2016年6月23日(木)
『MHF-G』G10アップデートの反響は!? スラッシュアックスFの評価や新スタイル、遷悠種ナルガクルガに迫る
カプコンがサービス中のオンラインハンティングアクション『モンスターハンター フロンティアG』。4月21日に実施された大型アップデート“G10”についての開発者へのインタビューを掲載する。
サービス開始から9周年を間近に控えた『MHF-G』。新武器種スラッシュアックスFの追加、G級までのランクシステムのリファインなど、盛りだくさんなG10アップデートを経て、さらなる盛り上がりを見せている。
そのアップデート内容や今後の展開について、運営ディレクターの今村謙介さんにうかがった。武器調整の内容やモンスターについても迫っているので、ぜひご覧いただきたい。
今村さんが理想とする『MHF-G』とは?
――まず本作の運営ディレクターとしての役割と、これまでの経緯について教えてください。
毎週行っているイベントやクエストをどのような形で配信していくかの選定、そして実際ゲームにどういった要素を入れてユーザーさんに楽しんでもらうかを、開発ディレクターと相談しながら詰めていくこと。これが運営ディレクターとしての、主な仕事になります。
――その際にユーザーの意見を取り入れることはあるのですか?
もちろんあります。ユーザーさんからの意見や反応を加味しつつ、どのようなリファインや新要素を入れていこうか、チーム内で相談します。
――4月に実施された先行体験会では『モンスターハンター』のナンバリングタイトルに関わっていたとお話されていました。どのタイトルに関わっていたのでしょうか?
『モンスターハンターポータブル』、『モンスターハンターポータブル 2nd』、『モンスターハンターポータブル 2nd G』、『モンスターハンター3(トライ)』、『モンスターハンターポータブル 3rd』に関わっていました。
最初の仕事は『モンスターハンターポータブル』のココット農場を作ったことですね。多く行った作業はモンスターを作ることで、その次は武器防具のデータ周り。他にもいろいろな作業に携わっていました。
――“今村運営DセレクトのG級防具プレゼント”という今までなかった配布をされましたが、これはどういった意図で実施されたのでしょうか?
『MHF-G』で働きだしたのが去年からで、それまで本作をがっつりはプレイしていませんでした。改めて自分でプレイしていく中で、長く続いているゲームということもあり、途中途中で厳しいポイントがあると感じました。そこをフォローしたいという思いで配布させていただきました。
――好きなモンスターはいますか?
本作で特に好きなのはタイクンザムザです。あれだけ岩が身体からボロボロと落ちていく表現は、携帯機にはできなかったこと。表現としてだけでなく、モンスターの生態としても気にいっています。
▲全身に岩が付着した甲殻種のタイクンザムザ。攻撃を加えていくと真の姿が現れる。 |
――携帯機でできなかった表現に、今挑戦していると。
そうですね。それが本作の強みの1つだと感じています。僕が作ってきたモンスターにも、これまでできなかった表現も積極的に入れていきたいですね。その1つが遷悠種として登場したナルガクルガで、残像を発生させるアクションというこれまでにない表現を入れてみました。
――開発されている中で、コンシューマ版とオンライン版の違いについては、どう感じていますか?
コンシューマゲームは作ったら基本的には終わりで、あとはユーザーさんの意見を見守ることしかできません。出てきた意見を見て反省をして、それらを次の作品に反映させていくのが基本です。
一方、オンラインゲームだと世に出した瞬間から反応が出て、さらにこちらはそれに対して修正が可能。ユーザーさんの意見込みでゲームを現在進行形で改良できるのが強みだと考えています。具体的にはスラッシュアックスFはユーザーさんの反応を見て、フィードバックしていきます。
――すぐに対応できるのはユーザーとしてはうれしいのですが、その反面、運営・開発する側からすると大変なことでは?
