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2014年9月29日(月)

PS『ジルオール』15周年記念。プレイした人の数だけ伝説が生まれたRPGで、あなたの無限のソウルが辿った軌跡は!?【周年連載】

文:ophion

 あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中。連載第5回は、発売から15年がたった今でも愛され続けているコーエー(現コーエーテクモゲームス)の名作RPG『ジルオール』の思い出を振り返っていこうと思います。

 ただ本作は、2005年にPS2『ジルオール インフィニット』、2009年にPSP『ジルオール インフィニット プラス』としてリメイクされています。これら2タイトルには追加イベントもあるため、『ジルオール』の物語自体を語るのならばこの2本を取り上げるべきなのでしょうが、今回はあえて初代PSの『ジルオール』に注目していきます。

『ジルオール』
▲わかりやすい例で言うと、フレアは絶対に助からない。初代『ジルオール』に注目するとは、そういう悲しいことでもあるのです。

■そもそも『ジルオール』とはどんなゲームだったのか?

 『ジルオール』が発売された当時、コーエーといえば『信長の野望』シリーズや『大航海時代』シリーズなどの硬派なシミュレーションのイメージが強いメーカーでした。そんな中で世に贈り出されたのが、中世ヨーロッパを思わせる世界観の“バイアシオン大陸”を舞台にしたRPG『ジルオール』。プレイヤーは“無限のソウルを持つ者”として各地で冒険していくうち、さまざまな人物やイベントと“かかわることもある”のが特徴です。

『ジルオール』 『ジルオール』
▲男性主人公▲女性主人公

 プレイした人には今さらでしょうが、この“かかわることもある”というのが『ジルオール』の大事なところ。本作のシナリオは“フリーシナリオ”という名称で呼ばれていて、その名の通り物語の道筋は一本道ではありません。

 選択肢によってキャラクターが仲間に加入するかどうかが変化するのはもちろん、特定の時期に決められた場所にいないと見逃すイベント、二者択一を迫られるシチュエーションなど物語の変化の仕方は非常に多彩。そういった数々の出会いによって歴史を変えていくのが、世界でもっとも大きな可能性を秘めた“無限のソウルを持つ者”である主人公なのです!

『ジルオール』
▲歴史の流れに少しずつかかわっていくことで、次第に主人公の影響が大きくなっていくところが『ジルオール』の物語の魅力でしょう。

■無限のソウルを持つ者は、フリーシナリオを理解していなかった

 そんな期待に満ち満ちた世界が描かれる『ジルオール』。発売前から『電撃PlayStation』などで記事が掲載されていましたので、事前に情報を入手していた人もいたかと思います。しかし、自分の場合は完全な衝動買い。パッケージ裏のカルラの太ももにひかれて、購入に踏み切ったような記憶があります(笑)。

『ジルオール』
▲ちなみに『インフィニット』及び『インフィニット プラス』では、パッケージビジュアルにカルラの姿が。シナリオ中の活躍と同様の大抜擢です!!

 と、ここで問題が発生。実は本作の取扱説明書やパッケージには、フリーシナリオに関する説明がないのです。そんなわけで自分の初『ジルオール』は“プレイヤーが特定の場所に行くことで初めてイベントが発生する”普通のRPGと勘違いしたままのプレイ。その時の失敗をいくつか挙げていきましょう。

・1:物語序盤に都市国家ロセンでカルラに出会うも、自由都市リベルダムで依頼を断ったために以後の関係は一切なし。

・2:“王城のある大都市”(※)からスタートしていたせいで、アイリーンもカルラと一緒に主人公とはかかわらない人に。

※……『ジルオール』では、主人公をキャラメイクする際にスタート地点を選択できる。選んだスタート地点によって境遇が変わり、それによって見られないイベントやエンディングが出てくることも。

・3:戦争に参加するためにレベルを上げていたら、戦争が終わっていた。しかも、少し前に知り合ったアンギルダンは戦死している。

・4:歴史の流れを理解していなかったため、カルラのロストール侵攻はノロガメを運んでいる間に終結。

・5:ザギヴが現れたと思ったらウジュルウジュルしたナニカに変化。しかし、ザギヴと直接出会っていないのでショックも何も受けない。

・6:終盤に仲間になっていたのはルルアンタ、ナッジ、デルガド、セラ、エステル、オルファウス。なのにエンディングはアイリーンのものだったゴブ。

『ジルオール』
▲序盤に出会ったこのメンバーで最終局面に臨むとは、当時は思いもしませんでした。

 全体をまとめると“偶然ネメアと出会ったことで流されるままに歴史の裏に潜む闇と戦った、運び屋で生計を立てる世捨て人”といった感じです。“きみの冒険とともに、伝説は姿を変える。”とパッケージの裏に書いてあるのですが、そもそも姿を変えるような伝説にはほとんど出会っていません。

