『フォルツァ モータスポーツ 3』特集ページ
超リアルシミュレーターとして名高い『フォルツァ モータースポーツ 3』だが、実は『2』から搭載されているオリジナルペイント作成機能により、とある側面からも大きな支持を得ている。それが“痛車”製作だ。電撃オンラインでもたびたび記事で紹介している美少女キャラなどの痛車だが、それらを実際の高額なコストをかけずに、手軽に楽しめる本作。今回は、痛車マニアの某氏に本作と痛車の魅力伺った。
ということで、なにやらXbox 360『フォルツァ モータースポーツ 3(以下、フォルツァ 3)』のページに召還された、通りすがりの痛車好きライター・マーク痛です。普段は、ASCII.jpなどでも痛車記事を書かせていただいたりしてます。って、オレでいいのか? ……あ、いいのか。ページを見てもらうとわかるとおり、ここでは『フォルツァ 3』が持つ硬派な魅力とは違った部分、“痛車”という側面から、本作のポイントを紹介していく、というのが今回の主旨。正直、クルマ好きの『フォルツァ』好きはもしかしたら「変なこと書くんじゃねー!」って思うかもしれないけど、こういった違ったアプローチから本作やクルマを好きになってくれる人が増えたら、それはそれでいいとオレは考えているのだ(エッヘン)。
そもそも“痛車”ってなによ?
うん、その質問ごもっとも。最近はだいぶ増えてきたけど、まだまだ市民権を得たとは言いづらい“痛車”。これは、カンタンに言うとクルマをアニメやゲームに登場する女の子たちの萌え萌えしい絵で彩り、見るも痛々しい外装(内装)にするというもの。愛好者たちは、自分たちの痛々しい車や嗜好を自虐的かつ肯定的に表現して、痛車って呼んでいるわけだ。キミも秋葉原の中央通りを流す、あんな痛車やこんな痛車を見たことあるかも?
この痛車なんだけど、そもそもは10年ちょっと前くらいに、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する“ネルフ”という特殊機関のロゴを模したステッカーが、始まりと見られているんだな。厳密に言うと、クルマ自体を絵で飾る行為はもっと昔から行われたんだけどね。ま、痛車って意味ではその頃からカッティングシートで自作した美少女ゲームのロゴやセリフをクルマに貼る者が出てきて、最初は萌え車なんて呼ばれてたのね。
で、最初はそういうちょっとしたステッカーだったんだけど、だんだん斜め上方向(笑)に技術と表現方法が発展した結果、「そーだ、クルマ1台全部萌えっぽくしてしまえ!」っちゅーヤツらが出てきたのだよ。でも、よく考えると痛車って実際に作るのってすごく労力がかかるんだよね。そもそも、クルマって所有者にとっては資産そのもの。安い買い物ではないけど、それをあえてデコレーションするその勇気というか、覚悟というか、そういうなんか変なテンションが必要になってくるんだ。
痛車の作り方を見ると、現在の主流は車のデコレーション専用シート(ステッカー)。これがまた高い! 1平方メートルで大体1~2万円。それに印刷代やらなにやら含めると、1台の痛車に20万~30万円の費用がかかるのね。だから、痛車を個人で作る場合って、高価なクルマを所有する財力、それを(表現は悪いけど)あえて汚す覚悟、そしてその費用、こうしたかなり高いハードルがあることをまず知らないといけないんだ。


▲こちら、10月5日に電撃オンラインでも掲載した、“第2回 痛Gふぇすた in お台場”に展示された痛車。後述するけども、もちろん『フォルツァ 3』でもこのくらいのクオリティの痛車を製作することは可能。
『フォルツァ』シリーズと痛車の関係ってなんなのさ?
うん、そこも重要な点。というか、前振りが長くなったけど、そこを伝えるのが今回のボクのお仕事なのだ。そもそも、なぜ『フォルツァ 3』と痛車を同時に語るのか。それは、本作が持つ“ペイント機能”があるから。このペイント機能、初代『フォルツァ』からあったんだけど、実際に盛り上がってきたのが『フォルツァ 2』から。2007年にこの『2』が発売されたんだけど、発売から数カ月後、とある掲示板に某有名アイス(男の子なら誰しもが食べたことがあるハズ!!)の、アイスをガリガリと食べてそうな少年を模したペイントカー写真がアップされたんだ。正直、『2』のペイント機能はお世辞にも使いやすいものではなかったんだけど、それでもホンモノのキャラと同じくらいの再現度で、『フォルツァ』ファンの度肝を抜いてくれたのは記憶に新しい。
そこからは、もう技術向上の雨あられというか、職人芸のオンパレードというか。ガリガリ君(あ、言っちゃった)に続けとばかりに、当時流行っていた女の子をアイドルにしちゃうゲームのキャラや人気アニメの美少女キャラなどのオリジナルペイントがどんどんネット上にアップされていったって経緯があるんだ。
しかも、『2』の頃からはゲーム内のオークションなどで、ペイントの売買(あくまでゲーム内通貨でね)ができたりして。こういうのも職人さんたちの魂に火を点けちゃったから、さぁ大変。その結果、オンライン対戦で海外のプレイヤーが美少女キャラの痛車を見かけることが多くなって、「日本人は未来に生きてんな!!」って賞賛(?)の声が増えると共に、海外を巻き込んでの痛車ブームが巻き起こったのだ。


