『鉄拳8』クローズドαテストレポート。積極的に攻撃を当てる重要性が増し、相手の空振りを待つのは過去のスタイルに⁉

ophion栗田親方
公開日時

 3月31日より実施される『鉄拳8』のクローズドαテスト。その先行プレイをもとに、一足早く新システムなどの魅力に迫ります。

 本記事と同時に開発スタッフへのインタビューも掲載しているので、あわせてチェックしてみてください。

 なお、プレイはPS5版、コマンドはキャラクターが画面左側にいるときのもの。

今まで以上に個性の強さを感じるキャラクター

 今回のクローズドαテストでは、既にPVなどで参戦が発表されている風間仁、三島一八、ポール・フェニックス、マーシャル・ロウ、ニーナ・ウィリアムズ、キング、ジャック8、ラース・アレクサンダーソン、風間準が使用可能。

 さらに凌暁雨(リン・シャオユウ)の登場と、クローズドαテストの使用キャラクターであることが会場で発表。総勢10キャラクターを使用できるクローズドαテストとなりました。

 物語のほぼ中心に風間仁がいるなか、シャオユウの登場を想像していなかったと言ったらさすがにウソですが、“参戦するだろう”と“参戦する”では大違い。

 “架推掌”や“鳳凰の構え”など、おなじみの技はありつつ本作ではまた新たな戦いを魅せてくれます。

 また、本作のシャオユウは少し大人びた印象。『鉄拳』シリーズには、コールドスリープしていたり、若返ったり、世代交代していたりと荒唐無稽なキャラクターが多いなか順当に成長していっているようです。

 また、個人的に注目しているのが久々の参戦となる風間準。今回、10キャラクターいるなかで、比較的長めに準を触ってみたところその格闘スタイルは、『鉄拳タッグトーナメント 2』がベースになっていながら別物の様子。

 体力を消費して繰り出す技がある代わりに、回復可能ゲージを回復する技もあり。しかもトレーラーでも見られるとおり、光の柱のようなものを繰り出す技もありと、言葉を選ばなければ人間の枠をはずれ始めているような……。

 クローズドαテスト段階で書くのは気の早い話ですが、『鉄拳8』で満を持して参戦した理由を含めた物語上での役割も気になるところですね。

 

 多くのキャラクターが、もはやシリーズおなじみの顔ぶれ。ジャック8は一応新キャラクターですが、これまでのシリーズと同じくジャックシリーズとして見れば慣れ親しんだ性能です。前作をプレイしていればいうまでもなく『鉄拳5』あたりから久々にシリーズに触れたとしても、違和感なく遊べる印象でした。

 ただ、インタビューでも取り上げていますが、本作はキャラクターの個性とはなにかを改めて見直し、ゲーム内に取り入れているとのこと。ニーナがハンドガンを使ったり、ジャック8がバリアを張ったりと『鉄拳7』までのシリーズをすべてプレイしていても「おぉっ!?」と驚くような技が用意されています。

 個人的な印象としては、初代『鉄拳』の「格闘家のなかに刃物を持った怪しげな人物が混じっている」だとか「クマが出てきた!」といった意外性を突き付けられたときに近い驚き。慣れ親しんだ『鉄拳』に帰ってきた感覚と新鮮さを同時に味わえました。

回復可能ゲージの登場で攻撃を触れさせる重要性がアップ!

 そんな『鉄拳8』のシステム面での大きな変化と感じたのが、一部の技や空中コンボを受けた際に減少した体力の一部が“回復可能ゲージ”として残ること。回復可能ゲージは相手に攻撃をヒットさせるかガードさせると回復するので、自分の攻撃が相手に触れることのメリットが大きくなりました。

 さらに新システムの“ヒート状態”中は相手に攻撃をガードされても回復可能ゲージとして削りダメージを与えることが可能。実戦ではほぼ常時回復可能ゲージが残ったまま立ち回ることになるので、より積極的に攻めることが重要になりそうです。

 また、ヒート状態中は“ヒートエナジー”を消費して、有利な状況を作り出す“ヒートダッシュ”と大ダメージの“ヒートスマッシュ”の2種類のアクションを使用可能。とくにヒートダッシュは直前の技がヒットしていればコンボを狙え、ガードされてもほぼ密着で相手より先に動き出せる状態になるので相手に攻撃を触れさせるための補助として機能します。

 回復可能ゲージとヒートシステムは、いわゆる“スカ確”と呼ばれるような相手の攻撃の空振りを狙って反撃するプレイスタイルに一石を投じるものになりそうですね。

 ちなみに、ヒート状態は大きく分けて“ヒート発動技”か“ヒートバースト”を繰り出したときに移行可能。

 ヒート発動技はヒット時のみ有利な状況でヒート状態に移行する技で、ヒート発動技でヒート状態に移行したときのみ特定のアクションに使用する“ヒートエナジー”を2つ獲得できます。

