2018年10月23日(火)
セガゲームスのiOS/Android/PC用RPG『チェインクロニクル』伝承篇についての開発者インタビューをお届けします。
主人公が義勇軍の隊長としてピリカやフィーナとともに旅立つより前の『チェインクロニクル』の世界を描いた伝承篇。9月27日に第1弾となる“ヨシツグ伝”が配信され、賢者の塔を舞台にした第2弾の配信も控えています。
この伝承篇について、『チェインクロニクル』総合ディレクターの松永純さんにさまざまなお話を伺いました。今後の内容や年末に向けての予定なども伺いましたので、ぜひご覧になってください。
▲『チェインクロニクル』総合ディレクター・松永純さん。 |
【注意】インタビューは、伝承篇“ヨシツグ伝”の内容についてネタバレを含んでおります。ぜひ伝承篇“ヨシツグ伝”をプレイ後にインタビューをお読みください。
――9月27日に伝承篇“ヨシツグ伝”が配信されました。7月に開催された“5th Anniversary ユグド祭 2018”で発表されてから配信まで意外に早かった印象です。
はい。発表から2カ月で配信させていただきました。
――ヨシツグ伝の制作がスタートしたのはいつごろですか?
実は、発表した頃にちょうどスタートって感じで。かなり急いで配信までこぎつけました。というのも元々、今年の後半からやろうという話はしていたんですが、伝承篇のプランを掲げて、メンバーで話し合った結果、おもしろそうでやりたい物語がたくさん出てきて。これは、うかうかしていると全部やりきる前に6周年になってしまいそうだなと(笑)。そこですこしでも早く始めようという話になりました。
伝承篇を発表したときのムービーにも入っていますが、ヨシツグ、ヴェルナー、シルヴァ、ユリアナ、アシュリナ、そして主人公とすでに6シリーズの予告を出しています。1人1章だとしても毎月配信すると6カ月。さらにヴェルナーたちが出る次回の伝承篇は3部作でやろうという計画になっていて、現在決まっているものだけでも終わるまでに8カ月かかってしまう計算です。
――つまり、年度内は伝承篇が続くということでしょうか。
ですね。それでもちょっとペースが落ちたり、別のおもしろい物語を思いついて、これもやろうってなると、6周年に割り込んでしまいそうですね(笑)
――メインストーリーも9章に入り、主人公それぞれの物語が動き始めていく中で伝承篇もやっていくと、制作がかなり大変なのでは……。
はい。縦横無尽に今やっています(笑)。ですが、作家の皆も伝承篇のコンセプトには強く共感してくれていて、忙しい中、高いモチベーションで取り組んでくれています。なので本当たくさんシナリオが送られてくるんですよ最近。しっかり監修したぞ!と思っても、気付くとまた大量にシナリオがたまっていて(笑)。
でもなんというか監修していても大変ですが楽しいですね。メインストーリーも伝承篇も、どっちも負けないくらい熱いので。ヨシツグ伝も好評ですが、これから出るストーリーも負けず劣らずおもしろいので、皆様楽しみにしていてください!
――そんな伝承篇ですが、ヨシツグ伝を最初に持ってきた狙いをお聞かせください。
各ストーリーのプロットをイメージしたときに、ヨシツグ伝は九領と精霊島が激突するという点が派手で、開幕にふさわしいかなと思い、トップバッターにしました。それと本編の精霊島篇とストーリーが絡み合うので、そことタイミングを合わせてというのも大きいですね。
――ヨシツグ伝の配信にあわせて、レジェンドフェスでヨシツグのレジェンドが出ましたが、キャラクエストがストーリーとつながるようになっているのも計算されていたのでしょうか。
そうですね、計画は運営チームと細かく詰めさせてもらいました。以前から、もっと物語とキャラクターの実装というのを、連動した形でできないかというのは課題として相談していたのですが、なかなかいい形にできなくて。今回、レジェンドのヨシツグのキャラクエストをプレイしてよかったという声をたくさんいただけて、ようやく形になってきたのかなと思います。
――シュザのレジェンドが登場したばかりだったので、ヨシツグは年末くらいかなと予想していたので、伝承篇のタイミングで登場したのには驚きました。
ヨシツグ伝とはしていますが、やはりシュザは主人公の1人なので、シュザに対する熱が高いときに、この物語をユーザーさんに楽しんでもらいたいというのがあったので。いわゆる提供のバランスとしては偏った感じかもしれませんが、でも熱く物語を味わえるということが、一番大事だと思うんですよね。
――ヨシツグ伝では思いの外ヨシツグが若々しい印象だったのですが、どのくらいの年齢を想定されていますか?
