『九魂の久遠』レビュー:死にゲーになるかどうかは選択次第。難易度を大きく左右する3つのモードや、手ごわい冥界のステージを先行プレイでチェック

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 インティ・クリエイツが贈る、5月30日に発売予定の『九魂の久遠 (くこんのクオン)』は、冥界で目覚めたネコ“クオン”が冥界を旅する2D横スクロールアクションゲームです。

 2月の記事では序盤レビューを掲載しましたが、今月も引き続き、序盤ボスや本作特有のモードに触れた先行プレイ記事をお届けします!

※本記事はインティ・クリエイツの提供でお送りします。

なにやら意味ありげなボス・妖魔獣人

 冥界の門の封印を解くために必要なアイテム、要石を見つけるために、冥界の各地を探索するのが第一章の流れになります。が、クオンと同じく現世で死に、冥界に堕ちた動物たちが変身した、妖魔獣人(ようまじゅうじん)たちが立ちはだかることに……。

 そんな本作の序盤に出会う個性豊かな妖魔獣人を少しだけ紹介。

ガルベストン(声優:山中真尋)

 濁流樹海(だくりゅうじゅかい)ステージの奥で待ち受けるのは、ホオジロザメが変身した獣人“ガルベストン”。現世では“人喰いザメ”として大勢の人間を襲って食い殺し、それが原因で人間たちに駆除された過去を持ちます。

 大食漢ですが、冥界の妖魔のまずさに辟易しており、うまかった人間たちをまた喰いたいがために現世への帰還を目指している、というかなり凶暴な思考を持った妖魔獣人。

 凶暴思考ゆえに避けにくい攻撃が多く、特にミサイルのような攻撃は着地後の爆散がかなり厄介な攻撃になっています。


アリス(声優:若山詩音)

 巨岩平原(きょがんへいげん)ステージの奥で待ち受けるのは、ウサギが変身した獣人“アリス”。

 飼い主の人間を盲目的に愛し、飼い主もまた自分のことを愛してくれいている、自分が帰ってくるのを待ってくれていると信じていて、冥界から現世への帰還も“愛の試練”だと認識している(愛が重めの)妖魔獣人です。

 アリスはビジュアルも印象的です。切られた耳、血染めの脚、拾ったボタンで代用した目などの傷跡は、生前に受けたものということのようですが……愛は難しいですね。巨大なハサミで攻撃してくるなど、痛々しいものになっているのも特徴です。


スチュワート(声優:戸谷菊之介)

 啼鳥の魔窟(ていちょうのまくつ)ステージの奥で待ち受けるのは、コトドリが変身した獣人“スチュワート”。生物から人工物まで、様々なものの鳴きマネが得意で、妖魔獣人となった事で、鳴きマネをしたものを実体化させるスキルが使えるようになっています。

 その力に陶酔し、既に精神までバケモノと化しているスチュワート。冥界で得た力を使って暴れまわる事こそが至上の喜びで、現世に帰る事などもうどうでもよくなっている、という本作で最も狂人な妖魔獣人です。

 鳴きマネをしたものを実体化する攻撃を中心に、草木に身を隠し場所を移動するなどかなりトリッキーなキャラになっているのが特徴……鳥だけに……!


ムメイ(声優:土屋李央)

 妖泉郷(ようせんきょう)ステージの奥で待ち受けるのは、ヨロイトカゲの獣人“ムメイ”。大した戦闘力は持っておらず、妖魔に追われて逃げ回っていますが、ヨロイトカゲの硬く尖ったウロコの防御力のおかげでなんとか生きながらえているという、今までの妖魔獣人とはちょっと違う存在です。

 冥界の過酷な環境や、どこへ逃げても襲ってくる妖魔たちに翻弄され、精神がすり減って、現世に戻る事を考えるどころではなくなってしまっているようです。

 明らかに他の妖魔獣人とは何かが違う“ムメイ”……何が違うかはここでは言えませんが、冥界とは何なのか? という部分を、ムメイを通して少しだけ見ることができます。


“啼鳥の魔窟”と“妖泉郷”のステージ紹介!

