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「人生はオナラみたいなものさ」と語るイタリア人・ファビオさんが生み出した『スプラット・パチンコ』は、やたら楽しく中毒性マシマシなパチンコ×ローグライク【TGS2026】

文:スズタク

公開日時:

 千葉県・幕張メッセで開催された“東京ゲームショウ2026(TGS2026)”。そのItaly Pavilion(ホール5、05-C07ブース)で遊べたStratos Gamingの新作『スプラット・パチンコ(SPLATCHINKO)』の開発者インタビューをお届けします。

▲つづりの通り読んだら『スプラットチ……』。いえ、これで『スプラット・パチンコ』と読むのです。
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 本作はイタリア発のインディーゲームで、パチンコにターン制ストラテジーやローグライク要素を組み合わせた作品。恋に燃えるエイリアンが愛する彼女を救うため、銀河を駆けめぐって敵の惑星と戦いを繰り広げます。

 インタビューのお相手は、本作の開発者であるFabio Taurisano(ファビオ・タウリサーノ)さん。ユニークなビジュアルと設定の本作を生み出すうえでこだわった点や、モノ作りにおける独自の考え方などをうかがいました。

▲『スプラット・パチンコ』を開発したファビオ・タウリサーノさん。

フリッパー好きが高じて2人で開発した『スプラット・パチンコ』

――イタリア出身のファビオさんが、パチンコ題材のゲームを作ろうとしたきっかけから聞かせていただけますか。

ファビオ・タウリサーノさん(以下、敬称略)
私は昔からフリッパーピンボールが大好きで、『マジンガーZ』をはじめとした日本のカルチャーにもすごく興味を持っていました。

 『スプラット・パチンコ』を作る際、フリッパーという名称よりも日本でなじみ深いパチンコという名前をつけたいと思い、このようなタイトルになりました。

――イタリアのゲームユーザーのなかで、パチンコの知名度は高いのでしょうか?

ファビオさん
知名度は高くないです。とくにパチンコは全然ですね(笑)。


――『マジンガーZ』がお好きとのことですが、ビデオゲームのなかでとくに好きなものはありますか?

ファビオさん
挙げるとしたら『Outer Wilds』です。あの作品には多くのインスピレーションをもらっていて、あれくらい真剣なゲームを作りたかったんだけど……なぜか『スプラット・パチンコ』はまったく違うものになりました。

――本作はインディーゲームとなりますが、ファビオさん含め何人で制作されたのでしょうか?

ファビオさん
キャラクターのデザインは友だちが描いてくれましたが、ゲームの構成やゲームデザインなどは私1人でやっています。なので、実質2人で作っているようなものですね。

 ちなみに、開発会社であるストゥピディ・ピクセルは私1人だけの会社です。

下ネタ大好きイタリア人の感性が随所に盛り込まれる

――いわゆるパチンコというと上から下に玉が落ちていくのが一般的ですが、『スプラット・パチンコ』は玉が画面の左から右へ流れていきます。このようなデザインにした理由とは?

ファビオさん
一番の理由は、やはりモニターが横長だからです。上から下に玉が落ちる縦向きの画面よりも、横に流れていくほうがキレイに映ります。


 本作には惑星がたくさんあって、その惑星の引力でパチンコ玉が流れていくのを表現したかった、というのも横向きにした理由のひとつです。

――プレイヤーが使用できる目玉(パチンコ玉)や突然変異(スキル)の種類が豊富で、試遊していても非常に楽しいポイントだったのですが、制作側としては苦労したのではないでしょうか?

