2016年1月29日(金)
【電撃の旅団冒険録】『FF14』のダンジョンから見る世界観、第9弾は“聖モシャーヌ植物園”
『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』のダンジョンにまつわるさまざまな要素を掘り下げて、ハイデリン世界の裏設定に迫る企画第9弾! 今回はパッチ3.1で実装されたダンジョン “草木庭園 聖モシャーヌ植物園”を題材に、本作の”植物”について細かく取り上げていきましょう。
※本記事にはネタバレ要素も含まれます。まだ『蒼天のイシュガルド』のメインストーリーを終えていない方はご注意ください
新たな産業の“種”を求めて、かつての植物園へ
各地から新たな冒険者や職人などが訪れ、日々賑わいを増していくイディルシャイア。開拓最前線、今まさに“集落”から“街”へと変貌を遂げつつある雰囲気のこの街で、冒険者は“ソーニー”という人物から新たな依頼を受けることになります。見事な金アフロが特徴の依頼者・ソーニーの目的は、モシャーヌ植物園に眠る“お宝”。安全に園内を探索できるように魔物たちを駆逐してくれ……というのが彼の願いです。
というわけで、陽光にアフロが輝く彼の願いを叶えるため、冒険者は多種多様の植物が自生し魔境と化した植物園へと足を踏み入れるのでした。
濃密な緑に満ちた植物の楽園
モシャーヌ植物園は大まかに3区画に分かれており、それぞれで雰囲気が大きく異なります。冒険者がまず立ち入るのは、ヤシや蓮に似た形状の単子葉植物が並ぶ熱帯展示室。名前のとおり密生したジャングルのような雰囲気を醸し出すこの区画には、モルボルやオチューをはじめとする植物と、おそらく花粉を運ぶ役割を持つのであろうコリブリなどが登場します。
最も印象深いのは、まりもに似た丸い体にピンと葉が伸びた外見のコロポックル。はたしてどんな生き物なのか非常に気になるところですが、ここで手に入るミニオン“コロコロポックル”の説明文を見る限り、原産地は極東の“ひんがしの国”とのこと。ならばまさかその葉はちょんまげを模している……わけはないでしょうが、現地の生物環境を想像すると非常に興味深いものがあります。
巨大な植物ローズ・ガーデンを下して先へ進むと、乾燥帯の展示室へと入ります。ここに出現する生物は、アント属やヴェスパ属、スウォーム属などの昆虫が主。途中からは濃厚な蜂蜜がしたたるまさに“蜂の巣”の内部を進み、最奥には巨大な女王蜂が配下を従えて道をふさいでいます。
ここに現れるハチたちはエオルゼアで通常見られるヴェスパ属と比べてかなり大きいですが、もともとそういった種なのか、シャーレアンの民による学術研究の一環としてとくに生命力旺盛な種が作られていたのか、それとも第七霊災のせいで突然変異的な種が生まれたのか、考えてみると気になる点が多くあります。
ちなみに、探検手帳の情報によるとこの植物園が放棄されたのはシャーレアンの“大撤収”時のはずですので約15年前。となると、この巨大蜂たちはたった15年程度でこのような巨大なコロニーを作り上げたということになりますね。
女王蜂を下した先は長大な縦穴につながっており、モシャーヌ植物園の地下1Fへと続いています。この区画はこれまでの上層の構造とは大きく異なるようですが、聖モシャーヌの研究窟という名称を鑑みるに、はたしてこの区画がもともと一般に公開されていたものなのかどうかは疑問です。密やかに植物の研究を進めるための地下空間……表の植物園はそのカムフラージュ……といった雰囲気でしょうか。
それを裏付けるかどうかは別として、ここに存在する植物は、ほかの生物に寄生して操ったり、植物そのものが人の姿を模していたり……といった、より奇妙で、危険なものが多い印象。とくにグリズリーが植物の宿主となったグリズリーホストは一見するとコミカルですが、目や口などをよく見てみると……ホラー。
なお、最奥のボス・ベラドンナは、元来、イディルシャイアのさらに北側に広がる“オーン原生林”に自生する植物であるとのこと。花弁を獣の姿に擬態させて獲物をおびき寄せる性質を持っていることと、人の姿に似せた花弁を持っていることを総合すると、この個体は人を養分として捕食していたものと察せられます。
まぁ、冒険者も思い切り襲われてますしね。ベラドンナがもともとこの研究室で研究用に飼育されていたのか、どこからか紛れ込んできたのか、人が去ってからの5年、何を養分としていたのか……といった詳細はやはり気になります。
というところで、今回は主にエオルゼアにおける植物の生態について質問してみました。
モシャーヌ植物園に見る、エオルゼアの植物の多様性
――このダンジョンを作る際の方向性、コンセプトを教えてください
そのものズバリの“植物園”がコンセプトになります。ただそれだけでは、代わり映えがしなくなりますので、熱帯エリア、乾燥地帯エリア、大樹の根元にある研究室という区切りをつけて、方向性を固めていきました。
――この地に生息する新たな見た目の生物たちについて、生態的な特徴をぜひ教えてください
・ローズ・ガーデン(モルボルの亜種といったものでしょうか?)