人間で言うと10代前半として描いています。この世界での元服直後くらいのイメージですね。ギャップをユーザーさんに感じてもらって、「おっ!」という驚きを与えたかったんです。
伝承篇の1つの役割は、チェインクロニクル世界の年表を埋めていくことです。膨大な物語の行間が埋まっていく楽しさというか。ですが、想像している通りのものが埋まってもおもしろくないですよね。おもしろさと同時に意外性も必要です。
ヨシツグの若い頃の姿というもの自体にギャップを感じていただきたいですし、今のヨシツグの生き様に至る流れそのものに熱さがあるというのをユーザーさんに感じてもらえればと思います。そして今のヨシツグのことを、より一層かっこいいなと、熱いなと思ってもらえたら最高ですね。
――ヨシツグ伝は、RやSRのキャラクターも多く登場して、ライターさんの愛が見えました。
こういったサイドストーリーを書く際は、できるだけたくさんのキャラクターの魅力を描くというのは、全ライターの共通意識としてあります。正直、プロットに書いていないキャラクターもめっちゃ出てくるので、監修していて僕も作家陣の愛を感じています(笑)。キャラへの愛というのもありますし、ライター全員、ファンサービスといいますか、ユーザーさんに喜んでほしいという気持ちがすごく強いんですよね。頼もしいです。
――ライターさんは、メインストーリーを書かれている方にお願いしているのでしょうか?
何かしらキャラクターに関わりのあるスタッフがやってくれています。ちなみに今回は精霊島篇のメインライターをしている作家が担当しています。
3部になり、複数のライター陣が並び立っている体制から始めてからずいぶん経ちましたが、交差などもしながら進むうちに、隣のメインキャラたちのことも書けるよという方が多くなってきました。ライター全員がキャラクターの魅力をしっかり理解し、シェアして書いてくれています。非常にいい体制でストーリーの執筆ができていると思っています。
――ヨシツグ伝の物語は、シュザがまだゲンリュウサイに仕えている時代で、ラファーガに歯が立たないシュザが新鮮でした。
あそこはかなり気を遣いました。時間が経っているとはどういうことなのだろうという部分を描くには、ああいうチャレンジは必要だと思いつつも、「シュザをボコるんじゃない!」という声もありえると思ったので。あそこを熱いギャップとして楽しんでもらえたのなら本当にやってよかったですね。
――あれがあったから今のシュザがいるということで、ユーザーさんもしっくりきたのではないかと思います。ちなみに森妖精と鬼妖精では、やはり森妖精のほうが長く生きているという設定なのでしょうか。
そうですね。森妖精はいわゆるエルフのイメージで、ほぼ不老不死と言いますか、何百年も生きるという種族です。鬼はきちんとした情報の提示はしていないものの、基本的な寿命は人間とそこまで変わりません。ただ、老いのペースは人間と違っています。人間よりもより現役が長いからたくさん戦えるというイメージでいます。
逆に妖精は急激な成長はしないので、シュザとは違って、ラファーガは伝承篇のときと今の強さはあまり変わらないというイメージです。そういう年月が流れることでの、各キャラの差というものがストーリーから伝わればと思います。
――精霊島と九領は、元々の設定として戦争を何回もやっていたというのはありましたが、アマツ篇の9章や伝承篇で今まで仲間だったキャラ同士で争うということを具体的に描くことは、やはり気を遣われましたか?
