽きませんね!

――このほか、ゲーム中では語られていないけれど……といったものがございましたらこの機会にぜひお聞かせください

 博物戦艦の各構造体は、移動時に接合されて“ひとつの博物戦艦”となる設定です。


 博物戦艦は忠実なるアラグ市民のみなさんの見学の場。……もしかしたら帝国のレジスタンスに招待状が届き、いざ行ってみたら実験材料に……なんていう事態もあったかもなかったかもしれません。想像(妄想)は膨らむばかりでございます。 それにしても、博物戦艦がまさか合体戦艦だったとは……!

無糖党さんの漫画第8弾! Vol.601掲載作品をお届け!

 漫画家・無糖党さんと“電撃の旅団”の面々のプレイ模様をもとにした『FFXIV』漫画は、電撃PlayStationにて好評掲載中! 今回お届けするのは、10月29日に発売されたVol.601の掲載作品です!

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』
▲クリックすると拡大されます。

 さて、今回でパッチ3.0実装ぶんのダンジョンの掘り下げはひと段落。ですが、世界観の掘り下げ企画は今後も形を変えて掲載していく予定です。今後ともぜひご期待ください。

ア ラ グ 帝 国 万 歳 !

 次回は11月13日に更新予定。お楽しみに!(更新日時は諸事情により前後する場合があります)

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データ

▼『電撃PlayStation Vol.601』
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2015年10月29日
■定価:657円+税
 
■『電撃PlayStation Vol.601』の購入はこちら
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