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2011年12月16日(金)

多数の英傑が集結することのよさと大変さとは!? 『無双OROCHI2』開発者インタビュー

文:電撃オンライン

■キャラクターが密接に絡んだストーリー展開

――ストーリーに重きを置かれているということですが、これまでとは物語の毛色がかなり違うように感じました。

鈴木:オリジナルの世界観を持つシリーズなので、ユーザーを引きつけるベースがないんですよ。ストーリーをしっかりさせないと、いくら前作の評判がよくても買ってもらえないと思ったので、続編を作るにあたって「ストーリーに重点を置こう!」と最初に決めました。それをディレクターに「考えてね!」と振りました(笑)。

『無双OROCHI2』
▲中臺ディレクター

中臺:今回は創作ストーリーなので新しいことをやりたいと思い、「これまでの物を、ぶち壊してしまえ!」という意気込みで挑みました。その時に「ぶち壊した状態から始めたらおもしろいのでは?」と考え、“ほとんどの武将が倒れた状況から、過去に戻る”という要素が生まれました。……ただ、そこからが大変でしたね。整合性を取ることや、“百花繚乱の英傑ドラマ”のよさをどこに出すか、おもしろさを配置するポイントなどに苦労しました。

『無双OROCHI2』

――過去に戻るために必要な人物として“かぐや”がいますが、なぜかぐやを登場させたのですか?

中臺:かぐやという存在以前に、日本人が作る作品なので「日本で誇れるものは何か? 日本の過去に出てくる印象的なものは何か?」という命題がありました。それに対して、十二単(じゅうにひとえ)が真っ先に浮かび、「着物を着ている武将が戦ったらおもしろい」と考えて、着物を着ていても違和感のないキャラにしました。

――ビジュアルが先行して、キャラとストーリーを作るという流れだったのですね。

中臺:それと並行して、プロデューサーからストーリーに重点を置きたいとの話がありました。“過去に戻り未来を変える”という時間を扱うストーリー、その時間を象徴する月、着物を着たキャラクターという要素とがあわさり、かぐやに決まったという経緯です。

――かぐやは攻撃中に鏡が出て、レーザーのような攻撃を行いますが、これはどこから来たのでしょうか?

中臺:月からの連想で鏡が浮かび、マッチしていたので採用しました。平安時代の絵巻物に“銅鏡”がよく出てきていたというのもあります。

――オリジナルキャラはどうやって選別しているのでしょうか?

中臺:日本をバックボーンにしているキャラと、中国をバックボーンにしているキャラのバランスを考えました。他には酒呑童子、ナタ、素戔嗚(スサノオ)がいるのですが、ストーリーと密接に絡めて考えました。例えば、遠呂智という存在から、酒呑童子や素戔嗚が生まれました。ナタは仙界のキャラが欲しかったので、“戦う神様”というところから決めました。

――ナタはこれまでの『無双』シリーズにはないような、大胆なデザインだという印象を受けました。

『無双OROCHI2』

中臺:ナタは、“一度は命を落とした後、蓮(はす)で肉体を造って復活させてもらった”という伝聞があるので、この話をモチーフにデザインを考えました。他のキャラとは違うイメージにしたかったんですよ。最初はもっとゴテゴテのアームを付けたロボット人間だったんですが、見た目や戦うアクションを考えて、現在の形に落ち着きました。

――背中にも、他のキャラにはないものを背負っていますね。

中臺:三面六臂という、『封神演義』の中で改造されてしまったことを表現しています。なんとか入れられないかなと考えて、背中から角のようなものが生えた形にしました。

――酒呑童子と素戔嗚の選定理由をお願いします。

 酒呑童子は、ストーリーに深くかかわってくるキャラが欲しかったことと、酒呑童子という存在自体が魅力的であったためです。

 素戔嗚ですが、本作の“妖蛇”のモチーフとなったヤマタノオロチを退治したのが素戔嗚であったこと、キャラクターとしての役回りもマッチしていたので選定しました。

⇒引き続きオリジナルキャラについて質問!

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