そうですね。仲間同士ということもあって、これまではどっちが明確に強い、といった描写はおこなっていませんでしたから。そもそも義勇軍で一緒になって以降は、仲間なので本気では戦わないですしね。やはり過去篇だからこそこういうやり方ができたというのは今回すごく感じます。
またメインストーリーで精霊島にて改めて鬼と森妖精が争うシーンは、少し印象が変わると思います。アイリがセレステのことを気遣ったりとか、義勇軍としての絆が生まれた仲間たちが、ぶつかるとこうなるのかっていう。また伝承篇で九領の大将であったゲンリュウサイと、メインストーリーで大将を務めるシュザとの差とか。過去と今の物語でのリンクを楽しんでもらえると、いっそう伝承篇が楽しくなると思います。
――精霊島篇の9章では、精霊島が九領から攻められるということで、視点が変わるとやはりイメージも変わりますね。
そうですね。視点が完全に精霊島側になるので、主人公がむしろ精霊島の面々だなという感じになりますよね。どちらも楽しむことで、どっちもより楽しくなるので、ぜひ両方プレイしてみてください!
――ちなみに、ゲンリュウサイの出番はこれで終わりなのでしょうか。
そうですね、ゲンリュウサイの物語としては、このあと九領の外伝につながっていきます。そういえば、ゲンリュウサイはすごくおどろおどろしくて強そうなんだけど、なぜこんな小物っぽいんだという意見をすごくいただいています(笑)。外伝に出ている彼を見てもらえるといろいろ補完されると思います。
――『チェンクロ』はメインストーリーの他に外伝やチェインストーリー、イベントストーリーなどシナリオが膨大なので、どの順番で読むと一番理解ができるのかなかなか悩むところですね。
この順に読むと理解が深まるみたいなガイドマップみたいなのは用意したいですね。……用意しなくちゃいけない時点で整理できていない感じですが(笑)。でも本当に膨大なので。あらためて確認したら、ゲンリュウサイが活躍するのも、14話もある九領の外伝の、かなり後半なんですよね。これは知らない人が多くても仕方ないなと……皆様、ぜひこの機に第1部外伝“魔鬼動乱篇”もプレイしてみてください!
――改めて伺いますが、伝承篇を制作した理由をお聞かせください。
2つありまして、1つは先ほどもちょっとお話しましたが、年表の間を埋めていくという、メインストーリーのバックボーンとして提示されていたものがどんどん埋まっていく楽しさです。チェンクロの世界が補完されていく感覚というか。ここがついに描かれるんだというのをユーザーさんに楽しんでほしいんです。「次はここが描かれるのね」と期待して待っててもらえたらいいなと思い、今回年表なども用意しました。
もう1つは、前から人気のあるキャラクターやそうではないキャラクターも、これまで登場した1部や2部の頃のキャラクターたちが活躍する機会を改めて作りたいと思ったからです。今回ヨシツグ伝という名前にしたのもその理由の1つですね。
元々3部は、伝説の義勇軍のメンバーはカッコいい先輩として登場するコンセプトだったわけです。ですが後半戦に入り、新主人公たちもずいぶん成長してきました。そうなってくると先輩のカッコよさというのが少し出しにくくなってきて。ですので、今の伝説の義勇軍たちに、改めて生き生きとした活躍の場を用意できればと思い伝承篇を作りました。
ヨシツグ伝も、まだ発展途上のヨシツグを主役にすることで、彼の成長していく姿を熱く描くことができました。メインストーリーはもちろん、これまでの外伝や、イベントストーリーでも、主人公以外の重要人物たちが“成長していく”姿って、なかなか描けなかったんですよね。そしてそれが伝承篇の最大の魅力でもあるので、それを明確にするために“ヨシツグ伝”と、明確に主人公を示すようなネーミングにしています。
――主人公を誰にするかというのは、はっきりさせたほうが物語としてもしまりがいいのでしょうか。
少なくとも、読まれる方の期待するものとうまく合うようになるのかなと思います。ですが、今回はシュザやラファーガも主人公級なので、本当は“ヨシツグ・シュザ・ラファーガ伝”にしたかったですが(笑)。でもやはりキャラクターにスポットが当たるようなネーミングにして、ユーザーさんに伝わるようにしたいなという思いがあり、ヨシツグ伝としました。
と、言っているそばから次の伝承篇は“ヴェルナー伝”ではないんですけどね(笑)。次は“魔法兵団学生伝”になり、ヴェルナー、クラウス、カティアの3人の学生時代を中心に描いています。3人がメインキャラとなるのですが、あえて主人公は誰と言ったらヴェルナーにはなりますね。
描くボリュームも多いので3部作になっています。3人の出会い、そして友情を深める学生生活。さらには、彼らが魔法兵団へと入るまでの物語と、かなり壮大なストーリーになる予定です。まだ未発表ですが、もちろんクラウスも学生時代の姿で出ますよ。
――魔法兵団学生伝をプレイするにあたり、予習すべきものはありますか? 例えば賢者の塔の外伝とか。
予習という意味では、現役で遊んでいる方には必要ないかもしれないですが、今回もちゃんと本編メインストーリーへのリンク要素は用意されているので、アリーチェ篇をプレイしていると楽しめる部分が広がったりしますね。発表させてもらっている年表にも、アドヴェルサス教授の名前が出ているのですが、ちゃんと絡んできたりします。
年表上にも出ていますが、ヴェルナーたちの学生時代は、刻印の技術がまだ未開発だったり、魔法兵団もまだ生まれていないんですよね。それが様々なドラマを経て、第1部の、黒の軍勢と戦うために魔法兵団として活躍する彼らの姿へとつながっていきます。そしてさらにはそこで描かれる刻印や魔法兵団といった設定が、3部の賢者の塔のストーリーにもつながっていくわけです。
――魔法兵団学生伝は3カ月連続で配信されるのでしょうか?