それは確かに大変なところですね(笑)。ただ、なぜ自分がゲームを作っているかというとユーザーさんに楽しんでもらうためです。最初のシリーズは少人数でヒィヒィ言いながら作業していたことをいまだに覚えています。
大変だったのですが、想像以上にセールスがよく、街中でマルチプレイを楽しんでいる姿を何度も見かけました。その様子を見て、自分がゲームを作ってきた理由を改めて認識したんです。それをオンラインゲームならではの形として提供できればと思っています。
――4月にはユーザーとふれあう最初の機会、先行体験会が行われました。こちらの感想をお聞かせください。
▲先行体験会時の様子。 |
スラッシュアックスFを試行錯誤しながら使っている姿や、グァンゾルムが連れてくるエギュラスに連れていかれる様子が印象的でした。こういった場は今後も作っていきたいと思っています。あとは、ユーザーさんの熱意をヒシヒシと感じました。
――オンラインゲームのプレイヤーは本当にそのタイトルが好きな人が多いので、独特な雰囲気があると感じますね。
そうですね。本作に対する愛はしっかり感じました。本当に好きでプレイしてくれているのだと。会場を歩いていたら、ユーザーさんから質問、要望をものすごくいただきました。プレッシャーはすごかったですね……少しずつ追いつめられているような(笑)。
――これまでイベントに参加されていない今村さんに対して、あの場ですぐに接してくることに驚きました。
あとからイベントスタッフに聞いたところ、今までのイベントでは見かけなかった光景だと言っていましたね。ユーザーさんが手に持っていた手帳には質問リストがあって、そこに僕の答えが次々と書かれていて、ドキドキしました(笑)。
――今村さんが就任されてからの出来事として、ロールバックの発生についてお聞きします。こちらの原因についてお聞かせください。
まずはユーザーさんに対して深くお詫びいたします。大変申し訳ありませんでした。起こった状況としては、サーバー機器を定期的に交換する必要があるのですが、それを新しいものに交換した時にトラブルが発生しました。
新しいサーバー機器に交換する際、よりよくするための機能を追加したのですが、大人数で動かした時に予想以上の負荷が発生したことが原因と考えています。
――現在は安定している状況ですね。
はい、安定しています。交換に関しては、もう一度新しい機器の調査やテストを入念に行い、安全性を担保した状態で実施していきます。サーバーの状況はその後つねに監視していますが、トラブルが発生した3月17日以降はトラブルは発生していません。
新しい狩猟体験を目標に作られたスラッシュアックスF
――スラッシュアックスFの反響についてお聞かせください。
今までと違った狩猟が楽しめる、という声が多いですね。ナンバリングのスラッシュアックスとも、『MHF-G』既存の武器種とも違うアクションを体験できるという評価をいただいています。
▲斧と剣という2つのモードを切り替えることができるスラッシュアックスF。 |
――2年前の“GG”(ダブルジー)アップデートで追加された穿龍棍(せんりゅうこん)がすごく強く、多くのユーザーが使っていました。それに対し、今回実施されたスラッシュアックスFは他の武器種とのバランスを考えた性能になっていると感じました。
僕自身が目指している『MHF-G』として、4人のハンターが好きな武器を持ってクエストに挑戦できる、というものがあります。穿龍棍が強かったのは事実ですし、現在も使用率は高めです。
その中でいろいろな武器種を強化することでバランスをとり、いろいろな武器を使える環境を提供していきたいと考えています。その一環としてスラッシュアックスFの性能もこの形に落ち着きました。
――武器種間のバランスは予定通りだったと。
そうですね。
――各スタイルの使用率はどうなっていますか?
天ノ型が一番多いですね。地ノ型はナンバリングをプレイしている人が使っている印象です。嵐ノ型は“ガード吸収”でスラッシュゲージを溜めるという特殊性から、使いこなすのにハードルがあります。ただ、その強力さが受けているのか、天ノ型に次いで人気があります。
▲天ノ型は溜め斬り上げや抜刀ダッシュを使いこなすことで、他の武器種にはない機敏な立ち回りが可能。 |
――嵐ノ型は上手な人が使っている多い印象です。
モンスターの攻撃を見切って光剣モードを維持させられる人だと、一番ダメージを出せる型ですね。ただ使いこなすにはハードルの高い型だと思います。
▲嵐ノ型の光剣モードは、剣モードを上回る攻撃力が特徴。 |
――天ノ型と嵐ノ型の趣(おもむき)は、地ノ型とかなり異なっていますが、どういった形で誕生したのでしょうか?
