2010年2月27日(土)
ここからは、ゲームをプレイしていてふと疑問に思った点などについてお伺いしています。ネタバレ全開な内容となっておりますので、まだクリアしていない方などは、ご自身の責任において読んでくださいね。
土屋:これについては、ユーザーの皆さんもそう思われるかな? と思ってはいました。前作までは、紅を想起させるキャラ、蒼を想起させるキャラ、紅を想起させる歌い手さん、蒼を想起させる歌い手さんが、なんとなく一致していまして、それが今回、たまたま逆になってしまったというだけです。実際、構想段階の凪良さんのイラストでは、この辺が逆のものもありまして、例えば『2』ですと、ルカとクローシェの色合いが逆の時期もありました。もしそのまま進行していたらCDがどうなっていたかと言うと、ルカが青系の服を着ていても、歌はヒュムノスコンサート紅に収録されていたわけです。もっと言ってしまえば、今回のサキも、初稿段階では赤系の服は着ていません。フィンネルは総じて青系の傾向でしたが、一瞬赤紫になったこともありました。そしてサキを志方さんに、フィンネルを霜月さんにお願いしようと思ったのも、色はまったく関係なかったですね。ただ、CDにする段階になって、今まで霜月さんが紅、志方さんが蒼という形でしたので、それに合わせて紅と蒼が決まったという感じです。
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▲『咲夜琉命~SAKIYA=RUMEI ArtonelicoIII hymmnos concert side. 蒼~』のジャケット | ▲『珠洲ノ宮~SUZUNO=MIYA ArtonelicoIII hymmnos concert side. 紅~』のジャケット |
土屋:クラスタニアのレーヴァテイルは、人間を嫌っているというよりは、自分たちより下の存在として見下している感じが強いです。なので、例えとしては、貴族などが使用人に服を着替えさせているような感じともいえます。自分の体を見られてもなんとも思わないというようなところでしょうか。恥などを感じる対象として認識していません。ただ、もちろんレーヴァテイルによってこの辺の温度差はあります。フィンネルのように、人間もレーヴァテイルも同じ、と思っている子にとってはやはり恥ずかしいものですし、千差万別です。
土屋:そもそも“いのちの塔”があの形で見えているのは、第1塔のSHサーバーの特性に基づいています。例えば、コンピューターのOSが変わると、人の目からの内部データの見え方、アイコンの表示方法など、アクセスするためのインターフェースが変わってきますが、それと同じ感じです。もちろん、第3塔と繋がっているレーヴァテイルのCSにも塔との境界門は存在するのですが、第3塔の世界では、CSの中でそれを明示的に表現していないだけです。これは、第3塔のSHサーバーが、第1塔の改良版であることの裏付けであり、普段“精神世界”を構築する上で邪魔(例えばルカのCSはケーキの世界ですが、明らかに塔は異質です)な“いのちの塔”を“Hidden”できるようにするのは、正当なバージョンアップではないかと思います。もちろん必要な時に、必要なプロセスによって“いのちの塔”に接触することはできます。
土屋:いません。この理由は明確です。『1』と『2』の塔では、明確な目的があってメイメイやラキたちが配置されていましたが、今作の塔は、ティリアが塔になるという形で形成されているわけですから、その中にメンテナンスロイドを後から配置するというのは、歴史的にも目的からしてもあり得ないことです。
土屋:前作のラストの後で、ココナがメタ・ファルスを出ることになった時から計画されていました。というのも、そのまま第3塔に来ただけでは、インフェル・ピラの影響圏外に出てしまうため、ココナのレーヴァテイルとしての素質が消えてしまいます。いくらココナの戦闘力が高いとはいえ、詩魔法も使えない状態で、ひとり前人未踏の地へ向かわせるのは酷だろうということで、飛空挺の技師も兼ねることでさーしゃが一緒に来たわけです。ただ、結果的には衛星はあまり稼働できず、アヤタネと対峙した時みたいな正念場で、やっと1回だけ詩魔法が使えるというような感じでした。常時連続稼働まではたどり着けなかったのです。結局それは最後までなし得られなかったのですが、その分延命剤を投与しなくても、殆ど生命力を消耗しないというよい点もありました。
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▲メタ・ファルスに浮かぶ、I.P.D.レーヴァテイル専用の詩魔法サーバー“インフェル・ピラ”。複数のモードを持つが、『2』のラストで、大陸を生成するために “モード・メタファリカ”に移行した。 |
土屋:それなりに良いお父さんでしたよ。ミュートのことは溺愛していましたしね。ただ、研究と私生活を分けて考えられるタイプでもなかったので。ミュート自体がなんとも思ってないからいいんですが、いろいろと試されてはいましたね。
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▲ミュートの父親・ラウドネス博士。アルキア研究所に所属していた。 |
土屋:フィンネルは普通のβ純血種ですね。ただし、普通のβ純血種だからこそ、サキよりも危険な状態ではありました。アルキア研究所で、アオトがサキの寿命についてラファエーレから話をされますが、サキの場合、“奇跡”の発動や、“EXEC_FLIP_ARPHAGE/.”を謳うといった、γ昇華体特有のアクションによる能動的な消耗がすべてです。あの時点では、確かにサキもテロメアを消耗しています(“奇跡”の発動をしているため)が、そこまで危険な状態ではなかったんですよ。消耗度合いでいうと、常時命を削られているフィンネルの方がよっぽど深刻な状況でした。ただし、サキが“EXEC_FLIP_ARPHAGE/.”を謳ってしまうと、フィンネルと同じか、それ以上に消耗してしまうというのは、バッドエンドで見ていただいたとおりです。普通のβ純血種が“惑星の意志”を宿していたことについては、もともとβ純血種であっても、下位に属する“惑星の意志”であれば、入らないことはないんですよ。ただ、中位に位置するスズノミアに関しては特殊な状況で、スズノミアが“惑星の意志”として忘れられていたために、その存在がわい小化していて、そのおかげでフィンネルの中に入ることができていました。ただ、いずれにしてもβ純血種の場合、γ昇華体と違い縦(周波数帯)にも横(キャパシティ)にも容量が小さいため、フィンネルの精神が小さくならなければ、ユリシカやソーマもずっと入り続けていることは不可能でした。培養時に、拒絶反応を示してSHメモリが崩壊したレーヴァテイルは、フィンネルと同期生まれで何人もいますが、フィンネルは“受け入れた”ために共存できました。しかし、それもまだSHメモリ使用域が少ない状態での話で、成長するにつれて精神力が満ちあふれ、充実した強い精神を獲得するほど、同居人は結局追い出される羽目になってしまいます。そのために、フィンネルの精神がわい小であることを維持するために、ゲームであかされたようなことをされていたわけです。
土屋:はい、公開時期は未定ですが、そのうちダウンロードできるようにしたいと思っていますので、楽しみにしていてください。
土屋:こちらも時期は未定ながら、公開予定はあります。ですので、気になる方は、今しばらくお待ちいただければと思います。
以上、いろいろとお答えいただきました! なお、アルポータル内には、“トウコウスフィア”という大人気の読者投稿型コンテンツがあります。その中の“テクニカルセンター”というコーナーでは、作中の設定や疑問について、かなりハイレベルなやりとりが交わされていますので、『アルトネリコ』の設定に惹かれた方は、ぜひ一度ご覧ください。
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※画面は開発中のものです。
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