News

2015年1月31日(土)

『ぼくのなつやすみ3』開発当時は女の子が主人公の“ふゆやすみ”の構想が!【闘会議2015】

文:ごえモン

 本日1月31日に幕張メッセで開催された“闘会議2015”。イベント内でSCEが配信した番組“SCE JAPANスタジオチャンネル 二日間ぶっ通しで出張生放送!”に『ぼくのなつやすみ』シリーズを手掛けた綾部和さんが出演し、当時の思い出が語られた。

『ぼくのなつやすみ』

■環境音はすべて現実の音を録音して収録

 2000年6月22日に発売されたPS用ソフト『ぼくのなつやすみ』。綾部さんは、本作の発売の翌年に山梨県の道志村を訪れ、環境音の取材を行ったそうだ。川の音などのゲーム内の環境音は、すべて実際の現場で収録しており、森などで“これ以上入ってはいけない”と決められているところまで入って、音を収録しているという。そこでは無音の世界が広がっており、蝶の羽ばたく音すら聞こえる。あまりにも静かすぎて、テープレコーダーのデッキの音が入ってしまうほどだという。

『ぼくのなつやすみ』
▲栃木県の焼き物屋を訪れた際に撮影した、開発スタッフと陶芸家の方の記念写真。SCEに『ぼくなつ』のプレゼンをして、通った3日後の記念すべき写真だそうだ。
『ぼくのなつやすみ』
▲ゲームにも登場する登り窯。取材でスケッチしたものが、ゲーム中でも生きている。
『ぼくのなつやすみ』
▲河童伝説がある道志川を取材した時の写真。写真の木の橋は、ボクくんのおじさんの家の近くにある橋のモデルになった。

■『ぼくなつ3』までは綾部さんの実体験を基に開発

 シリーズが長く続いていることについて感想を聞かれた綾部さんは、「約12年間と携わった期間が長いので、いつの間にかたくさん出ていた」とコメントした。シリーズのパッケージデザインは、青空と緑を踏襲しているが、清涼感やプレイした人が幸せになるように、というコンセプトで作っており、このイメージは続けていきたいと語っていた。

『ぼくのなつやすみ』

 開発当初、夏休みというテーマでシリーズを重ねていくのは難しいと思っていたそうだが、作っていくうちに世代が進んでいき、それぞれの世代で夏休みへのイメージが変わったことで、意外にもネタがなくならなかったという。また、ハードウェアの進化にも助けられたと振り返っていた。

 ちなみに、『ぼくなつ3』までは綾部さん自身の経験がゲームに収録されている。『ぼくなつ3』の途中からは、その後の世代の経験を入れているそうだが、根柢にあるものは変わらないと感じているという。

■もともとはアニメーションを制作したかった

 もともと、アニメーションやフィルム制作に携わりたくて専門の学校に通っていた綾部さん。当時、面接を受けたアニメスタジオにほとんど受かったが、相当苦労するらしいという話を聞いて、学校の目の前にあったアーケードゲームの開発会社に入社したという。

 最初はグラフィッカーとして入社したそうだが、会社の社長が同じ中学の先輩で、「お前は俺の後輩だったらプログラム覚えろ」という一存でプログラミングを勉強することに。気づけば、『サイキック5』のエンディングクレジットのプログラムを組んでいたそうだ。『ぼくなつ』を企画した時も、企画者やグラフィッカーとして参加するつもりだったそうが、脚本まで書くことになるとは思わなかったという。

■『ぼくなつ』はよくも悪くもプレイヤーに干渉しない作品

 当時は売れるかどうかわからなかったという『ぼくなつ』。開発するに至った経緯は、夏休みというモチーフとゲームをつなげることを思い付いた際に、会社で斜め前に座っていた同僚のイシダ氏に「売れると思う?」と聞いたら「俺は買うよ!」と回答があまりに早く、自信が生まれたからとのこと。

 しかし発売が近づくと、その自信も薄まってしまった。そして発売日にお店に行くと、ポスターは貼ってあるのにどこの店にも売っていない。自分が思っていた以上に需要があって、初日はどこの店でも売り切れ状態だったそうだ。

『ぼくのなつやすみ』

 成功した秘訣として、よくも悪くもプレイヤーに干渉しない作品だったからだと綾部さんは分析。プレイヤーそれぞれが遊び方を考えるところが魅力なため、オススメのプレイ方法などを聞かれたとしても答えられないという。

■『ぼくなつ3』開発時に女の子が主人公の“ふゆやすみ”バージョンの構想も

 番組の後半で、綾部さんの口から『ぼくなつ3』は冬休みバージョンも作れるように制作していた、という発言が! 主人公は女の子で、ボクくんも登場するという。物理エンジンが採用された草すべりは、雪の上をソリで滑る場所として登場するそうだ。実際に発売するかどうかについては「5%くらいの期待で待っていてください(笑)」とのこと。

 他にも綾部さんは、自分の企画はなぜか過去が舞台の作品が通りやすいが、そろそろ未来の話で、なおかつノスタルジックな作品をつくりたいとコメントしていた。ちなみに、綾部さんが手掛けた3DS用ダウンロード専用ソフト『怪獣が出る金曜日』は、毎週金曜日に怪獣が発生する『ぼくのなつやすみ』という設定とのこと。『帰ってきたウルトラマン』が毎週金曜日に放送されていたことで、当時の子どもにとって、金曜日は怪獣が出る世界だったという体験から着想したという。

『ぼくのなつやすみ』
▲綾部さんがオーナーを務めるカレー屋が池袋で営業中とのこと。『ぼくなつ』ファンは訪れてみては?
『ぼくのなつやすみ』
『ぼくのなつやすみ』

■“闘会議2015”開催概要
【開催日】
2015年1月31日~2月1日
【時間】
1月31日 10:00~18:00(最終入場17:30)
2月 1日 10:00~17:00(最終入場16:30)
【会場】
幕張メッセ国際展示場4~7ホール
【入場券】
1日券:前売1,000円/当日1,500円
通し券:前売1,500円
優先入場券:1日券1,200円/通し券1,700円

関連サイト

注目記事

アイコン別記事一覧

※クリックすると、ソートされた記事一覧に移動します。