いえ、まだ詳しい予定は未決定ですが、他のキャラクターの伝承篇も挟みつつ、配信していく計画になっています。伝承篇のシリーズを通して、長く楽しんでもらえればと思います。
――ネタバレになるかもしれないですが、魔法兵団学生伝は刻印や魔法兵団の話が中心になるのでしょうか。刻印の話になるとわりとシリアスなストーリーが多いのかなと。
設定的にそうですよね。でもタイトルは“魔法兵団学生伝”ですので、ヴェルナーが魔法学園に生徒として所属していて、クラウスも同じ学年でいて、カティアもいてというところから物語が始まります。なので、学園モノらしいシーンも盛りだくさんです。友情の熱さあり、学園ドラマの楽しさあり、刻印を中心としたシリアスありと、本当に濃くて盛りだくさんの内容になりますので、ご期待ください!
もちろん、ラフを発表したユニをはじめ、他の賢者の塔所属キャラクターも出てきますし、本編に未登場の新キャラや、賢者の塔には所属していないキャラなんかも登場してワクワクさせてくれます。もちろん三賢者も出てきますよ!
ただ年表にもあるのですが、三賢者といってもあの3人ではないキャラがいたりします。魔法兵団をはじめ、第1部以降の賢者の塔という巨大組織がどうやって形になっていったのか、ここらへんも長く物語を楽しんでくれている方には熱いと思います。
――ヨシツグ伝は九領と精霊島の両所属が関連したストーリーでしたが、魔法兵団学生伝は賢者の塔のみのストーリーになるのでしょうか?
戦争するとか2つの勢力が相まみえるとかはないので、シンプルに賢者の塔を中心に描かれます。ただ、賢者の塔所属のキャラクターしか出ないのというとそんなことはないので、それはプレイしてのお楽しみということで。
――気の早い話ですが、シルヴァ篇もそんな感じになるのでしょうか?