品種改良されたモルボルです。”くさい息”による汚染が問題となっていたため、甘くさわやかな息を吐く品種を創り出し、野に放つことで、既存のモルボルを駆逐しようという研究の一環だったようです。まぁ、成功までの道のりは、まだ遠い段階だったようですが……。
・蜂の巣の付近の虫たち(もともとこの植物園で飼育されていたものでしょうか? どこかから入ってきた外来種でしょうか?)
元々、飼育されていたものです。植物を育てるには、受粉を助ける虫の存在が欠かせませんので。
・クイーンホーク(ほかと異なる容姿を持っていますが、どういった生態をしているのでしょう? いわゆるハチの女王のようにフェロモンで配下を操ったりしているのでしょうか)
女王蜂ですね。ご指摘のように、フェロモンで配下を操ります。”タランチュラホーク”の名は、オオベッコウバチの英名から取ったものになっています。
・ナルブルーイ(自律浮遊していて人を襲うといった点で特徴的ですが、どういった種類の生物でしょうか?)
体内にガスを溜めて浮遊し、動物や虫の類いを捕らえて養分を吸う、一種の食獣・中植物です。
・グリズリーホスト(エオルゼアにおいて、生物に寄生する植物というのはあまり多くないイメージだったのですが、生態についてぜひ詳しく教えてください)
動物に寄生し、脳に何らかの物質を送り込んで、行動を支配する恐ろしい生物です。危険な植物であるため、植物園を放棄する際に、焼却処分されたはずでしたが、どこかに種子が残っていたようですね。
・ビロコ(植物の葉が体を覆っているように見えますが、これも何かに寄生しているのでしょうか?)
ツタと根を束ねた器官を、手足のように使う移動性の植物になります。
――聖モシャーヌ植物園がもともとどういった場所だったのかを教えてください(シャーレアンの学士たちが植物研究に集う場所だったといった認識でよろしいでしょうか?)
低地ドラヴァニアに存在していたシャーレアンは、シャーレアン本国の人々が、”エオルゼアの知識を集める”目的で建設した植民都市です。したがって、植物園でもエオルゼア全域から、あらゆる植物を集めることを目的としていました(その中には、エオルゼアの都市国家が他地域から持ち込んだ品種も含まれます)。そして、集めた植物の生態、利用法や危険性などを研究していたのです。品種改良によって、有益な植物を生み出すことも、その一環となります。
――ひんがしの国やオーン原生林のほか、エオルゼアのどんな地域から植物を集めてきているのでしょう?
彼らシャーレアンの学士が行ける場所であれば、どこまでも!
――聖モシャーヌの研究窟は、もともと一般に公開されていたところなのでしょうか? それとも、モシャーヌ個人の隠れた研究の場だったのでしょうか?
一階にある展示室は、一般公開されていました。
――“聖モシャーヌ”という人物について教えてください。もともとどんな功績で聖人に列せられたのでしょう?
シャーレアンの守護神でもある知神サリャクの聖人に列せられた過去の偉人です。薬草学の権威で、さまざまな植物の薬効を解明し、多くの人々の命を救ったとされています。
――植物園の中央にそびえる超巨大な樹木はどういった種類の木なのでしょうか?
シャーレアン人がやってくる前から、低地ドラヴァニアに存在していた古木です。この樹木が、これほど巨大になるまで成長した要因を確かめることも、植物園の使命でありました。そのため、根や幹から樹液などを採取するために、地下に研究場を設けていたのです。
――そもそもハイデリン世界において、自律行動する植物というのはどのあたりの時代に生まれたものなのでしょう?(自然に生まれたものなのか、例えば妖異的なものが紛れ込んでいたのか……など、可能でしたらぜひ教えてください)
自然の産物もあれば、魔法によりねじ曲げられたものや、アラグによる品種改良、妖異に取り付かれたものなど、実にさまざまです。
奴の息はさわやか(なりかけ)だった……!
というのが個人的に最大の衝撃ですが、それはさておき、ひんがしの国やオーン原生林などの植生については今後冒険者の活動範囲が広がった際に、もしかしたら深く知る機会があるのやもしれませんね。
無糖党さんの漫画! Vol.605、606掲載作品をお届け!
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