2012年6月18日(月)
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『重鉄騎』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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6月21日に発売されるXbox 360用ソフト『重鉄騎』。その特集記事第2回では、本作のイメージトレーラーを手掛けた押井守監督と本作のプロデューサー・片岡謙治氏のインタビューをお届けしていく。
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▲押井監督(写真左)と片岡プロデューサー(写真右)。 |
『重鉄騎』は、2002年にXboxで発売された『鉄騎』の流れを継いだ新作タイトル。カプコンのKinect参入タイトル第1弾で、フロム・ソフトウェアが開発を担当。コントローラとKinect センサーを使って操作するという、今までにない臨場感を実現している。
アニメ監督・演出家として名高い押井守監督が、ポーランドで撮影したというイメージトレーラー。はたしてどのようなテーマでこのトレーラーは撮影されたのか? なお、本日より公式サイトでトレーラーが公開されているので、まだ見ていない人はインタビューとあわせてご覧いただきたい!
――まずは、『重鉄騎』という作品の第一印象を聞かせていただけますか?
押井:「とうとうこういうモノができたか!」っていう感じ。『重鉄騎』に出てくる鉄騎を、現実にある戦車を二足歩行兵器にしたものだと考えると、いわゆる戦車モノのゲームって意外にあるようでないですよね。客観的に戦車を動かすんじゃなくて、コクピットの中というか、砲塔(※戦車の操縦室部分)の中がメインっていうのはね。戦車の強さって、内と外との比較の話なんですよ。そういうことを考える人がいるんだと思うと、えらい楽しみです。
――今回のトレーラーについてお聞きします。トレーラーのテーマはなんですか?
押井:言ってみれば“鉄騎のリアリズム”。鉄騎や戦車のような兵器の中が、いかにせま苦しくて息づまる密閉空間なのかという点ですよね。ゲームのほうでも表現されていることなんですけど、映画的な表現のほうが密閉空間の魅力――要するに、戦車のリアリズムを引き出せると思うんです。ドカンとぶっ放すとか、そういうことじゃないリアリズムかな。
それと“いかに戦闘シーンを演出するか”もあるんだけど、これはいつもと同じですね。むしろ、このトレーラー独自のテーマということなら、それは“コクピットの中の描写”です。
――そのテーマを選んだ理由を教えていただけますか?
押井:とにかく、尺が短いんですよ(笑)。1つのテーマしか盛り込みようがないから、とにかく砲塔内部の空間を描こうと。そのリアルさ、魅力みたいなものを目指したんです。
――片岡さんにもお聞きします。今回、どういう経緯で押井監督に『重鉄騎』のトレーラーを制作してもらうことになったのですか?
片岡:僕らが作る映像って、どうしてもゲーム寄りになってしまうんですよ。ゲームの紹介とか、ゲームの魅力とか、見てくれる人に「こんなゲームだぞ」って伝えようとしすぎてしまうんですね。
本作では、“戦場のリアリズム”――「死んでしまうかもしれない!」と感じてもらえるような作品を作りたかったので、それをテーマにして考えていた時に、もっと違うアプローチの仕方があるんじゃないか? と思ったんです。いろいろな方に相談した結果「押井監督が興味を持っているよ」と連絡をいただいたので、その時公開できる資料を持ってすぐ会いに行きました。その時は、お断りされるのでは……という気持ちのほうが強かったですね(笑)。
――片岡さんはこんな心境だったようですけど、イメージトレーラーのオファーを聞いた時、押井監督はどうお考えになりましたか?
押井:わりとすぐ「やろう」と思いましたけどね。基本的に、戦車を撮影する機会は逃したくないんですよ(笑)。真っ先に思ったのは「これをやれば、またポーランドに行ける!」っていうこと。
――なぜポーランドだったのか聞かせていただけますか?
押井:戦車を魅力的に撮れる場所って、そんなにないんですよ。その点でも、僕の中ではポーランドありきでした。東欧圏の戦車の雰囲気が『重鉄騎』の世界観にマッチしているだろうというイメージがあったんです。
あとは予算とスケジュールが合うかという現実的な話もありました。基本的に予算はあればあるほど絵はリッチになりますから。ただ、やることを前提にしていたので、予算を増やすかどうかよりも自然とテーマを絞り込む方向になりました。
僕は、戦車を撮影したり、戦車に乗れたりするのであれば、あらかたのことは我慢できるんですよ(笑)。もし「車のゲームなんですけど」って言われても、たぶん「できません」って返すと思います。車には興味ありませんから。戦車は興味ありまくりなんですけどね。
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