スラッシュアックスを『MHF-G』に組みこむことが決まった時、どのような形にするのがいいかという話になりました。シンプルに本作のモンスターに対応させた形で入れるという案もありましたが、「新しい体験も入れたいよね」という声もありました。
元々のアクションが好きな人はいるはずなので、地ノ型はスタンダードなものにしようと決まりました。そして残りの2つの型は同じ武器種でありながら、どこまで違いを出せるかに挑戦しようというコンセプトから動きだしました。
――どのような点を意識して作ったのか、具体的に教えてください。
天ノ型は“とっつきやすさ”です。比較的シンプルな操作性になっているので、今まで使ったことがない人でも使いやすいと思います。
反対に嵐ノ型はやり込み。ガード吸収はタイミングがシビアですが、うまく使うと多段攻撃も連続でガードできます。当然、モンスターごとの動きを見極める必要があるので、ゲームをやり込めばやり込むほど味の出るスタイルに仕上がったかなと。
――天ノ型も“スラッシュ回避”を使いモンスターの攻撃を回避しようとすると、通常の回避動作とのタイミングの違いで難しいですよね。
通常の回避動作とはちょっと違うので慣れが必要だと思います。ただ、スラッシュ回避で回避して“溜め斬り上げ”を狙えるようになると、一気にダメージ効率が上がると思います。
――まだスラッシュアックスFを使っていない人に向けて、各スタイルでオススメの立ち回りなどをお願いします。
地ノ型は本来のアクションを踏襲したスタイル。そのなかでも“属性解放突き”の威力や発動までの時間は思い切った調整をしています。属性解放突きを当てられるタイミングを理解できるとダメージ効率が上がっていきます。
――属性解放突きは強くなっていると感じました。
かなり強くしました。最後まで当てられると大ダメージを叩き出せます。天ノ型はスラッシュ回避をどこまで使いこなせるか、というところにつきます。モンスターに張りつきながら溜め斬り上げを狙いつつ、ゲージが足りなくなったら隙をみてリロード。そして溜めながら近づいて攻撃など、臨機応変な立ち回りが魅力です。
――地ノ型やこれまでの武器種とは、ガラッと違うスタイルですね。
スラッシュゲージを使った抜刀ダッシュがあるので、スタミナが減少する代わりに攻撃力が上昇する“闘覇”などを組み込んだ立ち回りが、研究されているようです。
嵐ノ型はガード吸収をどう成功させるかがキモ。他の武器種のガードとはタイミングや持続時間が異なるので、ギリギリまで引きつけてガードするのがコツです。そして光剣モードを発動させたら“光剣連続斬り”を狙いつつ、モンスターの攻撃はガード吸収でガード。モンスターが大きなスキを見せたら大技の“属性吸収大解放”を狙っていきましょう。
――ガード吸収はスキル“ガード性能”で持続時間が延びるなど、スタイルによってスキル構成もだいぶ異なります。
今もユーザーさん側で研究が進んでいるようです。そこもスラッシュアックスFの遊びとして楽しめる要素だと思っています。
――研究されるスピードは想定と比べてどうでしたか。
想定より早かったです。途中からは想定を超えてきたので、これから先どうなっていくか楽しみですね。
――新しい武器種が追加されると、既存の武器種にも影響があると思うのですが、現状ではいかがですか?
先ほどの話と少しかぶりますが、すべての武器種を使ってもらい、いろいろな組み合わせを楽しんでもらいたいというのが本音です。そこで今年中に新しいスタイルを実装し、すべての武器種を使ってもらえるようにしたいと考えています。
――その第4のスタイルについて教えてください。
今、まさに詰めているところです。僕としてはいろいろな武器種を使ってほしいという意味合いが強く、すべての武器種を使ってもらえるように調整しています。いつとは言えませんが、どこかのタイミングでユーザーさんに体験してもらう機会を作り、開発にフィードバックしていきたいと考えています。
――4つめのスタイルが強いというわけではなく、武器種やスタイルなど、全体的に調整が入るのでしょうか?
まずは「4つ目のスタイルを使ってみたい」と思えるものに設計しています。とはいえ、現在あるスタイルが使い物にならなくなるということにはなりません。そもそもスラッシュアックスFはまだ実装したばかりですし。
――名称はどうなるのでしょうか?
まだ決まっていません。よいのがあれば募集するのもありかなと。
――今後の武器種に関する調整は、新しいスタイルの追加と同時に行われるのでしょうか?
