2013年6月20日(木)
――開発中に苦労した部分はどこでしたか。お話を聞いていると、苦労だらけだったような気もしますが(笑)。
友野:物量的に「終わるわけないだろう!」と思ったことは多々ありましたね(苦笑)。
PSP版にはなかった仕様を上乗せする形で、システムやテキストをどんどん拡張していく無茶な作り方をしたので、本当に大変でした。ただ、そうやって3DS版ならではの要素を充実させていくことで、単なる移植ではない形に仕上がったのは間違いないと思います。だから、必要なことでしたし、満足もしています。
羽生:一番大変だったのは、最初にお話しした“『デジモンワールド』らしさ”を再現する部分でした。本当に独特なセンスを持つゲームなので、その部分を今風に再構築するのは難しかったです。
その他で印象に残っている苦労談というと、登場デジモンの種類がめちゃくちゃ多かったことです。普通のRPGの場合、敵キャラは50体もいればゲームが成立するんですよ。その50体を色分けすることでもバリエーションを増やせますし。
でも、デジモンの場合は1体1体に個性があって、体形も違えばポーズもアクションも異なります。獣型もいれば、人型もいます。モデルの流用がきかないのはもちろん、何かアクションをさせる際のモーションも、それぞれのデジモン用に作らないといけないので、本当にラクができないんです。同じ人型であっても、体形などが違うから、結局1体1体作らないといけないわけですから。
友野:普通のRPGと比べて、デジモンのキャラ作りは4~5倍くらいの労力がかかりますからね。
羽生:限りある時間や予算をどこに割くべきか、悩む部分なんですよね。デジモンの種類もアクションも増やしたいですが、どちらかを選ばなければいけない場面も多いので(苦笑)。
本当は、エサを食べる時の独自のモーションも作りたいし、バトル中の攻撃モーションももっと増やしたいですが、そうすると登場デジモンの種類を減らさないといけない……。
友野:バトル中のモーションのかわりと言ってはなんですが、技の種類についてはかなり増やしました。効果のバリエーションを増やしたり、エフェクトを工夫したりと、PSP版よりも楽しく遊べるようになっているので、こちらについてはご期待ください。
――それでは最後に、本作に期待するファンへのメッセージをお願いします。
友野:できることは全部やりました。あとはもう、皆さんに遊んでいただいて、フィードバックがあればそれを意識しつつ、『デジモン』のゲームというコンテンツをよりおもしろく、より盛り上げていきたいと思います。
羽生:15周年という節目の年に、約13年ぶりに復活した『デジモンワールド』ですが、この3DS版で一旦の区切りとなります。15周年の最後を飾る集大成的な作品となりますので、ぜひたくさんの方に遊んでいただけるとうれしいです。
初期のデジモンから最近のデジモンまで、さまざまな世代を代表するデジモンを登場させてますので、ぜひご期待ください。
ゲームに限らず、今回のデジモン15周年プロジェクトとして、フィギュアやカードゲーム、Tシャツなど、さまざまな記念グッズが発売されています。今後もシリーズを続けていけるように、ぜひファンの方と一緒に『デジモン』を盛り上げていけるとうれしいですね。
▲インタビュー中に羽生さんが着ていたのは、デジモン15周年記念で新発売される“15周年Tシャツ”。渡辺けんじ氏描き下ろしのベルゼブモンとベル子がデザインされており、2013年夏にプレミアムバンダイ他から発売される予定。 |
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