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2012年11月12日(月)

日本人にもよくわかる“インディペンデンス・デイ”の始まり──『アサシン クリードIII』の舞台となるアメリカ独立戦争の開幕と戦いの推移

文:イトヤン

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■長きにわたる戦争がついに決着! ~チェサピーク湾の海戦~

 1781年の春、イギリス軍は海上輸送を使ってチェサピーク湾沿岸に部隊を送り込み、バージニア地方を攻撃していました。これに対して大陸軍のワシントン総司令官は、義勇軍として大陸軍に参加していたフランス貴族のラファイエットをバージニアに送り、防衛戦にあたらせます。南部でイギリス軍を率いていたコーンウォリスがバージニアへ向かったのは、ちょうどそのころでした。

 バージニアにやってきたコーンウォリスは、まずラファイエットの大陸軍を捕捉しようとしますが、戦力で劣るラファイエットは決戦を避け続けます。やがて1781年の夏になり、コーンウォリスはクリントン総司令官からバージニア半島に海軍基地を建設せよという命令を受け取ります。1781年8月、コーンウォリスはバージニア半島の中ほどにあるヨークタウンに上陸し、海軍基地の建設を開始しました。ラファイエットが半島の出口を塞ぐ一方で、ド・グラス提督の率いるフランス艦隊は海路から、ワシントン総司令官の大陸軍とロシャンボー伯爵が率いるフランス軍の連合部隊は陸路から、それぞれヨークタウンを目指しました。

『アサシン クリードIII』
▲フランス艦隊を指揮するド・グラス提督。コナーは彼の指揮下で海戦に参加することになります。

 1781年9月5日、ド・グラス提督のフランス艦隊は、コーンウォリスに送る増援を乗せたイギリス艦隊と“チェサピーク湾の海戦”を繰り広げます。この海戦自体は決着がつかなかったものの、イギリス艦隊はコーンウォリスに増援を送り届けることができなくなりました。この結果、大陸軍とフランス軍の連合軍にヨークタウンを包囲されたコーンウォリスのイギリス軍は10月17日に降伏しました。

『アサシン クリードIII』
▲チェサピーク湾の海戦と、それに続くヨークタウンの戦いは、アメリカ独立を決定づけるものとなりました。正式な終戦まではこのあと約2年ほどかかるのですが、実際の戦闘は1782年の夏までにはほぼ終わっていました。

 ヨークタウンの戦いでの敗戦以降、ロンドンでは戦争に対する意欲が急速に失われていきます。そして1783年9月3日、パリ条約によってイギリスは、アメリカの独立を正式に認めることとなります。独立戦争を戦った13の植民地は、1787年にアメリカ合衆国憲法を制定。1789年に行われた初の大統領選挙で、100%の得票によって初代アメリカ合衆国大統領に選ばれたのは、独立戦争の間、ずっと大陸軍の総司令官を務めていたジョージ・ワシントンでした。


 今回は少々長めの記事になりましたが、アメリカ独立戦争の壮大さを感じてもらえたでしょうか? 次回は、アメリカ独立戦争での偉人たちにまつわるエピソードを紹介していきます。もちろん、実際にゲーム中にも登場する人物たちの話も出てきますよ!

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