 妖魔獣人の“スチュワート”と“ムメイ”が登場する、“啼鳥の魔窟”と“妖泉郷”を一足先に見てきました。ガルベストンとアリスが登場する、濁流樹海と巨岩平原は前回の記事で紹介しているのでそちらをご覧ください。

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地底へと続く手ごわいマップ・啼鳥の魔窟

 啼鳥の魔窟は地底へ続く深い洞窟になっており、下へ下へと降りていくステージです。

 この穴に落ちた者は、時折洞窟中にこだまする、けたたましく奇妙な音を耳にしたが最後、突如としてその命を奪われてしまう……と言われており、敵の声や効果音がちょっと不快になっているのが特徴。夜中にやるとちょっとドキッとするかも。

 正直なところ、先行プレイした序盤ステージでは、啼鳥の魔窟ステージが一番苦戦しました。マップの構造が迷路のようになっているのに加えて、近づくと姿を表す敵、そこから飛び出る嫌らしい攻撃など、一撃も食らわずにクリアするのはかなり難しいと感じられるステージ構成になっています。

 アニマリヴァイヴで遠距離攻撃の動物スキルを入手していれば、比較的楽に進めるとは思いますが、アニマリヴァイヴは何か(設定的に)怖い……という方には厳しいステージになると思います。

 啼鳥の魔窟のボスは上述の通り、コトドリが変身した獣人“スチュワート”です。

間欠泉にご注意を! 妖泉郷

 妖泉郷は、妖脈と呼ばれる噴出孔から絶えず大地の妖力が噴き出す、冥界の間欠泉が点在するステージです。

 高熱のエネルギーを噴き出すものもあれば、噴き出したかと思えば突如凍り付くなど、間欠泉が行く手を阻むこともあれば、利用する必要があるステージになっています。

 本ステージは、啼鳥の魔窟とは真逆のどんどん上へ登っていくステージです。基本的には噴き上がる間欠泉に乗って進んでいきます。足の裏、熱くないのかな……と思ってしまいました(笑)。

 登った先は足場が小さかったり、壁登りアクションを駆使したりとアクション性が高いステージになっているのが特徴です。序盤4ステージの中では比較的シンプルに思えたマップ構成ですが、そのぶん隠し通路も少なめです。ここで基礎アクションをしっかり身につけたいですね。

 妖泉郷のボスはヨロイトカゲの獣人“ムメイ”です。

知らないと取り返しのつかないことに……ホープポイントシステム

 倒されるほど強くなり、蘇るというユニークなゲームシステムを持つ本作で最も大事なシステムが“ホープポイント”になります!

 現世への帰還を希望として冥界を生き延びるクオンは、様々な行動をする中で、希望の欠片(ホープポイント)が得られます。

 アニマリヴァイヴでヒトの魂を取り込んでしまった時に、このホープポイントが一定数以上あれば、業魔形態化キャンセル(あらがう)することが可能になり、幼魔形態を保つことができます。

 えっ、強くなれるのに業魔形態化が悪なの? と聞かれると……現時点では何も分かりません……。

 ですが、アニマリヴァイヴを繰り返せば繰り返すほど、飼い主の顔や存在、現世への想い、なぜ現世に戻ろうとしているのか……といった記憶がクオンからどんどん失われる描写があります。どう考えても力の代償です(予想)。こういうのは嫌いじゃないけどつらすぎる……! アニマリヴァイヴを使いすぎたら、冥界に自我なき業魔として閉じ込められちゃったりしませんよね、インティ・クリエイツさん!

 ……ということもあり、なるべく幼魔形態で進んでいった方が良いのでは、とも感じます。ホープポイントは集められるだけ集めておきたいですね。

ホープポイントの集め方

ホープポイントを獲得するには色々ありますが、ここで基本的な3つを紹介します!

●マーキングポイントでマーキングする

  • ▲猫ちゃんっぽい。

●敵を倒す

  • ▲集められはしますが、やってみたら高確率で死んでしまいました……オススメはできません!

●ボスをフェイタルスタンプで倒す

選択は慎重に。3つのゲームモード

 『九魂の久遠』には、プレイヤーのプレイスキルやプレイスタイルに応じた3つのゲームモードが用意されています。ここからは、前回の記事で説明しきれなかった部分も含めて、ゲームモードを少し深堀りしたいと思います!