▲とりあえず、実車でアスキー・メディアワークスロゴ仕様車を作ってみた。というのは冗談で、これが『フォルツァ 3』でペイントしたゲーム画像。ホント実車と見間違うくらいリアルです。こういったロゴくらいなら、慣れればすぐに作れちゃいますよ。
『フォルツァ 3』では、さらにスゴイ痛車が出現すること間違いなし!?
と言う感じで、世界中を巻き込んでの痛車ブームを作る起爆剤になった『フォルツァ』シリーズ。今回は、なんと『2』では1000レイヤーでペイントパーツを作らなければいけなかったところが、4000レイヤーに増えているってのがまずすごい。「レイヤー? なにそれ、コスプレする人?」って人は、難しいこと考えるな! カンタンに言うと、『2』の4倍痛車にしたいあの娘がキレイに描き込めるようになったと思えばいい!
あ、そんな『フォルツァ』が痛車ブームを作り出した大きなポイントも言わないとだ。冒頭でもお話したけど、本来、痛車製作ってとにかくお金がかかるもの。しかも、基本的には自動車免許が必要だから、最低でも18歳以上のオトナの趣味なのよね。でも、『フォルツァ 3』のペイント機能なら、コスト的には本作の購入代のみ! 通常版なら7,140円(税込)、リミテッド エディションなら8,190円(税込)で自分だけの痛車が好きなだけ、ノーリスクで作れちゃう! これ、痛車愛好家からしたら、涙が出るほどうれしいことなんだよ。もちろん、『フォルツァ 3』での痛車製作もハッキリ言うとかなり大変。でも、クルマを買って、専用ステッカーを買って、印刷所と話をしてうんぬんかんぬん……めんどくせぇぇ!! ってことがないんだから、かけられる時間はかなりあるハズ。
最近は、電撃オンラインやASCII.jpの記事でも紹介しているけど、市販車ベースのレースカテゴリ・SUPER GTにもちらほら登場し始めた痛車。まだまだ批判的な意見も多いけど、概ねレース関係者からも肯定的に見てもらえているのが僕としてはうれしいかな。レースやクルマの注目を集める1つの要素として、痛車は大きな武器になるだろうし、なによりもそういうところから興味を持った人たちが、「実際にお金はかけられないけど……」ってことで『フォルツァ 3』の中で痛車製作を楽しんで(苦労体験含む)、自分だけの痛車に愛着を持って、世界中のプレイヤーと痛車交換とかを楽しんでくれたら、それも1つの『フォルツァ』シリーズとしての正しい在り方なんだと思うよ。
(某『はにはに』のちっちゃい先生の痛車が作りたいマーク・痛)

概要ページでも紹介した本作のオリジナルペイント機能だが、ここでは実際にどのようにペイントを行うのかを、ごくカンタンに説明。基本的には、“バイナル”と呼ばれるステッカーをクルマに施したいペイントのパーツごとに作成することになる。顔が作りたいのなら、輪郭、髪、目、鼻、口など、小分けにパーツとして作ることで、最終的なクルマへの張り込み作業で微調整ができるようになるのだ。実際のところこの作業は、非常に地道なものだが、イメージしたペイントが完成した際には、その感動はかなりのものとなるだろう。
オリジナルペイントの部品となるオリジナルのバイナルは、用意されている各バイナルを駆使して、その集合体として作ることになる。■や▲、●などを任意の数値で変形させ、4000ものレイヤーを使って自在にオリジナルのバイナルを作成しよう。ここまでくれば、あとは実際にクルマに貼り込むだけ!
作ったバイナルは、データ保存することでいつでもクルマのペイント時にロード可能だ。バイナルをパーツごとにロードし、1個ずつ丁寧に大きさや場所を決めて張り込んでいこう。その際、表示されている座標数値などを意識すれば、同じ高さなどがわかりやすいので便利だ。この張り込み作業が終われば、オリジナルペイントカーの完成だ。
ウデ次第で好きなキャラクターも製作可能!
ということで、担当編集のあひるが実際にオリジナルペイントの製作に挑戦してみました! 上でさり気なく3ステップで紹介しているバイナル製作ですが、実はかなり難しいです(汗)。カンタンなものなら誰でもすぐに作れるのですが、実際に美少女キャラの痛車となると、その労力は膨大! だからこそ、製作者は大きな賞賛を浴びるわけですねぇ。
と、まぁそんな感じでいきなり痛車に挑戦しても結果は丸見えなわけで、ならばということで手近にあった弊社ロゴと電撃マークを作ってみようかと。まー、実を言うとAMWのロゴは、全部アルファベットのIだけで作ってます(笑)。それでも、色々と調整してクルマに張り込んで、総製作時間は4時間くらい! うーん、痛車製作者の方々の努力と技術を感じましたね。
完成時に嬉々としてごえモンに見せたら「普通すぎてつまんないっスね」とか、YK3に「社用車みたいだな」とか言われたけど、これでも初オリジナルペイントが完成した時はテンション上がっちゃうくらい嬉しかったですよ。上の記事でもオリジナルペイントや痛車の魅力に触れているので、この感動が味わいたい方は、ぜひ挑戦してみてください! ボクも、今度は『灼眼のシャナ』のキャラクターで痛車作りをがんばってみようかと思います。ペイントが作れるってだけで、『フォルツァ 3』でのカーライフが無限に広がるからスゴイですよね。では、皆さんの痛車をどこかでお目にかかれることを期待しております~。