まずはスラッシュアックスFに調整が入ります。想定よりスラッシュゲージの管理がシビアだったので、リロード関係やゲージの溜まるスピードを変更する予定です。
――今はスキル・集中の発動がほぼ前提になったバランスになっていますね。
集中自体に、意味がなくなることはないと思いますが、なくても管理しやすくなります。
ナルガクルガは思い入れが違う!? 新モンスターについて言及
――グァンゾルム、ナルガクルガ、オオナズチといった新モンスターの反響について教えてください。
グァンゾルムやオオナズチはとくに顕著ですが、モンスターのアクションへの対処法を理解することが重要になります。初見では大変だと思いますが、日を追うごとにクエストの成功率が上がっていました。ユーザー間で研究も進んで、新しいモンスターをどう料理してやろうとモチベーションも高かったようです。
▲小型の飛竜・エギュラスを操り、多彩なアクションでハンターに襲いかかるグァンゾルム。 |
――初見のオオナズチは何をされているのか分からず、3回力尽きてしまいました。
あれはちょっとやりすぎたかなと(笑)。決してどこまでも討伐できないというわけではないのですが、慣れてきても油断しているとやられてしまいます。攻め方がわかるまでは厳しいけど、分かるとラクになるというのは意識していますね。
▲オオナズチは、伸ばした舌でハンターを引き寄せ、そこから連続攻撃を繰り出す。多くのハンターを苦しめた。 |
――G級対応のモンスターは古龍種が続いていますが、これは狙っていたのでしょうか?
グァンゾルムが古龍を率いるようなイメージだったので、他の古龍も影響を受けて強くなるのはおもしろいだろうという流れで、古龍祭り的な感じにさせてもらいました。
――ナルガクルガについてはどうでしょう?
これまでの遷悠種は既存のイメージを壊さないようなものが多かったと思います。ただ、ナンバリングからの変化を強調したほうがユーザーさんに楽しんでもらえると思い、青いオーラや残像をともなうアクションなど思い切った変化を加えました。
結果としてもとのナルガクルガのよさを残しつつ、変えるところはしっかり変えられたかなと。ユーザーさんからもそういった意見をいただいています。
――単純にすごく強くなったという印象もありました。
ナルガクルガは人気も高く、いろいろなタイトルに登場してきたため、攻略しきった感があったと思います。でも「攻略はまだ終わらないよ」というテーマは実現できたようです。
▲毒トゲを雨のように降らせるアクションや、怒り状態時にまとう青白いオーラなど、これまでにはない特徴を持った『MHF-G』のナルガクルガ。 |
――G級ナルガクルガは多くのハンターが苦労していました。
実は『モンスターハンターポータブル 2nd G』でナルガクルガを担当していたため、思い入れの強いモンスターなんです。元々ナルガクルガのコンセプトに、『モンスターハンターポータブル 2nd』をやり込んだ人にさらなる攻略を楽しんでもらう、というものがありました。
そのため、ハンターの後ろに回り込むなど、画面外からのアクションが特徴になっているのです。このあたりを把握している人だとすんなり討伐できるのですが、未経験者にとっては厳しかったようですね。
――そのうえで、死角からの攻撃が多くなっていると感じました。
アクションゲームでは画面外からの攻撃は嫌われる傾向がありますが、これまでの積み重ねがあるため、思い切って入れた要素です。
――これまでと比較すると動きが激しくなっており、慣れているとかえって攻撃を食らってしまうというシーンもありました。
慣れるまではちゃんと画面内に収めるのがコツですね。これまでのナルガクルガよりも一段階難しいアクションになっていますが、そのあたりを楽しんでもらえたかなと思います。
――装備や装飾品で好評だったものは?
4月21日から5月31日まで集計しましたが、一番作られた武器はグァンゾルムのG級スラッシュアックスF、次点は始種武器のスラッシュアックスFでした。それ以外にはジェビアバオシン、グリムキャットといった麻痺属性のスラッシュアックスFに人気が集まっていました。
――他のモンスターの武具についてはどうでしょう?
オオナズチの大剣・ネブララガルドが作られていました。毒と龍属性の大剣が少なかったのが理由かと。防具はG10から入手緩和したリアルオシリーズですね。精錬して使っている人も多いと思います。
グァンゾルムの防具だと剣士は胴と腕、ガンナーは頭の部位が多く作られていました。おそらく剣士は胴と腕でスキル・消費特効を発動させる、ガンナーは装飾品にしてスキルを組み込んでいるようです。
――消費特効は弓との相性がいいですからね。剣士系の評判はどうでしょうか?