ファビオさん
キャラクターが撃つ弾が変わっていかないと、高得点が取れないゲームになってしまいます。突然変異やキャラクター自体も同じで、どんどん進化していかないことにはゲーム性が増していかない。

 目玉や突然変異の種類を豊富にすることは必然的だったので、作るのはそこまでたいへんではありませんでした。


 ゲームを突き詰めて最終的な段階になると、1回のプレイでものすごいポイントに達することもあります。目玉と突然変異のコンビネーションがうまくいけば、1つの弾だけで1000万くらいのポイントを出すこともできます。

――キャラクターデザインがポップな感じだったり、笑える下ネタが入っていたりと、全体的に日本人にも刺さりそうな印象でした。

ファビオさん
イタリア人って下ネタ大好きなんですよ。ユーモアの一種として、話題のなかに下ネタが出てくるのは普通のことです。

 『スプラット・パチンコ』でも、オナラをしているキャラクターが登場したり、ウン●のオブジェクトが出てきたりします(笑)。

 個人的には、トイレに座った状態で現れる“ノンナ”というキャラクターがお気に入りです。イタリア語でおばあちゃんを意味する“nonna”からきています。

▲本作の試遊でもらえる特典。右のステッカーのキャラクターが“ノンナ”とのこと。
――タイトルの『SPLATCHINKO』もユーモアある下ネタの一種……と考えていいのでしょうか?

ファビオさん
これはたまたまです。あるときから日本のフォロワーやユーザーが増えてきて、なんでだろうと思ったら、たぶんこのタイトルが原因かと。

 イタリアでとくに気にせず『SPLATCHINKO』と呼んでいたのですが、日本ではまさか下ネタになっちゃうとは思いませんでした。言葉のあやから起こったことで、本当に狙ってやったわけじゃないです。本当ですよ?

目指すのは“何も考えずに楽しめるゲーム”。8歳の娘がその成果を証明する

――主人公のエイリアンが恋人を救うために銀河を駆ける、という物語とパチンコのギャップがすごかったのですが、どうしてこのような物語にしようと思ったのですか?

ファビオさん
もともと『スーパーマリオブラザーズ』みたいなストーリーを作りたかったんです。主人公がヒロインを助けに行くけど、なかなかたどり着けず、その途中でいろんな敵を倒していく……みたいな。

 『スプラット・パチンコ』は宇宙を壊し、崩壊させてまで大好きな人を助けに行くんですけど、肝心の恋人はほかの人と逃げちゃったりします。人生みたいなもので、うまくいかないんですね、これが。

――本作に限らず、ゲームを作るうえでファビオさんがいつも大事にしていることはなんですか?

ファビオさん
私自身、あんまりゲームに集中した時間が取れません。だからこそ、ゲームの時間は何も考えずただ楽しみたい。

 すごくすごく考えてプレイするよりも何も考えずに遊べるゲーム、その時間だけでもただ楽しめるゲームというのを作るよう心掛けています。

――ルールもシンプルで、ファビオさんの言う「何も考えずに遊べて、その時間だけでもただ楽しめる」という狙いはきちんとわかりました。


――サウンドも昔のファミコンチックで、惹かれる人が多いという印象でした。

ファビオさん
私はピクセルアートが大好きで、こういうピクセル系のデザインにはああいう曲や効果音のほうが合うなと。


――本作を発表したあとに、まわりからはどのような反応がありましたか?

ファビオさん
発表直後はそこまでたくさん感想とかはもらっていないんですけど、遊んでくれた方からは楽しかったという声をもらっています。

 私にとって一番大きく大切な感想は、娘からのものなんですよ。8歳になる娘でもこのゲームを最後まで遊べた、というのが私のなかで一番の達成感でした。

――子どもでも遊べる難しくないゲームという何よりの証拠ですね。

ファビオさん
日本のユーザーにもぜひ遊んでほしいです。……でも、日本だと小さい子にはちょっとゲーム名を口に出しにくいかもしれませんが(笑)。

――このようなエキセントリックな作風は、日本人でも好きな人が多いと思います。最後に、日本のユーザーに向けてひと言いただけますか。

ファビオさん
なんでもかんでもあまり真剣にとらえないで。人生ってオナラみたいなものだからさ(笑)。
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