 そんな自分が初プレイ時にシナリオに抱いた感想は「主人公が歴史の裏側で活躍しているのに、表舞台で賞賛されるのがNPCばかりなのはちょっと……」というもの(全国のファンの皆さん、ごめんなさい)。カルラがあまりにあっけなく手の届かない存在になっていて“少し”イベントを逃したような気はしていましたが、2周目のプレイへのモチベーションには到底足りていませんでした。

 これは極端なプレイ内容ですが、『ジルオール』の一部イベントは発生させるまでの手順がかなり複雑。いくつかは似たような体験をした人がいるのではないでしょうか?

『ジルオール』
▲流されるままにプレイしていたので、エルアザルと戦ったのもアンギルダンに忠告された時の1回だけ。もちろんボコボコにされましたよ。

■バイアシオンは、こんなにも広かったんだ!

 あとから考えるともうどうしようもないほどのグダグダプレイを終え、しばらくたったある日のことです。友人Tが『ジルオール』をクリアしたと聞いた自分は、さっそくTとその感想を語りあうことにしました。そして、自分の冒険譚(笑)を聞いたTはひと言。「お前がプレイしたのは『ジルオール』じゃないよ……」。

 何を言っているのかと思いましたが、Tの冒険譚を聞いてみると確かに違います。ディンガル帝国の大国・ロストールへの侵攻には参加しているし、ザギヴは人のままだし、そもそも仲間にした人数からして大違い。唯一Tに誇れたのは、デルガドを仲間にしたことぐらいでした。

『ジルオール』
▲心のよりどころ、デルガドさん。序盤にドワーフ王国で「酔っ払い」とけなせば仲間になってくれるナイスガイ。

 そんなこんなで本当の冒険譚を聞いた自分は、ようやく『ジルオール』とはどんなゲームかを知ったうえでプレイすることに。ほどなくして、“ロストールのために戦ったノーヴル伯(無理矢理レムオンに押し付けられた)”という歴史の表舞台でも一定の肩書きを得つつ世界を救ったのですが、そこには膨大な物足りなさが残っていました。

 ディンガルとロストールの戦いでディンガル側についたらどうなるのか? なんとなく初回と同様に阻止した、ラドラス浮上を放置するとどうなる? といったような数ある歴史上の分岐点が気になって仕方がありませんでした。

 そこからは3周目、4周目と生き方を変え、冒険の拠点を変えながらさまざまな冒険者人生を謳歌しましたね。ノーヴル伯としての地位を得ながら戦争ではことごとくディンガルに味方するコウモリ貴族、浮上するラドラスをあえて放置した外道冒険者、酒場通いと墓場へのストーキングの末にアンギルダン、ゼネテス、ザギヴというそうそうたるメンバーで世界を救った英雄、すべて自分である無限のソウルを持つ者の生き様です。

 ただ、どんなに洗練されたプレイをしていても報われない人が出てしまうのは『ジルオール』をプレイするうえでの悩みどころ。ティアナとアトレイアのどちらを選ぶかが代表的なところでしょうし(初回プレイ時はアトレイアの部屋にさえ気が付いていませんでした)、フレイに至っては『インフィニット』でない『ジルオール』ではどうしようもない。そんな変えようのない現実はありながら、物語全体の流れを把握したからこその数々のifに挑戦していく。この時自分はまさに“世界で最も大きな可能性を秘めた者”でした。

『ジルオール』
▲数ある都市や町の中で、拠点として気に入ったのはディンガルの首都・エンシャント。仲間たちはリベルダムをすすめるけれど、あそこまで施設間が遠いのはちょっと……。

 拠点といえば、『ジルオール』は各都市やダンジョンなどのビジュアルが世界観ときっちり紐づいているところも忘れられないポイント。ディンガルの首都・エンシャントが整地された大都市であるのはもちろん、都市国家ウルカーンをはじめとした巫女の住まう地は、神殿だけでなく町全体が各属性の精霊力を感じさせる見た目になっていて、各地を旅しているだけでも楽しいです。

