2013年4月12日(金)
――『ディスガイア』シリーズは“なんでもあり”ということもあって、毎回話の展開が見えない感じがおもしろいと思っているんですが、ストーリーのアイデアというのはどなたが考えられているのでしょうか?
小酒井:今までのタイトルだと新川なんですが、今回は別のタイトルをやっていた人間がメインで動いています。ただ、今までの『ディスガイア』シリーズの雰囲気を壊したくないということで、新川とも綿密な話し合いが行われました。
松田:シナリオスタッフと新川の間で話し合いがあった後に、スタッフがシナリオをガーッと書き、それを新川がチェックするというスタイルでしたね。何度もリテイクを繰り返していたので、闇の中に埋もれたアイデアも大量にあるのではないかと思います。
新川:今回シナリオを担当した井上恵一は、これまでも『ディスガイア』シリーズの追加シナリオなどを手掛けてきたので、基本的なノリやキャラクターの扱い方は熟知しており、安心できました。
『ディスガイア』シリーズのストーリーは、ちゃんとしたメーカーさんなら絶対にやらないようなアホなことを平気で堂々とやるのが信条です。どこまでアホになれるか、どこまでハッチャケられるかが重要なポイント。私の場合は、酒を飲みながらアイデアを出すことが多いです。飲めば飲むほど強くなります(笑)。
――なるほど(笑)。今後、『魔界戦記ディスガイア2』以降のナンバリングタイトルの続編が作られる可能性というのはあるのでしょうか?
小酒井:今回の『ディスガイア D2』の評判や売れ行き次第ではありますが、今後もやっていきたいとは思っています。
――『ディスガイア D2』を制作するうえで手ごたえを感じた部分と、逆に苦心した部分をそれぞれお聞かせください。
松田:開発過程で変更していった部分プラス、新しい要素が多々あったので、最終的に完成が近づくまで「どうかな?」といった不安がありました。でもテストプレイで、「このボス強い」とか「このキャラクターが好き」とか「新規の要素を使うと効率いいね」といった話が活発に出ているのを見て、これでよかったんだと手ごたえを感じましたね。苦労した部分は、デバッグ作業です。再現できないトラブルがいくつもあって、期間中に終わるだろうかとヒヤヒヤしました。
小酒井:私の場合は、前作のイメージがある中で、どのように『ディスガイア D2』ならではのカラーを出していくかといった点に苦労しました。苦心の末に出てきたのが、“アクマコネクト”とそれに付随するシステムです。完成したものを見てみると予想以上におもしろかったので、手ごたえを感じましたね。
――今回、第1作目にもかかわったスタッフというのは、どれくらいいたのでしょうか?
小酒井:今回は第1作とはまったく別のスタッフになっています。イラストの原田たけひとさんと音楽の佐藤天平さん、そして新川以外は、ほぼ新しいメンバーだったのではないかと思います。
――『ディスガイア』シリーズらしさをどう残していくか、また変えていくかが1つの焦点になったのではないかと思うのですが、その辺りはどのように決めていったのでしょうか?
松田:新川と話し合って決めていきました。例えば、「レベル9,999は桁が多すぎなのではないか?」とか、「ドタバタしたストーリー展開はどうなのか?」とか、「おかしなアイテムとその説明文はアリなのか?」など、さまざまな観点で話し合いを行いました。
――システム面で大きく変わった点として、育成が楽になったことが挙げられると思うんですが、このようなバランスにした理由をお聞かせください。
松田:今までの『ディスガイア』シリーズだと、ストーリークリアまでは育成は控えめで、クリアした途端に超育成の道が開けるといった感じでしたが、クリアまでいくかいかないかといったユーザーもたくさんいると思うんです。クリアまでの間に『ディスガイア』らしさ、育成の楽しさというのを味わってもらいたいと思っていたので、今回はその辺りを意識した作りを心掛けてみました。
――1周目からどんどん育成できるとなると、ゲームバランスの調整が難しかったのではないですか?
松田:そこはもうユーザーの皆さんしだいという形になっています。新しい育成要素を活用して楽しむもよし、使わずに従来のような方向で遊ぶのもよし、だと思います。とは言え、バランス崩壊を起こすような設定にならないよう、気をつかってはいますが。
――具体的に、バランス調整で苦労された点などがありましたら教えてください。
松田:アイテム海ですね。開発当初は「10海層潜っただけでものすごく強化されてしまい、後はクリアまで何もしなくていい」みたいなバランスだったので、控えめにしたというのがあります。
――攻撃と回復のバランス、武器の強さなど、松田さんのほうで意図的にバランスを変えた部分はありましたか?
松田:今までだと技が強すぎて、通常攻撃や連係といった基礎的なシステムが生きてこないところがあったので、通常攻撃を生かす形での調整を行いました。拳系の武器は連係技が出やすくなるとか、敵を側面ないしは背後から攻撃するとダメージが上がるなど、細かい面まで全体的に直しています。
――わりと基礎的な部分に手を入れられた感じですか?
松田:そうですね、ダメージ計算式にも手を入れていますし。そういう意味では、今までのシリーズの流れから比べて、だいぶ印象が変わったと感じると思います。
→新システムを使ったテクニックや
オススメキャラクターの話もチラリ!(4ページ目へ)
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※画面は開発中のもの。
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