 ゲームモードは永魂モード・反魂モード・九魂モードの3種類があり、本編1章開始時にいずれかを選択する事ができます。ゲームの途中で変更する事はできないので、本当に本当に慎重に選択しましょう。

アクション初心者さんはコレ! 永魂モード

 最大の特徴はなんといっても、何回死んでしまってもゲームオーバーにならないという部分でしょうか。加えて、ステージクリア時に魂数(死亡可能回数)のリセットが可能なので、アクションゲームが苦手な人でもエンディングまで到達しやすいモードとなっています!

 魂数のリセットは2章からはホープポイントが必要となりますが、かなり気楽にプレイできるのが特徴です。

オーソドックスな難易度。反魂モード

 ゲームオーバーになると、ゲームオーバーになったステージに入る直前の状態から再スタートできるのがこのモードの特徴。

 永魂モードと同じくステージクリア時に魂数のリセットが可能(2章からはホープポイントを消費)です。そしてちょこっと永魂化が可能でほどよい緊張感でゲームが楽しめるモードになっています。……ちょこっと?(後述します)

 基本的には、このノーマルにあたる反魂モードでのプレイを推奨します。

クオンの命の重さが増す。九魂モード

 全編通して9つの魂だけで攻略するという、まさに『九魂の久遠』が楽しめるのが本モードの特徴! ゲームオーバーになった場合、各章の開始時点まで進行状況がリセットされます。再スタートや魂数のリセットも不可能なため、甘えが許されないモードになっています。ちょこっと永魂化、が可能なのが唯一の救いでしょうか。

 筆者は先行プレイにもかかわらず「インティ・クリエイツさんのゲーム好きだし、いけるはず!」と調子に乗って九魂モードで始めてしまったので、序盤4ステージをすべて見る前にゲームオーバーになってしまい、最初に戻され同じステージを何度も攻略する……という、ハードな先行プレイを楽しみました(笑)。

 ゲームに感情移入して「私(俺)自身がクオンなのだ……」となりたい方が選ぶなら、ダントツで九魂モードがオススメです! 2Dアクションが得意な方もぜひ。

ちょこっと永魂化

 反魂モード・九魂モードでゲームオーバーになってしまった時に、ホープポイントの半分を消費して、エリアクリアまでの間、一時的に永魂モードに切り替える事ができるシステムになっています。

 シナリオ進行が巻き戻るペナルティを回避できますが、反魂モード・九魂モードでプレイしているのに永魂モードでクリアかぁ……となる気持ちも十分に分かります。もちろん、ちょこっと永魂化を使用しないという選択もできるので、存分に反魂モード・九魂モードを味わえます。

 筆者は九魂モードに進んだものの、意地でも使用しないという道を選んでしまったので大変な目に遭いましたが、それも一興。

謎のイヌ型妖魔獣人“ロック”が乱入!?

 そういえば、とあるステージをプレイ中に、謎のイヌ型妖魔獣人“ロック”が乱入してくるイベントを確認しました。

 今回紹介したステージの奥で待ち受けている4体のボスとは違って、同じ目的を持っていたり、会話が対等に成り立ったりする不思議な存在です。一体何者?

 序盤先行プレイではこの1回しか出会わなかったのですが、『ロックマン』でいうところのブルース、『ガンヴォルト』でいうところのアキュラのような匂いが。これだけで終わりではなく、2章以降再び登場することが予想できるキャラクターです。

 ネコとイヌが今後どのようなストーリーを紡いでいくのか? そもそも敵なのか味方なのか、どのような関係性になっていくのか? といったところも、今後の楽しみな部分になりそうです!

ハピネットゲームフェス~2024春の陣~で先行プレイができる!

 3月16日にベルサール秋葉原で開催されるハピネットゲームフェス!~2024 春の陣~にて、啼鳥の魔窟ステージが先行プレイできちゃいます!

 もちろん妖魔獣人“スチュワート”戦も楽しめるので、本記事を見て気になった方はぜひイベントをチェックしてみてください!

 入場料は無料で、20タイトル以上のゲーム試遊やグッズ物販なども行われているとのことなので、詳しくはこちらの記事をチェックしてみてくださいね。

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