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2012年3月5日(月)

次にカプコンが戦いたいお相手は? 『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』の開発陣にロングインタビュー!!

文:電撃オンライン

 カプコンから発売中のPS3/PS Vita/Xbox 360用ソフト『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』。その開発スタッフにインタビューを行った。

 本作は、今年2月に発売された3on3形式の対戦格闘ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』に、新キャラクターを追加したもの。米国の出版社・マーベルが展開するマーベルコミックのキャラクターと、カプコンのキャラクターが、新たに12体追加され、総勢50キャラによるバトルを楽しめる。

 質問に答えてくれたのは、本プロジェクトの統括プロデューサーの新妻良太さん、開発プロデューサーの門脇章人さん、ディレクターの奈良裕之さん、バトルディレクターのNeo_Gこと石澤英敏さんの4名。PS3/Xbox 360版は昨年11月17日に、PS Vita版は12月17日に発売され、しばらく時間も経過しているということもあり、ざっくばらんなお話を聞くことができた。

『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』
▲インタビューに答えてくださった4人。画像左から、Neo_Gさん、新妻さん、奈良さん、門脇さん。

 アップデートで追加された、カードデッキを組んで戦う“ヒーロー&ヘラルド”モードについてはもちろん、インタビュー後半では、「次に戦うとしたらどんな作品?」という質問も思い切ってぶつけてみた。ぜひ最後までチェックしてみてほしい。(インタビュー中は敬称略)

■PS Vitaとは相性がいいと思った

――開発はいつごろからスタートしたのでしょうか。

新妻:まず、前作の『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』と一緒に作っていたわけではないんです。『マヴカプ3』の評価があっての『Uマブカプ3』なので。時期的には、前作が終わってすぐですね。ダウンロードコンテンツとして作っていたものを合わせて、さらに新しいものを作って、今の形にしていこうと決まったのは。まぁある意味、進めていきながらだったんですが。

門脇:チームとしては、やれるかどうかは別にして、もう次をやりたい気持ちが固まっていたので、奈良や石澤は次のことを考えて検証などをやっていた時間が結構長かったです。

――開発が決まった段階で、PS Vitaでの開発も決まっていたんですか?

新妻:少し違いますね。社内の技術研究チームがPS Vitaを検証していたんですが、ローンチタイトルを何にしようかとなった時に、本作のコンソール版の発売タイミングとPS Vitaの発売タイミングが合うので、会社から「PS Vitaもやったら?」と言われたんです。当時PS Vitaのグラフィック面やタッチ操作などを見て、とても魅力的なハードだったので、ぜひと思いました。PS Vitaの有機ELと、原色ギラギラな本作の色使いがすごくマッチしているなと感じたんです。

門脇:『VS.』シリーズのローンチタイトルは初なので、PRになるんじゃないかなと思いましたね。

――1機種増えるとなると、相応の苦労もあったのでは?

奈良:想定はしていなかったので、かなり大変でした。

門脇:一番大変だったのは、グラフィック面ですね。コンソール版とまったく同じデータを使っているわけではないのですが、有機ELに合うサイズに作り直して同じに見えるように調整しています。あとは、初めてのハードということで、プログラム面でも苦労しました。

――操作面での苦労はありませんでしたか?

Neo_G:PS Vitaは操作しやすいので、そのぶん得をしたかなと思います。タッチパネルなどもありますし。バランスなどを調整することもなく、ほぼそのまま行けました。サイズや当たり判定の部分も、ほぼ補間できるものになったので、その部分に苦労はありませんでしたね。タッチパネルやアルティメットコントローラ(※PS Vitaを使い、PS3版を操作できる機能)のアイデアを入れることで、どうなるかというチェックが多かったと思います。

『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』 『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』
『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』 『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』
▲タッチ操作や“near”でのギフト交換など、PS Vitaならではの機能が盛り込まれている。

門脇:基本まったく一緒なので、あとは見え方の調整だけでしたね。

新妻:話は変わってしまいますが、僕は立場的に会社から言われたことを現場に下ろす役割でもあるので、彼らよりはもう少し会社寄りなんです。最初にチームに伝えたのは、“ローンチに間に合わせること”と“60フレームで動かすこと”を死守することでした。どれだけコンテンツを増やしても、60フレームで動いていないと「やっぱり携帯機じゃん」と言われてしまうので。あのキレイな画質で60フレームで動く格闘ゲームを、まずカプコンとして作ろうということですね。

門脇:あのグラフィックは、ローンチタイトルの中でも最高に値するものじゃないかなと思いますね。

新妻:キレイに作ったのはもちろんなんですが、相性ってやっぱりあるなと感じました。東京ゲームショウ2011に出展した時、お客さんの反応がわりと「思ったよりすごいぞ」、「いいぞ」というものだったんです。それでほっとしました。あの時は、製品版に比べたら色味がかなり暗かったので、これはいけるなと思いましたね。

門脇:グラフィックは東京ゲームショウバージョンと比べると劇的によくなっているんです。

→なかなかOKが出なかったドクター・ストレンジ(2ページ目へ)

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データ

▼『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』ダウンロード版
■メーカー:カプコン
■対応機種:PS Vita
■ジャンル:FTG
■発売日:2011年12月17日
■価格:4,300円(税込)

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