いざ、アスキー!!【O村の漫画野郎#25】
- 文
- 奥村勝彦
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- 最終更新
秋田書店の漫画編集者を経て、元『コミックビーム』編集総長もつとめた“O村”こと奥村勝彦さんが漫画界の歴史&激動の編集者人生を独自の視点で振り返る!
更新遅れのお詫び
あー。ごめんなさい。編集者とあろうもんが締め切りを2回も吹っ飛ばした。原因は体調不良である。
体調不良つっても、コロナになったワケでも、精神疾患になったワケでもない。そもそも俺の部屋にはとりあえず小さな机はあるのだが、仕事ができるほど広くはない。リモートワークが主体になって、スペース的に非常に困ってたんだが、アイロン台を机がわりにして、ベッドを椅子がわりにして万事解決!! ……にはならなかった。
背もたれがねえもんだから、腰にえれえ負担がかかっちまってなあ。犬を抱っこしてたら。突然の超ぎっくり腰!! 痛えのなんの、仕事どころじゃなくなっちめえやんの。情けねえ……。今は相当回復したので問題は無い!……ハズだ。いずれにせよ、二度と穴をあけないように頑張ります!!
いざ、アスキー!!
あー。秋田書店退社前日、近くのスナック“紅”で仲間の編集者たちに見送られ、新たな決意を固めた俺!!
……余談であるが、この紅というスナックは、数々の乱闘が繰り広げられた秋田書店の古戦場であり、料金がバカみたいに安い福利厚生施設であり、壁村さんのオフィスでもあった。ここについて書き始めるとキリが無いので止めておく。
んで、当日、全部署へ挨拶に回り、最後に社長へ挨拶。よし、これですべてが終わった。その足でアスキーへ向かう。スーツ着たまんまでね。金田一君がキョトンとしつつ迎えに来てくれたが……
「おう! さっき秋田辞めて来た。明日からでも働けるぜ!!」
「いや、あの…こちらもそれなりに準備がありますんで、まず面接受けていただいて、そっから待遇含めてお時間をいただかないと……。」
「面接!? なんだそれ?」
「形だけですから!」
今から思うに、金田一君の言ってることは当然のことだ。とりあえず秋田を辞める日やらは、さすがに事前に連絡してはいたが、何一つ決めないで明日から働かせろってワケには、いかんもんなあ。
でも、こちとら会社の仕組みやら何やら、さっぱりわからんままなのに、エンジン全開である。とりあえず、役員相手の面接を受けた。もし、これで落ちたら、大爆笑だなあ……なんて思いつつ1時間ほど喋りまくったけど、内容は……忘れた。
ただ、当日、なぜか昼間っから真っ暗な天候で、あちこちでカミナリが落ちていた。嵐である。まあ、それは、その後の状況を暗示していたような気もするなあ。
そんで、そっから3週間ほど初出勤まで時間がかかった。せめて3日ぐらいで何とかなんねえか? って言ってみたけど、アッサリ却下された。やっぱり会社の事情や段取りをロクに考えてない、う――ん、僕の悪い癖。
3週間の休み……秋田書店じゃ有給休暇なんぞ、使ったこと無かった俺は困った。辞める時も、有給は丸々全部残っていたけど、有給消化して退社するなんて発想すらなかったもんなあ。
仕方がないから、映画観たり、近所を散歩したり……ほとんど、ヒマぶっこいてる老人状態である。今なら間違いなく旅行に出るんだけど、当時はカネが無かったからね。
んで、晴れてアスキー入社!! 若干、勢いを削がれた感はあるが、当時の俺は元気は売るほどあったからね、それでも意気揚々と出社したワケだ。そして俺が見たものは……待て!! 次回!!
(次回は12月14日掲載予定です)
O村の漫画野郎 バックナンバー
イラスト/桜玉吉
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