そこは……まだ何も言えないです。気が早すぎです(笑)。ひとまず、年表を見てモヤモヤしていてほしいです。あ、シルヴァ故郷を飛び出してから、しばらくして結婚したんだなーとか(笑)。
――今後の伝承篇も、現在のメインストーリーとリンクしたり、何かしらつながったりしてくるのでしょうか。
そうですね、可能であれば。ただ、メインストーリーの最新話とリンクするのは必須とは思っていません。あくまでスパイスというか。大切なのは、チェンクロの世界を補完していくことと、登場するキャラクターを生き生きと描くことで、それをユーザーさんに楽しんでもらうことに主軸を置いています。
なので、変にパズルみたいに捻ってメインストーリーと無理に関連付けたりはしません。ただ、これだけたくさんのストーリーを提供させてもらっていると、自然とつながる部分やどう描いても何かとつながるというのは、たくさんあるので、各ストーリーに隠されたリンクを楽しんでもらえるシーンはこの後もたくさん生まれると思います。
――先なのでまだ決まっていない部分もあると思いますが、ユリアナ関連では、聖騎士団の成り立ちや先代の聖王などいろいろな外伝やサブストーリーで出ています。ユリアナ篇では、それともまた違った物語が描かれるのでしょうか。
そうですね。なるべくこれまで描いていない部分を魅力的な形でお届けしたいと思っているので、期待していただきたいです。とはいえ、これまで描いたものをもう一度やることも、無理に避けなくていいと思っています。
過去に描いていたものってユーザーさんが全部把握しているわけでは当然ないですし、そもそも5年も経って忘れているというのはあると思うので。なにしろ、書いている側も忘れていて調べなおすとかよくありますし(笑)。新しいドラマとともに、もう一度描くことで、楽しみながら思い出してもらうことができれば、チェンクロの物語としては本望だなと。
――今回ヨシツグの病気について、こんな設定だったっけとさかのぼって調べたんですが、こういうことをきっかけにみんなシナリオを読み返すんだなと感じました。
伝承篇を機会に、振り返っていただけると本当にうれしいですよね。
元々伝承篇を始めようとなったきっかけは、これまであまり過去を振り返らずにどんどん先に先に物語を描いていっていたのですが、そろそろ振り返ってもいいんじゃないというのがあったんです。ここから先の展開を熱く描くのはもちろんなのですが、5周年という節目にこれまでのところも改めて見返して楽しんでもらうことができるといいね、という理由でスタートしています。
もう一度アピールしておきますね。ゲンリュウサイが活躍するのは、第1部の外伝です! 未プレイの方はぜひ!(笑)
――ヨシツグ伝では、登場人物がみんな若々しいと言いますか、生き生きしている感じがしました。
ですよね。あれを書きたかったんですよ! 今回だけでなく、伝承篇各ストーリーでキャラクターの魅力が存分に発揮されるものにできると思っています。ヴェルナーたちも生き生きとした物語が描かれるので、ぜひ楽しみにしていてください!
――お答えづらいと思いますが、アルカナとして伝承篇のキャラクターの実装は予定されていますか?
今、運営チームにて計画を検討してくれています。先ほど話にも出ましたが、今回かなり急いで始めたんですよね。なので、キャラとしてどう実装するかというのが、決まらないまま進んだんです。ただ、シナリオの執筆に合わせて、焦って出すのはやめましょうという話はさせてもらって。過去のキャラって、強さ含めて調整が簡単ではないと思うので、きちんと検討をしたうえで実装ができればいいなと思っています。
――ちなみに、伝承篇以外でストーリーの追加はありますか? 個人的にショートストーリーズが好きだったのですが。
ショートストーリーズではないのですが、お遊び的と言いますか、メインのコンテンツとは別でという意味ですと今『ちぇんらじ』の緑川光さんたちと一緒に、いろいろコラボ企画をまたやりましょうという話が進んでいますね。
5周年のタイミングで3兄弟のコラボをやらせていただきましたが、秋から火鬼のオリジナルキャラを作ろうという企画を始めさせていただいています。こうした企画をゲームに実装するにあたり、ストーリーもおもしろい形で追加ができればと思っています。ほかにも、新しい試みは常にいろいろ検討されているので、楽しみにしていただければと思います。
――5周年のPVにも登場した、リヴェラの活躍はどこかであるのでしょうか?
