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2012年11月12日(月)

日本人にもよくわかる“インディペンデンス・デイ”の始まり──『アサシン クリードIII』の舞台となるアメリカ独立戦争の開幕と戦いの推移

文:イトヤン

■ボストンの港が紅茶まみれに! ~ボストン茶会事件~

 1773年には、独立戦争の引き金となるもう1つの事件が、再びボストンの街で起こります。こちらの原因は、アジアとイギリス本国との貿易を独占する東インド会社の経済的苦境でした。

 イギリス政府は東インド会社の利益向上のため、植民地に輸入される紅茶の貿易を東インド会社に独占させて、その他の商人による密輸を厳格に取り締まる“茶法”を制定しました。ところが植民地の商人たちは、この紅茶の密貿易で大きな利益を得ていたのです。自分たちの利益に直接影響する“茶法”に対して、植民地の人々はこれまで以上に強く反対運動を繰り広げました。

『アサシン クリードIII』
▲サミュアル・アダムズが立てた作戦に疑問を感じつつも、反対運動に手を貸すことにするコナーですが……。

 1773年12月16日、サミュアル・アダムズを中心とするボストンの急進派市民たちは、ボストン港に停泊していた東インド会社の貿易船に襲い、積み荷の茶箱を300個以上、海の中に投げ込みました。この実力行使は、ボストン港をティーポットにした“ティーパーティ”、つまりお茶会だという意味で、今では“ボストン茶会事件”と皮肉っぽい名前で呼ばれています。

『アサシン クリードIII』
▲サミュエル・アダムズをはじめとするボストンの愛国急進派は、“自由の息子たち=サンズ・オブ・リバティ”と名乗って東インド会社の商船を襲撃しました。

 この事件に激怒したイギリス議会は、翌1774年、ボストン港を封鎖してボストンのあるマサチューセッツ植民地をイギリスが直接統治するといった法律を制定して、植民地に対する弾圧をさらに強めます。

 これに対して、北アメリカにある13の植民地のうち、新興のジョージアを除く12の植民地は、フィラデルフィアの街で“大陸会議”を開催し、イギリスとの貿易をボイコットするなど、植民地が一体となってイギリスに対抗することを決めたのです。

 ちなみに、“茶法”をきっかけとするイギリス製品のボイコットによって、紅茶の輸入量が激減したアメリカでは、代わってコーヒーが急速に普及することになりました。

→アメリカ独立戦争の幕開け“レキシントン・コンコードの戦い”(3ページ目)

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