『SAO』ゲーム裏攻略会議レポート。名物Pたちが語る、キャスト選びやご当地キャラ制作の裏話とは?【ソードアート・オンライン】

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 3月30日に開催された『SAO』ゲームシリーズのファントークイベントである“ソードアート・オンライン 裏攻略会議 in 東京”。そこで実施されたプロデューサートークコーナーを中心に、イベントの模様をレポートしていきます。

プロデューサートークではここでしか言えない開発秘話も!【SAO攻略裏会議】

 プロデューサートークのコーナーでは、二見鷹介さん(SAOゲーム総合プロデューサー)、上野瑛介さん(『SAO ラスト リコレクション』プロデューサー)、竹内智彦さん(『SAO インテグラル・ファクター』プロデューサー)の3名が登壇。

 ふだん言えないことやゲーム開発の裏話などがたっぷりと明かされました。ここでその一部を紹介します。

ご当地キャラクターにまつわる裏話

 最初のトークテーマは、全国各地の裏攻略会議会場などで展示されたご当地キャラクターイラストについて。現在は天むすを抱えたアリス(パペット)がイメージキャラクターとなっている名古屋。しかし初期案では、ここにはシャチホコに扮したキリトがいたとのこと。こちらのキリトは線画まで作られていたそうですが……実際のシャチホコをご想像いただければわかるように、足元の部分に顔が位置するという(某怪獣のような)衝撃的すぎる見た目にリテイクしたとのことです。

 トークでは、各キャラクターのイントネーションについても言及されました。着ぐるみ姿の“キリトさん”や“アスナさん”に関して、二見Pはイントネーションにこだわりがあり、打ち合わせなどでも間違えると逐一修正していたらしいです。“あくまでマスコットのキリトさんたちは原作やアニメのキリトとは別物”というこだわりがうかがえるポイントです。

 なお、二見Pがかつて手掛けた『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル』シリーズにも桐乃さんという宣伝隊長キャラクターがいましたが、彼女も“キリトさん”と同じイントネーションでした。

 ちなみにイベントではお馴染みとなったこの着ぐるみやパペット風のキャラクターたちは、二見Pが「公式だけど公式じゃない感じ」でキャラクターを作りたくて、自らプロデュースしたとのこと。愛着があるのも納得ですね。そんな二見Pはイベントにユイちゃんパペットを連れまわしていたそうで、それでボロボロになってしまったとのこと……。今連れているのは2代目ユイちゃんなのだそうです。

ゲーム作りへのこだわり

 続いては、各プロデューサーが手掛けたゲーム作品のこだわりポイントについて。
  
 上野Pがこだわりを持って作ったのは、『SAO ラスコレ』のイベントシーン。シナリオを楽しむために大事なものだったので、マスターの一歩手前のデータを提出する3カ月前にも関わらず、全部直したのが印象に残っているとのこと。

 とくにクライマックスでドロシーとキリトの手を重ねるシーンでは、手を重ねる感じが出ていなくて、イチから作り直したらしいです。さらに涙の表現も最初はなく、それを追加したことで、ドロシーがせきを切ったように泣き出すシーンがより印象深いものになったとのこと。

 『SAOIF』などを手掛ける竹内Pのこだわりポイントは、キャラクターの深堀りについて。できるだけアインクラッドにいないキャラクターにも自然な形で関わってもらうことを大事にして、シナリオを作っているとのことです。ちなみに『SAOIF』ファンからはまだ未登場のキャラクターの要望が多いとのことですが、そちらの要望に関しても引き続き検討をしたいと考えているとのこと。

 続いて、『SAO』ゲームシリーズにおけるキャストの選び方についても、各プロデューサーごとのこだわりが語られました。

 竹内Pはそのキャラクターのシナリオを読んだあとで、候補のサンプルボイスを聞いて決めているとのこと。あとは収録現場でチューニングしながらキャラクターのイメージを固めていくそうです。それについては二見Pも似たような経験があるとのことで「100ボイスくらい収録してキャラクターのイメージができてきた場合、最初から収録し直すこともよくある」とのことでした。

 上野Pはドロシー役である佐藤利奈さんについては、最初からイメージにしっかりとハマっていたと話していました。収録した当時は新型コロナウイルス感染症に伴う混乱の真っ只中のタイミングで、直接アフレコに立ち会えなかったり、人数を絞って収録したりと当時の苦労を振り返っていました。

 二見Pは、フィリア役の石川由依さんとセブン役の金元寿子さんについて、他作品での演技に惹かれて決定したとのこと。その他、メディナ役の岡咲美保さんについては声を聴いた段階で、名前を見る前に即決したとも語りました。

 かつて二見Pは、『SAOAL』のインタビューで「岡咲さんが演じているシーンを見てシナリオを若干変えました」と語っていました。収録の際にそうした変更があるのもクリエイティブな現場ならではだといえそうです。

 その他、二見Pはキャラクターを作るうえでのこだわりポイントにも言及。キリトの“優しさ”を描いているのにはこだわりがあり、恋愛感情なしで人を助けるのがキリトらしさであり、そこを大切にしたいと考えているそうです。

 過去作でサチとデートをするイベントを収録したときは、シナリオライターがハードルの高さから書くのを断念した結果、三木一馬さん(※川原礫先生の担当編集にしてストレートエッジの代表)の指名もあり、二見P自らがシナリオを担当することに。その際もキリトの描写にはこだわりがあり、アスナを置いてでも救えなかった人(サチ)を助けに行くキリトの姿を描きたかったとのことです。