はい。もちろんPVにも出した以上、彼女が活躍する物語は、ひそかに準備が進んでいます。どのタイミングでどのようにというのはまだ発表ができませんが、実は近いうちに、その皮切りとなる物語が登場する予定です。
――そのほか、今年のうちになにか新しいコンテンツは予定されていますか。
そうですね。1つ大きなところとしては、来月ようやく成長したヘリオスがキャラクターとして登場します。いま運営のほうでも、ユーザーさんにインクを集めて成長を楽しんでもらうためのアプローチが、各イベントでの調整などふくめて始まっていますが、いよいよヘリオスを成長させて、新しい姿のヘリオスを獲得することができるようになります。
――メダルハントのイベントが開催されましたね。
はい、イベントといっても、それ自体に独自のクエストがある形ではないので、逆にこれまでなかなか気合を入れてプレイできなかったメインストーリーやキャラクエストに気持ちを向けるチャンスになればと思っています。
――ハルアキとトウカが、イベント特効として出てきたのも意外でした。レジェンドフェスの1%枠でもおかしくないと思っていましたから。
メインストーリーとの連動性を持たせた形で、大型イベントのストーリーをお届けするのが好評で、よりファンの皆様に楽しんでもらえるイベントをと、運営チームや作家陣が顔を突き合せて議論を重ねた結果、出てきたアイデアですね。非常に好評で、よかったです。今後も、ただストーリーを配信するだけでなく、各イベントなども含めて、よりおもしろい形で、チェンクロの物語をお届けできるよう、工夫をしていければと思います。
――現在人気投票の上位に入ったキャラが登場するクエストを作っていただいているとお聞きしたのですが、気になる制作状況をお聞かせください。
年内目標で制作しているのですが、正直なところ、作家陣が結構苦しんでいます。気軽にいけるんじゃないかなと思っていたのですが、そんな簡単じゃないですよ、これって皆に怒られました(笑)。
――確かに大変ですよね。そう考えると、『風雲!チェンクロ学園!』は絶妙な内容だったんですね……。
僕もああいう感じでいけるかなと思ったのですが、「本編に出すとなると、全然違うんだ」と言われました。それはそうだなと。作家陣が、悩みながらも頑張ってくれています。でき次第お送りしますので、お待ちください!
――パチスロ『Sチェインクロニクル』が出ますが、演出が発表されました。とても本作らしい演出で、驚きました。
作っているスタッフの皆さんが、すごく『チェンクロ』のことを好きなんですよね。僕はパチスロはほとんどしないのですが、普通はこんな演出はやらないよなと、素人にもわかるくらいこだわりが詰まっています。3Dのキャラクターもより動きが生き生きするよう、等身を上げて作り直したりとか、アニメのシーンを使いまわすんじゃなく、アニメスタッフに描き下ろしで1部のストーリーを作ってもらったりとか。とにかくすごいです。
ボーナスを引くとガチャができるんですが、ゲーム内にパーティ画面があって、最初は主人公とカインとミシディアとか初期パーティになってるんですが、ガチャを引いて高レアのキャラクターを引くと自動的にパーティが入れ替わっていくんです。監修でできたやつを触らせてもらったのですが、なんかパーティのレアリティが上がってくうれしさって、5年振りに体験したなと(笑)。ゲームとしても楽しい出来になっています。
あと印象的なのは、プロデューサーの方がこだわってくれた、ピリカの演出です。バトル中にピリカがマナを持ってくるという演出なんですが、黒の軍勢が邪魔をしてきて、ストップモーションみたいになるんです。でりゃーって武器をピリカに向かって振り下ろしてきて。で、それを見事よけられたらボーナスという流れですね。「頑張れ、ピリカ、避けてー!」って思わず応援しちゃうんですけど、それが楽しくて。どこからこのアイデアが出たんですかと聞いてみたら、「毎日プレイしているときに、ボス戦で普通にピリカがマナを持ってきてくれるけど、本当はすごく奮闘しているんだろうなと思っていたんです。それを表現したくて」と。愛を感じました。
――パチスロ化に既存のファンが喜んでいるのが印象的でした。
ですよね。ふつう、あまり原作に興味のない人が、設定とかを気にしてプレイして、というのが普通だと聞いていたのですが、反応を見ていたら全然違うなと思いました。さっきのピリカの演出だけでなく、ゲーム中で表現できていないシーンもたくさん演出として補完されているので、本作の広がりを感じてもらえる、スピンオフ的な感じで楽しんでいただけるといいですね。それだけのものにはなっていると思います。
――年末に向けて、いろいろと楽しみです!
はい。こうした周辺展開もしつつ、本編のほうは伝承篇で盛り上がりつつ、メインストーリーも後半に入りさらに盛り上がっていきます! そして、まだまだ未発表の驚きをたくさん用意しています。
そして、メインストーリー、伝承篇、イベントなどで登場する物語、そのどれもが絡み合って、チェンクロの大きな物語が広がっていくのは、長く楽しんでくださっているファンの方ほど、熱いものになっていきます。年末と言わず、ここから先の展開も全部楽しんで、『チェンクロ』の物語を存分に感じていただけたらうれしいです!
(C) SEGA
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