2009年11月20日(金)
※ネタバレ満載! クリアしていない方は注意してください!!
――漆原るかというキャラクターなのですが、見た目は美少女の“男の娘”という設定でした。これは、もともとこの設定でいこうと考えていたのですか?
林:るかは企画書段階からこの設定でした。“巫女さんなのに男”だったらおもしろいという単純な理由ではあるんですけど、それを逆手にとり過去に干渉することで“本物の女の子”になってしまう、というネタでプレイヤーを喜ばせようと考えていたんです。でも「最終的に何で女にしちゃうの?」と志倉に怒られまして、しょんぼりしてしまいました。
――僕は、あの展開は好きですけどね。
林:結構「男の娘のままがよかった」という意見をいただきました。「男のままのるかと、いちゃいちゃできる追加ルートはまだですか?」という……日本大丈夫か? と思うような意見もありましたね(笑)。社内のグラフィッカーからも、「女の子になったせいで興味がなくなりました」と言われたり……そこは僕の誤算でした。
――でも、あんなことで変わっちゃうものなんですかね?
林:……変わらないでしょうね。(一同爆笑)
松原:直接的には影響はないでしょうが、そこは“バタフライ効果”というものがありますし。
――ポケベルにDメールを送る、という展開にも驚きました。どうやって解決するんだろうと。
林:僕も、あの展開を書いた後で「ポケベルがないとダメじゃん!」と気づきました。当時ポケベルを持っていなかったので、どうやって使うのか、というところから始まりましたね。まさに倫太郎と同じ状況でした。
――そこでケータイを取り出して、1人でしゃべらなかったんですか?
林:しゃべりそうになりました(笑)。(ケータイを取り出し)「俺だ」って。
――桐生萌郁(きりゅうもえか)がケータイ依存症になってしまった理由を教えてください。
林:FB(エフビー)という彼女の上司のキャラクターがいるのですが、そのFBからメールが来て、とある仕事(ラウンダー)を始めることになったんですね。でも“FBとは会えない”という規則があったので、メールでのやりとりしかできなかったんです。ちなみに、高校生の時にFBからメールが送られてきた、という設定にしてあります。だからケータイ依存症と言うよりは、彼女は“FB依存症”と言えるんです。もともと孤独で、無口なキャラクターなので、人とのつながりがありません。その結果、FBに対する想いが大きくなっていって、唯一の連絡手段であるケータイが手放せなくなっていったんです。
――なるほど。ちなみに萌郁ルートがなかった理由というのは?
林:もともとは、萌郁ルートを作ろうと考えていました。でも、どうしても彼女の“敵”という立場と、みんなのアイドル・まゆりちゃんにひどいことをしてしまうキャラクターなので、嫌われものになってしまうだろうと。で、この段階で2つの選択肢があって、多少、その“ひどいこと”をマイルドにして、同情の余地を与えるべきか、逆に徹底的にひどいことをさせて、プレイヤーが“憎める”キャラクターにすべきか迷いました。でも、主人公に感情移入させるために、萌郁を徹底的に憎ませた方がいいと思ったんですね。その結果、ルートはない方がいいだろう、ということになりました。
――1975年へ向かった阿万音鈴羽と倫太郎は、あの後どうなってしまうのでしょうか?
林:あの後どうなったのかはプレイヤーの皆さんのご想像におまかせします。ただし、1975年から2010年の間には、大きな分岐点がいくつかあるという設定なんですね。もし、そこで別のアトラクターフィールドに入ることができれば、違う運命が待っているかもしれないです。可能性は無限ですね。
――綯はものすごい執念で未来からタイムリープしてきましたよね?
林:実は、あのタイムリープしてきた綯は時間の環の中に閉じ込められているんですよ。15年周期で、過去と未来を回らなければいけないんですね。15年以降には進めなくなっているという、そんな“鶏が先か、卵が先か”という解決不可能な命題を意図的に仕掛けているところが何カ所かあります。ここは下倉さんとも相談していて、あえて答えは出さないようにしています。
――β世界線で、まゆりを突き飛ばした綯はタイムリープしてきた綯なのですか?
林:いえ、あれはまったくの偶然ですね。たまたま、その場にいただけです。
――サイリウムセイバーの赤い塗料を“あの場面”で使おう、という展開になった時は震えました。
林:あのネタは下倉さんのアイデアです。最初はあの展開はなかったんですけど、ここでさらにもう一段階仕掛けを入れようと、下倉さんからアイデアをいただきまして「それだ!」と使わせていただきました。
→オマケ 『シュタインズ・ゲート』の小ネタを公開!
※『カオスヘッド』のネタバレが多少含まれています。(8ページ目)
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