ゲームシリーズ10周年で印象深かったこと

 今年でゲームシリーズは10周年を迎えたわけですが、この1年で印象深いことについて質問された上野Pは、裏攻略会議を挙げたうえで、ファンとの一方通行にならない交流の大切さを語りました。また上野Pは、自身の担当するゲームのリリース日に緊張で寝られなかったことも印象深かったらしいです。

 竹内Pが語ったのは、エギルの店を舞台にイベントを開催したときの裏話。イベントでは、エギル役の安元洋貴さんが“『SAO コード・レジスタ』に実装してほしい衣装”というお題で、絶対に実装できない姿のエギルを描いたという思い出を語りました。ちなみにこのアイデアは、確認の際にしっかりと怒られたとのこと。

 二見Pはうれしかった思い出として、原作の小説の後書きに自分が出てきたこと、かつては社内でもそこまで期待されていなかった『SAO』というコンテンツがアニメ放送開始とともに社内外で認められたことなどを挙げました。

 最後に二見Pは、アニメシリーズとともに歩んできた『SAO』ゲーム10周年の歴史に言及。改めて、10年絶えず作品が出続ける『SAO』というコンテンツと原作者である川原礫先生のすごさを語り、裏話は終了となりました。

『SAO フラクチュアード デイドリーム』CBT振り返りや各種告知も!

 続いては、3月11日~17日にクローズドβテストが実施された『SAO フラクチュアード デイドリーム』について、キャラクターの使用率やボス討伐数について紹介。

 総合的な使用率でトップをとったのはシノン! キャラクター人気や、唯一“銃撃”を使える操作感で人気を得たようですね。ボス討伐数によると、ややCo-Opクエストのほうがプレイしていた人数は多かったようです。

 続く告知コーナーでは、改めて『SAO フラクチュアード デイドリーム』に参戦が決定したレンとフカ次郎の操作感について。

 レンはスピード感、フカ次郎は派手にグレネードランチャーをぶっ放せる爽快感が楽しいキャラクターになっているとのことです。

 『SAO ラスト リコレクション』DLC第2弾の告知では、このイベントが初となるユージオの“絆の儀式”のチラ見せも!

 「キリトおとうさん」や「母親扱い」など、気になるワード満載のシーンに、第2部ではファンの喜びの悲鳴が響いていました。なお、DLC第2弾の配信日については、近日中に発表予定とのことです。

 『SAOIF』の告知は今年のエイプリルフールイベントについて。復刻開催予定の過去のエイプリルフールイベントや、今年のイベントに関する情報が少しだけ公開されました。

 また10周年記念グッズのアイデア募集企画で最優秀賞に選ばれた“SAO ゲームキャラクタータロットカード”についての続報も。カードは22種類収録されるとのことで、キリトとユイのイラストが先行公開されました。

 最後に、このイベントで初公開される情報が先行入手できる謎解きについて、その答え合わせが実施。

 提示されたキーワードを並べ替えると“ミライカイギ2024”という単語に!

 ここで、『SAO』の大型配信イベント“未来会議2024”の開催が初公開されました。こちらも気になるところですね!

プロデューサー陣によるコメントも到着!【SAO攻略裏会議】

――裏攻略会議が終わっての今の心境はいかがですか?

二見:いろいろな地域でやったからこそ会えるお客様もいて、そこが非常にうれしかったです。

上野:日本全国はおろか、ワールドワイドにユーザーのみなさんがいることは知識として知りつつ、実際に会って話せるのはなかなかできない経験でした。また機会があれば、いろいろな人に会いに行きたいですね。

竹内:僕らが主導で歩き始めた10周年ではありましたが、途中からはユーザーのみなさんといっしょに作り上げていく10周年なんだな、という実感を裏攻略会議では得ることができました。今度は配信イベント“未来会議2024”に向けて、みんなで走っていけたらと思っています。

――“未来会議2024”の開催も控えていますが、今後の『SAO』ゲームシリーズについてのコメントをお願いします。

二見:“未来会議2024”に関しては、ゲームやアニメを問わず『SAO』の未来について具体的にお話できるイベントにしたいと思っています。みなさんの次の期待を持ってくれるようなイベントにしようと準備しているので、ご期待ください。今年はゲームでは『SAO フラクチュアード デイドリーム』や『SAO ヴァリアント・ショウダウン』、アニメでは『GGO 2期』もありますので、そちらも盛り上げていきたいと思っています。

上野:いろいろな場所を巡りながらファンと交流しつつ、それがまだまだ続いていくように頑張ってきたいと思っているので、今後もよろしくお願いします。

竹内:“未来会議2024”については、現段階でお知らせできることはほとんどないのですが、『SAO』全体の未来の展望をお届けできるイベントにしたいと思っているので、続報をお楽しみに。『SAO』ゲーム10周年に関しては、グッズの展開も仕込んでいるものがあるので、そちらも含めてよろしくお願いします。

会場にはゲームファン必見の展示物も!【SAO攻略裏会議】

 会場内には、等身大パネルや記念イラストなども多数展示されていました。

 会場フロアに入ると、まずは等身大のキリト&アスナのパネルがお出迎え! さらに各ゲームシリーズの記念イラストが展示されていました。

 ゲームシリーズに関わりの深いメーカーや出版社などからの記念イラストも!

 ステージ上などには、各キャラクターの等身大パネルが設置。

 寄せ書きができる巨大ボードも設置。キャストによる寄せ書き&サインのほか、会場を訪れたファンたちが思い思いのメッセージを書き込んでいました。

©2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
©Bandai Namco Entertainment Inc.

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