『ジルオール』
▲最初はダンジョンが地図上に表示されておらず、ギルドの依頼によって初めて場所を知ることができるというのも新人冒険者を主人公としている設定とリンク。こういう細かい部分のこだわりも『ジルオール』ならではですね。

■素早いドワーフ、脳筋エルフ、なんでもござれの育成システム

 最終的に『ジルオール』は8周程度プレイしたのですが(それ以降は『インフィニット』に移行)、これだけ何度もプレイできた理由の1つは、ソウルとスキルによる成長システムでしょう。

 『ジルオール』では初期のパラメータや種族による成長補正、一部主人公限定のソウルはあるものの、基本的に育成方針は自由。しかも宿したソウルによるパラメータの変化が大きいので、同じキャラクターであっても育て方しだいで得意な戦い方などが大きく変化します。

 当然最初はドワーフなら攻撃力重視、エルフなら魔法重視といった具合に育てていたのですが、途中からはもう設定なんてまるっきり無視。エルフのフェティをネメア以上の攻撃力を持ったムキムキの戦士に鍛え上げたり、攻撃から回復まで魔法を使えばなんでもできるデルガドを育ててみたりと、それは自由に楽しんでいました。

 何周もしていると同じキャラクターを複数回メインで使用することがありますから、こういった自由度の高い成長システムとの相性はよかったと思います。時には序盤に強力なソウルを宿すため、ひたすら手紙を運び続けたこともありますがそれはご愛嬌で(笑)。

『ジルオール』
▲うちのルルアンタは、DEXを高めてから睡眠属性を付加したダガーで状態異常をかけまくることが多め。本当はSTRが低くて前衛にはやや不向きなのですが、魔法はほとんど覚えさせませんでした。

 そうそう、ソウルシステムといえば、ソウルパラメータをある値まで上げてしまうと入手不可能な上級ソウル“アムドゥシアス”と“ネガヴァニティア”を初回で取り逃すのは定番ですよね(インフィニティアは意外と初回で獲得できると思います)。

 そもそも、BraveやKindといった各ソウルパラメータに2ポイント振り分けるとソウルを獲得できる時点で、バランスよくソウルパラメータを上げるに決まっているじゃないですか。しかも、条件を知ったうえで魔法に特化したキャラクターを作ろうとすると、KindとWildを上げずにネガヴァニティアを獲得してからアムドゥシアス→ブラックバイパーの順で獲得する必要があるわけで……。うっかりKindを9まで上げてセーブしたこともありました(泣)。

 そんな苦労を乗り越えて作り上げた魔法バカ4人での旅は最高でしたね! どんな相手も一度に2つの魔法を使えるスキル“デュアルスペル”でボッコボコ。MPはアイテムで回復して、お金が足りなくなったら簡単にお金稼ぎができるエンシャントの宝箱へ(笑)。

 他にもギガバーストで最大ダメージを出すためだけに序盤から育成を進めたり、あえて初期ソウルのまま突き進むなどというやり込み的なプレイもしました。これだけ自由な育成ができたからこそ、自分は『ジルオール』を何周にもわたってプレイできたのだと思います。

『ジルオール』
▲誰をどう育てるか、それも無限のソウルを持つ者が生み出した可能性の1つなのかもしれません。

■未プレイの人が今からバイアシオンに向かっても遅くはない!

 シナリオの進め方、育成要素ともに自由度の高い『ジルオール』。特にプレイするごとに少しずつ全貌が見えてくるシナリオは秀逸なもので、ちょっとしたサブイベントだと思っていたら、メインイベントに至るまでの経緯が描かれていることもあるため、隅々まで見逃せません。未プレイの人も、プレイはしたけれど1周でやめてしまった人も機会があればぜひプレイしてほしいですね。

 ちなみに、今からプレイするなら個人的にはPS Vitaで『インフィニット プラス』のDL版を購入するのがオススメ。冒頭で触れたフレアの生存ルートなど『ジルオール』では盛り込み切れなかった数々のイベントが収録されていますし、DL版なら入手もカンタンです。

 一部の人は知っていると思いますが、『インフィニット プラス』はロード時間や戦闘のもっさり具合といった部分で難のあるタイトルでした。ですがPS VitaでプレイするDL版はその不満点が大幅に改善されていて、特に戦闘周りの高速化は目を疑うほど! UMDパスポートにも対応していますので、当時、あのロード時間でプレイをあきらめた人も一度お試しください。

『ジルオール』
『ジルオール』 『ジルオール』
『ジルオール』 『ジルオール』

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