今までと違うベクトルの火力アップということで注目してもらっています。剛撃、一閃、可能なら閃転や秘伝スキルを組み込む。斬れ味が落ちてもどうということはない、というノリで運用している人が多いようです。
――先行体験会でエグゼクティブプロデューサーの杉浦一徳さんが「こういったモンスターモチーフの防具は人気が出ない!」と発言していましたが……。
どうだ、見たかと! ウソです(笑)。でも、好評でホッとしています。
――オオナズチの装備なども追加されていますが、最近はスキルポイントの炎寵を付与する防具&装飾品が多い気がします。
特に押している理由はないのですが、確かに多いかもしれませんね。
――スキルの優先順の問題でスキル・集中が消えがちになるので、新防具をコーディネイトに組み込むと“紅焔の威光”を発動させないようにするのに苦労することがあります。
今後の装備は少し考える必要がありそうですね。
――クシャルダオラ以降に追加されるモンスターについて、話せる範囲で教えてください。
まだ明言できませんが、始種や遷悠武器は属性がそろっていないので、そのあたりの選択肢を広げたいと思っています。あとはG級対応していないモンスターにも手を入れていきたいですね。
――今村さんお気に入りのタイクンザムザも候補に?
個人的には入れたいところですが、甲殻種は人気が高くないのも事実(笑)。どうにかして開発を説得していきたいと思っています。
――遷悠種は水と龍属性が出ていませんね。
そうですね。基本5属性の武器は早めに出したいと思っています。
賛否が分かれた各種リファイン
――ハンターランク帯の緩和について反響はどうでしたか?
昔からプレイしていただいているユーザーさんからは「昔はもっとしんどかったのに」という意見もいただいていますが、概ね好評です。オンラインゲームで昔の苦労話は、盛り上がるネタにもなりうるものだと思っています。
今回のリファインによってランク上げにかかる時間もギュッと短縮され、多くのユーザーさんがG級ハンターに昇格しました。人口分布もG級にグッと寄った形になっています。前述の通り、できるだけ4人パーティでクエストに挑んでほしいので、ある程度理想の形に近づいたかなと思います。
――既存ユーザーもSR帯のランク上げが必要なくなるといったメリットがありました。
そうですね。新規ユーザーや特定の武器種しかやってこなかった方からはポジティブな意見をいただいています。また、新規ユーザーが入りにくくなると結局はコンテンツの寿命を縮めてしまうので、総合的に見るとすべてのユーザーさんにメリットがある調整だったと思います。
――復帰猟団の利用状況はどうでした?
実装後、復帰&新規ユーザーさんの95%の方が復帰猟団に加入してくれました。残りの5%は元の猟団があったのだと思います。G10と同時に復帰された方はもう復帰猟団から巣立たれた人が多いと思いますが、既存の猟団や復帰猟団で知り合った人たちと新たな猟団を作って楽しんでほしいですね。
――復帰猟団メンバーのランクアップ状況などが伝えられるのは、連帯感が生じてモチベーションにもつながると感じました。
“周りにプレイヤーがいる”という感覚はオンラインゲームで重要な要素ですからね。そういった効果もあったと思います。
――かんたん操作モードはどうでしょうか。
これはまだデータが取りきれていない要素です。もともとゲームパッドに慣れている人はそちらのほうがスムーズに遊べるかもしれません。
――そもそもかんたん操作はどういった経緯で導入されたのでしょうか?
現在『MHF-G』はハンターランク4まで無料で遊べるのですが、ゲームパッドがないと遊べないというのでは、気軽に体験できるとは言えません。
PCで始めようという人は必ずしもゲームパッドを持っているわけではありません。そのため、マウスがあればとりあえず遊べる環境を提供したかったというのがあります。
――片手剣以外の武器種が追加される予定はありますか?
片手剣の操作自体もまだまだ詰めるところがあるので、まずはそちらが終わってからですね。
――マイセットでスキルカフが登録できるようになりましたが、遷悠武器の装飾品がマイセットに登録されるようにはなりませんか?
現状はシジルを外すコストがかかるので……。すぐにできる問題ではないですが、要望として持ち帰らせていただきます。
――今回のリファインは成功の部類と考えているのでしょうか?
新しく遊ぶきっかけを作れた、という点では成功だと考えています。ただし戻ってきていただいたハンターに、継続して遊んでもらうために足りない部分があることが散見しています。今後は武器や防具を作っていく過程をもっとスムーズに、そしてパーティプレイを遊びやすくなるようなリファインを考えています。
各種コラボイベントや9周年イベントについて
――天廊遠征録のリファインについて教えてください。
ゲーム性の向上や問題点の解決のため、少しお時間をいただく形になります。ただ、どこかで天廊遠征録限定の素材を手に入れられる機会も作りたいと思っています。
――天廊遠征録の問題点はなんだったのでしょう?