 ヒートバーストは、繰り出す際にヒート状態に移行する技で、ヒットしてもガードされても有利な状況でヒート状態に移行。さらにヒートバーストを繰り出す際に方向キーを後ろに入れると、攻撃を出さずにヒート状態に移行することができます。

 まとめると、先に挙げた選択肢ほどヒート状態に移行したときにより有利になり、あとに挙げた選択肢ほど安全にヒート状態に移行できるといった具合。時限性の強化システムと言えばどんなジャンルのゲームでも“いつ発動するか”が重要になりますが、ヒート状態はいつに加えて“どの技で移行するか”の判断もおもしろい要素になりそうです。


 

スペシャルスタイルは初心者に限らない万人向けのシステム!

 そして、プレイ前は変化とは思っていなかったものの、実は大きな変化だったのがスペシャルスタイルの登場。

 本作には、アーケードスタイルとスペシャルスタイルの2種類の操作が用意されており、スペシャルスタイルは各ボタンにキャラクターごとの技が割り振られてライトに『鉄拳8』を楽しめるものになっています。。


 
 □は得意技。各キャラクターを代表する技が割り振られており、ヒート発動技でもあります。

 △はコンボ始動技。△>△>△……や△>〇>〇……といったように、△ボタンのあとにボタンを連打するとコンボ始動技がヒットしていた場合に自動で空中コンボを行ってくれます。繰り出すコンボは入力したボタンや状況によって変化。使用するキャラクターと入力するボタンによっては高い位置で壁やられを誘発できるような

 〇は下段攻撃。キャラクターによって当然繰り出す技は異なりますが、全体的にガードされると反撃を受ける代わりにヒット時は相手をダウンさせられるような、ある程度リスクとリターンが高めの技が設定されていました。

 ×はパワークラッシュ。相手の攻撃を受け止めつつ攻撃を行う昨今の『鉄拳』シリーズではおなじみのアクションです。

 そして、R1は通常時はヒートバースト、ヒート状態中はヒートスマッシュを繰り出すボタン。レイジ状態中にR2ボタンを押すとレイジアーツが繰り出せます。

 新システムであるヒートに紐づくものがあり、中段技と下段技が用意。さらに、不利な状況をひっくり返しうるパワークラッシュと駆け引きができるパーツはそろっている印象。プレイに慣れているなら主にアーケードスタイルを使用するでしょうけれども、ライトに対戦を楽しむならスペシャルスタイルもアリ。『鉄拳』シリーズを始めたてのプレイヤーから、自分なりに強いと思える技がいくつか見えてきたくらいの初心者に至るまでの敷居をグっと下げるものにもなりそうです。

 ただ、ここまで本記事を読むくらい『鉄拳8』に興味があるならスペシャルスタイルは初心者向けのシステムで自分には関係がないと思う人も多いでしょう。正直なところ上で書いたとおり、自分もスペシャルスタイルは自分にとっては変化にはならないと思っていました。

 ですが、アーケードスタイルとスペシャルスタイルはL1でいつでも切り替えられ、タイムラグのようなものもなし。つまり、スペシャルスタイルで繰り出される技を把握しておけばL1>任意のボタンの順に素早く入力して、スペシャルスタイルに割り振られた技の簡易コマンドのように利用できるんです。

 なかでも、こういったスペシャルスタイルをまじえた操作に心魅かれたのは三島一八。一八は△のコンボ始動技がなんと“最速風神拳”! アーケードスタイルで遊んでいるなかL1>△と入力するだけで最速風神拳が繰り出せるというのは「本当にいいの?」という驚きもありつつ、非常に快適でした。

 最速風神拳は極端な例ですが、スペシャルスタイルに切り替えつつ△を連打して入力ミスの心配なく空中コンボを行うなど、スペシャルスタイルのおいしいところだけつまみ食いするようなプレイができます。

 総じて『鉄拳8』は、キャラクターの個性とスペシャルスタイルにより間口の広いゲームとして作られている印象。一方で、やり込みやゲームの深みといった部分はヒートシステムによって増しています。

 今回の限られた時間のプレイだけでも、ヒート状態にいつ、どの技で移行するか。ヒートエナジーを立ち回りを有利にするために使うか大ダメージを与えるために使うか。そして、空中コンボにヒートダッシュを組み込むなら壁との位置関係で最適なコンボを選択したいと、悩むポイントや目指したい行動がいくつも思い浮かびました。

 まだ、いくつかのシステムは調整中とのことですが『鉄拳8』は最終的にどんなゲームとして、プレイヤーの前に現れるのか。そして誰が参戦するのか。今から楽しみですね!


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