原因がわからない不具合が報告されています。例えば、ユーザーさんからの意見だと“天廊遠征録の開催中になるとラヴィエンテが見えなくなる”などの不具合です。現状は再現できないので不具合の原因が分からず、開催していない期間中の調査では原因解決できそうもないため、本格的に調べようということです。
――ランダム性の高さなどが影響あるのでしょうか?
それも不明です。ただデータ的にはクエストごとに切り離されているので、クエストに入る前が影響あるかもしれません。
――“天廊の番人”もパワーアップして帰ってくるのでしょうか?
会いたい人も多いと思うので、1日も早く会えるようにがんばります。
――『逆境無頼カイジ 破戒録篇』とのコラボは大きな反響があったのではないでしょうか?
注目を集めることは十分できたと思います。また、ゲームのなかで限定ジャンケンや鉄骨渡りができるなど、遊びの部分も楽しめてもらえたようです。コラボはせっかくの機会なので、今後も注目されるものをしかけていきたいですね。
▲防具はカイジ/美心シリーズ。他のハンターから注目されそうな防具だ。 |
――ここまで遊べるとは思っていませんでした。
もともとここまでやる予定はなかったのですが、メインプログラマーと談笑している際に「やるか」と。そこからいろいろな人に声をかけたら思いのほかノリノリで、あのような形になりました。
――悪ノリが許されるコラボであったと思います。
コラボ装備が手に入るだけではなく、一歩踏み込んだものを提供していきたいというのはつねに考えています。開発中の話ですが、「次はグーを出すから」「いや、絶対出さないだろ!」と、キャッキャしながら確認していました。盛り上がりすぎてチェックが遅れるかと思いましたよ(笑)。今後もいろいろと仕込んでいきたいですね。
――アプリ『モンスターハンター エクスプロア』とのコラボが始まっていますが、アプリで手に入るコラボ装備のモンスターがなぜバルラガルになったのですか?
“今回はバルラガルに白羽の矢が立った”と考えてください。これからもお互いのタイトルを楽しんでもらうため、いろいろと連携していく予定です。
▲『MHF-G』に登場する喰血竜(がけつりゅう)バルラガル。他の生き物から血を吸うことで、自身の属性を変化させる。 |
――生産できるソルフレアシリーズをご覧になっていかがでしたか?
率直な意見ですが、燃えていてカッコイイですよね。外では携帯アプリ『エクスプロア』、家では『MHF-G』をプレイとなってもらえるとありがたいので、そのきっかけを作れればと思います。
▲炎のエフェクトが特徴のソルフレアシリーズ。 |
――4月末にCOGの3タイトルを対象としたキャンペーンが行われましたが、こちらはいかがでしたか?
まだ試行錯誤の途中です。難しいのがスマートフォンは持っているが、PCを持っていない人がいる。ハードの壁は感じています。逆のパターンはあまりないので、そういった人にもっと積極的にアプローチできればと考えています。
――『ドラゴンズドグマ オンライン』とユーザーの行き来はどうでしょうか?
行き来はあります。ただアップデートのタイミングは考える必要があると感じています。4月末はそれぞれのタイトルでアップデートがあり、集中してプレイしたい時期が重なってしまいました。
今後はアップデートの時期を考慮するなど、どちらもプレイしていただけるようなサイクルを作っていきたいです。
――そろそろ9周年が近づいてきていますが、イベントやキャンペーンなどの予定はありますか?
恒例のアニバーサリーイベントは実施する予定です。また、期間中に狩人祭が100回目を迎えるので、コチラも盛り上げていきたいと思います。このタイミングで復帰する人に対する施策も予定していますのでご期待ください。
――最後にユーザーに向けて一言お願いします。
G10を迎えてゲーム内環境を大幅に変えさせてもらいました。多少強引さも感じている人もいると思いますが、みんながパーティプレイを楽しめる環境作りを目指しています。もちろんそういった状態になっていない部分もあると思いますので、そこは意見を寄せてもらえれば幸いです。
これまで以上にみんなで遊べる『MHF-G』を目指していきたいと思うので、引き続きよろしくお願いいたします。
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